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LCC(=Low Cost Carrier)の中でも格安な運賃で定評のあるジェットスターは、キャンセルや払い戻しのルールが複雑です。

この記事では、ジェットスターをキャンセルする際の払い戻しの可否やキャンセル料の有無などについて、詳しく解説しています。
ジェットスターの予約をキャンセルする可能性がある方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

ジェットスターのプランとキャンセル/払い戻しの可否

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ジェトスターのチケットは、利用者が自己都合でキャンセルする場合、購入したチケットの運賃タイプによってキャンセルできないことがあります。
ジェットスターのキャンセルについて解説する前に、まずはジェットスターの運賃タイプについて説明します。

ジェットスターの6つの運賃タイプ

ジェットスターの運賃タイプには、4種類のエコノミークラスと、2種類のビジネスクラスの計6種類があります。
最も安い運賃タイプは、オプションが全くない「Starter」です。

キャンセルの可否や手数料は、ジェットスターのどの運賃プランを選ぶかで事情が変わるため、注意しなくてはなりません。

【ジェットスターの運賃タイプ一覧】

エコノミ―クラス
Starter 基本運賃(オプションなし)
Starter Plus 荷物の機内預かりや一部座席指定、食事などのオプション付き
Starter Flex 日時変更や一部座席指定、フライトバウチャーでの払い戻しなどのオプション付き
Starter Flex Plus Starter Flexの内容+荷物の機内預かり、全座席タイプの指定、出発地と到着地の変更などのオプション付き
ビジネスクラス
Business 荷物の機内預かり、食事や映画などのオプションが付いたビジネスクラスの基本運賃
Business Max Businessの内容+出発地と到着地の変更、ラウンジ利用などフルサービスオプション付き

キャンセルできない運賃タイプ

ジェットスターには、チケットをキャンセルできない運賃タイプがあります。
キャンセルできる運賃タイプはキャンセルした際に料金を払い戻してもらえますが、キャンセルできない運賃は搭乗しなくても料金は払い戻してもらえません

どの運賃タイプがキャンセルおよび払い戻しができるか、またはできないかを一覧表にまとめました。

運賃タイプ キャンセル / 払い戻し
Starter ×
Starter Plus ×
Starter Flex
Starter Flex Plus
Business ×
Business Max

もっとも安い「Starter」を始め、ジェットスターのいくつかのプランはキャンセルできません。
キャンセルできないことは、チケット購入代金の払い戻しができないことを意味します。

飛行機に乗らない場合でもチケット代は戻ってこないため、確実な予定でなければキャンセル可能な運賃を選んだほうが安心です。

払い戻しできるプランの返金形態

ジェットスターには2種類の払い戻し形態があり、プランによってどちらが適用されるか異なります。

運賃プラン 払い戻し形態
Starter Flex フライトバウチャー
Starter Flex Plus フライトバウチャー
Business Max 現金

エコノミークラスのStarter FlexとStarter Flex Plusは、現金での払い戻しではなくフライトバウチャーで返ってきます。

フライトバウチャーについての詳細は後述しますが、ジェットスターでのみ使える電子クーポンのことです。

Business Maxだけは現金による払い戻しが受けられます。
ただし払い戻し手数料(国内線3,000円、長距離国際線4,000円)がかかるため、返金額はチケット代から払い戻し手数料を差し引いた残りの金額です。

プランに関係なく払い戻される料金

キャンセルによる払い戻しが受けられないプランでも、空港施設使用料諸税は払い戻してもらえます。

払い戻されるのは、諸税等払い戻し事務手数料3,000円が差し引かれたあとの金額です。
払い戻し金額が3,000円を下回ると返金されませんが、手数料の徴収もありません。

ちなみに成田空港の空港施設使用料は、国内線が大人1,230円、子供620円です(第1・2ターミナルから出発する場合のPSFC利用料)。

成田空港の例では、事務手数料3,000円より空港施設使用料と諸税の合計額の方が低いため、いずれの払い戻しもなくなります

ジェットスターのキャンセルによる払い戻し申請のやり方

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ジェットスターで払い戻しが受けられるタイプのチケットをキャンセルする場合、払い戻しの申請手続きを行わないと払い戻してもらえません。

