中国地方を代表する広島県には世界で初めて原爆が投下された広島市をはじめ、一度は見ておきたいエリアが数多くあります。
そこでこの記事では広島県で特に夏におすすめの、魅力ある観光スポットを紹介します。
そのスポットへ行き方や参考となるURLなど気になる情報も併せて載せていますので、旅行計画にぜひお役立てください。

平和都市ヒロシマのシンボル!世界遺産「原爆ドーム」

原爆ドーム

夏に広島県を訪れるなら絶対外せないスポットが原爆ドームです。
無残に焼かれた姿そのままに建ち続けている姿は、この地で起きた悲劇を世界中に伝える語り部そのものといえます。

ノーモアヒロシマを代表する建造物

1945年8月6日午前8時15分、広島に原子爆弾が投下されました。
爆心地からわずか160mのところに建っていた広島産業奨励館(現在の原爆ドーム)は、当時としては珍しい鉄骨レンガ作りのモダンな西洋建築物でした。しかし、一発の原子爆弾で大破全焼し、中にいた人たちは全員即死しました。
建物は、側面の壁とドーム部分の鉄骨だけ奇跡的に焼け残り、いつしか原爆ドームと呼ばれるようになったのです。
現在では広島の悲劇を世界中に発信する核兵器廃絶の象徴となっています。

なぜ当時のままの姿で残っているの?

焼け残った原爆ドームはつらい記憶を呼び起こすからと、戦後取り壊すことも考えられました。
しかし、原爆による白血病でわずか16歳の生涯を終えた少女が日記に「この痛々しい建物だけが世に原爆の恐ろしさを訴える」としたためていたことがきっかけとなり、保存運動が起きたといわれています。
その後は数回にわたる保存のための工事を行い、現在に至るまで当時の悲惨な姿のまま建ち続けているのです。

世界遺産に登録

広島市民の後押しもあり、原爆ドームは1995年国の史跡に指定され、翌1996年には世界遺産に登録されました。
現在では世界中から多くの観光客が訪れる広島県ピースツーリズムの中心的存在になっています。
なお、原爆ドームの中へは入れません。
見学は外からだけとなるのでご注意ください。

住所 広島県広島市中区大手町1-10
電話番号 082-504-0822 おしえてコールひろしま
料金 無料
URL https://www.city.hiroshima.lg.jp/site/atomicbomb-peace/
アクセス 広島空港からリムジンバスで広島駅まで45分。
JR広島駅から路面電車「原爆ドーム前」下車すぐ

広島県の新たな平和観光スポット!「おりづるタワー」

2016年にオープンした複合施設おりづるタワー。
折り鶴をモチーフとした遊び体験ができる広場、展望台、カフェ、お土産コーナーなどから成り、観光の合間に一息つけるスペースとなっています。

平和の象徴「おりづるの壁」やデジタルコンテンツで遊ぶ

おりづるタワー12Fの「おりづる広場」は、平和の象徴である折り鶴をモチーフとしたさまざまな遊び体験ができるフロアになっています。
このうちぜひ体験していただきたいのは、おりづるタワーのメインコンセプトとなっている「おりづるの壁」です。おりづるの壁とは、1人1人が平和を祈念しながら専用用紙で折った折り鶴を、タワーを側面に設置された高さ50mのガラスの壁面に投げ入れて、壁面を折り鶴で満たすという遊び体験です。
また、折り鶴をテーマとした最新のデジタルコンテンツで遊ぶコーナーもあり、鶴が折れない小さな子供や外国人観光客に人気です。

広島市内一望の展望台とスパイラルスロープ

屋上展望台はおりづるタワーでいちばん人気があるスポットです。
ウッドデッキの心地よいスペースからは広島市内はもちろん、晴れた日には遠く宮島の弥山(みせん)まで見渡せます。
また、展望台から1Fまで歩いて降りられるスパイラルスロープは、途中くるくる回って滑り降りられるすべり台となっており、子供たちに大人気です。
スロープの壁面に飾られている有名漫画家のオリジナル作品も楽しみの1つとなっています。

カフェや物産館でほっと一息

1Fには物産館とカフェがあります。
広島県の銘品を中心に1,000点余りの商品が並んだ物産館で旅行のお土産を買うのがおすすめです。
また、おしゃれなカフェにはおりづるタワーオリジナルメニューが多数用意されており、観光の合間にほっと一息つけます。
便利なテイクアウトもあるので食べ歩きもおすすめです。

住所 広島県広島市中区大手町1-2-1
電話番号 082-569-6803
営業時間 10:00-19:00(カフェは21:00まで)
料金 大人1,700円、中・高生900円、小学生700円、幼児(4歳以上)500円
URL http://www.orizurutower.jp/
アクセス 広島空港からリムジンバスで広島駅まで45分。
JR広島駅から路面電車で「原爆ドーム前」下車 徒歩1分

