格安な運賃でシンプルな空の旅を提供するジェットスターは、LCC(=Low Cost Carrier)の中でも手荷物のルールが厳しいことで知られている航空会社です。

航空機は、乗客が持ち込む荷物が多いほど機体の重量が増して燃料を消費してしまいます。

燃料にかかる費用は、航空機運航にかかるコストの中でも大きな割合を占めていて、燃料費を抑えることができれば運航コスト全体の削減になるといっても過言ではありません。

そのためジェットスターでは、乗客が持ち込む手荷物のサイズや重量を厳格に制限することで、余分な燃料を消費しないよう機体の重量を軽くし運賃を安くしているのです。

この記事では、制約が多いといわれるジェットスターの機内持ち込み手荷物および受託手荷物(=預け入れ荷物)のルールを詳細に解説しています。

余計な出費をしないよう手荷物のルールを理解し、空の旅を格安な料金で楽しみましょう。

ジェットスターを使って出張や旅行等の予定のある方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

ジェットスターの手荷物は運賃タイプによって料金が異なる

ジェットスターは、乗客が持ち込む手荷物の大きさや重さなどに厳しい制限を設けることで、徹底したコストの削減を図っている会社です。
そのためジェットスターの手荷物のルールは基本的に、荷物のサイズや重量、個数がほんの少しでも制限を超えてしまうと、追加料金を支払わなくてはいけない仕組みになっています。
大手航空会社では大目に見てもらえることが多い荷物の重量オーバーも、ジェットスターでは厳しくチェックされ、超過分の料金が徴収されるので注意が必要です。

追加料金の金額は一律ではない

制限を超えた際に発生する追加料金は、料金を支払うタイミングによって金額が異なります。
例えば、荷物が重量オーバーした時の追加料金を、搭乗当日空港で支払うのと、インターネットでチケットを予約した段階で支払うのとでは、金額に3~4倍もの開きがあります。
ジェットスターでは徹底したコスト削減を図るため、さまざまな作業をできる限りインターネットで行うことを前提としています。
重量オーバーによる追加料金の徴収を空港カウンターで行えば、スタッフの人件費がかかってしまうので、その分の金額を上乗せする形で追加料金を支払う、と考えれば理解できるでしょう。
ジェットスターを利用する際、費用をできるだけ抑えるには、荷物を準備する段階で荷物の大きさや重さが制限の範囲内であるかどうかを必ずチェックすることと、制限を超えそうなら早めに追加料金の手続きをすることの2点が大切です。

手荷物料金は運賃タイプに連動する

飛行機に持ち込まれる手荷物には、機内持ち込み手荷物(乗客が機内まで一緒に持ち込む手荷物)と受託手荷物(飛行機の荷物室に預け入れる荷物)の2種類があります。
ジェットスターの場合、どちらもジェットスターの運賃体系と連動して料金や制約が変わります。
ジェットスターの運賃タイプは、エコノミークラスとビジネスクラスとに分かれています。
さらに、エコノミークラスは「Starter」「Starter Plus」「Starter Max」「Starter FlexiBiz」の4段階、ビジネスクラスは「Business」「Business Max」の2段階に分かれています。
それぞれの運賃タイプによって提供されるサービスが異なり、手荷物に関しては運賃タイプのグレードによって無料となる範囲が異なります。
下の表のように、機内持ち込み手荷物は、運賃のグレードによって無料になる荷物の重量が変わりますが、受託手荷物は運賃タイプによって、荷物が全て有料になるものと、一部が無料になるものとに分かれ、一部無料になるものは、運賃のグレードによって無料になる重量が変わります。

運賃タイプ 機内持ち込み手荷物 受託手荷物
エコノミークラス Starter 計2個/7㎏まで無料 全て有料
Starter Plus 計2個/7㎏まで無料 20㎏まで無料
(国内線は10㎏まで無料)
Starter Max 計2個/7㎏まで無料 30㎏まで無料
Starter FlexiBiz 計2個/14㎏まで無料 全て有料
ビジネスクラス Business 計2個/14㎏まで無料 30㎏まで無料
Business Max

ジェットスターで最も人気のある運賃タイプは、最も値段の安いStarterですが、Starterは荷物の制約が最も厳しく、受託手荷物は全て有料です。
Starterは、預け入れる荷物のない方にはおすすめですが、預け入れる荷物のある方は、Starterで別途料金を支払うより、Starter PlusやStarter Maxを選んだ方がお得になる場合があります。
後程詳述しますが、荷物のある方は事前に荷物の重量やサイズなどを測ってからチケットを予約することをおすすめします。
次項から、ジェットスターの機内持ち込み手荷物および受託手荷物のルールについて詳しく解説していきます。

