ピーチ航空は、関西国際空港を拠点とする国内最大規模のLCC(ローコストキャリア)です。
独自のポイントシステム「ピーチポイント」があり、航空券の購入時等に利用できますが、マイルとは異なる貯め方をします。
そこでこの記事では、ピーチポイントの概要や貯め方、マイルとの違いのほか、ポイントの有効期限や譲渡禁止についてなどを説明しています。
日頃からピーチをよく利用する方はもちろん、これからピーチを利用したいと考えている方も、ぜひ参考にしてください。
ピーチポイントとは「マイルではない」
ピーチポイントは、ピーチの航空券の購入や手数料の支払い等に利用できるポイントです。
1ピーチポイント=1円として使え、現金やクレジットカードで支払うよりお得になる場合もあります。
また、ピーチポイントは他社で言うマイレージシステムとは別物です。
ピーチにはJALやANAのように、搭乗の度にマイルが付与されるマイレージプログラムがなく、飛行機に乗ってもピーチポイントは付きません。
ピーチポイントは、一般的なマイレージプログラムとは異なる仕組みで付与されます。
ピーチポイントの貯め方
ピーチポイントを貯めるには、次のような方法があります。
キャンセルによる払い戻し
ピーチの一部プランで購入済みのチケットをキャンセルすると、ピーチポイントで運賃が払い戻されます。
手続きの申請からピーチポイントの付与にかかる時間は約1週間です。
払い戻しの対象になるのは運賃だけで、座席指定料金や手荷物預け入れ料金などは払い戻されません。
またキャンセルの手続きができるのは、出発時刻の1時間前までです。
時間を過ぎると払い戻しができなくなり、支払った料金の全額を失うことになるので、早めに手続きしましょう。
ピーチポイントは利用者が登録したメールアドレスにメールで送られてきます。
送信メールアドレスは「itinerary@resmail.flypeach.com」なので、迷惑メールフィルタを使っている場合は受診設定を変えておくと安心です。
なお、ピーチポイントのメールはHTML形式で届きます。
HTML形式は、携帯電話の機種によっては受け取れない場合がありますので、メールアドレスはパソコンのアドレスを登録しておいた方がいいでしょう。
公式サイトからの購入
ピーチポイントはピーチの公式サイトで購入できます。
購入にはピーチアカウントへの無料登録が必要です。
名前やメールアドレスなど必要事項を入力してアカウントを登録すれば、すぐに利用できるようになります。
ピーチポイントは、3,000円分、4,000円分、5,000円分、10,000円分、15,000円分、20,000円分、25,000円分の単位で購入ができ、1ポイントずつ購入することはできません。
支払い方法は、次の5つから選べます。
- クレジットカード決済
- バーコード決済
- コンビニエンスストア
- ATM
- ネットバンキング決済
購入したピーチポイントは、ピーチポイントの名義人のメールアドレスにメールで送られてきます。
送信メールアドレスは「noreply@resmail.flypeach.com」で、払い戻し時のメールアドレスとは異なるため注意してください。
ピーチカード会員の特典
ピーチが発行するクレジットカード「ピーチカード」の会員になると、特典としてピーチポイントが付与されます。
特典は入会時に受け取れるほか、年間カード利用額によっても以下のピーチポイントの受領が可能です。
付与タイミングと受け取れるピーチポイント | ||
---|---|---|
付与タイミング | ベーシック会員 | プレミアム会員 |
新規入会時 | 1,000円分 | 2,000円分 |
年間50万円以上のカード利用 | 4,000円分 | 10,000円分 |
ベーシック会員は年会費無料、プレミアム会員は年5,500円(税込)が必要です。
ほかにもピーチカード会員になると、会員限定のお得なセールが利用できるなどさまざまな特典があるので、ピーチをよく利用する方にはピーチカードへの入会をおすすめします。
ANAマイルからの交換
ピーチはANAの連結子会社です。
そのため、ANAのマイルをピーチポイントに交換することができます。
交換は500マイルから行え、交換率は90%です。
500マイルであれば450ピーチポイント(450円相当)となります。
交換にはANAの公式サイトとピーチ公式サイトの両方で手続きが必要です。
