「晴れの国」と呼ばれる岡山県。その名の通り、他県と比べて岡山県は降水量が少なく、快晴の日が多いのが特徴です。そんな岡山県には、秋にこそ訪れたい観光スポットがたくさんあります。今回はみごとな紅葉を見られるスポットから日本を代表する夕陽スポット、秋を感じられる花畑まで、秋晴れの岡山県を満喫できる観光地を紹介します。

幻想的な美しさ!「後楽園」で秋の夜長を味わう


「後楽園」(こうらくえん)は、江戸時代に岡山藩主・池田綱政の命で造られ、主に藩主のやすらぎの場または接待の場として使用された大名庭園です。江戸時代の姿を今に残す後楽園は、現在では日本三名園の一つとして歴史的文化遺産に指定されています。

秋の後楽園の見どころ

13.3ha(東京ドームおよそ3個分)の敷地面積を誇る園内では、四季折々に表情を変える回遊式の庭園を巡り、季節の移ろいを感じることができます。秋には、約100本ものカエデが植えられている「千入の森」(ちしおのもり)や築山「唯心山」(ゆいしんざん)がとりわけ美しい紅葉を見せてくれます。また、菊花大会や名月鑑賞会などの秋ならではの各種イベントも催されます。後楽園の紅葉の見ごろは11月中旬から12月上旬にかけてです。

岡山城と一緒にライトアップ


後楽園から月見橋を挟んだ位置にそびえたつのは岡山城。別名「烏城」(うじょう)とも呼ばれています。その由来は、黒漆塗りの板で覆われていて、カラスのように真っ黒な外観をしているからです。秋には後楽園と岡山城、それぞれに「幻想庭園」「秋の烏城桃源郷」という名称でライトアップされます。幻想的に照らし出された後楽園からは同じくライトアップされ威厳を増した岡山城を望めます。昼には見ることのできない幻想的な空間の中で、秋の夜長を過ごしてみてはいかかでしょうか。

住所
岡山県岡山市北区後楽園1-5
電話番号 086-272-1148
営業時間 開園 8時00分
閉園 17時 (入園は16時45分まで)
URL https://okayama-korakuen.jp/
アクセス (公共)JR岡山駅から徒歩約25分
後楽園直通バスで約10分
路面電車で約4分「城下」下車、徒歩約10分
(車)山陽自動車道岡山ICから約20分

江戸時代にタイムスリップ!情緒あふれる「倉敷美観地区」

倉敷美観地区_岡山
白壁のお屋敷と柳並木が印象的な「倉敷美観地区」(くらしきびかんちく)。倉敷駅周辺の繁華街の近くにあるにも関わらず、美観地区に入ると雰囲気ががらっと変わり、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような街並みが広がります。美観地区の中心を流れる倉敷川のほとりを歩きながら散策するのもよし、川舟流しで川を下りながら柳並木の揺れを感じるのもよいでしょう。

倉敷で芸術の秋を

倉敷で訪れたいのが大原美術館。古代ギリシャの建築物かと思うような、重厚感のある外観が特徴的な建物です。大原美術館は、昭和初期に設立された日本初の西洋美術の展示を中心にした私立美術館です。館内にはエル・グレコやモネなど、誰もが一度は名前を聞いたことがある著名な芸術家の作品が飾られています。他にも、日本の近現代の絵画を展示している別棟の美術館や日本庭園など見どころは満載。芸術の秋にはもってこいの1日となるでしょう。

とてつもない種類のマスキングテープ


倉敷美観地区を歩いていると、マスキングテープの専門店があちこちにあることに気づきます。実は、倉敷はマスキングテープ発祥の地。倉敷市にある工業用テープのメーカーが、お客さんの声をヒントに生み出しました。今ではどこでも買えるマスキングテープですが、倉敷で出会えるマスキングテープのバリエーションの数は圧倒的な多さです。その数、種類に驚き、選び出したら止まらないことでしょう。マスキングテープの用途は工夫次第です。マスキングテープを使ったオリジナルな作品を作れば、クリエイティブな秋になるでしょう。

