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航空機での移動に慣れた方であっても、LCC(格安航空会社)を利用したことがないという方もおられるでしょう。
LCCはANAやJALなど大手航空会社と比較して搭乗口が遠いことがある上、思わぬトラブルに遭って手続きや検査の締め切りに間に合わず搭乗できないなどということも起こり得ます。代表的なLCCであるジェットスターも、搭乗口が遠い空港は少なくありません。
例えば拠点空港である成田国際空港のLCC専用の第3ターミナルは、京成・JR線空港第2ビル駅の地上階から630m、約8分の距離にあります。
乗り遅れないようにするためには、余裕を持って行動すると共に、検査などで時間を取られないように、持ち物の中に機内に持ち込みできないものがないかなど事前に対策しておく必要があります。
今回はそのような航空機に搭乗するまでに気を付けるべきポイントや乗り方を、ジェットスターを例に紹介します。

搭乗手続きは何分前から?余裕を持って行うことが鉄則!チェックインから搭乗までの流れ

ジェットスターに搭乗するとき、何分前までなら乗れるのでしょうか?
航空機に搭乗するまでの大まかな流れは、①チェックイン②荷物の預け入れ③保安検査④搭乗時間に間に合うよう搭乗ロビーで待機となります。
この流れはジェットスター以外の航空会社でも概ね同じですが、各手続きの締め切り時間などには微妙な違いがあります。そのため、他の航空会社を利用した時と同じつもりでいると、手続きの締め切りに間に合わないということも起こりかねません。

チェックイン

空港に到着したらまず行うのがチェックインです。チェックインを行わないことには、その後の荷物の預け入れや保安検査を受けることもできないので、空港に到着したらまずは空港カウンターでチェックインを行いましょう。
ジェットスターのチェックイン方法には、空港カウンターで行う以外にも「自動チェックイン」や「ウェブチェックイン」という方法があります。
また、チェックインの締め切り時間は搭乗するのが国内線なのか国際線なのかによって異なります。国内線は出発予定時刻の30分前までに、国際線は出発予定時刻の45分前までにチェックインする必要があります。

手荷物の預け入れ

チェックインが無事済んだら手荷物の預け入れを行います。こちらも締め切り時間は国内線が出発予定時刻の30分前、国際線が出発予定時刻の45分前です。
ジェットスターは機内に持ち込める手荷物に関して、重さやサイズを詳細に規定しています。そのため厳格に計測を行うので、手荷物の預け入れは意外と時間がかかってしまいます。
手荷物や受託手荷物の重さやサイズ、そして持ち込みが制限されている物品については、後の項で解説します。

保安検査場で荷物検査

荷物の預け入れが完了したら、保安検査場に行き手荷物検査を受けますが、保安検査の締め切り時間は国内線25分前まで、国際線40分前までです。
金属製品を身に付けていると金属探知機を何度も通ることになったり、持ち込み禁止の物品を所持していたら没収されたりといったことにもなかねません。また、繁忙期には保安検査場はかなり混雑することがありますので、早めに検査を受けるようにしましょう。
保安検査場で慌てないために、金属製品を体から外し、持ち込み禁止の物品がないか事前に確認しておきましょう。

搭乗時間に間に合うよう搭乗口で待機

保安検査を終えたら搭乗口へ向かいます。搭乗口には国内線、国際線ともに出発時刻の15分前までに着いておかなければなりません。
搭乗手続きや保安検査、搭乗の締め切り時間を過ぎてしまうと、予約していても搭乗を断られる場合があります。繁忙期はチェックインカウンターや保安検査場が混雑して通常より手続きに時間がかかることがあるので、空港へは時間に余裕を持って向かいましょう。

LCCは荷物の制限が厳しく、高額な追加料金が発生することも!荷物を預ける際の注意点

ジェットスターの機内に手荷物を持ち込む場合、サイズや重量に厳格な制限が設けられていますので、検査には時間がかかります。また規定を超える手荷物があれば追加料金がかかります。空港で追加料金を支払うと、予約時に申し込むより割高になるので、予約する前に荷造りしてみて、重量やサイズが既定値を超えそうなら、予約時にオプション料金を支払っておきましょう。ここでは、ジェットスターの手荷物についてみていきます。

