ANAマイルという言葉は聞いたことがあると思います。でも、マイルは飛行機に良く乗る機会がある人のためのサービスと思っている方が多いかもしれません。それに“マイル”という意味が分かりづらい。今回は、マイルが具体的にどういうものなのか、どんなメリットがあるのかさっぱり分からない…という方に、国内の航空会社のポイントプログラムでは最大級のANAマイルについて解説します。
ANAマイルとはどんなサービス?
マイルってそもそも何なの?
マイル本来の意味は、距離(1マイル=1.60934キロ)の単位ですが、ここで言っているマイルとは要するにポイントのことです。航空会社のポイントなので、搭乗距離に応じてポイントが決まることから、あえてマイルという言葉を使っています。飛行機を利用するとマイルが貯まり、一定数貯まるとさまざまな特典に交換できる仕組みですから、簡単に言うと日ごろ慣れ親しんでいるスーパーやコンビニなどのポイントと同じことなのです。
マイレージといった言葉も聞きますが、こちらはマイルを貯められる制度のことを指します。マイレージをマイルと呼んでいることもあるので、さらに分かりづらくなっているかもしれません。航空会社が顧客にこのようなサービスを提供するワケは、より多くのリピーターを獲得したいという意図があり、顧客と航空会社の双方にメリットがあります。
日本国内最大級のANAマイル
たくさんの航空会社のマイレージサービスがありますが、国内で規模の多きいものはANAマイルとJALマイルの2つです。ですから、国内の出張や旅行に関してはこの2つのどちらかに登録しておけばよいでしょう。特にANAマイルの会員数は3,200万人以上で、国内のマイレージプログラムでは最大です。正式名称は、ANAマイレージクラブ。略してAMCと呼ぶこともあります。
ANAマイレージクラブに加入するには?
マイルを貯めるには、ANAマイレージクラブへの加入が必要です。加入手続きはANA公式サイトから簡単にできます。申し込みは審査不要で、すぐに“ANAマイレージクラブカード”を発行してくれますが、このカードにはクレジットカード機能が付いていません。マイルをより多く貯めたいなら、クレジット機能付きのカード “ANAカード”に申し込んでください。
ANAマイルを貯めるとお得なこと
マイルをせっかく貯めたのならお得に使わないと貯めた意味がありません。まずANAマイルの使い方から覚えていきましょう。
1.飛行機代がタダになる
マイルの醍醐味は、なんといっても特典航空券に交換できること。つまり、一定数のマイルが貯まっていれば飛行機にダダで乗れるのですから、これはお得です。
たとえば、沖縄旅行や大阪への出張に行こうと思ったとき、羽田空港から那覇空港や伊丹空港までの飛行機代が無料になります。しかも特典航空券は特定の路線や時期にしか使えないというわけではないので、自分で路線と乗る時期を決めることができます。
ただし、特典航空券の発行枚数が決まっているため、搭乗予定の飛行機に空席があったとしても、特典航空券に交換できないということがありますので、早めに予約しておく必要があります。また、GWやお盆などの混雑する時期は特典航空券の発券が一部除外されます。
以下は国内線の必要マイル数の一例です。シーズンおよび区間により異なります。
また、国内線特典航空券で利用できるのは普通席のみです。その他、発券開始時期、利用可能期間、空席待ち、幼児・小児についてルールがありますので、詳しくは、公式サイトの必要マイルチャートを参照してください。
路線 | 片道(レギュラーシーズン) | 片道(ローシーズン) |
---|---|---|
東京・大阪間 | 6,000 | 5,000 |
大阪・熊本間 | 6,000 | 5,000 |
東京・沖縄間 | 9,000 | 7,000 |
大阪・石垣間 | 9,000 | 7,000 |
札幌・沖縄間 | 10,000 | 8,500 |
2.航空券以外でお得なこと
航空券のほかにも、ANAが指定する商品との交換や、ショッピングサイトなど、さまざまなものに交換できます。
ANA SKY コイン