- ANA公式サイトからポイント交換用の電子クーポンを発行する
- 発行時に「クーポン番号」と「パスワード」を確認する
- ピーチ公式サイトから、番号とパスワードでポイントを発行する
ANAのマイルをピーチポイント交換用の電子クーポン(eギフトカード)に交換したあと、ピーチアカウントにログインしてピーチポイントを発行します。
発行されたピーチポイントは、ポイント番号とセキュリティコードを入力すれば利用可能です。
ただし、電子クーポンからピーチポイントへの交換は期限が設けられており、期限を過ぎると無効となってしまうので注意してください。
交換タイミング | 電子クーポン→ピーチポイントへの交換期限 |
---|---|
4月1日~9月30日 | 同年の10月31日23時59分まで |
10月1日~3月31日 | 翌年の4月30日23時59分まで |
キャンペーンでのプレゼント
ピーチポイントは各種キャンペーンでプレゼントされることがあります。
ピーチの公式サイトをこまめに見て、キャンペーンの実施情報をチェックしましょう。
ピーチポイントの使い道
貯まったピーチポイントは、次のような料金を支払う時に、現金の代わりとして利用することができます。
- チケットの料金
- 座席指定の料金
- スペースシートオプション料金
- 受託手荷物(預け入れる荷物)の料金
- その他の手数料や税金
ピーチポイントでの支払いは、ピーチのWEBサイト、コンタクトセンター、空港カウンターで行うことができる上、WEBサイトとコンタクトセンターならクレジットカードなどほかの支払い方法との併用もできます。
チケットの料金
ピーチポイントは、飛行機のチケット代金の支払いに利用できます。
全額をピーチポイントで支払うこともできますし、クレジットカード払いなどと併用して使うことも可能です。
座席指定の料金
ピーチの座席の料金は、安い方から順にスタンダードシート、プレジャーシート、スマートシート、ファストシートの4種類で、いずれもピーチポイントでの支払いが可能です。
プランによって指定料金がかかるほか、同じグレードの座席でも申し込んだ場所(WEBサイト、コンタクトセンター、空港カウンター)によって料金が変わります。
さらに、チケット購入と同時に座席指定を申し込んだのか、チケットを購入後に追加したのかによっても料金が変わります。
ピーチのWEBサイトでチケット購入と同時に座席指定を申し込んだ場合が最も安くなり、その料金は以下の表の通りです。
座席の種類 | 座席状況 | 国内線の座席指定料金 |
---|---|---|
ファストシート | 最前列のシートで、足元のスペースが広い(ミニマム、スタンダードは指定不可) | 1,590円 |
スマートシート | 機体前方部の2列目から5列目、および非常口座席 | 1,090円 ※ミニマム以外無料 |
プレジャーシート | 機体前方部の6列目から11列目、および窓側の座席 | 840円 ※ミニマム以外無料 |
スタンダードシート | 上記以外の座席 | 790円 ※ミニマム以外無料 |
ミニマムおよびスタンダードは、最上位のファストシートの指定はできません。
またミニマム以外のプランには、ファストシート以外の座席指定料金が運賃内に含まれるので、追加料金は不要です。
ピーチポイントを座席指定料金に使う場合、ミニマムプランでの利用がメインになるでしょう。
スペースシートオプション料金
ピーチポイントは、スペースシートオプション料金にも利用可能です。
スペースシートオプションとは、指定した座席の隣の席を確保するサービスのことで、座席指定料金とは別に、国内線で2,000円、国際線で3,000円かかります。
座席指定料金より高額ですが、隣り合った席を連続して確保できるため、ゆったり手足が伸ばせます。
注意点は、通常の座席指定とは異なりコンタクトセンターでしか申し込めない点です。
予約が完了してから下記の予約可能期間内に手続きすれば、ピーチポイントを使って指定できます。
- 国内線:出発予定時刻の3時間前まで
- 国際線:出発予定時刻の24時間前まで
受託手荷物(預け入れる荷物)の料金
ピーチでは、受託手荷物(預け入れる荷物)の料金をピーチポイントで支払うことができます。
受託手荷物の料金は運賃タイプによって異なり、最も安いミニマムは全ての受託手荷物が有料です。
