夏の大分県を満喫する、観光スポット8選

「九州の屋根」とも称される九重連山の裾野に広がる高原から、豊後水道の美しい海に面した海岸線、涼感にあふれた水辺のスポットまで。かつて「豊の国」と呼ばれた大分県は、山海の豊かな自然と風物に恵まれた土地柄です。そんな大分県の夏を満喫することができる、観光スポットを紹介します。

九州を代表する避暑地・飯田高原

飯田高原_大分県

九州最高峰の中岳を擁する九重連山の北麓にある「飯田高原(はんだこうげん)」は、標高800〜1200mの高地にあり、夏でも涼しい九州を代表する避暑地です。「九州の屋根」とも称される九重連山は夏山登山のメッカでもあります。山小屋に宿泊して尾根を縦走する本格的な登山から、初心者でも手軽に楽しめるトレッキングまで、それぞれのレベルに応じた山登りを楽しむことができます。
飯田高原の観光拠点になっているのが、九重登山口の入口にある「長者原ビジターセンター」。館内でくじゅう地域の自然や文化を展示紹介しているほか、センターの周囲に広がるラムサール条約に登録されている貴重なタデ原湿原で気軽に自然散策を楽しむことができます。

夏の飯田高原で、ぜひ訪れたいのが「日本名水百選」に選ばれている「男池湧水群」です。九重連山の地下を流れる水脈から1日2万トンもの清水が湧き出ている男池は透明度バツグンで、思わず吸い込まれてしまいそうな幻想的なたたずまいをしています。周囲には遊歩道が設置されているので、原生林の中で涼を感じながら散策することができます。すぐ近くにある「白水(しらみず)鉱泉」にはミネラルを多く含んだ炭酸水が湧き出ており、ペットボトル500mlまで無料で持ち帰ることができます(500ml以上は2L100円で販売)。

あちらこちらで湯けむりが立ち登るのが見える飯田高原には、長者原と呼ばれる温泉郷があり、温泉宿や共同浴場が点在しています。その中でも夏場のシーズンしか入ることができないのが「山の宿
寒の地獄旅館」の冷泉です。九州では珍しい13〜14度の冷泉は夏場でも肌に痛みを感じるほどの冷たさで、隣接している温暖室と冷泉に交互に入ることで血行が促進され、温泉効果が高まります。男女混浴の浴室は水着着用でないと入れないので、準備をお忘れなく。


長者原ビジターセンター

住所 大分県玖珠郡九重町大字田野255ー33
TEL 0973-79-2154
アクセス 大分空港から自動車で約1時間20分

久住高原で広大な風景と星空を満喫

九重連山をはさんで、飯田高原とは反対側の南麓にあるのが「久住高原」です。北側と南側では山容が異なり、久住高原側は比較的おだやかで女性的ともいえる開放的な風景が広がっています。高原の牧場に放牧されたガンジー牛がゆったりと草を食む姿を眺めていると、まるでヨーロッパの避暑地にいるような気分になります。

九重連山を取りまく「ぐるっとくじゅう周遊道路」沿いにある西日本最大級の植物公園「くじゅう花公園」では、約20ヘクタールの広大な敷地に年間を通じて約500種類・500万本の花が咲いています。夏に開花を迎えるのは、ラベンダー・あじさい・ベゴニア・ジニア・カサブランカ・ヒマワリなどで、雄大な九重の山々を借景にして色とりどりの花々が咲き誇る風景は壮観です。

アウトドア派には、オートキャンプ場からバーベキューガーデン・レストラン・温泉・宿泊棟まで揃ったリゾート施設の「久住高原コテージ」がおすすめです。特に「満天望温泉」と名付けられた露天風呂からは、草原の彼方に阿蘇五岳まで望める雄大な景色を眺めることができます。さらに、夜になると全国の「美しすぎる星空スポット10選」で第2位に選ばれたほどの満天の星空が頭上に! 流れ星を数えながら、極上の贅沢を味わうことができますよ。


久住高原コテージ

住所 大分県久住高原820
TEL 0974-64-3111
アクセス 大分空港から自動車で約1時間45分、JR由布院駅から送迎バスあり(1日1便要予約)

