「広島県ならではのイベントやグルメを楽しみたい」そんな方におすすめしたいのが、冬の広島観光です。特に寒さの厳しい2月にはカキ祭りのイベントが各地で行われており、焼き牡蠣や牡蠣フライなどの旬のメニューを楽しめます。
その他にも広島県は酒の三大銘醸地としても知られており、酒蔵の立ち並ぶ歴史ある街並みと共に、名酒と郷土料理に酔いしれることもできます。
グルメだけではなく、神々の住む島と呼ばれる厳島神社でスピリチュアルスポットを散策したり、冬しか見ることのできない「ひろしまドリミネーション」というイルミネーションイベントで幻想的な世界をさまよえたりできます。
学生の頃に修学旅行で行った広島県とはまた一味違う大人の魅力を持った広島の街を、雪景色を眺めながら散策してみてはいかがでしょうか。
この記事では広島県で冬に訪れたい観光地・グルメについて紹介します。

平安の時代より受け継がれる厳島神社の冬景色を楽しむ

厳島神社_広島
広島県を代表する観光地である厳島神社は、平成6年に世界遺産に登録されました。厳島神社がある宮島は、広島市内の約20キロ南西にある周囲30キロほどの小さな島ですが、島そのものが神として崇められており、国内外問わず多くの人々が参拝に訪れています。
潮の満ち引きによって見える景観が変わることもこの神社の特徴の一つになっており、満潮時には神社が海に浮かんでいるような神秘的な姿を見ることができます。様々な危機からご神体を守るために、意図的にこのような場所に建築されたといわれています。
厳島神社は社殿より約200メートル離れた海上にそびえ立つ「大鳥居」が有名ですが、干潮時には大鳥居まで歩いて行くことも可能です。社殿から眺める景色とはまた違ったダイナミックな佇まいに圧倒されることでしょう。
寝殿造りの社殿は「竜宮城」と称されるほどに幻想的で、夜はライトアップされており、更に優雅さを引き立てています。夜には厳島神社を周遊できる屋形船がでているので、厳島神社や大鳥居の建築美を船上から楽しめます。まるで浦島太郎になったかのような気分を味わえるのではないでしょうか。

厳島神社の冬のみどころは?

厳島神社の冬の見所として、雪をうっすらかぶった神秘的な社殿を拝むことができます。その他宮島では2月に牡蠣祭りが開催され、旬の味覚を思う存分楽しめるので、牡蠣祭りに合わせて観光スケジュールを立てるのがおすすめです。

【住所】 広島県廿日市市宮島町1-1

【電話番号】 0829-44-2020
【営業時間】 
1月1日~5日 状況による
1月6日~2月28日 6時30分~17時30分
3月1日~10月14日 6時30分~18時
10月15日~11月30日 6時30分~17時30分
12月1日~12月31日 6時30分~17時
【アクセス】広島空港よりリムジンバスで45分

広島の街を一望できる「おりづるタワー」

おりづるタワーは世界遺産「原爆ドーム」の隣に位置しており、高さ51.5mの展望台から原爆ドームを間近に見下ろすことができます。また、晴れた日には原爆ドームと共に宮島も望めるので、2つの世界遺産を一度に見ることができる貴重な観光スポットです。建物内には、平和の象徴である「おりづる」をモチーフとした、様々な趣向が施されています。
平安時代から今も尚荘厳な佇まいを見せる厳島神社や戦後の復興を果たした広島県の象徴ともいえる平和記念公園と原爆ドームを眺めると、広島の過去から現在にいたるまでの時代を超えたパラレルワールドを体感できるでしょう。
1Fは物産館になっており、広島県の名産品が約1000種類取り揃えられていますので、広島のお土産選びに最適ですね。12Fのおりづる広場では、自分で折ったおりづるをガラス張りの壁面に投函できるようになっている仕掛けのほか、おりづるや折り紙を用いたデジタルアートが楽しめます。

おりづるタワー冬のみどころは?

