飛行機はほかの交通機関と異なり、スマートフォンなどの電子機器の取り扱いについて、機内での使用に制限を設けています。
そこでこの記事では、LCC（Low Cost Carrier）の中でもとりわけ運賃の安さに定評があるジェットスターのWi-Fiの取り扱いについて解説しています。
ジェットスターの機内ではWi-Fiを使えるのかどうかや、電子機器の基本的な取り扱いルールを知り、飛行機内での過ごし方の参考にしてください。
ジェットスターの機内でWi-Fiは使えない
結論から申し上げると、ジェットスターは国内線も国際線も機内でWi-Fiを使うことはできません。
したがってジェットスターの機内では、スマートフォンやタブレットなどの電子機器を持ち込んでも、インターネットに接続したり通話したりすることは不可能です。
最近は国際線や国内線の機内にてWi-Fiサービスが利用できる航空会社が増えてきましたが、ジェットスターをはじめLCCではまだ機内Wi-Fiの環境が整っていません。
乗客が個人的に持ち込んだポケットWi-Fiも同様に使えないので、機内に持ち込む際は電源をオフにする必要があります。
ジェットスター機内でWi-Fiが使えない理由
電車やバスと違い、一般的に飛行機ではWi-Fiが使えないため、機内でインターネットに接続することはできません。
では、どうして飛行機ではWi-Fiが使えないのでしょうか。
Wi-Fiの電波が運航に障害をおよぼすため
機内に持ち込んだスマートフォンなどをWi-Fiにつなぐと、飛行機の外部と無線通信するために電波が発せられます。
その電波の周波数が、飛行機を誘導する管制塔が発する周波数と近いといわれており、本来の正しい航路を妨害してしまう恐れがあるのです。
また、スマートフォンなど電子機器の発する電波が、飛行機にあるさまざまな計器に影響を与える可能性も指摘されています。
飛行機の内部と外部との間で無線通信を行うことで電波が発せられ、安全な運航が脅かされる危険があるため、Wi-Fiの利用は禁じられているのです。
機内でWi-Fiを使ったらどうなる？
ジェットスターの機内で許可なくWi-Fiを使用すると「航空法施行規則第164条16」などに違反します。
禁止命令を無視し続けた場合は50万円以下の罰金を課せられる恐れもあるのです。
この法律は、日本の航空会社だけでなく、日本の領空を飛ぶ外国の航空会社の飛行機にも適用されます。
過去には機長の指示に従わずにメールのやり取りを止めなかった男が逮捕された事例がありますので、機内では必ず乗務員の指示に従い、勝手な振舞いをしないようにしましょう。
ジェットスター機内では「機内モード」を使おう
ジェットスター機内にはWi-F環境がないため、モバイル端末を持ち込んでも意味がないと思っていませんか。
しかし、機内に持ち込んだスマートフォンなどの電子機器は、次に述べるやり方であれば使用できます。
機内では「機内モード」でスマホを使用可能
機内モードとは、スマートフォンなどの電子機器の無線通信を一切使えなくする機能のことです。
機器によってはフライトモード、電波OFFモード、オフライン状態などと呼ぶこともあります。
飛行機に乗ると「機内では電子機器の電源はオフにするか、機内モードに設定の上、お使いください」というアナウンスが流れるので、この段階で機内モードを使いましょう。
かつては、機内に持ち込んだ電子機器は全て電源を切らなければなりませんでしたが、2014年9月に航空法が改正され、電源を切らなくても機内モードにすれば使用が認められるようになりました。
機内モードでできないこと
電子機器を機内モードに設定すると、無線通信を利用したサービスは一切使えません。
具体的には、以下のサービスが使えなくなります。
- インターネット
- メール
- 通話
- データ通信
- GPS
インターネットでネットサーフィンを楽しんだり、メールで写真を送信したり、電話をしたりといったことはできません。
携帯ゲーム機も同様に、ゲーム機同士で通信したり対戦したりできないので、ゲーム機に搭載されている無線スイッチをオフにするか、ネットワーク機能を無効にしてください。
ネットフリックスなどの動画配信サービスや、起動時に電波を発するタイプのアプリも利用できません。
電子機器を機内モードにすると？ジェットスターでの楽しみ方
機内モードにすると利用できるサービスは限られてしまいますが、電源をオフにして電子機器を全く使えない状態にするよりは、機内で楽しく過ごせます。
ここではジェットスター機内での楽しみ方の例を紹介しましょう。
Bluetoothイヤホンで音楽を楽しむ
Bluetoothを利用するワイヤレスイヤホンやワイヤレスヘッドホンは、ジェットスターの機内に持ち込んで常時使用することができます。
Bluetooth製品は電波を発しますが、航行に影響を与える心配がないため使用が可能です。
スマホやパソコンは機内モードであってもBluetooth機能は使えるので、設定からオンにし接続しましょう。
Bluetoothを利用して音楽や動画を楽しめれば、機内でも快適に過ごせますね。
音楽や動画は事前にダウンロードしておく
機内モードでは音楽や動画などのダウンロードはできません。
飛行機に乗る前にあらかじめダウンロードしておけば、機内でゆっくり観賞できます。