SKYコインは、ウェブサイト上での航空券やツアー料金のお支払いに利用できる電子クーポンです。マイルをSKYコインに交換しておくと、予約した航空券やツアーの支払いに使えます。
10コイン=10円から利用でき、SKYコインで航空券や旅行商品を購入してもマイルが貯まります。
ANAセレクション
ANAおすすめの商品に交換できます。
たとえば、10,000マイルで交換できるアイテムは、ホームベーカリー、ミル付きミキサー、ワイン6本セット、コシヒカリ8kgなどです。
余った端数のマイルは、次に紹介するA-styleで1マイルから使えます。
ANAショッピング“A-style”
マイルを使ってA-styleで好きな商品の買い物ができます。
A-styleとは、ANA公式のショッピングサイトです。1マイル=1円で買い物を楽しめます。ファッション、生活雑貨、グルメなどバラエティ豊かな商品が揃っています。
このサイトで商品を購入してもマイルが貯まるのは魅力です。
その他楽天スーパーポイントなどの提携パートナーのポイントに交換、レストランの食事、ホテルの宿泊、レンタカー利用などのクーポンへの交換など、さまざまなシーンで利用できます。
ANAマイルの貯め方
1.飛行機を利用する
マイルを貯める方法で代表的なのは、飛行機に乗った際に付与されるマイルです。とはいえ、実際には飛行機を利用してもマイルは予想に反してあまり貯まりません。例えば羽田-那覇間をANAの飛行機を利用したとしても、1,476マイルしか貯まりません。フライトマイルを貯めようとして始めた方でも、「意外に貯まらない…」と諦めてしまう方も多いと思います。
ANAマイルは、旅行好きで月に何度も飛行機を利用している方や出張の多いビジネスマンにとっては大変お得なサービスなのですが、それ以外の人にとってメリットはあるのでしょうか?飛行機に乗らないからマイルなんて貯まるわけがない…と思うのは当然かもしれません。
2.その他のマイルを貯める方法
実は飛行機に乗らなくても、日常生活でコツコツとマイルを貯めていく有効な方法がいろいろあります。いくつかをご紹介しましょう。
クレジットカード決済
飛行機にはほとんど乗らないけれど、ANAマイルに興味があるという方は、スーパーやコンビニでの毎日の買い物の支払いを現金ではなく、クレジットカード決済にすると良いでしょう。「頑張って貯めよう!」と思わなくてもいつの間にかマイルが貯まっています。
さらに、毎月の電気代やガス代、水道代、携帯代などの固定費もクレジットカードに集約すると、もっと効率よく貯まるので、年間10,000マイル位貯めるのは夢ではありません。そんなに苦労もしないで貯まったマイルで、1年に1回位飛行機代無料で旅行に出かけている“陸マイラー”は意外に大勢います。
なお、クレジットカードによって、ポイント付与率はさまざまですが、100円=1ポイントで、1ポイント=1マイルに移行できるカードの利用が一般的です。
ANAカードがおすすめ
ANAマイルを貯めるために新規にクレジットカードに申し込むのであれば、ANAカードをおすすめします。ANAカードは、全日空がカード発行会社(三井住友カード、アメリカン・エキスプレス・カード、JCBカード、三井住友トラスト・カード)と提携し、マイルを貯めることに特化して発行しているカードです。
ANAカードで旅行に行くときの飛行機代や、日々の買い物などを支払えば、効率よくマイルを貯められます。また、飛行機に搭乗する度に、通常のマイルに加えて、カードの種類に応じてボーナスマイルがもらえるのも大きな魅力です。
ANAカードについては情報が非常に多いので、詳しく知りたい方は公式サイトでじっくりと確認して、自分のライフスタイルに合うカードを選びましょう。
※初心者におすすめのANAカード①“ANAアメリカン・エキスプレス・カード”
ANAアメックスカードは、ANAマイラーから高く評価されているクレジットカードです。ANAカードとアメックスの両方の特典を利用できることや、上質な空港ラウンジが使えるなど魅力的なサービスが付帯されています。特に年間の上限なしでマイルを貯められること、ANAアメックス独自の特典や入会キャンペーンなど他のカードにはないサービスが付帯されている点が人気の理由です。カード利用100円につき1ポイントと貯まりやすく、ポイントは1,000ポイント(1,000マイル)単位でマイルに移行できます。