ジェットスターの機内持ち込み手荷物のルール

ジェットスターの機内持ち込み手荷物には重量やサイズなどに制限があり、制限の範囲を超えるものは受託手荷物として預けなければなりません。
最安値で人気の高い運賃タイプStarterでは、受託手荷物は全てオプション料金が必要となるので注意してください。

機内に持ち込み可能なのは手荷物1個と身の回り品1個の計2個

ジェットスターをはじめ、国内各航空会社の機内に無料で持ち込める荷物は、ボストンバッグ、リュックサック、キャリーケースなどの手荷物が1個と、ハンドバッグ、カメラ、傘などの身の回り品が1個の併せて2個までとなっています。
カメラと傘とハンドバッグを持っていれば、それだけで身の回り品が3個とカウントされてしまうので、例えばカメラをキャリーケースなどの手荷物の中に入れて機内に持ち込んだり、運賃タイプによってはオプション料金がかかりますが、受託手荷物として預ける荷物の中に入れたりするといいでしょう。

パソコンは身の回り品として持ち込み可能

身の回り品はハンドバッグ、傘、カメラのほかに、文庫本、財布、コート、免税品なども身の回り品扱いとなります。
ビジネスマンに欠かせないパソコンも、ノートタイプであれば身の回り品として機内に持ち込み可能です。
パソコンを機内に持ち込みたい方は、コートや文庫本などの身の回り品を手荷物の中に収容するなど荷物の収納の仕方を工夫して、上手に機内に持ち込みましょう。

機内持ち込み手荷物のサイズ制限

ジェットスターの機内に持ち込める手荷物には、次のように大きさの制限があります。

●手荷物1個の大きさ:高さ56cm×幅36cm×奥行23cm以内

この大きさには、キャリーケースなどのハンドル、外ポケット、キャスターも含まれています。
例えばキャリーケースの本体だけで高さが56cmあるなら、ハンドルやキャスターを加えると規定を超えてしまい、追加料金がかかります。
空港で規定オーバーがわかって追加料金を徴収されると、チケットを予約する段階で追加料金を支払うよりかなり割高になってしまいます。
手荷物を準備する段階で、必ずサイズを確認するようにしましょう。
またジェットスターでは、このサイズ制限のほかに、例外的にスーツカバーのサイズも制限しています。

●スーツカバーの大きさ:高さ114cm×幅60cm×奥行11cm以内

お葬式などのために持参する喪服は、このサイズの範囲内ですので、無料で機内に持ち込めます。

機内持ち込み手荷物は7㎏まで無料

ジェットスターのエコノミ―クラスの運賃タイプのうち、Starter、Starter Max、Starter Plusは、手荷物と身の回り品合わせて7㎏までなら無料で機内に持ち込めます
例えば厚めのノートパソコンを身の回り品として持ち込む場合、ボストンバッグなどの手荷物の重量が6㎏以上あると、パソコンを加えれば7㎏の制限を超えてしまう可能性があります。重量をーバーを避けるためには、手荷物の重量を抑えるか、14㎏まで無料で持ち込めるStarter FlexiBiz、もしくはビジネスクラスを選択するといいでしょう。

スーツケースは機内に持ち込める?

スーツケースの大きさが、ハンドルやキャスターも含めて高さ56cm×幅36cm×奥行23cm以内に収まっていれば機内に持ち込み可能です。
しかし、このサイズのスーツケースに収められる荷物の量は1~2泊分程度で、長期旅行の荷物の量はこのサイズに収まりません。
またスーツケースは本体重量そのものが重いものが多く、1~2泊対応のものでも2~3㎏あるため、スーツケースの中に重いものを詰めると重量制限を超える可能性があります。
事前にスーツケースに品物を詰めて重量を測り、持ち込み荷物全体で7㎏を超えてしまうようなら、14㎏まで機内に持ち込み可能なエコノミークラスのStarter FlexiBizかビジネスクラスを選ぶといいでしょう。
機内に持ち込まなくとも預け入れでまわないのなら、エコノミ―クラスのStarterとStarter FlexiBiz以外の運賃タイプを選ぶといいでしょう。
Starter Plusなら20㎏まで(国内線は10㎏まで)、Starter Maxとビジネスクラスなら30㎏まで無料で預け入れ可能なので、長期旅行向けのスーツケースに荷物を詰め込んでも無料で預けられます。

14㎏まで持ち込み可能でも1個の重さは10㎏まで

エコノミークラスのStarter FlexiBizとビジネスクラスでは、手荷物と身の回り品併せて14㎏まで機内に持ち込めますが、荷物1個の重さは10㎏までに制限されています。
例えば10㎏のキャリーケースと4㎏の免税品は合計14㎏なので機内に持ち込めますが、4㎏の免税品を全部キャリーケースの中に入れ、キャリーケース1個だけ機内に持ち込もうとすると、キャリーケースの重さが14㎏となり、10kgを超えてしまうため機内に持ち込めなくなります。
機内持ち込み手荷物の総重量が14㎏まで可能であっても、手荷物1個の重さが10㎏を超えないようパッキングを工夫しましょう。