また、WEBサイトで申し込んだか、コレクトセンターや空港カウンターで申し込んだか、チケット購入と同時に申し込んだのか否かでも、料金が変わります。
受託手荷物料金は、WEBサイトでチケット購入と同時に申し込んだ場合が最も安く、次の表のようになります。
プラン | 1個目 | 2~5個目(1個あたりの料金) |
---|---|---|
ミニマム | 1,950円 | 1,950円 |
スタンダード | 無料 | |
スタンダードプラス | 無料 |
また、預け入れる荷物には次のような決まりがあります。
大きさ | 3辺の長さの合計が203cm以内 |
---|---|
個数 | 1人5個まで |
重さ | 総重量は1人100kg(1個32kg)まで、20kg超から追加料金が必要 |
ミニマム以外のプランは受託手荷物1個分は無料です。
いずれのプランでも、総重量20kgを超えた場合には追加料金がかかります。
さらに3辺合計が204cm以上であればサイズ超過料金が発生するので注意しましょう。
預け入れる荷物が多い場合には、貯めたピーチポイントをうまく活用してみてください。
その他の手数料や税金
ピーチではチケットを購入する際、チケット代とは別に新規予約手数料や発券手数料がかかります。
これらの手数料はプランや予約場所によって異なりますが、いずれの税込料金もピーチポイントでの支払いが可能です。
ほかにも予約を変更したり、取り消したりする際に手数料が必要となり、場合によっては手数料やその税金だけで出費がかさみかねません。
貯めたピーチポイントで必要な手数料の支払いをまかなうことを検討しましょう。
ピーチポイントを支払いに使う方法
さまざまな用途に使えるピーチポイントですが、実際に使うにはどうすればいいのでしょうか。
具体的な利用手順を解説します。
ポイントを確認する
ピーチアカウントサイトにログインすると、ピーチポイントのページからどれくらい貯まっているのかが確認できます。
ピーチポイントのページには、有効なピーチポイントとポイント番号、有効期限などが確認可能です。
ここから残ポイントを確認し、希望の支払い額に対して足りるかを計算しておくといいでしょう。
また、キャンセルの払い戻しや購入などによりピーチポイントが発行されると、お知らせのメールが届くので、メールで確認することもできます。
支払いに使う
ピーチのWEBサイトから航空券を予約する際、ピーチポイントを支払いに利用する方法について、次の3ステップで解説します。
- 「最終確認・購入」画面の「お支払方法」から「ピーチポイント」を選択する
- ポイント番号とセキュリティコードを入力して「追加する」を押す
- 「ピーチポイント利用合計」の金額を確認し、購入に進む
ピーチポイントは1度に5つまで利用できます。
5つ分使う場合、各ピーチポイントのポイント番号とセキュリティコードを入力して「追加する」ボタンを押す操作を、最大5回まで繰り返すことになります。
ポイント番号がわからないときは、ピーチポイントが発行されたときのお知らせメールか、ピーチアカウントサイトのピーチポイント管理画面で確認してください。
コンタクトセンターまたは空港カウンターでは、スタッフにピーチポイントの利用を伝え、手続きしてください。
ピーチポイントを貯めるとき、使うときの注意点
便利なピーチポイントですが、貯めたり使ったりするにはいくつかの注意点もあります。
気をつけたいポイントを以下にまとめました。
払い戻しのない運賃タイプがある
ピーチポイントは運賃の払い戻し時に受け取れますが、払い戻し自体が受けられない運賃タイプがあります。
払い戻しが不可能なのは、最も運賃の安い「ミニマム」です。
払い戻しできるほか2つのプランは、払戻手数料を差し引いた金額が戻ってきます。
下記に、ピーチの運賃タイプごとの払い戻し金額を一覧表にまとめたので参考にしてください。
運賃プラン | 払い戻し金額 |
---|---|
ミニマム | 不可 |
スタンダード
※ピーチポイントで返金 |
搭乗30日前まで:1,000円差し引いた額を返金
搭乗29日以降:3,000円差し引いた額を返金 |
スタンダードプラス
※支払い方法で返金 |
500円差し引いた額を返金 |
ピーチポイントで払い戻されるのは基本的に「スタンダード」です。
「スタンダードプラス」は運賃を支払ったときと同じ形態で払い戻されます。