※初心者におすすめのANAカード②“ANA VISA Suicaカード”
ANA・JR東日本・三井住友カード提携のクレジットカードです。このカードはSuicaへのチャージでもポイントを貯められることが大きな特徴です。Apple Payにも対応しており、スマートフォン決済でもマイルが獲得できます。
ANAマイレージモール経由で買い物
インターネットショッピングの際に、ANAマイレージモールを経由して楽天市場など、ANA提携の通販サイトで買い物をするとマイルが加算されるサービスがあります。買い物以外にも、ホテルやレストラン、レンタカーの予約などでもマイルを貯めることができます。マイレージクラブ会員なら、だれでも利用できる会員向けに提供されているポイントサイトです。
モールにログインしたら、利用したい提携ショップを訪問して買い物をすると、利用確定後に加算されたマイルを確認することができます。モールを経由するだけで、もらえるマイル数がかなりアップするのですから、これは見逃せません。マイラーには非常にお得で使い勝手が良いサービスです。
ちなみに、マイレージモールの提携サイト300以上ありますが、中でもおすすめは、1位が楽天市場、2位がApple公式サイト、3位がじゃらんnetです
Amazonの買い物でANAマイルを貯めるには?
Amazonを利用している方は多いと思いますが、先にご紹介したANAマイレージモールとAmazonは提携していません。しかしAmazonを利用する際にもANAマイルを貯める方法がいくつかあります。そのうちの一つがポイントUPモールです。
ポイントUPモールとは、三井住友カードの運営によるショッピングモールです。三井住友カード所有者限定ではありますが、ポイントUPモール経由で提携サイトで買い物をすると、ポイントを効率よく貯められます。Amazonはこのモールと提携しており、買い物の際にモールを経由するだけでポイントが2倍になります。このことから、Amazonで買い物をすることが多い方がANAカードを持つ場合は、三井住友カードと提携しているANA VISA一般カードに申し込むと良でしょう。
提携ホテルに宿泊
東急ホテル、プリンスホテルオークラ ホテル、ザ・ペニンシュラホテルなど、提携先のホテルに宿泊することでもマイルが貯まります。1宿泊で〇〇マイルとか、宿泊金額に応じてマイルを積算する方法など、ホテルによって加算ポイントが違いますので、利用されるときは公式サイトで確認してください。
そのほか、ANAが提携するレストランでの食事や、引っ越しの際の業者への支払いなど、さまざまなシーンでマイルを獲得できますので、自分が日ごろ比較的多く利用するサービスでANAマイルが貯められるかを調べて、チェックリストに入れておくとよいでしょう。
ANAマイルは初心者におすすめ
ANAマイルの使い方、貯め方について紹介してきましたが、マイルというものがどんなものかお分かりいただけましたか?
ANAマイレージプログラムは、日常生活でマイルが貯まるサービスを多彩に展開している点が魅力です。マイルを貯めるには、まずANAマイレージクラブに加入するか、ANAカードに申し込みましょう。ANAカードは非常に種類が多いので、自分のライフスタイルにどのカードが一番合うかをじっくりと考えて選んでください。
飛行機の搭乗以外では、毎日の生活での支払いをANAカードに一本化すると、マイルがどんどん貯まります。マイルを貯めて沖縄へ無料で旅行をしてみたいなど、目標となるマイル数を設定して、ゲーム感覚で貯めていくのも楽しいのではないでしょうか。さらに、ANAマイレージクラブアプリを利用してよりマイルの活用を便利することが可能なのでぜひ活用してみてください。
クレジットカードは使わないというポリシーをお持ちの方でなければ、今回の記事で紹介したさまざまな方法でANAマイルを効率よく貯め、ANAのお得なサービスを使いこなしてください。