航空会社別機内無料持ち込み手荷物の比較

ジェットスターは、エコノミ―クラスのStarterを利用する方が最も多く、オプション料金が発生しないよう荷物の預け入れをせずに、機内持ち込み手荷物だけで済ませられるよう、荷物を少なくしている方が目立ちます。
それでもジェットスターの機内持ち込み手荷物の制限は、他社より厳しいといわざるを得ません。
手荷物の制限が厳しい分、コストが抑えられて運賃の安さに反映しているのでしょうが、持ち込み荷物の重量を7㎏までとしている航空会社は、LCCの中でもジェットスターを含め3社だけですし、サイズの規定も大手航空会社より一回り小さく制限されています。
下記に国内航空会社の機内持ち込み手荷物の規定をまとめてみました。

航空会社 重量 個数 サイズ
ジェットスター 計7㎏まで 手荷物1個と
身の回り品1個の合計2個
高さ56cm×幅36cm×奥行23cm
ピーチ 計7㎏まで 手荷物1個と
身の回り品1個の合計2個
高さ40cm×幅50cm×奥行25cm
3辺合計が115cm以内
スプリング 計7㎏まで 手荷物1個と
身の回り品1個の合計2個
高さ56cm×幅36cm×奥行23cm
3辺合計が115cm以内
スカイマーク
スターフライヤー
エアドゥ
ソラシドエア
計10㎏まで 手荷物1個と
身の回り品1個の合計2個
高さ55cm×幅40cm×奥行25cm
3辺合計が115cm以内
JAL
ANA
計10㎏まで 手荷物1個と
身の回り品1個の合計2個
【座席数が100席以上の機体】
高さ55cm×幅40cm×奥行25cm
3辺合計が115cm以内
【座席数が100席未満の機体】
高さ45cm×幅35cm×奥行20cm
3辺合計が100cm以内

「プラス7㎏」をお得に利用する

エコノミークラスのStarter、Starter Plus、Starter Maxを選択された方で、機内に7㎏以上の荷物を持ち込みたい方は、「プラス7㎏」というオプションを購入することで合計14㎏まで機内に荷物を持ち込むことができます。
プラス7㎏を購入しても、機内に持ち込める荷物の個数は2個まで、1個の荷物のサイズは高さ56cm×幅36cm×奥行23cm以内と、無料で持ち込める時と変わりませんが、手荷物1個当たりの重さは10㎏以内に制限されるので注意してください。
例えば手荷物1個の重さがちょうど14㎏だった場合、そのままでは機内に持ち込めないので、10㎏の手荷物と4㎏の手荷物に分けるなどして、1個の荷物が10Kgを超えないよう注意してください。
なお、プラス7㎏は販売数に限りがあり、先着順で販売されます。
プラス7㎏を利用しようと思っている方は、できるだけ早く購入しないと売り切れてしまうかもしれません。
早ければ早いほど売り切れる心配がない上、料金がお得になります。
下記の表のように、プラス7㎏は、航空券の予約確定後や、出発当日空港で購入すると割高になるため、チケット予約と同時に購入することをおすすめします。

航空券予約時 航空券予約確定後 空港カウンター 搭乗ゲート
プラス7㎏の
料金(国内線)
約1,300円 約2,000円 4,000円 4,500円

空港での料金は非常に高くなるため、空港で重量オーバーに気がついて慌てることがないよう、手荷物の準備をする際には、サイズのチェックと共に、総重量が7㎏を超えないかどうかも必ず確認するようにしましょう。
航空券予約時に、プラス7㎏を一緒に購入するためには、機内に何を持ち込むのかを事前にしっかりと確認しておかなくてはなりません。
特に往復のフライトを予約する方は、復路の便に搭乗する際の機内持ち込み手荷物は、お土産分が増えることを想定して予約する必要があります。
判断するのが難しければ、せめて航空券予約確定後の料金で済むよう、荷物を準備して重さを測り、7㎏を超えていたら搭乗日の前日までにプラス7㎏の追加料金を支払っておくと、搭乗日当日、空港で割高な料金を徴収されずに済みます。

プラス7㎏の申し込み方法

明らかに総重量7kgをオーバーする手荷物を機内に持ち込む場合は、事前にプラス7㎏のオプションを申し込んでおきましょう。
夏休みや年末年始など繁忙期には売り切れとなることもあるため、できれば航空券予約と同時に購入するのが最も安く購入できますし、売り切れの可能性も低くなるのでおすすめです。
インターネットでの購入の仕方は、1.ジェットスターの公式サイトにアクセスして搭乗便を予約し、2.機内持ち込み手荷物の項目で「プラス7㎏」にチェックを入れる、で完了します。
チケット予約後に購入する場合は、ジェットスター公式サイトの「予約の確認/変更」のページにアクセスして、変更手続きします。

ジェットスターの荷物検査は厳しい!クリアするコツは?

