九州西部に位置し、豊かな海洋資源に恵まれた長崎県には、海や離島、温泉、火山など素晴らしい自然がたくさんあります。
また、古くから外国との交易で栄えてきた国際都市でもありますし、受難のキリシタン文化や原爆禍など、悲劇的な過去を乗り越えてきた地域でもあります。
今回はそんな多彩な魅力のある長崎県を秋に旅行する方のために、おすすめのスポットを5つ厳選し、紹介します。
旅行プランの参考にしてください。
1,000万ドルの夜景が圧巻!稲佐山
長崎県を旅行するならぜひ訪れたい観光スポットが「稲佐山」です。
長崎市を一望する夜景の名所として有名で、その美しさは1,000万ドルの夜景とたたえられています。
また、恋愛成就スポットとしても知られており、カップルや若い女性に人気の場所です。
稲佐山山頂からの夜景は日本三大夜景、世界新三大夜景の1つ
東京タワーと同じ高さである標高333mの稲佐山山頂からの眺めは、360度の大パノラマが広がります。
その夜景の美しさは函館・神戸とともに日本三大夜景に数えられ、2012年からは香港・モナコとともに世界新三大夜景の1つにも数えられています。
長崎の街は坂が多いため、起伏のある立体的な夜景を生み出している点が評価されているそうです。
稲佐山は恋愛成就スポット!ハートアイテムを見つけて
稲佐山は恋愛成就のパワースポットとしても有名で、山頂展望台にはハートのライトやハートのツリーなど、ハートの形をしたアイテムをあちこちで見られます。
その1つ、大小のハート型を積み重ねたハートのモニュメントは、カップルが写真を撮るのにおすすめのスポットです。
また、プロミスハートと呼ばれるハート型のプレートは、神社の絵馬のようにプレートに願い事を書き、赤いひもでハートのツリーに結び付けておくと、願い事が叶うといわれています。
1個100円で販売されており、縁結びや恋の成就を願う人に人気のアイテムです。
また、展望台屋上の床に埋め込まれたたくさんのLEDライトの中に、1つだけ、ハート型のライトがあるといいます。
見つかったらラッキーなのでぜひ探してみてください。
他にもハート型のアイテムがいろいろなところに潜んでいます。
カップルや友達同士で探すと盛り上がるので、トライしてみてはいかがでしょうか。
山頂への新アクセス!スロープカー登場
稲佐山山頂へ向かうには車か長崎ロープウェーに乗るのが一般的です。
特にロープウェーは稲佐山のシンボルでもあり、そのゴンドラは高級車フェラーリなどをデザインした工業デザイナー、奥山清行氏が手掛けたもので、窓が非常に大きくスタイリッシュなところが人気です。
2020年1月、山頂へ向かう乗り物に、新たにスロープカー(モノレールとエレベーターの機能を併せ持った乗り物)が加わり、アクセス方法が増えました。
黒を基調とした美しい稲佐山のスロープカーの車体は、ロープウェーと同じく奥山清行氏のデザインによるもの。
山頂と稲佐山中腹にある稲佐山中腹駐車場とを結んでいます。
山頂駐車場は有料ですが、こちらの駐車料金は無料です。
そのため中腹駐車場に車を停め、そこからスロープカーで山頂へ向かう人が増えています。
山頂までの交通費が抑えられるうえ、ロープウェーとは違った景色が楽しめるのもメリットです。
もう1つ、安く行こうと思ったら、中腹駐車場から稲佐山遊歩道を歩いて山頂へ向かうという方法があります。
道が整備されて歩きやすいうえ、途中、鹿の放牧場や猿舎があって餌やり体験ができるので、特に子供連れにおすすめです。
中腹駐車場から山頂までは徒歩で約20分です。
いい汗がかけることでしょう。
■住所:長崎県長崎市稲佐町
■電話番号:095-822-8888 (長崎市コールセンター「あじさいコール」)
■営業時間:展望塔 8:00~22:00(屋上展望所は24時間開放)
稲佐山展望駐車場 24時間営業
長崎ロープウェー 9:00~22:00
■料金:長崎ロープウェー往復大人1,230円、中高生920円、小学生610円
スロープカー往復大人500円、中高生370円、小学生・幼児250円
稲佐山展望駐車場 30分ごとに100円(ただし最初の20分は無料)
■アクセス:長崎駅前より長崎バス3、4番系統(下大橋・小江原・相川行き)で
乗車約7分「ロープウェー前」下車徒歩約2分