海上自衛隊の船が間近に!「呉湾の艦船巡りクルーズ」

呉湾に停泊する潜水艦や護衛艦の迫力ある姿を間近に見ながら進んでいく人気のクルーズです。元海上自衛隊自衛官による解説がわかりやすく、夏は日没時の夕呉クルーズがおすすめです。

呉観光の中でもユニークさナンバーワン

広島県呉市はアニメ映画の佳作「この世界の片隅に」の舞台にもなった旧海軍の街。
その名残で現在でも多くのアニメファンが訪れています。
「大和ミュージアム」や「てつのくじら館」など呉には旧海軍や海上自衛隊に関係した観光スポットがいろいろありますが、この呉湾艦船巡りクルーズは体験型の新しい観光として話題になっています。
艦船巡りクルーズは、全国でも呉と同じく旧海軍・海上自衛隊の街である神奈川県横須賀市にしかありません。自衛隊マニアはもちろん、艦船になど一切興味がない一般の方でも十分楽しめる内容で、満足度のとても高い好評価を得ている観光クルーズです。

大迫力の艦船や潜水艦に圧倒

船は呉中央桟橋ターミナルの1Fから出ています。出航時間の20分前までに行きチケットを買います。
平日は1日4回、休日は1日5回運航し、毎週火曜日が定休日です。
出航の時間は下記をご参照ください。
船内には客室がありますが、夏はデッキがおすすめです。
風を切って走るひと時は爽快の一言。
居並ぶ艦船は遠くで見るのと違い、とても大きく圧倒されます。
また、海上に浮かぶ潜水艦にもびっくり。
隊員がズラリと一列に並んでいる姿など、まるで映画の1シーンのようです。
こちらに気づいて手を振ってくれる隊員さんもいてうれしくなります。
所要時間は35分。
ファミリーやカップルにおすすめです。

夏は夕呉クルーズがおすすめ

普段の運航とは別に、日没時に出航する予約制の夕呉クルーズは夏にぴったり。
日の入り時間の15分前に出航し、美しいサンセットを眺めながら進んでいきます。
艦船には日没に合わせて自衛隊旗が下ろされる儀式があり、隊員がラッパで吹奏する君が代に合わせて旗が下ろされていく様は、何ともいえない非日常性があって感動的ですらあります。
ぜひ、体験してみてください。

住所 広島県呉市宝町4-44 呉中央桟橋ターミナル1階
電話番号 082-251-4354
営業時間 月・水・木・金曜日
1便10:00、2便11:00、3便運休、4便13:00、5便14:00
土・日・祝日
1便10:00、2便11:00、3便12:00、4便13:00、5便14:00
夕呉クルーズは日没時刻15分前出航なので要問い合せ予約
料金 大人(中学生以上)1,500円、子供(小学生)500円、幼児無料
URL https://bunker-supply.com/blog/kansen/
アクセス 広島空港からリムジンバスで呉駅前まで58分
JR呉駅から徒歩5分

瀬戸内海を通って四国へ!サイクリングの聖地「しまなみ海道」

しまなみ海道

しまなみ海道は、広島県尾道市から瀬戸内海の島々をつないで愛媛県今治市へと至る全長60㎞に及ぶ海の道です。
風光明媚な瀬戸内の島々と、それらをつなぐ吊り橋、美しい海、この三者のコントラストは絶景の一言。
整備されたサイクリングロードは、世界中のサイクリストが憧れる聖地です。

しみなみ海道とは?

しまなみ海道の正式名称は「西瀬戸自動車道」といい、島々を結ぶ吊り橋には自動車道とともに歩道が併設され、ブルーのラインで自転車が通る道が示されています。
場所によっては橋とは別のサイクリング専用道路が設けられているところがあるなど、どこもとても整備されていて、安全に走行できるようになっています。
そのためアメリカCNNの「世界で最も素晴らしいサイクリングコース7選」の1つに選ばれており、サイクリングの聖地として知られています。
途中の島々には風光明媚な観光スポットが多数あり、素朴な島民たちとの触れ合いも旅行の醍醐味となっています。

サイクリストたちを全力サポート

しまなみ海道はレンタサイクルが充実しているので、マイ自転車を持ち込まなくてもサイクリングが可能です。
また、全行程を走破するには2日かかるため、サイクリスト専用宿泊施設やパンク等に対応できる休憩スポットが用意されるなど、サイクリングを全力でサポートする体制が整っています。