ジェットスターは機内持ち込み手荷物の荷物検査が厳しいといわれています。
チェックインと保安検査を通過した後、搭乗ゲートでも荷物検査が行われることがあり、個数や重量が制限を超えていれば追加料金を徴収されます。
空港での料金の支払いは、インターネットで事前に支払い手続きをするよりもかなり割高となってしまうため、制限オーバーは極力避けたいところです。
追加料金を払わずに済むよう、荷物検査をスムーズに通過するためのコツを紹介します。

軽い素材のバッグに入れる

重量の上限が7㎏のため、風袋そのものが重いキャリーケース等に重い荷物を詰め込むと重量オーバーになる可能性があります。
そのため、ナイロン製のカバンなどできるだけ風袋の軽いものに詰めた方が、たくさんものを詰め込むことができます。
ただし、キャリーケースのように引きずって運ぶことができないので、7Kgのものを担いで移動しなければならず、疲れてしまうのは致し方のないところです。

カバンを大小2つ用意する

機内に持ち込む荷物は、キャリーケースやリュックサックなどの手荷物と、ハンドバッグ、傘などの身の回り品合わせて2個までです。
規定のサイズの範囲内で、大きめのカバンと小さめのカバンを用意し、機内ですぐに必要となる品物を小さめのカバンに入れ、それ以外のものを大きめのカバンに詰めておくと、機内で楽に過ごせます。

はかりを持参して荷物の重さを測る

飛行機を往復で予約した場合、復路便は荷物が多くなりがちです。
帰りの飛行機に乗るための荷物は、ホテル等の宿泊先でまとめなければならないため、重量を正しくチェックすることができません。そのため、当日空港で重量オーバーが判明して追加料金を取られるといったケースがよくあります。
ホテルにはかりがあればいいのですが、ない場合も考えられるため、携帯用のはかりを持参することをおすすめします。
特に荷物検査の厳しいジェットスターをよく利用する方は、1つ持っておくと安心です。
ホテルで荷物をまとめる際、重さを測りながら準備すれば、空港で超過料金を取られることがなくなります。

お土産は袋から出してカバンに入れる

空港の売店などでお土産を買うと、専用の袋に入れてくれますが、この袋も身の回り品としてカウントされてしまいます。
すでに大きめのカバンと小さめのカバンを持っているなら、お土産の入った袋を入れると全部で3個となり個数オーバーになってしまうため、お土産は袋から出し、もともと持っていたカバンの中へ詰め替えるといいでしょう。

帰りのお土産は配送する

旅行の帰りは、お土産で荷物が増えがちです。
重量オーバーになる可能性があるので、旅行先から自宅までの距離にもよりますが、重いお土産などはお店から配送してもらった方が、空港で追加料金を払うより安くなる可能性があります。

服のポケットに入れたり、重ね着したりする

小物類はカバンに詰めず、着ている服のポケットに入れると、荷物の重量から除外され、重量オーバーを回避できるかもしれません。荷物の重量が限度を少し超えていたら、この方法を試してみてください。
また、上着を重ね着したり、アクセサリー類を身に付けたりすることでも手荷物の重量を減らせます。

家族や友人に荷物を持ってもらう

重量の上限7㎏は、1人が機内に持ち込む手荷物に対しての制限です。
一緒に搭乗する家族や友人の機内持ち込み手荷物に余裕があれば、少し持ってもらうことで、制限内に収まるかもしれません。

ジェットスターの受託手荷物のルール

機内に持ち込めない手荷物は、受託手荷物として空港カウンターで預け入れなくてはなりません。
ジェットスターでは、受託手荷物は総重量40kgまで預け入れ可能です。
受託手荷物の料金は、運賃タイプによって全て有料になるものと一部無料になるものとがあります。

エコノミ―クラス 運賃タイプ 受託手荷物
Starter 全て有料
Starter Plus 20㎏まで無料(国内線は10㎏まで無料)
Starter Max 30㎏まで無料
Starter FlexiBiz 全て有料
ビジネスクラス Business 30㎏まで無料
Business Max 30㎏まで無料

受託手荷物の規定

ジェットスターの受託手荷物の規定は以下の通りです。

重量 総重量40kgまで(ただし荷物1個の重さは32㎏まで)
個数 制限なし
サイズ 1辺の長さが1mを超えないこと

例えば荷物1個の重さが40kgあるなら、32㎏と8Kgの手荷物に分けたり、10㎏ずつ4個の荷物に分けたりするなど、荷物の個数に制限はないため上手に荷物を分けて重量を分散させてください。