お正月期間も営業しているので、初日の出を展望台から眺めることができます。各種イベントも開催されており、2021年3月まで開催されている「ひろしま謎解き街歩き」では、おりづるタワーとその周辺に隠された秘密を謎解きしながらゲームを進めていく、体感型街歩きゲームが楽しめます。
【住所】 広島県広島市中区大手町1丁目2-1

【電話番号】 082-569-6803
【営業日】 土日祝日及びその間の飛び石連休
【営業時間】 展望台・物産館11時~18時(展望台最終入場17時)
握手カフェ11時~17時(ラストオーダー16時30分)
【アクセス】 広島空港よりリムジンバスで50分 広島バスセンターより徒歩5分

東広島市にある「西条酒蔵通り」で美酒に酔いしれる

JR西条駅で降りて東側に行くと、7つの酒蔵が立ち並んでいます。赤レンガの屋根と「なまこ壁」と呼ばれる白壁造りの重厚な酒蔵が並んでいる西条酒蔵通りの中に入ると、江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。時を経た今でも色あせずに風格を漂わせる酒蔵の佇まいは、お酒好きだけではなく、広島県旅行の観光スポットとして欠かせません。
西条は吟醸酒発祥の地としても知られています。吟醸酒とは精米した米を低音でゆっくり発酵させ、独特な香りを醸し出すお酒です。果物のような爽やかな口当たりが特徴で、味も香りも同時に楽しむことができます。酒の仕込み時期には柔らかな香りが街全体に漂い、酒の都と呼ばれるにふさわしい風情を感じられます。
7つの酒蔵では、試飲や直売、きき酒スペースなど様々な趣向が凝らしたイベントを行っていますので、酒蔵めぐりをしてそれぞれのお酒の違いを比べてみるのも良いでしょう。酒蔵通り沿いには、「西条酒蔵通り観光案内所」があるので、酒蔵めぐりをする前に立ち寄って、イベント情報や各酒蔵の特色などを聞いておくと、酒蔵めぐりが一層楽しめます。
また、広島県の名物料理である「美酒鍋」を、西条の銘酒と合わせて堪能するのがおすすめのグルメコースです。美酒鍋は、もともとは酒蔵で働く人たちのためのまかない料理でしたが、それが今では広く一般の人にも親しまれるようになりました。基本の味付けは、塩とこしょうに日本酒を加えたシンプルなものです。その出汁で鶏肉や野菜などを煮込みます。西条の銘酒を使った料理ならではの味と香りが楽しめる逸品です。

西条の7つの酒蔵の特色とは

西条にある7つの酒蔵はどれも伝統と歴史のある名酒蔵です。それぞれの酒蔵の特色とこだわりについて紹介します。

・山陽鶴酒造 サンヨウツル 大正元年創業。直売所では山陽鶴酒造蔵限定のお酒やグッズを販売しているほか、直営居酒屋も運営。
・白牡丹酒造 ハクボタン 300年以上の歴史を誇る酒蔵元。夏目漱石や芸術家棟方志功らにも親しまれる。棟方志功が白牡丹のために制作した版画を展示するなど歴史を感じさせる。
・西條鶴醸造 サイジョウツル 創業以来名水「天保井水」で醸造するなど、こだわりのある酒造りに定評がある。販売コーナーは明治の風情そのものでレトロ感を楽しめる。
・賀茂鶴酒造 カモツル 伝統を守りながら大吟醸の先駆けとなる先進的な精米技術を取り入れるなど研究に余念がない由緒ある蔵元 全国清酒品評会など様々な賞を受賞している。
・亀齢酒造 キレイ すっきりとした味わいが特徴で、西条の酒の中では辛口として知られる。
・福美人酒造 フクビジン 「西条酒造学校」と呼ばれ、酒造りの養成学校としての役割を果たしている。「美人の井戸」を用いたお酒は柔らかで優しい口当たりが特徴で、広島県観光の撮影スポットとして有名な「恵比寿蔵」を直売所としており、多くの旅行客が訪れている。
・賀茂泉酒造 カモイズミ 米と麹だけ用いた丁寧でシンプルな手法で酒造りを行っている。広島県で特別栽培している「山田錦」を用いた純米酒が好評を博している。