荷物を預ける場合は時間に余裕を持って行う

ジェットスターの受託手荷物の受付は、国内線の場合出発予定時間の2時間前から30分前まで、国際線の場合は3時間前から40分前までに行う必要があります。
その後の搭乗締め切り時間が出発の15分前ですので、受託荷物の手続きがギリギリに完了すると、搭乗口まで慌てて移動することになりトラブルの基になりかねません。
受託手荷物の手続きも、余裕を持って行いましょう。

機内持ち込み手荷物にも受託手荷物にも制限がある

LCC各社は、ANA・JALよりも航空券の料金が安い分、機内に持ち込む荷物の重量やサイズの制限が厳しいのが一般的で、既定値を超えると追加料金が発生します。
ジェットスターの場合も、大まかな目安として小型のキャリーケースなどの手荷物1個と、ハンドバッグなどの手回り品1個の計2個、合計7kgまで機内に持ち込めます。
エコノミークラスの「Starter FlexiBiz」運賃、ビジネスクラス運賃またはプラス7kgのオプションを追加した場合は、1個当たりの重量が10㎏を超えない範囲で合計14kgまで持ち込むことが可能です。
これ以上の重量を持ち込む場合、または手荷物として機内に持ち込めない物品がある場合は受託手荷物として別途預けることになります。
なお、国内線の受託手荷物の重量枠は15kgから40kgまで、国際線は20㎏から40㎏まで5kg単位で、15kg以下の手荷物を預ける場合も15kgの料金が必要です。

機内持ち込み手荷物のサイズ

キャリーケースなどの手荷物はハンドル、ポケット、キャスターなどを含む「高さ56cm×幅36cm×奥行23cm」まで、スーツカバーなどは「高さ114cm×幅60cm×奥行11cm」までであれば機内に持ち込めます。
機内への持ち込みが制限されている物品は、受託手荷物として預ける必要があります。受託手荷物の場合、1個あたりの最大重量は32kg、預ける手荷物の個数には制限がありません。
1辺の長さが1mを超えるものは、「サイズの大きな手荷物」に該当し追加料金が必要です。受託手荷物の最大サイズは、利用する航空機の大きさによって異なりますが、1辺の長さが2.3mもしくは2.7mまでです。追加料金は1アイテム当たり、1予約区間ごとに適用されます。
またジェットスターが所有する航空機の貨物室には気圧調整装置が付いておらず、ペットなどの小動物を受託手荷物として預けることはできません。
ベビーカーは受託手荷物として預ける必要がありますが、子どもと一緒に搭乗する場合は無料で預けられます。

乗り継ぎの場合は再度カウンターで受託手荷物の手続きが必要

ジェットスターでは、「スルーチェックイン」を原則として行っていません。
スルーチェックインとは、乗り換えの度に荷物を受け取り、再度預ける手続きが不要になるサービスのことで、ジェットスターにはこのサービスがないので、乗継地の空港で再度手荷物の預け入れが必要となります。
ただし、国際線から国際線への乗り継ぎや、ベトナム国内線の乗り継ぎなど一部の乗り継ぎ便はスルーチェックイン対象となるので、再手続きは不要です。
ジェットスターが推奨する乗り換え時間は120分となっていますので、目的地までに乗り換えが必要な場合は、乗り換え時間を考慮してスケジュールを組む必要があります。

持ち込みや預けられないと没収されることも!注意すべき機内に持ち込めないもの

受託手荷物、機内持ち込み手荷物に関わらず、危険物を持ち込むことは禁止されています。
危険物の例として挙げられるのは、漂白剤や強アルカリ性洗剤、スプレー缶、自動車やバイク用のバッテリー、花火・クラッカー、燃料、油性ペンキ、油絵具、 50ml/28gを超えるガスシリンダー、除光液、過酸化水素、噴霧器、催涙ガス、セグウェイなどのセルフバランスボード、発煙筒、火薬類、殺虫剤、喫煙用以外のマッチや着火具などです。
これらは各国の航空管轄当局が航空機での輸送を禁止している物ですが、これ以外にも液体類や燃料、凶器として認定されるような危険物はほぼすべての航空会社への持ち込みは禁止されています。
ただし特定の危険物は、一定の条件下であれば機内へ持ち込む、もしくは受託手荷物として預けることが可能です。

ペットボトルはOK

ジェットスターの機内に飲み物を持ち込むことは可能ですが、紙コップなどフタがない容器では持ち込むことができず、ペットボトルや水筒に入れて運ぶ必要があります。
また、ペットボトルの封が開いている場合は、ガソリンや灯油、クロロホルムといった危険物でないことを機械を使って確認されますので、飲み物を持ち込む場合は、市販のペットボトル飲料を未開封のまま持ち込む方が無難です。
アルコール飲料は度数によって制限を受け、アルコール度数が24%以下なら制限なし、70%以下は5リットルまで、70%を超えるものは機内への持ち込みも預けることも不可となります。