受託手荷物の料金

受託手荷物の料金設定は、0㎏から40kgまで受託手荷物の重量によって料金が変わる仕組みとなっています。
重量が15㎏までなら同一料金ですが、15㎏超えると5㎏毎に料金が上がります。
実際にチケットを予約する時の受託手荷物の料金を見てみましょう。
例えば、2022年12月31日、成田7:00発、福岡9:15着のフライトをStarter運賃で予約するとします。
受託手荷物は、0㎏~15㎏、~20㎏、~25㎏、~30㎏、~35㎏、~40kgの枠があり、選択するようになっています。
2022年12月31日「Starter」
成田7:00→福岡9:15 大人1人

~15㎏ ~20㎏ ~25㎏ ~30㎏ ~35㎏ ~40k
チケット予約時の受託手荷物の料金 1,980円/人 2,080円/人 3,080円/人 3,120円/人 4,060円/人 4,160円/人

プラス7㎏の料金

機内持ち込み手荷物についても、オプションとしてプラス7㎏が選べます。
Starter運賃では手荷物7㎏までは無料で機内に持ち込めますが、プラス7㎏を選ぶとさらにもう7㎏を加えた14㎏までの手荷物が機内に持ち込めます。
上記のフライトのプラス7㎏の料金は、2,290円です。

サイズの大きい受託手荷物の追加料金

さらにサーフボードなど1辺の長さが1mを超えるものを預ける場合は、受託手荷物料金に加えて1個につき2,000円の追加料金が発生します
例えばサーフボードを含めた受託手荷物の総重量が30㎏ある場合、上記フライトのトータルの受託手荷物料金は、重量30㎏の料金3,120円+サーフボードの料金2,000円=5,120円になります。
1辺の長さが1mを超えるものには、サーフボード、自転車、ゴルフバッグ、スキー板、スノーボード、大型楽器、絵画、彫刻作品などがあります。
なお、車椅子、ベビーカー、医療機器に関しては、1辺の長さが1mを超えても追加料金は発生せず、受託手荷物として無料で預けることができます。

受託手荷物は梱包して

空港スタッフが受託手荷物を梱包することはないので、受託手荷物は全て、乗客自身が梱包して預けます。

受託手荷物はチケット予約と同時に手続きを

上で示した受託手荷物の料金は、チケット予約時に受託手荷物の枠を購入した場合の料金です。
すでにチケットを予約してあるなら、ジェットスター公式サイトの「予約の確認/変更」のページから受託手荷物申し込みの手続きができますが、チケット予約時に受託手荷物の申し込み手続きした料金より高くなります。
また、事前に受託手荷物を申し込んでおらず、当日空港で急遽荷物を預けなければならなくなった場合は、非常に割高となってしまいます。
荷物が機内持ち込み荷物に入りきらない可能性がある方は、できるだけチケット予約と同時に受託手荷物も申し込むことをおすすめします。

追加料金は空港で支払うと高い!

エコノミークラスのStarterまたはStarter FlexiBiz運賃で、機内持ち込み手荷物だけで受託手荷物はないという方でも、当日空港で急遽、荷物を預けなくてはならなくなることがあるかもしれません。
前述したように、ジェットスターは荷物検査が厳しく、搭乗ゲートの手荷物検査で重量オーバーなどが判明すると機内に荷物が持ち込めなくなり、やむを得ず追加料金を支払って受託手荷物として預ける必要があります。
このように搭乗当日、空港で超過が判明して荷物を預け入れることになると、事前にインターネットで受託手荷物を申し込むより料金が大変割高になります。

空港での追加料金

事前に受託手荷物の申し込みをしていなくて、空港で急遽追加料金を払って受託手荷物を申し込む場合搭乗に近づく程高くなり、荷物の重さが例えば15㎏だとすると、空港カウンターで料金を支払うと3,600円、搭乗ゲートで支払うと4,500円になります。
さらに重量が15㎏を超えると、1㎏につき800円の超過料金が発生します。
インターネットで事前に受託手荷物を申し込んだ場合と空港で支払う場合を、

2022年12月31日「Starter」
成田7:00→福岡9:15 大人1人

を例に比較してみます。

15㎏までの受託手荷物 18㎏の受託手荷物
チケット予約時の料金 15㎏の枠の料金 1,980円 20㎏の枠の料金2,080円
空港カウンターで支払う料金 3,600円 3,600円+800円×3=6,000円
搭乗ゲートで支払う料金 4,500円 4,500円+800円×3=6,900円

この荷物にサーフボードがあるとすると、1mを超えるサイズのため、さらに追加料金がかかります。
大きいサイズの手荷物の追加料金は、チケット予約時に支払うと1個につき2,000円ですが、空港で支払うと2,500円になります。