瀬戸内の島々をたっぷり見て回ろう

途中の島々は魅力がいっぱい。
まず、尾道水道を隔ててすぐ向かいにあるのが向島(むかいしま)です。
ここには尾道が舞台となった映画のロケ地があります。
向島から因島大橋を渡ると村上水軍で有名な因島(いんのしま)。
お城のような造りになっている因島水軍資料館は観光のマストスポットです。
因島から生口橋を渡るとレモンの産地として知られる生口島(いくちじま)。
生口島から美しい多々羅大橋を渡ると、そこからはもう愛媛県です。
大山祇神社(おおやまつみじんじゃ)がある大三島(おおみしま)、‘伯方の塩’でおなじみの伯方島(はかたじま)、さらに大島(おおしま)を通り、来島海峡大橋を渡ればいよいよ四国に入ります。
小回りの利く自転車であちこちのビュースポットをこまめに回るもよし、レンタカーを借りて少し足を伸ばすのもよし、いろいろな楽しみ方ができます。
ぜひ、夏休みを利用してチャレンジしてみてください。

住所 広島県尾道市向島町5531-1
電話番号 0848-22-3911 しまなみジャパン
営業時間 8:30~19:00
料金 大人1日1,100~1,600円、子供(小学生以下)1日300円
保証料大人1,100円、子供500円
URL https://shimanami-cycle.or.jp/
アクセス 広島空港からリムジンバスで尾道・向島方面まで51分。

夏に最適!爽快なアドベンチャーが楽しめる「三郎の滝」

滝つぼに向かって高さ30mから滑り落ちる天然のウォータースライダーになっているのが三郎の滝。夏休みの思い出にピッタリの観光スポットです。

夏の家族旅行におすすめの天然すべり台体験

広島県東部にある府中市の三郎の滝は、長年の水の流れによって岩肌が滑らかになり、滝というより天然のウォータースライダーのようになっています。
そのため夏はそこを滑り降りようとする子供達で毎年大賑わい。
夏休みの家族旅行でぜひ訪れたい人気観光スポットです。

三郎だけでなく一郎や二郎もある

三郎の滝は、実は1つだけではありません。
3つの滝が下から順に一郎の滝、二郎の滝、三郎の滝と続いていて、それぞれで水遊びが楽しめます。
滝の流れがあるため周囲一帯は涼しく、夏におすすめの場所です。

バーベキューを楽しむことも

一郎の滝と二郎の滝の中間あたりには龍王荘というお店があり、予約制でバーベキューが楽しめます。
また、この近くにはニジマスが釣れる釣り堀もあって、スライダーはちょっとこわいという小さな子供でも楽しめます。

住所 広島県府中市三郎丸町
電話番号 0847-41-7900(三郎の滝・龍王荘)
料金 無料
URL https://fuchu-kanko.jp/recommended/recommended-921/
アクセス 広島空港からリムジンバスで三原駅前まで38分。
JR三原駅から山陽本線・福塩線で府中駅へ。
JR府中駅から市(いち)行バス三郎の滝入口下車、徒歩約5分

広島県民のソウルフード!お好み焼きテーマパーク「ひろしまお好み物語広島駅前ひろば」

ひろしまお好み物語広島駅前ひろばは、広島駅すぐのお好み焼きのテーマパーク。
広島県が誇るお好み焼き店15店舗が一堂に会しているため、あちこちのお店へ出向く手間が省け、時間に余裕のない観光客にとっては便利なスポットです。

お好み焼きは広島県民のソウルフード

広島県民が愛するグルメといったらお好み焼きです。
大正時代から関西地方には「一銭洋食」といって、水で溶いた小麦粉に刻んだねぎを入れて焼き、ソースを塗った、駄菓子のようなB級グルメがありました。
被爆後困窮を極めた広島で、銅板1枚あれば調理できるこの一銭洋食が屋台街で流行りだし、後の広島風お好み焼きにつながったとされています。
困難を共に歩んできたからこそ、広島県民のソウルフードとなっているのです。

定番のお好み焼きから個性派までズラリ勢ぞろい

広島風_お好み焼き

ひろしまお好み物語広島駅前ひろばには、伝統の味を守る定番のお店から斬新で革新的なお店まで15店舗がズラリ勢ぞろいしています。
基本はそば+豚肉+卵の「そば肉玉」ですが、時間とお腹に余裕があれば、各店を食べ比べしてみるのもおすすめです。

調理体験ができるレンタルブースも

ひろしまお好み物語広島駅前ひろばは、お好み焼きのお店がただ集まっているだけではありません。
団体客向けにみんなでお好み焼きが調理できる大型鉄板のあるレンタルブースが用意されています。
町内会等の団体旅行におすすめです。

住所 広島県広島市南区松原町10-1 広島フルフォーカスビル6F
電話番号 082-568-7890
営業時間 11:00~23:00
URL https://ekimae-hiroba.jp/
アクセス 広島空港からリムジンバスで広島駅まで45分。
JR広島駅南口から徒歩3分

夏の広島県で思い出に残る旅行を

広島県には観光スポットがたくさんありますが、夏にこそ訪れたいおすすめスポットを紹介しました。この記事を参考に、ぜひ思い出に残る旅行をお楽しみください。