刃物類は一切NG、ただし例外も

日本刀やあいくち、飛び出しナイフといった刀剣類は、機内への持ち込みはもちろん、受託手荷物とすることも不可で。しかし、小型のナイフ類やカッターなどは、機内へは持ち込みできませんが、受託手荷物として預けることはできます。
またゴルフグラブやバット・スキー用品などのスポーツ用品も、機内への持ち込みはできず、受託手荷物となりますが、テニスラケットは専用のケースに入れておくなど条件を守れば機内に持ち込むことが可能です。
一方、化粧用ハサミなど刃体が6㎝以下の小さなハサミや、甘皮切り用のナイフがない爪切り、化粧用の小さなカミソリは機内に持ち込めますから、保安検査場で確認はされるものの化粧用ポーチに入っていても問題ありません。

ヘアアイロン、ヘアカーラーも注意

ヘアアイロンやヘアカーラーもコンセント式のものは持ち込み可能ですが、電池式のもので電池が取り外せないタイプのものは、電池の種類や出力によっては機内持ち込みだけでなく預けることもできない可能性があります。
預けることができない物品は没収(廃棄)されるか、ロビーに戻ってコインロッカーに預けて後日回収するか選択しなければなりません。
そうした事態を避けるためには、機内への持ち込みも受託手荷物にもできない物品がないか確認しておくことが望ましいのですが、ヘアアイロンなど動力に電池を使う物品の場合は、判断が非常に難しいので携行しない方が無難です。

リチウム電池とリチウムイオン電池について

パソコンなど多くの電子機器や家庭用電化製品の動力源となっているリチウム電池・リチウムイオン電池は、リチウムの含有量とワット数によって、機内への持ち込みや受託手荷物として預けられるかの可否が異なります。
例えば電池が本体に内蔵されている電気製品の場合、リチウム含有量2g以下・160w以下であれば問題ありませんが、それ以上のものであれば持ち込みも受託手荷物として預けることも不可となり、その場合、その電子機器や電気製品は没収されるか、コインロッカーに預けるしか方法がありません。
また、予備電池を単体で携行する場合は、受託手荷物にすることができないので、機内に持ち込むことになりますが、機内に持ち込めるのは、リチウム含有量2g以下・160w以下のものが2個までです。
ただし、医療機器に関しては、本体内蔵電池・予備電池共にリチウム含有量の基準が8g以下までに緩和されます。
自身の持つ電子機器のリチウムイオン電池の規格などを把握している方は稀でしょうから、ジェットスターに限らず航空機を利用する機会がある方は、航空機へ持ち込み可能な規格であるのかを確認しておくと良いでしょう。
また、ヘアスプレーや制汗スプレー、虫よけスプレーなどスプレー類については、1容器500gまたは500ml以下で1人当たり2㎏または2リットルまでであれば持ち込み可能です。
一方で塗料やニスなどの日用品スプレーやスポーツ用品のメンテナンス目的のスプレーなどは、持ち込みも受託手荷物として預けることもできません。
喫煙を目的にしたライターはオイル式・ガス式ともに1人1個まで持ち込むことができます。
以上、代表的なところを紹介しましたが、航空会社によって細かなルールは異なりますので、事前にオフィシャルホームページで確認しておくようにしましょう。

大空港ほど時間に余裕を!国内の注意が必要な空港

ジェットスターが就航している空港は国内線だと16空港、国際線にも対応している空港はそのうちの成田国際空港、関西国際空港、中部国際空港の3空港ありますが、この3空港はいわゆる大空港と呼ばれる規模の空港で、ターミナルビルが複数あり、それぞれのビルが大きくターミナル間やビル内の移動に時間がかかります。
そのため国内線であれ国際線であれ、これらの空港を利用する際には、他の空港を利用する時以上に時間に余裕を持って行動しましょう。