サーフボードを含む15㎏までの受託手荷物 サーフボードを含む18㎏の受託手荷物
チケット予約時の受託手荷物料金 1,980円+2,000円=3,980円 2,080円+2,000円=4,080円
空港カウンターで支払う追加料金 3,600円+2,500円=6,100円 6,100円+800円×3=8,500円
搭乗ゲートで支払う追加料金 4,500円+2,500円=7,000円 7,000円+800円×3=9,400円

この表を見ると、空港で支払う追加料金は非常に高くなることがわかります。
空港での追加料金の支払いを回避するには、事前に荷物の個数や重量を正しくチェックして制限を超えないようにするか、制限を超えそうな場合は無駄になることを覚悟してチケット予約時に受託手荷物の追加購入手続きをしましょう。こうしておけば、荷造りする時に神経を使わなくて済むので、気楽に旅行の準備ができます。

受託手荷物とプラス7㎏、どちらがお得?

機内に持ち込む手荷物が7㎏を超えそうな時、チケットを予約する際、一緒に受託手荷物を申し込んだ方がいいのか、それともプラス7㎏を申し込んで機内に持ち込んだ方がいいのか、どちらがお得でしょうか。
機内に持ち込みもうとしている手荷物の総重量が14㎏で、以下の便に搭乗すると仮定します。

2022年12月31日「Starter」
成田7:00→福岡9:15 大人1人

15㎏までの受託手荷物料金 プラス7㎏購入料金
チケット予約時の料金 1,980円 2,290円
空港カウンターで支払う追加料金 3,600円 4,000円
搭乗ゲートで支払う追加料金 4,500円 4,500円

このフライトの場合、チケットの予約時に受託手荷物として申し込んだ方がお得といえます。
それでも受託手荷物とプラス7㎏の料金の違いは、わずか300~400円程度です。
搭乗ゲートで超過が判明して追加料金を払うなら、受託手荷物として預け入れても、プラス7㎏を購入して機内に持ち込んでも、料金は4,500円で変わりません。
手元に持っておきたい大事な品物なら、プラス7㎏を購入した方がいいでしょう。
ただし、前にも述べたようにプラス7㎏は販売数に限りがありしかも申し込み順なので、すでに売り切れていたら、受託手荷物として預ける以外に選択肢はありません。

楽器は機内に持ち込める?

演奏会でギターなど楽器を運びたい場合、受託手荷物として預け入れると乱暴に扱われてしまいそうで不安に思う方もいるでしょう。
演奏者にとって楽器は非常に大切ですから、できれば手元でしっかりと管理したいのではないでしょうか。

楽器の機内持ち込みOK

ジェットスターは楽器を機内に持ち込めるため、演奏者の近くに置くことができて安心です。
ただし、機内に持ち込み可能な楽器には、小型楽器、大型楽器それぞれに次のような規定があります。

小型楽器の機内持ち込み

重さ 7㎏まで
サイズ 高さ85cm×幅36cm×奥行23cm以内
積載可能数 制限なし
収納方法 頭上の収納棚に入れる
備考 規定のサイズ・重さを超えるものは楽器用に座席を購入するか、
受託手荷物として預け入れる。
収納棚に入れる場合は、機内持ち込み手荷物の1つとカウントされる

大型楽器の機内持ち込み

重さ 15㎏まで
サイズ 高さ120cm×幅45cm×奥行20cm以内
積載可能数 2個まで
収納方法 楽器用に座席を購入し固定する。
備考 15㎏を超える楽器は受託手荷物として預け入れる。

特大サイズの楽器の機内持ち込み

重さ 15㎏まで
サイズ 高さ140cm×幅45cm×奥行50cm以内
積載可能数 1個
収納方法 楽器用に座席を購入し固定する。
備考 15㎏を超える楽器は受託手荷物として預け入れる。

ペットボトルや飲み物、食べ物の持ち込みは?

短時間のフライトであっても、乾燥している機内では飲み物を口にしたいという方も多いことでしょう。
ジェットスターの機内に飲み物は持ち込めるのでしょうか。

国内線はペットボトルが持ち込める

国内線の場合、ペットボトルや水筒など蓋がしっかりしまる容器に入った飲み物は、機内に持ち込み可能です。
紙コップに入った飲み物は、プラスチックの蓋があっても外れやすいため機内に持ち込めません。
アルコール飲料も持ち込めますが、機内では飲めません。
例えば免税店で買った瓶入りウイスキーなどを身の回り品として機内に持ち込むことはできても、それを機内で飲むことはできないということです。
機内でアルコール飲料を飲みたければ、機内販売のお酒を購入してください。

