宮崎県は、海洋性気候の影響を受けて、年間を通して気候が温暖なことで知られています。日向灘に臨む日南海岸には県木ヤシ科のフェニックスが植えられており、冬に訪れても南国気分を味わうことができる観光地です。
今回は、冬でも南国情緒がある宮崎県の観光スポットの中から、定番から穴場までおすすめの観光名所を8つ紹介します。

冬期限定!神秘の里「高千穂町」へ夜神楽を見に行こう

高千穂神社_宮崎県
宮崎県最北端にある高千穂町は、日本建国にまつわる「天孫降臨」の神話と天照大神が洞窟に隠れたという「天岩戸」伝説が残る町です。古代の遺跡もあり、紀元前4000年頃から人々が暮らしていたということがわかっています。
長い歴史がある高千穂町には様々な観光名所があります。その中の1つが、高千穂の町の歴史や文化を学ぶことができる神楽です。
高千穂町で鑑賞することができる神楽は2つあります。1つは、年中無休の「高千穂神楽」です。もう1つは、国の重要無形民俗文化財指定になっている「高千穂の夜神楽」です。
どちらの神楽も、高千穂町にゆかりのある天照大神などが出てくる日本の神話と伝説が題材になっています。集落の踊り手は、33番まである舞を通して山から降臨してきた神と戯れます。
毎日鑑賞することができる高千穂神楽は、高千穂神社境内の神楽殿で夜20時から奉納されます。高千穂神楽は、33番まである神楽の中から、4つの代表的な舞だけを鑑賞できるダイジェスト版の夜神楽です。所要時間は1時間ほどで、予約なしで鑑賞できます。
一方の「高千穂の夜神楽」は、毎年11月から翌年の2月にかけて開催される冬の期間限定の神楽です。この夜神楽は、高千穂町内の20の集落が舞台になっており、33番ある全ての神楽が夜通しで舞われます。
この伝統的な夜神楽を楽しむには、3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント1は、集落ごとに踊りが異なるため訪れる先々で違う舞を堪能できるということです。
ポイント2は、神楽の中で最も重要とされている天孫降臨の神話を題材とした1番から7番までの舞「よど七番(よどななばん)」です。その中でも、「神降(かみおろし)」「鎮守(ちんじゅ)」「杉登り(すぎのぼり)」の3つの舞は見逃せません。
ポイント3は、夜神楽の山場である「岩戸五番」です。洞窟に姿を隠した天照大神が、天鈿女命(あめのうずめのみこと)の舞を見て大笑いする他の神々の様子が気になり、思わず姿を現わしたという天岩戸伝説を扱った舞です。とても人気のある舞で、この舞は夜明け頃に奉納されます。
夜神楽の日時は、例年10月頃に高千穂観光協会の公式サイト等を通して発表されます。冬の宮崎県への旅行を計画しているなら、ぜひこの本格的な神事・夜神楽を鑑賞しに高千穂町へ行ってみましょう。

住所
〒882-1101 宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井809-1(高千穂観光協会)
電話番号 0982-73-1212(高千穂町企画観光課)
0982-73-1213(高千穂町観光協会 休日・祝祭日も可)
営業時間
アクセス 宮崎空港より東九州自動車道経由で約2時間

渓谷美に癒される国の名勝・天然記念物「高千穂峡」

国の名勝・天然記念物に指定されている高千穂峡は、宮崎県を代表する観光名所で、全国から多くの人が訪れています。50mから100mほどの高さがある柱状節理に囲まれたV字型の渓谷美は、阿蘇山の火砕流が長い年月をかけて浸食した結果生まれました。この美しい景色は、遊歩道を使って気軽に眺めることができます。
渓谷を違うアングルから楽しみたい場合は、遊覧貸しボートを利用しましょう。7キロにわたる断崖の合間をボートですり抜けることができます。このスリリングな体験は、ボートでしか味わうことができません。遊歩道や「真名井の滝」の滝見台からの眺めとは異なり、ボートから見上げる渓谷は迫力満点です。
他にも、神話の舞台となった「おのころ島」「月形」「鬼八の力石」なども間近からじっくりと見ることができます。
また、冬の高千穂峡では真名井の滝が凍り付く「氷瀑」と呼ばれる現象が見られるかもしれません。ぜひ、夏の真名井の滝とは違う風景を堪能しに、高千穂峡へ出かけましょう。

住所
宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井御塩井
電話番号 0982-73-1213(高千穂町観光協会)
営業時間 貸しボートの時間 8:30~17:00(※最終受付16:30)
アクセス 宮崎空港より車で約2時間