爽快なシュワシュワ感が楽しめる長湯温泉

「日本一のおんせん県」を名乗る大分県には数多くの名湯・秘湯がありますが、珍しい炭酸泉が湧き出ているのが竹田市にある「長湯温泉」です。温泉施設「ラムネ温泉館」の泉源は、温泉1L中に1,000mg以上の炭酸ガスが含んだ世界でも屈指の炭酸泉です。32度の少しぬるめのお湯に入ると、肌にシュワシュワっとした炭酸の気泡がつき、まるでラムネの中に浸かっているような気分になります。時間をかけてゆっくり入浴することで体内に炭酸ガスが吸収されて血流がスムーズになり、心臓病・胃腸病・リウマチなどに効果があるといわれています。

長湯温泉街の中心を流れる芹川のほとりにある公衆露天風呂が「ガニ湯」です。周囲をさえぎるものが何もない開放的な雰囲気ですが、水着着用でもOKなのでぜひ勇気を出してチャレンジしてみてください。その少し上流にある「御前湯」は、2つの大浴場に露天風呂、家族風呂、サウナ、無料休憩室まで揃った共同温泉で、飲泉場もあり「飲んで効き 長湯して利く長湯のお湯は 心臓胃腸に血の薬」と歌われた長湯のお湯を心ゆくまで満喫できます。

長湯温泉から竹田市の中心部に向かって車で30分ほど下った場所にあるのが、豊後竹田城とも呼ばれる岡城址です。滝廉太郎の名曲「荒城の月」のモチーフとなったことでも知られている岡城址は、NHKの人気番組「日本最強の城スペシャル」で第1位に選ばれたほどの名城です。断崖絶壁の山頂に複雑な形に積み上げられた石垣の上にあることから、「日本のマチュピチュ」、「天空の城」とも称されています。城下の入口から山頂まで15分ほど歩きますが、天守跡から眺める大パノラマは、汗をかいてでも登る価値がありますよ。


ラムネ温泉館

住所 大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
TEL 0974-75-2620
アクセス 大分空港から自動車で約1時間30分

うみたまごで、イルカの水しぶきを浴びる!

イルカ

別府湾を望む海岸沿いにある「大分マリーンパレス水族館・うみたまご」は、「動物たちとなかよくなる水族館」をコンセプトにしています。イルカをはじめ、セイウチやアザラシ・ペンギンなど、芸達者な水棲動物たちの多彩なショーが人気を呼んでいます。一番人気のイルカのパフォーマンスでは、盛大な水しぶきを上げながら跳ねまわるイルカたちの演技に、大人も子どもも大興奮。濡れてもいい格好でご覧くださいね。

水族館内には、約500種・15,00点の魚や動物が展示されています。回遊式の大水槽は、今では珍しくなくなりましたが、1964年に開館したこの水族館が、当時世界で初めて実現したものです。他にも色とりどりの熱帯魚が泳ぐ大サンゴ水槽や魚と触れ合えるタッチプール、膝まで水に浸かって遊べる「あそびーち」など、飽きることなく楽しめる水族館です。また、国道10号線をはさんだ向かい側には、野生のサルに餌付けをした「高崎山自然動物園」があります。時間に余裕があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

住所 大分市大字神崎字ウト3078-22
TEL 097-534-1010
アクセス 大分空港から自動車で50分

屋内プールで1日楽しめるアクアビート

日本一の源泉数と湧出量を誇る別府市は、名実ともに日本を代表する温泉都市。市内には「別府八湯」と呼ばれる8つの温泉郷がありますが、それぞれ泉質が異なっており、バリエーションに富んだ温泉を楽しむことができます。別府八湯の一つ観音寺温泉にあるリゾートホテル「杉乃井ホテル」は、宿泊だけでなく様々なアミューズメント施設を備えた温泉リゾート拠点として大分観光の目玉の一つになっています。

夏期限定でオープンする「アクアビート」は、南国の島をイメージした全天候型の屋内プール施設で、波が押し寄せるアクアビーチ、洞窟の中を探検できるミステリードーク、長い距離を滑り降りるウォータースライダーなど、様々なタイプの水遊びを楽しむことができます。プールで遊んだ後は、ホテル屋上にある大展望露天風呂「棚湯」へどうぞ。5段階の棚田状になった湯船から、別府湾をはじめ天気のいい日は対岸の四国まで一望できる眺めのいい露天風呂です!