成田国際空港

成田国際空港は1から3まであるターミナル間の距離が長く、各ターミナルをシャトルバスが結んでいますので、ターミナル間を移動する時はこれを利用すると便利です。
ただし成田国際空港のジェットスター搭乗口は第3ターミナルにあり、ANAやJALの搭乗口になっている第1ターミナルとはシャトルバスを利用しても15分程度かかる距離にあるので、間違えてしまうと大幅に時間をロスしてしまいます。
シャトルバスに乗る際も、ジェットスターの搭乗口は「第3」ターミナルにあるということを忘れないようにしましょう。
また第3ターミナルの最寄り駅は、京成・JR線空港第2ビル駅から徒歩約10分かかる距離にありますから、荷物を抱えての移動やお子さん連れだと10分では到着できないかもしれないので、さらに余裕を持って行動する必要があります。
京成・JR線空港が入っている第2ターミナルビルから第3ターミナルビルに最も早く行くルートは、第2ビルのバス乗り場から第3ターミナル行のバスに乗る方法です。このルートなら約3分で第3ターミナルビルに行くことができます。
バスの始発は4:30、間隔は3-10分間隔で運行しているので、待ち時間を考慮してもこちらの方が早く確実に移動できます。

関西国際空港

関西国際空港のジェットスターの搭乗ゲートは第1ターミナルにあり、南海・JR関西国際空港駅に直結しています。
またバスも最初に第1ターミナル国際線出発フロアに停車しますし、タクシー乗り場や団体客向けのバス降り場も第1ターミナルあります。そのため空港到着後の移動時間はあまり気にする必要はないでしょう。
関西国際空港で注意すべき点は、「ジェットスター以外のLCCの搭乗口は第2ターミナルにある」という点です。
「LCCは第2ターミナル」と勘違いし、約4キロ離れた第2ターミナルに移動してしまう方がいるようなので、「ジェットスターの搭乗口は第1ターミナル」という点は忘れないようにしましょう。
なお、関西国際空港にもターミナル間を結ぶ無料のシャトルバスがあります。

中部国際空港

現在のジェットスターの搭乗口は第2ターミナルですが、これは2019年に第2ターミナルが新設された際に移転したものです。そのため過去に中部国際空港でジェットスターを利用したことがある方が前と同じと思って第1ターミナルに向かうと、想定外の徒歩約10分の距離を歩くことになります。
中部国際空港には成田国際空港や関西国際空港のようなターミナル間を結ぶシャトルバスはないので、時間ギリギリだと締め切りに間に合わずに搭乗できなくなる可能性があります。余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。

遅れそうになった・遅れた場合の対処法

ジェットスターなどのLCCは荷物や受付時間など対応がシビアで、受付時間に少しでも遅れると搭乗できません。
そのため余裕を持って受付を済ませることが望ましいのですが、どんなにスケジュールに余裕を持って行動しても、予期せぬトラブルや渋滞、公共交通機関の運転中止などに巻き込まれて、搭乗手続きに間に合わないという事態が時には起きてしまいます。
そうした事態に陥った場合、事前に遅れそうなことをまずは航空会社に連絡することが重要です。

遅れそうな時はまず連絡

どのような理由にせよ、遅れそうな時はまずは航空会社の窓口に連絡をしましょう。キャンセル手続きしなかったら、航空会社としては対処のしようがなく、支払った料金が無駄になってしまいます
また、航空機は天候やトラブルへの対応などで遅延することがよくあります。そのため利用者が遅れた場合でも、状況によっては空港到着後にスムーズに手続きを行えば、間に合う可能性も残されています。
事前にこちらの状況を伝えておけば、航空会社が対応を判断することになりますので、航空会社のためにも、自分自身のためにも遅れそうな場合はまず連絡しましょう。

遅れてしまったら

実際に遅れてしまった場合、ジェットスターは振替便で対応してくれます。
振替便は、乗り遅れた乗客が到着遅延料を払うことで、別の時間の便を手配してくれるサービスです。
振替便の到着遅延料5,000円で、多くの場合チケットを新しく購入するよりも安く乗ることができ、チケットを係員が手配してくれるので、自分で予約する手間もありません。
もしどうしても間に合わなかった場合は、この振替便を利用することを検討しましょう。ただし、振替便の座席が予約で満席になっていたり、希望の時間帯の便に振替できなかったりする場合もありますので、遅れないようにすることを第1に考えましょう。

まとめ

以上がジェットスターに搭乗する際の注意点ですが、受付時間や持ち込み物品などはトラブルになりやすいですし、ターミナルの場所が通常と違うこともあります。このようなことはLCCならではの注意点といえるかもしれません。
そうした注意すべきポイントを事前に押さえ、トラブルのない快適な空の旅を楽しんでください。