運賃タイプによっては飲み物と軽食のサービスがある

ジェットスターの機内食やドリンクサービスは有料です。
機内で購入もしくはチケット予約時にオプション料金を支払えば、提供される仕組みになっています。
国内線では、最安運賃タイプであるStarterと出張族のビジネスマンに人気の高いStarter FlexiBiz以外の運賃タイプには飲食サービスのオプション料金が含まれています。
国際線では、Starter以外の全運賃タイプに飲食サービスのオプション料金が含まれています。
これらの運賃タイプであれば、機内で改めて購入しなくても飲食の提供が受けられます。
基本的にビジネスクラスでは、料理と軽食の提供およびドリンク飲み放題のサービスが付きますが(※)、エコノミ―クラスでは、機内で飲食や商品の購入に利用できるバウチャーを利用して飲み物や軽食を購入することができます。

【国内線】

運賃タイプ 食事と飲み物サービス
Starter なし(機内で購入)
Starter Plus 500円相当の機内バウチャーつき
Starter Max 500円相当の機内バウチャーつき
Starter FlexiBiz なし(機内で購入)

(※)ビジネスクラスの飲食サービスは、感染症対策のため現在提供を見合わせている区間があります。

機内バウチャーで500円セットメニューがおすすめ

Starter Plus、Starter Maxには500円相当の機内バウチャーがついており、このバウチャーを使って飲み物やスイーツ等を購入できます。
機内バウチャーは予約した便でのみ利用可能で、使いまわしはできません。
また、使い残した分は無効になり、払い戻しできないため、500円分を無駄なく使い切るようにしましょう。
機内軽食販売の「Jetstar cafe」には、アルコール飲料を含むいろいろな飲み物と、スナック菓子、焼き菓子などのメニューがありますが、おすすめは500円ピッタリとなるお得なセットメニューです。
焼き菓子1個とホットドリンクがセットになった「カフェセット」、焼き菓子2個の「スイーツセット」、スナック菓子1個とホットまたはコールドドリンクがセットになった「スナックセット」は、500相当の機内バウチャーを無駄なく使えます。

国際線はペットボトル持ち込み不可

国際線の場合、ペットボトルの持ち込みはできません。
スーツケースの中にしまって受託手荷物として預け入れることはできますが、気圧の関係で破裂の危険があるためおすすめできません。
国際線への飲み物の持ち込みには厳しい制約があり、100mlまでしか認めらない上、蓋つき容器に入れ、さらにマチなしのジッパーつきビニール袋に入れなくてはなりません。
国際線はジェットスターに限らず、どの航空会社でも飲食物の持ち込みに関する規定を細かくきめているので、持ち込むための準備をするのに手間がかかってしまいます。
そのため国際線では、料金にあらかじめ飲食サービスのオプション料金が含まれていることが多く、格安運賃を提供するLCCであっても、長距離のフライトでは事前に飲食のオプションを選択するか、オプション料金を含んだ運賃タイプを選択するのが一般的です。

液体や化粧水の持ち込みは?

ペットボトルなどに入った飲み物は、国内線には気軽に持ち込めても国際線には持ち込めません。
国際線は飲み物に限らず、液体類の持ち込みを厳しく制限しています。
この項では、ジェットスターの機内への液体類の持ち込みについて解説します。

国内線への液体類の持ち込み

国内線では、ペットボトルなど蓋がしっかり締まり、中身がこぼれ出てしまう心配のない容器に入っていれば、飲み物の持ち込みは自由です。

化粧水は持ち込める?

飲み物以外の液体では、機内の乾燥から肌を守るため、化粧水を持ち込みたいと考えている方は多いでしょう。
化粧水をはじめ化粧品類は、機内に持ち込めます。
化粧水等の入っている容器が0.5リットル以下で、他の化粧品や医薬品等と併せて2リットルまたは2㎏以下であれば機内持ち込みも預け入れも可能です。

スプレー缶は持ち込める?

夏場は制汗剤や冷却材、虫よけやかゆみ止めなどのスプレー缶を持ち運びたいと思っている方も大勢います。
こうした日常使いのスプレー缶であれば、機内への持ち込みも預け入れも可能です。
1容器当たり0.5リットル以下で、他の化粧品や医薬品等と併せて1人当たり2リットルまたは2㎏以下であることが条件です。