払い戻しの申請は、ジェットスターの公式サイト、ジェットスターアプリ、コンタクトセンターのいずれかで行います。
この項では、窓口別の払い戻しの申請方法を紹介します。

WEB・アプリで払い戻し申請をする場合

  1. ジェットスターの公式サイトまたはアプリから「予約の確認/変更」にアクセスします。
  2. ログインまたは「ログインせず予約検索」をします。「ログインせず予約検索」の場合は、予約時に渡された6桁の予約番号の入力が必要です。
  3. 「詳しくはこちら」を選択し、「代替え便/他の選択肢を確認する(払い戻しなど)」の表示が出たら、「他の選択肢を確認する(払い戻しなど)」を選択します。
  4. 払い戻しを受けたいフライトを選べばキャンセルの手続きは終了し、払い戻しを受けられます。

コンタクトセンターで払い戻し申請をする場合

コンタクトセンターに電話するか、ライブチャットを通じてキャンセルと払い戻しを申し込むことができます。

ただし日本語での受付時間は、9時から21時までと時間が限られており、早朝や夜間は対応してもらえません。
英語での対応は24時間受け付けています。

【ジェットスターのコンタクトセンター電話番号】
0570-550-538
050-3163-8538

ジェットスターを無断キャンセルしたらどうなる?

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ジェットスターを無断でキャンセルした場合、キャンセルしたチケットの払い戻しができる運賃タイプか、払い戻しができない運賃タイプかによって対応が異なります。

期限内に手続きしないと払い戻してもらえない

払い戻し可能な運賃タイプであるStarter Flex、Starter Flex Plus、Business Maxの場合、無断でキャンセルしてそのまま何もしないでいると、払い戻しが受けられなくなります。

払い戻し手続きには締め切り時間があり、締め切り時間内にキャンセルの手続きを行わないと払い戻しは受けられないので注意してください。
締め切り時間は、以下のように異なります。

運賃プラン 払い戻し申請の締め切り時間
国内線 国際線
Starter Flex 出発2時間前まで 出発3時間前まで
Starter Flex Plus
Business Max 搭乗予定日の23:59まで

Starter FlexまたはStarter Flex Plusの場合、空港でのチェックインが始まる前までに手続きしてください。
国内線は2時間前、国際線は3時間前です。

Business Maxをキャンセルする場合は、搭乗予定日の23:59までが締め切り時間となります。

どのプランも、ジェットスターの公式サイト、ジェットスターアプリ、コンタクトセンターのいずれかで、キャンセルの手続きと払い戻しの申請を行ってください。

払い戻しできない運賃タイプは無断キャンセルでも問題ない

払い戻しのない運賃タイプであるStarter、Starter Plus、Businessは、無断でキャンセルしても支払った料金が返金されないだけなので、一切手続きする必要はありません

ジェットスターでは、チェックインしなければ自動的にキャンセルとみなされます。
チケット代金は戻りませんが、別途キャンセル料が発生することはないので、改めて連絡しなくてもかまわないのです。

スタッフによるキャンセル手続きの手間や人件費が発生しないことも、ジェットスターの安さの秘訣になっています。

ジェットスターのキャンセル不可プランで払い戻しを受ける裏ワザ!

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エコノミークラスのStarterとStarter Plusは、急な予定変更が発生してフライトをキャンセルせざるを得ない場合、払い戻しができないので支払った料金を丸々失うことになります。

そんなStarterとStarter Plusでも払い戻しが受けられる裏ワザがあります。

「バウチャー払い戻しオプション」を付ける

さまざまあるジェットスターのオプションのうち、払い戻し機能をつけるのが「バウチャー払い戻しオプション」です。

StarterやStarter Plusのようなキャンセルによる払い戻しができないチケットに「バウチャー払い戻しオプション」を付ければ、支払い手数料など払い戻し対象外の料金を除いた金額がフライトバウチャーの形で払い戻されます

フライトバウチャーによる払い戻し申請は、空港でのチェックイン開始時刻までに、ジェットスターの公式サイトの「予約の確認/変更」のページで手続きしてください。

フライトバウチャーとは?