神話の世界に触れ合える「天岩戸神社」


宮崎空港から車で約2時間の場所にある高千穂町には、古事記、日本書紀にゆかりのある観光名所が点在します。「天岩戸神社」もその中の1つです。天岩戸神社は、西本宮、東本宮,天岩戸神社 天安河原などから成っています。
西本宮のご祭神は大日霎尊(おおひるめのみこと)、東本宮のご祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)です。この2つご祭神の別名は、天照大神(あまてらすおおかみ)です。なぜこの神社のご祭神として天照大神が祀られているのかというと、天岩戸神話にゆかりがある場所だからです。
天岩戸神話というのは、天照大神の弟である素戔嗚命(スサノオノミコト)が地上においてひどい悪さをするために、そのことに怒った天照大神が洞窟の中に身を隠してしまったという話です。この神話に出てくる天照大神が隠れたという洞窟が境内に残っていて、見学をすることができます。
他にも境内には岩戸地域から出土した土器などが展示保存されている天岩戸微古館や、天岩戸神話に登場する手力男命戸取像と天鈿女命像があります。
また、天岩戸神社は、11月から2月にかけてのみ行われる夜神楽の舞台1つになっています。天岩戸神社の夜神楽「天岩戸夜神楽三十三番大公開祭」は、例年11月3日に開催されます。
冬の宮崎観光は、夜神楽を鑑賞できる天岩戸神社を中心に計画をたててみてはいかがでしょう。

住所
宮崎県西臼杵郡高千穂町岩戸1073番地1
電話番号 0982-74-8239
営業時間
アクセス 宮崎空港から車で2時間8分ほど

島まるごとスピリチュアルスポット 神話の舞台である「青島」


青島は、宮崎県宮崎市の日向灘に浮かぶ島です。亜熱帯性植物に覆われており、冬でも南国気分を味わえます。
かつて青島は、神聖な場所であったため一般人は一切立ち入ることができませんでしたが、現在は海岸に架けられた弥生橋を渡り、島へ入ることができます。ただし、この橋は徒歩でしか渡ることができません。周囲約1.5㎞の島の海岸線は、液状岩と呼ばれる奇岩からできています。この海岸線は、「鬼の洗濯板」と呼ばれ、国の天然記念物に指定されている景勝地です。
島の中心部には、青島神社が建っています。神社の創建は不明ですが、平安時代に編纂された国司巡視記に神社の名前が記載されていることから、長い歴史がある神社であることがわかります。
神社のご祭神は、彦火火出見命・豊玉姫命・塩筒大神の3神です。彦火火出見命と豊玉姫命は夫婦の神様であることから、縁結び、安産などのご利益があるといわれています。
青島神社の見どころの1つに「日向神話館」があり、青島が舞台である神話「海幸彦・山幸彦」をはじめとする12の神話が蝋人形によって再現されています。青島神社のご祭神の1人である彦火火出見命の別名は、山幸彦です。
その他の見どころとして、平瓮(ひらか)と呼ばれる土器を投げて運を占うことができる「天の平瓮投げ」、奉納された絵馬でできたトンネル「祈りの古道」、紙縒(こより)を結ぶことで祈願が叶うとされる「産霊紙縒(むすひこより)」などのパワースポットがあります。
かつては聖なる場所であったため一般人の上陸が許されていなかった青島へ、パワーをいただきに行ってみましょう。

住所
宮崎県宮崎市青島
電話番号 0985-21-1791 (宮崎市観光課)
営業時間
アクセス 宮崎空港よりひむか神話街道/宮崎南バイパス/国道220号、ひむか神話街道/青島街道/県道377号 経由で約13分

風光明媚な景勝地 運試しもできる「鵜戸神宮」


国指定名勝「鵜戸」の一部である鵜戸神宮は、奇岩や鵜戸崎灯台などのある日向灘に面した鵜戸崎岬に建っています。本殿は岬中腹の洞窟にあり、そこへ続く参道は岬の崖沿いにあるため、奇岩や絶景を見ながら向かうことができます。
一般的な神社は、参道から社殿まで上り道もしくは平坦ですが鵜戸神宮は下り道です。このような神社の形式を「下がり宮」といい、群馬の貫前(ぬきさき)神社、熊本の草部吉見神社と並んで日本三大下り宮と称されています。
鵜戸神宮の主祭神は「ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト」です。この神様は神武天皇の父であり、神話「海幸彦山幸彦」で知られる山幸彦の子供です。父にあたる山幸彦は、同じ日南灘沿いの青島神社に祀られています。
本殿そばには「おちちいわ」と呼ばれる伝説の岩があります。この岩の清水で作られた「おちちあめ」で「ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト」が育ったという言い伝えがあり、安産や育児のご利益があるとされています。
また、鵜戸神宮では運試しをすることができます。本殿そばにある亀石のくぼみに「運玉」と呼ばれる石を投げてうまく収まると願いが叶うといわれています。男の人は、左手、女の人は右手で運玉を投げるというルールがあるので、それを守って運試しに挑戦してみましょう。
ぜひ風光明媚な鵜戸神宮で運試しをしてみてください。

住所
宮崎県日南市宮浦3232
電話番号 0987-29-1001
営業時間 4月~9月 6:00~19:00
10月~3月 7:00~18:00 ※現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため 開閉門時間が変更されています。
10月~ 6:00~17:00
URL http://www.udojingu.com/
アクセス 宮崎空港より路線バス日南行・飫肥行・都井岬行で約60分。鵜戸神宮前下車後、徒歩約10分。