機内から外の写真を撮影する
スマホのカメラで窓の外の景色などを写真に撮るのもおすすめです。
空からの景色は飛行機ならではの撮影シーンなので、撮って保存しておけば、地上に戻った際にSNSに投稿して楽しめます。
ゲームや読書に没頭する
通信機能をオフにしたゲーム機で、ゲームに没頭したり、電子書籍を持ち込んで読書をしたりするのもおすすめです。
ジェットスター会員ならWi-Fi機器レンタルが割引に
ジェットスターの機内ではWi-Fiの利用はできませんが、旅先で使えるWi-Fi機器のレンタルは可能です。
「Club Jetstar」という有料のジェットスター会員になると、海外で使用できるWi-Fi機器のレンタルサービスを10％引きで利用できます。
旅先や出張先でスマートフォンやアプリの料金を気にせず、思う存分インターネットが使えて便利です。
Club Jetstarの年会費は3,980円ですが、年に3回以上ジェットスターに乗る機会がある方なら十分元が取れるでしょう。
ジェットスター以外に機内Wi-Fiがある航空会社は？
ジェットスターは機内でWi-Fiが使えませんが、ほかの航空会社の飛行機はWi-Fiが使えるのでしょうか。
2024年12月現在、JALとANAの国内線および国際線の機内では、一部機材を除いて無料でWi-Fiが利用できます（一部機能は有料）。
スターフライヤーも、Free Wi-Fi搭載機材であれば利用可能です。
飛行機のWi-Fiは、地上から人工衛星、そして飛行機のアンテナの順で飛ばした電波を利用します。
時間も手間もかかる仕組みであるため、通常のWi-Fiに比べて通信速度が遅く、利用状況によっては接続が切れることも少なくありません。
安定した通信環境ではないため、機内Wi-Fi大容量のデータの送受信には不向きとなり、ダウンロードや大切なデータを扱うのは避けたほうが無難です。
Wi-Fiがなくても！ジェットスター機内で電子機器を使うポイント
ジェットスターには機内Wi-Fiがないため、電子機器は機内モードで使うか、ほかの方法で楽しむ必要があります。
ジェットスター機内で電子機器を用いる際のポイントを以下にまとめました。
電子機器の制限タイミングに注意する
ジェットスターの飛行機に搭乗し、電子機器の使用が制限されるのは「飛行機のドアが閉まった時から着陸後の滑走が終わった時まで」です。
その間は電子機器から電波が発信されないよう電源を切るか、機内モードにしなければなりません。
離陸前に乗務員から電子機器の使用に関するアナウンスがあるので、指示に従ってください。
制限タイミング以外ならいつもと同じように使えますが、慌てて設定を変えるよりも余裕を持って準備することをおすすめします。
機内モードに設定していても、飛行中の運航状況によっては、機長判断で電子機器の電源をオフにしなくてはならない場合があります。
アナウンスがあった時は、速やかに指示に従いましょう。
モバイルバッテリーを持ち込んでおく
機内で長く電子機器を楽しむために、モバイルバッテリーを持ち込むのがおすすめです。
ジェットスターの国内線の機内にはコンセントやUSBの差込口がなく、国際線でもコンセントがついているのは一部機種になります。
バッテリーが切れても電源がなければ充電できないので、モバイルバッテリーを持ち込みましょう。
機内に持ち込めるモバイルバッテリーは、160Wh以下のもので1人2個までと決まっています。
エンターテイメント番組などの機内サービスは基本的に長距離国際線のみで、イヤホンの無料提供サービスなどもありません。
機内で音楽や動画を楽しむには自身で持ち込みが必要なので、モバイルバッテリーを含めて用意しておきましょう。
通信機能のない機器で楽しむ
通信機能が付いていないビデオカメラ、DVDプレーヤー、デジタルカメラなどはもともと電波を発しないため、ジェットスター機内に持ち込んで自由に使えます。
電波が出ない機器なら利用制限の心配もいりません。
DVDやCDを再生するなどして、飛行中に退屈せず楽しく過ごせます。
キッズモバイルは設定を変えておく
子供用の携帯電話、いわゆるキッズモバイルを持ち込む場合、電源を切るか設定を変えておきましょう。
キッズモバイルには一般的に機内モードがないので、持ち込む時は電源を切らなければなりません。
しかし見守り機能がオンのままだと、電源を切っても定期的に電源が入り、位置情報などを自動で送信してしまいます。
子供にキッズモバイルを持たせる時は、飛行機に乗る前に完全に電源オフにするか、電源オフ通知設定を解除する必要があります。
→ジェットスターの手荷物まとめ！パソコンは身の回り品として機内持ち込み可能！受託手荷物の扱いや追加料金に注意
まとめ：ジェットスターにはWi-Fiがない。スマホは機内モードで楽しもう
ジェットスターの機内Wi-Fiサービスの有無、スマートフォンなど電子機器を取り扱う際のポイントを解説しました。
ジェットスターでは機内Wi-Fiがありません。
事前にダウンロードしておいた動画や音楽などを再生したり、電子書籍を読んだりするなどして、楽しく過ごしましょう。
飛行機内ではジェットスターに限らず、持ち込んだ電子機器を機内モードに設定して、運航を妨げないようにすることが大切です。