【住所】 広島県東広島市西条本町

【電話番号】 082-421-2511(西条酒蔵通り観光案内所)
【定休日】 酒祭り翌日、年末年始
【営業時間】蔵により異なる
【アクセス】 広島空港よりリムジンバスで25分 

幻想的な世界が楽しめる「ひろしまドリミネーション2020」

広島_ドリミネーション
「ひろしまドリミネーション2020」は冬しか見ることのできない、イルミネーションイベントです。広島観光のおすすめイベントとして有名ですが、毎年異なるテーマが設けられており、趣向を凝らした光のオブジェがロマンチックな世界へと誘ってくれます。
2020年のテーマは、瀬戸内海をイメージした蒼い海に浮かぶたくさんの島々と、その島々の中心で輝くゴールデンアイランドがモチーフになっています。ゴールデンアイランドはゴールドとホワイトの2色で統一されており、豊かな自然とそこに住む住人達の幸せな様子が描かれています。また、戦後75周年を記念して製作されたピースフルアイランドは、平和の願いがこめられた蒼い海を連想させるブルーとホワイトで彩られています。
2つの異なる世界観がそれぞれの独自の空間を織り成し融合することで、一層美しさを際立たせています。冬の澄み渡る空気にマッチするイルミネーションを、是非見てみたいですですね。
【住所】 平和大通りなどの広島市内中心部

【点灯時間】 17時30分~22時30分
【開催期間】 令和2年11月21日(土)~12月27日(日)
【アクセス】 広島空港からバスで70分

バーベキュー形式で楽しめる「ひろしまオイスターロード」

ひろしまオイスターロードは、広島県が主体となって取り組んでいる事業で、高級品であるカキを多くの人に手軽に食べて欲しいと言う願いがこめられています。旬の新鮮なカキを色々な調理方法でリーズナブルに楽しめるので、カキの新たな魅力を発見し虜になってしまうかもしれません。
冬から春にかけての期間限定のイベントですので、広島県に観光に行くのならこの時期が狙い目です。瀬戸内海沿岸地域に「カキ小屋」が複数店舗オープンします。カキ小屋では、自分達自身でカキを焼いて食べるほか、カキ牡蠣フライなども提供されます。通年で営業しているカキ小屋もあり、やはり旬の冬にいただくのが一番です。

カキ小屋 袋町 海平商店
【住所】広島県広島市中区袋町8-11森田ビル1F

【電話番号】 082-249-9219
【営業時間】 17時~23時 通年
【定休日】 日曜 年末年始
【アクセス】 広島電鉄/本線/立町電停より徒歩5分

冬に行くなら「かきなみ海道」がおすすめ

広島県には瀬戸内海に浮かぶ島々を橋で結んだ海道がいくつもありますが、冬の広島を観光するなら「かきなみ海道」がおすすめです。かきなみ海道は、広島県呉市と江田島をつなぐ約70キロに及ぶサイクリングロードです。呉市を出発して最初に渡る橋を音戸大橋といいますが、その橋が架かっている海峡を音戸瀬戸といいます。この海峡には、平清盛が沈み行く夕日を扇で招き返し、一日で海峡の開削工事を終わらせたという伝説が残っています。
その他、音戸大橋を渡った先の倉橋島には遣唐使が立ち寄ったとされる港があり、遣唐使船が実物大で復元されています。

かきなみ海道の冬のみどころは?

かきなみ海道の冬のみどころは冬の瀬戸内海を一望できることです。うっすらと雪景色したかきなみ海道では、夏の旅行とはまた違った風情が楽しめます。
かきなみ海道の終点江田島では、旬のカキが食べられるので、観光だけではなくグルメも同時に楽しめます。2月の初旬に毎年「カキ祭り」が開催されるので、観光に行くならその時期を狙って行くのがおすすめです。
かきなみ海道を経由せず広島市から直接江田島に向かうなら、広島港(宇品港)からフェリーが出ています。

まとめ

広島県が面している瀬戸内海にはいくつもの小さな島が点在しており、それぞれが独自の魅力があります。広島県といえば、広島市内の観光をイメージする方が多いですが、それだけではなく点在する島や隣接する市にも目を向けると、より一層味わいのある広島旅行が楽しめるでしょう。