長崎県の定番紅葉スポット!仁田峠ロープウェー
雲仙の仁田峠は、秋の長崎県を代表する紅葉スポットです。
中でも仁田峠駐車場と妙見岳山頂を結ぶ「仁田峠ロープウェー」は、紅葉の山並みが間近に見られる絶景スポットとして、多くの観光客の人気を集めています。
天然記念物に指定!絶景の紅葉スポット
雲仙といえば、もうもうたる湯けむりが立ち込めた地獄温泉で有名ですが、豊かな自然が評価され日本初の国立公園に指定されたことでも知られています。
そんな雲仙の自然を肌で感じることができる代表的なスポットが仁田峠です。
春はツツジ、夏は緑、秋は紅葉、冬は霧氷と、四季折々の表情が楽しめます。
中でも秋の紅葉は、「普賢岳紅葉樹林」として国の天然記念物に指定されてほどの見事な光景が見られます。
カエデやツツジなど120種以上の植物が赤や黄色に色づく、長崎県第2位の紅葉スポットです。
視界360度!大パノラマの空中散歩が楽しめる
仁田峠ロープウェーは、仁田峠駐車場と標高1,333mの妙見岳山頂を結んでいます。
景色が良く見えるよう大きめに作られた窓からは紅葉の大パノラマが見られ、特に妙見岳山頂到着直前の景色は、息をのむほどの美しさです。
見頃は10月下旬から11月上旬。
毎年紅葉の見頃の時期にライトアップが行われ、大勢の観光客でにぎわいます。
ロープウェーもライトアップ期間中は夜間運行するため、昼と夜、両方を見比べてみるのもおすすめです。
長崎県でいちばん標高の高い展望台
妙見山山頂にある展望台は長崎県でいちばん標高の高いところにある展望台です。
晴れた日には阿蘇山、霧島、桜島まで見渡せるうえ、平成2年の普賢岳大噴火によって生まれた「平成新山」も間近に見られます。
眼下に広がる雲仙の街並みも含め、360度の眺望は圧巻の一言。
展望台からさらに歩いて5分の場所には、厳粛な雰囲気が漂う妙見岳神社があます。
秋の1日、仁田峠空中散歩で自然を満喫してみてはいかがでしょうか。
■住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙551
■電話番号:0957-73-3572
■営業時間:8:31~17:23(4~10月) 8:31~17:11(11~3月)4~8分の運行間隔
■料金:往復大人1,290円、往復小人650円
■アクセス:長崎空港からリムジンバスで諫早へ。
諫早駅前からバスで約80分雲仙下車。
島鉄バス雲仙営業所から乗り合いタクシーで20分。
野生のイルカに出会える!かづさイルカウォッチング
長崎県にイルカのイメージはあまりありませんが、島原の海には実にたくさんのイルカが生息しています。
「かづさイルカウォッチング」はそんな野生のイルカたちに出会える、人気の観光体験です。
早崎海峡はイルカの定住地
長崎県島原半島南端と熊本県天草郡五和町に囲まれた早崎海峡には、現在約200頭の野生のバンドウイルカが棲んでいます。
バンドウイルカといえば、水族館でお馴染みの人懐こいイルカとして有名です。
早崎海峡に棲むバンドウイルカも、昔からこのあたりの漁師たちと共存共栄の関係を築いてきました。
早崎海峡はイルカの餌となる小魚が豊富ですが、この地域の伝統的な漁法はその小魚を必要以上に多く獲らないので、常に一定量のイルカの餌が存在することになり、結果的にイルカたちをこの場所にとどめおくことにつながったのです。
今では寿命で死んでいくイルカの数と、新たに生まれてくるイルカの数の均衡がうまく保たれ、早崎海峡は全国でも珍しいイルカの定住地となりました。
高確率でイルカに会える!ガイド付の楽しい乗船体験
かづさイルカウォッチングは、観光客をイルカの生息スポットへ連れて行ってくれます。イルカが棲む場所はその日の天候や状況により変わるのですが、スタッフが毎回的確に生息場所を押さえるため、1年を通じてイルカとの遭遇率99%を誇っています。
また、乗船中はイルカを熟知したガイドさんが楽しくレクチャーしてくれ、なおかつ乗船前にもイルカ教室が開催されるため、このツアーに参加するとイルカに関する知識がしっかり身に付きます。
所要時間は60~80分で、ライフジャケットを無料で貸与してくれます。
また、雨天時には大人のみですが、雨具を無料でレンタルしてくれます。