住所
岡山県倉敷市中央1-4-8
電話番号 086-422-0542(倉敷館観光案内所)
営業時間 倉敷美観地区の夜間照明:4月~9月(日没~22:00)10月~3月(日没~21:00)
URL https://www.okayama-kanko.jp/spot/10226
アクセス 岡山空港からのアクセス:
・岡山空港よりバスで倉敷駅(約35分)―倉敷駅より倉敷美観地区まで徒歩(約13分)またはバス(約5分)
・岡山空港よりタクシーまたはレンタカーで約50分

岡山を代表する紅葉スポット!「奥津渓」は見逃せない


岡山の秋といえばここ!と言われる紅葉の名所、「奥津渓」(おくつけい)。岡山県北部、吉井川沿いに3kmに渡って続く渓谷です。長い年月をかけて川の浸食によって生まれた渓谷美と、川の清流に体も心もリフレッシュできるでしょう。 

「奥津渓八景巡り」をしよう

奥津渓では、約800mのハイキングコースを歩きながら「奥津峡八景巡り」と呼ばれる絶景巡りをしましょう。天狗のような形をした奇岩「天狗岩」や、鮎が上流へ登れないほど強い川の流があることから名付けられた「鮎返しの滝」などを遊歩道から楽しむことができます。そして、八景の中でも特に見ておきたいのが、大小数十個の穴からなる「臼渕の甌穴群」(うすぶちのおうけつぐん)。この穴は、川底を転がる小石が川底の岩をえぐり、何十万年もの時間をかけてできたものです。自然の果てしない時間の流れに圧倒される散策となるでしょう。

紅葉の時期は一面が赤と黄色の世界に

美しい紅葉で名高い奥津渓の紅葉の見ごろは、10月中旬から11月上旬にかけてです。ダイナミックな岩肌とその間を流れる清流、そして赤色と黄色に染まる木々が、絵画のような景色を生み出します。例年、紅葉のオンシーズンには「奥津もみじまつり」が開催されます。ライトアップや各種イベントなど、この時期だけの楽しみを求めて行くのも良いでしょう。

住所
岡山県苫田郡鏡野町奥津川西
電話番号 0868-54-2987(鏡野町産業観光課)
営業時間 奥津もみじまつり期間中のライトアップ時間:日没~21:00頃
URL https://www.kagamino.holiday/spot/entry-84.html
アクセス 岡山空港からのアクセス:
・岡山空港より乗合タクシーで津山駅(約70分)- 津山駅より奥津温泉・石越線行きバス「小畑」下車(約60分)
・岡山空港よりタクシーまたはレンタカーで約80分

まるで雲に浮かぶお城!天空の「備中松山城」

備中松山城_岡山
「備中松山城」(びっちゅうまつやまじょう)は、日本に現存する12天守の中で最も高い所にある山城です。別名「天空の名城」とも呼ばれ、雲海が発生したときに見える天守の姿はとても雄大で幻想的。名前の通りお城が雲の上に浮かんでいるように見えます。昔のお殿様も、この幻想的な景色を見ていたのかなどと想像が膨らみますよ。

雲海と天守閣を見るには?