ジェットスターのフライトバウチャーとは、ジェットスターのチケットの購入時、座席指定や手荷物預け等のオプション購入時に、料金の全部または一部に充当できるクーポン券のことです。

ジェットスターの公式サイト、ジェットスターアプリ、コンタクトセンターでチケット代金や諸料金の支払いに利用できますが、ジェットスター以外の旅行予約サイトや旅行代理店でチケット購入する場合は利用できません。

フライトバウチャーは、登録したメールアドレスに送られてきます。
公式サイトやアプリからチケットを購入するときに、フライトバウチャーのバウチャー番号を画面に入力するなどして利用可能です。

コンタクトセンターで購入するのであれば、スタッフにバウチャー番号を伝えてください。

フライトバウチャーの注意点

「バウチャー払い戻しオプション」は、ジェットスターの公式サイトからチケットを予約する際に購入できるオプションで、チケット予約後に申し込むことはできません
また、換金や名義人以外の人への譲渡、転売は禁じられています。

フライトバウチャーには有効期限があり、発行日から183日(約6カ月)以内に使い切らないと失効してしまいます。
従って、フライトバウチャーを無駄にしないためには、フライトバウチャーを受け取ったらできるだけ早く使い切るしかありません。

再びジェットスターに乗る機会がなければ無駄になってしまうこともあるため、払い戻しが受けられるといっても出張の多いビジネスマンなどでない限り、利用しづらい払い戻し形態といえます。

ジェットスターのキャンセルで気をつけるべきポイント

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ジェットスターにはキャンセルおよび払い戻しができないプランがあり、払い戻し可能であってもフライトバウチャーに限定されるなど、特殊な条件が多くあります。

ほかにもキャンセル時に気をつけなければならないポイントがあるため、事前に押さえておきましょう。

受託手荷物のみのキャンセルはできない

払い戻し可能な運賃タイプでは、フライトのキャンセルはできても、受託手荷物のオプションだけをキャンセルすることはできません

例えば受託手荷物のオプションを含んだStarter Flex Plusを予約した後に、荷物を現地に配送したとします。
申し込んだ受託手荷物をキャンセルして飛行機に搭乗したいと思っても、受託手荷物の料金を運賃から切り離して払い戻してもらうことはできません。

受託手荷物のキャンセルを希望するなら、受託手荷物も含めたフライトのすべてをキャンセルする必要があります。

ジェットスターの払い戻しでは、オプションも含めたフライト全体の料金が戻ってきますので、払い戻し対象となるチケットに受託手荷物のオプションが含まれていれば、キャンセルによる払い戻しには受託手荷物料金も含まることになります。

グループ予約でも1人だけキャンセルできる

ジェットスターにて、家族旅行の飛行機のチケットをまとめて予約したあと、家族のうちの1人だけ都合が悪くなってもキャンセルすることはできるのでしょうか。

この場合、予約したチケットが払い戻し可能な運賃タイプ(Starter Flex、Starter Flex Plus、Business Max)なら、搭乗予定者のうちの1人分だけキャンセルすることが可能です。

搭乗できなくなった人には、規定に基づいた払い戻しが行われます。

公式以外での予約は別途キャンセル料がかかることがある

旅行代理店の窓口や旅行予約サイトでジェットスターのチケットを購入した場合は、チケット代とは別にキャンセル料がかかることがあります。

そのキャンセル料は、旅行代理店や旅行予約サイトに対して支払うものであって、ジェットスターに対して支払うものではありません。

キャンセルに伴う手数料が発生するかどうかは、旅行代理店、旅行予約サイトによって条件が異なります。
旅行代理店、旅行予約サイト等でチケットを購入する場合は、キャンセルした時の扱いはどうなるのかを確認しておくようにしましょう。