餌付けされていない野生のイルカなので、見られる頭数やジャンプが見られるかどうかはその時にならないとわかりません。
しかしその分、出会えたときの感動は大きく、生の迫力に圧倒されることでしょう。
なお、航行中は潮流が速いため、船が揺れることがあるので、酔いやすい方は酔い止め薬を服用した方が無難です。
事前予約を忘れずに
イルカウォッチングは全予約制です。
ネット予約をするか、電話で予約してください。
当日予約の場合は電話からの申し込みのみです。
人気の観光体験なので、有名人も多く乗船しているようです。
元旦と悪天候日以外はいつでも営業しているので、旅行の予定に組み込みやすいでしょう。
長崎県を旅行するならぜひ、体験してみてはいかがでしょうか。
■住所:長崎県南島原市加津佐町乙251-11
■電話番号:0957-87-4640
■営業時間:8:30~17:00
■出航時間:10:00、11:30、13:00、14:30、16:00(16:00便は4~9月のみ)
■料金:13歳以上3,000円、7歳~12歳2,000円、4歳~6歳1,000円、3歳以下無料
■アクセス:長崎空港から車で約90分。
公共交通機関の場合はリムジンバスで諫早へ。
諫早駅前からバスで水月橋下車。
廃墟ツアーが楽しめる無人島!軍艦島
2015年に世界遺産に認定された「軍艦島」は、長崎県の新たな観光スポットです。
かつて炭鉱で繁栄した島が衰退し、無人島となった今でも往時の建物が廃墟としてそのまま残っているため、廃墟マニアからも熱い視線が注がれています。
軍艦島とは?
正式名称は端島といい、明治から大正、昭和にかけて海底炭鉱で栄えていた島です。
長崎港から南西18㎞に位置し、東西わずか160m、南北480mの非常に小さな島ですが、かつてここには大勢の炭鉱夫と、その家族が暮らしていました。
石炭業の衰退とともにこの島の炭鉱も閉鎖され、1974年にはすべての島民が去り、無人島になりました。
当時の集合住宅など建物はそのまま残り、廃墟と化した島の姿が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」といわれるようになりました。
2015年には世界遺産に登録され、現在は軍艦島に上陸できるツアーが大変人気を集めています。
人口密度世界一だった軍艦島を上陸ツアーで見学
軍艦島にはかつて5,300人もの島民が暮らし、人口密度は世界一だったといいます。
狭い土地でも多くの島民たちが暮らしていけるよう、大正5年には日本で初めての鉄筋コンクリート7階建ての集合住宅が建設されました。
狭い島内には売店はもちろんのこと、神社、病院、学校、プール、映画館まであり、生活のすべてが島内で完結するようになったというから驚きです。
労働の場と生活の場が、狭い土地に共存していたのです。
現在島には、上陸ツアーに参加しなければ上陸することができません。
人のいなくなった無人島で、かつての島民たちの暮らしが垣間見られるような廃墟を見るのは、歴史好きにとってはもちろん、廃墟マニアにとっても興味深く、大変人気が高いツアーとなっています。
ツアー参加の前に必見!軍艦島デジタルミュージアム
実は、軍艦島には立ち入り禁止区域が多く、上陸ツアーでは島の一部分しか見学できません。
もっと島の様子が知りたい方や、建物の内部も見てみたいという方におすすめなのが、軍艦島デジタルミュージアムの見学です。
最新の映像技術を駆使して撮影された立ち入り禁止区域の様子や、島全体の空撮映像などを、巨大スクリーンやプロジェクションマッピングなどで見ることができます。
また、1950年代の生活がリアルに再現された展示コーナーなどもあり、炭鉱夫とその家族の暮らしぶりが実感できるようになっています。
畳の部屋に置かれたテレビや籐の枕、棚に飾られたこけしなど、昭和世代にはどこか懐かしい光景です。
この軍艦島デジタルミュージアムは上陸ツアー発着所から徒歩5分の場所にあり、ツアー参加の前に予習として見学するのがおすすめです。
近くには大浦天主堂やグラバー園など他の観光名所もあるため、市内観光の1つとして組み込んでみてはいかがでしょうか。
【軍艦島】
■住所:長崎県長崎市高島町端島
■電話番号:095-829-1314 (長崎市観光推進課)
■アクセス:長崎港から軍艦島上陸ツアー船で約40分