国際線への液体類の持ち込み

国際線は国内線に比べ、液体の機内持ち込みが非常に厳しく制限されています。

機内に持ち込めるサイズ

国土交通省発表の「国際線の航空機内への液体物持ち込み制限」によると、客室内に持ち込める液体、エアゾール、ジェル類は、それぞれ100ml以下の容器に入れ、それらの容器を1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れなければなりません。
例えば、普段使っている化粧水やクリーム類を機内に持ち込みたいなら、中身をそれぞれ100円ショップで売られているような100ml以下の小さなプラスチック製容器に移し替え、それらをジップロックのようなジッパーつきのビニール袋に詰めてから、ハンドバッグなどに入れて持ち込むことになります。
ジュースや水などの飲み物でも同様で、100ml以下の小さな容器に移し替え、ジップロックなどの袋に入れて持ち込まなければなりません。
ただし、医薬品、ベビーミルク、ベビーフード、糖尿病食などはこの規定から除外されます。
ジェットスターの便は、国際線ターミナルから出発する国内線があり、そうした便では国内線ではあっても国際線の規約が適用されるため注意が必要です。
搭乗する便が国際線ターミナルから出発する便かどうか確認してから荷造りしないと、空港で思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。

機内に持ち込める液体

国土交通省発表の「国際線の航空機内への液体物持ち込み制限」に示された客室内に持ち込み可能な液体のうち、代表的なものを記します。

  • 飲料全般
  • アルコール飲料(度数70%以下)
  • マーガリン、ピーナッツバター、ジャムなど
  • 液体スープ
  • プリン、ゼリー、ヨーグルト、あんみつなど
  • アイスクリーム、かき氷、氷類
  • 薬用または化粧クリーム、ローション類
  • 液状ファンデーション
  • 香水、コロン
  • ジェル状リップクリーム、ジェル状口紅
    (※スティック状のものは除外されるため、唇の乾燥が気になる方はスティックタイプのリップクリームや口紅を持参するといいでしょう)。
  • 虫よけスプレー
  • 制汗ジェル、スプレー
  • 整髪ジェル、スプレー
  • スポーツ用エアゾールスプレー
  • 洗顔フォーム、メイク落とし
  • 液体せっけん、液状除菌剤
  • シャンプー、リンス、トリートメント
  • 歯磨き
  • 100円ライター、充填式ライター、ジッポライター
    (※1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック袋に入れてください。客室内持ち込みに限り可能で預け入れはできません)

アルコール瓶などを受託手荷物にする時の注意点

国内線も国際線もアルコール飲料は機内に持ち込み可能です(国際線では100ml以下の規定があります)が、持ち込んだアルコール飲料を飲むことはできません。
機内でアルコール飲料を飲むなら購入しなければならないため、アルコール飲料は最初から受託手荷物として預けた方がいいでしょう。
免税店などで購入したアルコール飲料は、ほとんどが瓶入りです。
そのまま預け入れると破損する危険があるため、割れないように保護をした上でスーツケースの中に収納して預けるようにしましょう。
さらに、重量にも注意してください。
瓶入り飲料は重く、割れないよう保護をすればさらに重量が増します。
受託手荷物は、最大40kgまで有料で預け入れられますが、料金は事前に購入した重量枠を超えれば超過料金がかかります。
前述したように、空港で重量オーバーが判明した際に支払わなければならない追加料金は、非常に高くなっています。
荷物の準備をする段階で重さを測り、重量オーバーが判明したら、空港へ行く前に、ジェットスター公式サイトの「予約の確認/変更」のページで重量枠変更の手続きをするといいでしょう。

持ち込み禁止の品物は?

発火の恐れがあるものや、凶器になりうる可能性のあるものは危険物とみなされ、原則として機内への持ち込み禁止もしくは持ち込みが制限されています。

液体類は持ち込みも預け入れも禁止のものが多い

飲み物や化粧水など日常生活に欠かせないような液体に関しては、国内線では比較的自由に持ち込め、国際線でも既定の範囲内であれば機内に持ち込むことが可能です。
しかし、下記に記した液体類は危険物に指定されていて、機内への持ち込みも預け入れも禁止されています。

  • 楽器用オイル(潤滑油)
  • ペンキ、塗料
  • 漂白剤、協力カビ取り剤
  • 殺虫剤
  • 農薬
  • 塩酸
  • ガソリン
  • 灯油、軽油
  • シンナー、ベンジン、ニス
  • エタノール、ホルマリン、クロロホルム、ヒ素

このほかにも、液体ではありませんが、花火や発煙筒など火薬を含んだもの、車やバイクのバッテリー、チャッカマンなどの喫煙用途ではない着火具は、発火の恐れがあるため機内への持ち込みも預け入れも法令により禁止されています。
わざわざガソリンを飛行機に持ち込もうとする人はいないでしょうが、例えば子供連れで夏休みの旅行や帰省をする場合、荷物の中に花火をうっかり入れてしまうことがあるかもしれないので注意してください。

まとめ:ジェットスターでは荷物を少なくしよう

ジェットスターの手荷物に関するルールを紹介しました。
ジェットスターの荷物検査が厳しいのは、運賃を安くするために、荷物の持ち込みを制限してコストの削減を図っているからです。
ジェットスターを利用する際はできるだけ荷物を少なくするか、チケット予約と同時に荷物の料金も支払うようにしましょう。