ジェットスターに乗り遅れたら?キャンセルを含む対処法

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ジェットスターの飛行機に乗り遅れた場合、航空券の購入代金はどうなるのでしょうか。
遅れそうな場合はどうすべきか、キャンセルを含めた対処法を解説します。

乗り遅れても返金はない

予約したチケットがどの運賃タイプであったとしても、飛行機に乗り遅れてしまうと、運賃の返金はありません

飛行機は他の交通機関と違い、飛行機に乗る前に必ず搭乗手続き(チェックイン)を済ませなければなりません。
荷物預けや保安検査、国際線なら出国審査なども加わって、それぞれのチェックには時間厳守が徹底されています。

特にチェックインの時間は厳しく決められており、ジェットスターのチェックインの締め切り時間は国内線が出発時刻の30分前、国際線が45分前で、それ以降は一切受け付けてもらえません。

乗り遅れそうなときはジェットスターへ早めに連絡する

もし、空港に向かっている途中でチェックインに間に合わないと思ったら、できるだけ早く航空会社に電話して相談するといいでしょう。
チェックインの締め切り時間を遅らせてくれることはなくても、何らかの対処法を示してくれるかもしれません。

ジェットスターの場合、万が一チェックインに間に合わなかったとしても、搭乗ゲート集合時間の締め切りまでに搭乗口へ着くことができれば、なんとか飛行機には乗れるようです。
ジェットスターの搭乗ゲート集合時間は、国内線で出発25分前、国際線で40分前です。

搭乗の締め切り時間は、国内線、国際線とも出発15分前ですので、最悪の場合でも、この時間だけは守るようにしてください。

乗り遅れても払い戻しは受けられません。
それでもどうしても乗り遅れそうなら、次のような対策をとることをおすすめします。

払い戻し可能なチケットならキャンセルの手続きをする

ジェットスターの飛行機に乗り遅れることが確定しており、搭乗予定の飛行機のチケットが払い戻し可能な運賃タイプであれば、できるだけ早くキャンセルの手続きをしてしまいましょう。

キャンセル申請の受付の締切時間内に手続きを済ませないと払い戻しが受けられません。

チケットがStarter FlexもしくはStarter Flex Plusの場合、国内線だと出発2時間前が締め切りなので、タイミングによっては間に合わない可能性があります。

寝坊しやすい人は、念のためキャンセルの手続きする時間を締め切り時間から逆算して決めておくといいかもしれません。

可能な場合は後続の便への変更手続きをする

搭乗予定の便に乗り遅れても目的地に向かわなければならないのなら、できるだけ早く後続便に変更する手続きを行いましょう。

出発当日に、同日の後続便に変更ができるかどうかは、ジェットスターの運賃プランによって異なります。エコノミークラスの場合は以下のとおりです。

運賃プラン 出発当日と同日の便への変更
Starter 不可
Starter Plus 不可
Starter Flex 可能(無料)
Starter Flex Plus 可能(無料)

StarterおよびStarter Plusは、予約した日と同じ日の異なる便には変更ができません。上位の2プランであれば、手数料なしで予約日と同日の異なる便に変更できます。

StarterおよびStarter Plusを選択している場合は、日付と時刻の変更を伴う便変更なら可能です。フライト直前に変更すると変更手数料5,000円と割高になるため、遅刻には十分注意しましょう。

まとめ:ジェットスターのキャンセルのしくみを理解しよう

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ジェットスターのキャンセルと払い戻しについて解説しました。
他の航空会社に比べ、ジェットスターのキャンセルおよび払い戻しの扱いは、やや複雑です。
チケットの料金が格安な分、キャンセルによる払い戻しに対しては柔軟ではないと思っていた方がいいかもしれません。

払い戻しを当てにせず、まずはキャンセルしないように日程等を慎重に決めることが大事です。
それでも不測の事態が起き、チケットをキャンセルせざるを得なくなったら、まずはフライトを変更することを検討してみてください。

予約していた便に搭乗できないと分かったら、できるだけ早く手続きをするようにしましょう。