雲海は、季節や天候、時間などの条件が揃わないと見ることができない希少な自然現象です。昼間と夜間の温度差が大きくなる秋の晴れた早朝に、雲海が現れやすいとされています。雲に浮かぶ備中松山城を見るのであれば、朝一で天守の見える展望台(雲海展望台)に向かいましょう。最寄りのJR備中高梁駅から雲海の時間帯に合わせて観光乗合タクシーが出ているので、早朝でもアクセスの心配はいりません。

猫城主さんじゅーろーに会いにいこう


備中松山城の新しい城主、それが猫の「さんじゅーろー」。平成30年の西日本豪雨災害の後、どこからか迷い込んできてお城に住み着いたオス猫です。マイペースで愛くるしい姿は、いつしか備中松山城に欠かせない存在になりました。豪雨被害後の観光客の落ち込みからの復興に貢献した救世主でもあります。現在は1日2回城内の見回りをしますが、それ以外の時間は気ままにお城で暮らしています。お城見学の際には、城主のさんじゅーろーにもご挨拶しましょう。

住所
岡山県高梁市内山下1
電話番号 0866-22-1487(高梁市観光協会)
営業時間 【4月~9月】9:00~17:30
【10月~3月】9:00~16:30
(最終入城時間:閉城時間の30分前。ご理解・ご協力をよろしくお願いします)
URL http://www.city.takahashi.lg.jp/soshiki/9/shiro4240131.html
アクセス (公共)JR備中高梁駅から8合目のふいご峠まで、乗合タクシー(1人片道600円 ※前日17:00までに要予約)、天守まで徒歩約20分
(車)岡山自動車道賀陽ICから城見橋公園駐車場(5合目)まで約25分、ふいご峠(8合目)まで登城整理バス(大人往復400円・小学生以下 無料)で約5分、天守まで徒歩約20分

広大な「蒜山高原」で爽快ドライブを!


「蒜山高原」(ひるぜんこうげん)は、大山隠岐国立公園内にある岡山県を代表する高原リゾートです。春から秋にかけてはジャージー牛の放牧がおこなわれます。広大な大地と広い空がどこまでも広がる蒜山高原をドライブすると、秋の爽やかな空気がよりいっそうおいしく感じることでしょう。

ドライブコースのみどころ

蒜山高原では、ぜひドライブをして爽快な秋の風を身体いっぱい浴びてください。「蒜山大山スカイライン」は、岡山県の蒜山と鳥取県の大山を結ぶドライブロードです。このエリアの紅葉の見ごろは10月下旬から11月中旬にかけてです。鬼女台展望休憩所からは色づいた大山や広々とした蒜山高原が見渡せます。また、道中のブナの原生林は秋になると美しい黄金色に色づきます。その様子はまるで黄金のトンネルようです。道沿いにソヨソヨなびくススキも秋の風物詩です。秋の自然を感じながら颯爽と走り抜けましょう。

蒜山で食べたい、ひるぜんやきそば


長時間ドライブすると、おなかが空きます。ご飯休憩でぜひ食べたいのが蒜山グルメ、「ひるぜん焼きそば」です。そばに入れる材料に鶏肉と名産の蒜山高原キャベツを使用し、味付けには味噌と野菜や果物を混ぜた旨味たっぷりの甘辛いタレを使い、もっちりとした食感に仕上げられています。デザートには、新鮮なジャージー牛乳を使ったスイーツも外せません。

住所
岡山県真庭市蒜山上福田〜下徳山
電話番号 0867-66-3220(蒜山観光協会)
営業時間 ※営業時間や定休日、料金など変更されている場合がありますので、お出かけの際は問い合わせ先にご確認ください。
URL https://www.maniwa.or.jp/hiruzen/
アクセス (路線バス)岡山空港よりバスで岡山駅(約30分) ― 岡山駅より中鉄北部バスで「勝山」下車(約120分) ― 真庭市コミュニティバスまにわくんで「蒜山」(約80分)
(自動車)岡山空港よりタクシーまたはレンタカーで約120分 ※または鳥取県の米子空港より約80分

夕陽と夜景両方見たい!「鷲羽山」からの眺め


「鷲羽山」(わしゅうざん)は、瀬戸内海国立公園にある瀬戸内を一望できる展望スポットです。標高133mの山頂「鍾秀峰」(しょうしゅうほう)からは、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々、そして瀬戸大橋を見渡すことができます。