イースター島公認のモアイ像に会える!「サンメッセ日南」

サンメッセ日南_宮崎
冬でも暖かい宮崎県だからこそ、おすすめしたい観光名所があります。それは「サンメッセ日南」です。ここは日南海岸ロードパーク沿いにあるテーマパークで、園内には9つの見どころがあります。
その中でも忘れてはならないのが、7体のモアイ像。これは世界で初めてイースター島の長老会から許可を得て完全複製し、設置されたものです。5.5mの高さがある巨大なモアイ像は、手で触れることができ、それぞれに異なるご利益があるとされています。
広大な敷地に点在する見どころは、遊歩道で結ばれています。5人乗りのレカートを借りることもできるので、高齢者や小さなお子様連れでも気軽に園内を周遊できます。
敷地内には海を眺めながらランチができる「南洋レストランnoa・noa」があるので、園外に出ることなく手軽に食事ができます。また、岩盤浴施設「嵐の湯」もあるので、旅の疲れをとるのに利用するのもいいでしょう。
ぜひ、本来であれば遙か南海の孤島でしか見られないモアイ像に出会うため、サンメッセ日南へ行ってみましょう。

住所
〒887-0101 宮崎県日南市大字宮浦2650
電話番号 0987-29-1900
営業時間 9:30~17:00 (年末年始・ゴールデンウィーク・お盆・祝祭日につきましては、通常営業致します)
URL http://www.sun-messe.co.jp/
アクセス 宮崎空港から車で約40分

名物ソフトクリームで小休憩にぴったり「道の駅フェニックス」


道の駅フェニックスは、宮崎空港から車で30分ほどの場所にある、日南海岸の入口「堀切峠」にある施設です。
施設は3階建てで、1階に物産館、2階にレストラン、3階に展望・情報フロアがあります。海岸に面した2箇所に展望デッキが設けてあり、日南海岸の人気観光名所の1つ奇岩・鬼の洗濯板を眺めることができます。
施設から海岸までは、徒歩で5分ほどです。遊歩道が整備されているので、気軽に行くことができます。干潮時には鬼の洗濯板の上を散歩することができるので、潮のタイミングを見計らって訪れてみるとよいでしょう。
風景を見るのもおすすめですが、道の駅フェニックスで外すことができない楽しみの1つに、名物のソフトクリームがあります。
ソフトクリームの味は、「みやざきマンゴー」「プレミアム日向夏」「明日葉」「ミルク」の4種類です。どの味も南国・宮崎らしさを感じられるものとなっています。テイクアウトのみですが、海側にベンチが設置してありますので、海を眺めながらソフトクリームを堪能できます。
日向灘の風景を満喫した後は忘れずに、1階物産館に立ち寄りましょう。ここでは、宮崎の特産品や道の駅フェニックス限定の「宮崎マンゴーリングケーキ」などを購入することができます。きっと、宮崎旅行の思い出となるお土産に出会うことができるでしょう。

住所
宮崎県宮崎市大字内海字三池381-1
電話番号 0985-65-2773
営業時間 8:30~18:00
レストラン11:00~16:00 (LO 15:00)
URL http://michinoekiphoenix.jp/
アクセス 宮崎空港から車で約30分

大自然の中でウィンタースポーツができる「えびの高原屋外アイススケート場」


えびの高原は宮崎県と鹿児島の境にある高原です。霧島山の火山ガスの影響で、周囲に自生しているススキが「えび」のような色に変色したことから、「えびの高原」と名付けられたといわれています。
標高1200mの場所にあるえびの高原の見どころは、大自然です。春から秋にかけて六観音御池、不動池、白紫池などに多くの登山客が訪れます。
キャンプ村もあり、キャンプを楽しむ人でもにぎわいます。なかでも温泉に入ることができるえびの高原キャンプ村は人気があります。
11月から2月にかけてえびの高原での楽しみは、アイススケートです。週末になると無料のアイススケート教室も開催され、多くの親子連れでにぎわいます。
屋外のスケート場なので、えびの高原の大自然を眺めながらスケートを楽しめます。屋外ではありますが、貴重品ロッカーが設けてあり安心して遊ぶことができます。
手袋、ニット帽などの防寒具を売店で販売していますので、スケートの装備がなくてもえびの高原の観光を兼ねて気軽にスケートが楽しめる冬のおすすめスポットです。

住所
宮崎県えびの市大字末永1489
電話番号 0984-33-5946 えびの高原アイススケート場
営業時間 9:00~17:00(週末・年末年始は時間外あり)
URL https://ebinokogenso.com/skate/
アクセス 宮崎空港より宮崎自動車道経由で約1時間半

まとめ

宮崎県は、景勝地や名勝が多く、美しい風景を楽しみながらの旅行ができる場所です。なかでも冬の時期には神事「夜神楽」も開催され、それを見に行くだけでも価値があります。
今回記事を参考に、冬の宮崎県へぜひお出かけください。

就航している航空会社
ANA(全日空)JAL(日本航空)ソラシドエア(Solaseed Air)ピーチ・アビエーション(Peach Aviation)ジェットスター・ジャパン(Jetstar)オリエンタルエアブリッジ(ORC)

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