悪天候を理由とした欠航など、顧客都合ではないキャンセルについては、全プランにて払戻手数料なしで払い戻しが可能です。
この場合には運賃の支払時と同じ方法で返金されるので、ピーチポイントで支払った人はポイントが返ってきます。
アカウントの名義人がいないと使えない
ピーチポイントは、ピーチアカウントの名義人が搭乗者に含まれていなければ使えません。
アカウントの名義人がピーチポイントで他人名義のチケットを買った場合、搭乗メンバーにピーチアカウントの名義人本人が含まれる必要があります。
ピーチポイントの名義人とはピーチアカウントの名義人です。
家族分のチケットであっても同乗者にアカウントの名義人が必要なので、注意してください。
譲渡や現金化ができない
ピーチポイントは譲渡や転売、換金が禁止されています。
ピーチポイントはかつてネットオークションなどで売買されたことがあり、その経験を踏まえて名義変更や譲渡を禁ずるなど管理が厳格化しているのです。
ピーチポイント名義人の利用を含む運賃や手数料の支払いに使いましょう。
180日以内に使わないと失効する
ピーチポイントの有効期限は発行から180日で、約半年です。
有効期限内であればいつでも利用できますが、有効期限を過ぎたポイントは失効し、使うことができません。
ピーチポイントの有効期限は、発行の際に送付されるメールや、ピーチアカウントサイト内のピーチポイントの画面で確認できます。
ピーチポイントをお得に貯める・使う裏ワザ
有効期限のあるピーチポイントは、失効するまでに使い切るのが難しいこともあります。
できるだけお得に貯めたり使ったりするために、次の裏ワザをチェックしておきましょう。
カード会社のポイントから交換する
ピーチカードで提携しているクレジット会社は、JCBとVISAの2種類です。
この提携クレジット会社のポイントをピーチポイントに交換し、貯めることができます。
会員種 | JCBピーチカード | VISAピーチカード |
---|---|---|
ベーシック会員 | Okidokiポイント1ポイントをピーチポイント5円相当に交換 | 1Vポイントをピーチポイント1円相当に交換 |
プレミアム会員 | Okidokiポイント1ポイントをピーチポイント8円相当に交換 | 1Vポイントをピーチポイント1円相当に交換 |
ピーチポイントを貯めたいなら、JCBのカードにした方が早く貯まりそうですね。
VISAカードは初年度のみ年会費が4,125円(税込)と、通常の年会費5,500円(税込)より割安です。
ポイントサイトを利用する
ポイントサイトを活用してANAマイルを貯め、そこからピーチポイントに交換する方法もあります。
モッピーなどのポイントサイトを経由してANAを利用すると、ANAマイルを効率的に貯めることが可能です。
予約日までの期間が短いと、ANAでの予約は早割がきかず高くなることがあります。
マイルとポイントを交換しても、ピーチで予約した方がお得な可能性が高いのです。
ANAマイルを普段から貯めておけば、いざというときにピーチポイントに変えて格安で搭乗できるでしょう。
有効期限を延長する
ピーチポイントは、チケットをキャンセルした際の払い戻し金として発行され、180日後に失効します。
期限内に使い切れない場合はピーチポイントでいったんチケットを購入し、すぐにキャンセルすれば再びピーチポイントとして払い戻されるので、有効期限をもう半年延長することができます。
ただし、購入するチケットは必ずスタンダードプラスにしてください。
ミニマムは払い戻しができませんし、スタンダードは取消手数料の1,000〜3,000円を差し引いた残りの金額しか払い戻しされません。
スタンダードプラスは取消手数料500円と、もっとも少ない手数料でキャンセルが可能です。
理論上、この方法を繰り返せば期限は延長できますが、そのたびに500円分のピーチポイントを失うことになるので、できるだけ有効期限内に使い切るのがおすすめです。
まとめ:ピーチポイントを上手に使ってお得な旅を
ピーチポイントの、貯め方、使い方、注意点などを紹介しました。
ピーチポイントには制約がありますが、ANAマイルやカード、キャンペーンなどの活用で貯めることで、格安なピーチをよりリーズナブルに利用できます。
ピーチの飛行機によく乗る方は、ピーチポイントを上手に使ってお得な旅を楽しんでくださいね。