日本の夕陽百選に選ばれた夕焼けを見よう

瀬戸内海に沈む夕陽は、「日本の夕陽百選」に選ばれるほどの美しさ。温かい季節は湿潤な瀬戸内の気候が影響して、もやのかかった夕陽が多いのですが、空気が澄む秋から冬はすっきり澄んだ夕陽をみることができます。瀬戸大橋のたもとに近い第一展望台、大橋から少し離れた位置にある第二展望台の2か所の展望台があります。瀬戸大橋と夕陽のコラボレーションを見るのであれば、第二展望台に行きましょう。

日本の夜景百選に選ばれた夜景も見よう

夕陽を眺め終わっても、まだ帰らなでください。そのまま、鷲羽山スカイラインを通って「日本の夜景百選」に選ばれた美しい夜景を眺めに行きましょう。第二展望台から車でおよそ20分のところにある「水島展望台」は、暗闇の中で光り輝く倉敷市の工業地帯「水島コンビナート」が眼前に広がる夜景スポット。工場の青白い光と、工場から上がる煙が幻想的な光の世界を見せてくれます。

住所
岡山県倉敷市大畠
電話番号 086-426-3411(倉敷市観光課)
営業時間 年中無休
URL https://www.kurashiki-tabi.jp/see/1272/
アクセス ・岡山空港よりバスで岡山駅(約30分)― 岡山駅よりJR瀬戸大橋線で児島駅(快速で約25分)― 児島駅より下津井循環バスとこはい号で「鷲羽山第二展望台」下車(約30分)またはタクシー(約10分)
・岡山空港よりタクシーまたはレンタカーで約80分

満開コスモスのカーペット!「道の駅笠岡ベイファーム」

「道の駅笠岡(かさおか)ベイファーム」は、笠岡湾干拓地にある道の駅です。広大な干拓地を背景に、春は菜の花とポピー、夏はひまわり、秋はコスモスが咲き誇ります。一年を通して花であふれる目にも嬉しいスポットです。

一面のコスモス畑を見に行こう

コスモス
笠岡ベイファームでは、秋には一面のコスモス畑を見ることができます。約3000本のコスモスが、風に吹かれてゆらゆらと揺れる様子はまるでピンクのカーペットのようです。コスモスの見ごろは9月中旬から10月上旬にかけてです。例年開催されるコスモスフェスティバルでは、コスモスの摘み取り(1人1輪)ができます。旅の思い出に1輪のコスモスというのも素敵です。

特産品やご当地グルメも忘れずに

道の駅では、ご当地ならではのグルメやお土産が外せません。笠岡の海の幸、山の幸を味わうことのできるレストラン、地元産の新鮮な野菜やひじき、灰干しなどの特産品が買える直売所、カフェや休憩所など、道の駅ならではの魅力がいっぱいです。お花を愛でた後はご当地グルメとお土産選びも満喫してみてはいかがでしょうか。

住所
岡山県笠岡市カブト南町245-5
電話番号 0865-67-6755(道の駅笠岡ベイファーム)
営業時間 直売所:9:00~18:00
レストラン四季彩:11:00~15:00
ひまわりカフェ9:00~17:00
定休日:年始
URL https://k-bay.jp/
アクセス ・岡山空港よりバスで倉敷駅(約35分)― 倉敷駅よりJR山陽本線で笠岡駅(約25分)― 笠岡駅よりタクシー(約15分)
・岡山空港よりタクシーまたはレンタカーで約100分

まとめ

岡山県の秋のおすすめスポット、いかがでしたか?歴史的なスポットから自然、アートまでそれぞれ異なった魅力がいっぱいの岡山県。秋には岡山県を代表する名産品の桃やマスカットなどのフルーツも最盛期を迎えます。魅力にあふれる秋の岡山県を訪れてみてはいかがでしょうか。

就航している航空会社
JAL(日本航空)ANA(全日空)、JTA(日本トランスオーシャン航空)

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