杉乃井ホテル

住所 大分県別府市観海寺1
TEL 0977-24-1141
アクセス 大分空港から自動車で45分、JR別府駅から送迎バスあり

夏でも涼しい、東洋のナイアガラ・原尻の滝

原尻の滝_大分県

日本の各地にナイアガラにたとえられる滝がありますが、大分県で「東洋のナイアガラ」と称されているのが、豊後大野市にある「原尻の滝」です。のどかな田園風景の中に突如としてあらわれる幅約120m・落差約20mの滝は、日本有数のスケールです。ダイナミックに水しぶきを上げる滝の景観は、夏の暑さを忘れさせてくれる涼感あふれるスポットです。

滝のすぐ上から滝つぼを見下ろすことができるので、水しぶきを浴びながら迫力のある風景を間近で感じられます。また、滝の上流と下流に2つの橋が架かっているので、大野川沿いの涼しい遊歩道をぐるりと巡りながら、いろんな角度から滝を見ることができます。滝の隣にある「道の駅
原尻の滝」では、新鮮な農産物をはじめとした特産品が販売されているほか、 だんご汁・とり天・緒方牛など地元の食材を使った郷土料理を提供しています。

周辺の地形は、およそ9万年前に起こった阿蘇山大噴火の火砕流によって生まれたもので、一帯は自然公園「おおいた豊後大野ジオパーク」に指定されています。悠々と流れる大野川の周辺には原尻や沈堕の滝、白山渓谷、稲積水中鍾乳洞など、夏でも涼しい水辺の清涼スポットが目白押しです。


道の駅 原尻の滝

住所 大分県豊後大野市緒方町原尻936
TEL 0974-42-4140
アクセス 大分空港から自動車で約1時間40分

夏の住吉浜でマリンアクティビティを楽しむ

緑なす山々と青い海に囲まれた自然豊かな国東半島の別府湾側の海岸にある総合リゾート施設「住吉浜リゾートパーク」は、江戸時代から天然の白い砂浜があることで知られている景勝地にあり、ビーチではウェイクボード・ウインドサーフィン・SUP・シーカヤック・バナナボートなど、多彩なマリンアクティビティが楽しめます。道具のレンタルをはじめ、インストラクターによるスクールも開催されているので、初心者でも気軽に楽しむことができますよ。

おだやかな豊後水道と別府湾に面した国東半島は、地元で水揚げされる海の幸が豊富です。大分県のブランド魚といえば「関アジ・関サバ」が全国的に有名ですが、地元では住吉浜近くにある旧日出城の下で獲れる「城下かれい」が珍重されています。また、同じ日地町内には大分名物の麦焼酎「二階堂」酒造の蔵元があり、限定生産の壺入り焼酎はなかなか入手することができないレアなお土産として喜ばれていますよ。


住吉浜リゾートパーク

住所 大分県杵築市大字守江1165-2
TEL 0978-63-9116
アクセス 大分空港から自動車で15分

恋叶ロードでシーサイドドライブ!

豊かな自然に恵まれた大分県の夏旅の最後に、爽快な海辺を走るシーサイドドライブはいかがでしょうか?国東半島の北側の付け根にある豊後高田市の中心部から周防灘に突き出した岬の長崎鼻までの国道213号線ルートは、通称「恋叶(こいかな)ロード」と呼ばれています。その名前の由来となっているのが、縁結びのご利益で有名な「粟嶋社」。赤い鳥居をくぐった先の海沿いにある本殿は、恋愛成就や良縁・安産にご利益があるといわれています。周辺は「粟嶋公園」として整備されています。公園内には縁結びのシンボルとして設置された「結」いのモニュメントがあり、インスタ映えするスポットとして若い女性に人気です。

そして、旅の最後を締めくくるにふさわしいのが、大分県で唯一「日本の夕陽百選」に選定されている「真玉海岸」です。九州の東側に位置する大分県は海に沈む夕陽が見える場所が少なく、夕陽が見られるのは豊後水道に突き出た国東半島の地形の賜といえます。真っ赤な夏の太陽がキラキラと輝く水平線に沈んでいく様子は、まだ見ぬ奇跡を予感させてくれるような、ロマンチックで幻想的な風景です。


豊後高田市観光案内所

住所 大分県豊後高田市新町989−1
TEL 0978-23-1860
アクセス 大分空港から自動車で50分