【軍艦島デジタルミュージアム】
■住所:長崎県長崎市松が枝町5-6
■電話番号:095-895-5000
■営業時間:9:00~18:00(最終入館17:30)
■料金:大人1,800円、中高生1,300円、小学生800円、幼児500円
■アクセス:長崎電気軌道「大浦天主堂」下車徒歩1分
グルメもショッピングも楽しい!長崎新地中華街
「長崎新地中華街」は横浜中華街、神戸南京町中華街と並ぶ日本三大中華街の1つ。
東西南北に延びる250mの十字路沿いに中華料理店、中国雑貨店など約40店が並んでいます。
中国の旧正月に当たる1月下旬から2月初旬にかけては「中国ランタンフェスティバル」が開催され、県内外から訪れる多くの観光客でにぎわいます。
ちゃんぽん&皿うどんはマストメニュー
長崎県を旅行するなら、長崎名物のちゃんぽんや皿うどんはぜひ食べておきたいですよね。
長崎新地中華街には、ちゃんぽんや皿うどんがおいしいお店がたくさんあるので紹介します。
最初に紹介するのは「江山楼(コウザンロウ)」。
長崎新地中華街を代表する有名店で、フカヒレや肉団子の入った特上ちゃんぽんは絶品です。
地元の人がおいしいと口を揃えるのが「会楽園(カイラクエン)」。
「蘇州林」のちゃんぽんや皿うどんは自家製面を使用。
ちゃんぽん、皿うどん以外にもチャーハンやゴマ団子などの中華メニューもおすすめです。
月餅など中華菓子のお土産も充実しています。
テイクアウトや食べ歩きも楽しめる
長崎新地中華街には食べ歩きやテイクアウト、お土産におすすめのお店もあります。
オリジナルのお菓子を作る「双葉屋」は、インスタ映えするフルーツ大福が有名です。
また、大正13年創業の老舗かまぼこ店「石橋蒲鉾店」は、でんぷんや水を一切加えていない特製ちくわや、「天ぷら」と呼ばれる魚の練り物が絶品。
お土産にも喜ばれています。
かわいい中国雑貨をショッピング
長崎新地中華街にはグルメの他に衣服や雑貨のお店もあります。
「中国貿易公司」は中華雑貨のお店です。
中国茶やパンダ柄のマグカップなど、長崎旅行のお土産におすすめのグッズがたくさん並んでいます。
中国直輸入の雑貨を扱う「ミンミン」には、子供用から大人用までさまざまなサイズのチャイナ服の他、かわいいアクセサリーや小物類がぎっしり並んでいます。
【長崎新地中華街】
■住所:長崎県長崎市新地町10-13
■電話番号:095-822-6540
■アクセス:長崎空港よりリムジンバスで約35分
長崎駅より長崎電気軌道(1番系)で約8分
築町下車徒歩1分
【江山楼】
■住所:長崎県長崎市新地町12-2
■電話番号:095-824-5000
■営業時間:平日11:30~21:00
土日祝11:00~21:00
【会楽園】
■住所:長崎県長崎市新地町10-16
■電話番号:095-522-4261
■営業時間:平日11:00~16:00 17:00~21:30
土日祝11:00~16:00 17:00~21:30
【蘇州林ちゃんぽん・皿うどん店】
■住所:住所:長崎県長崎市新地町11-14
■電話番号:095-823-0778
■営業時間:11:00~20:30
【蘇州林長崎唐菓子店】
■住所:長崎県長崎市新地町13-17
■電話番号:095-825-6781
■営業時間:11:00~20:30
【双葉屋】
■住所:長崎県長崎市新地町8-12
■電話番号:095-823-8581
■営業時間:9:30~20:00
【石橋蒲鉾店】
■住所:長崎県長崎市新地町8-8
■電話番号:095-824-4561
■営業時間:平日9:00~18:00
日曜10:00~17:30
【中国貿易公司】
■住所:長崎県長崎市新地町10-14
■電話番号:095-823-3222
■営業時間:10:00~19:00
【ミンミン】
■住所:長崎県長崎市新地町11-15(本店)
長崎県長崎市新地町8-10(2号店)
■電話番号:095-823-3588
■営業時間:9:30~21:00
魅力あふれる長崎県の秋を満喫する旅行を
長崎県には歴史を感じさせる名所や異国情緒あふれるスポット、雄大な自然など見どころがたくさんあります。
秋の旅行シーズンには魅力たっぷりの長崎県を訪れ、素敵な思い出をたくさん作ってください。