冬の富山県には、雪や氷が創り出す驚きの絶景や、脂がのった冬の魚、雪見の露天風呂など、富山の冬でなければ味わえない魅力があります。
冬、そこにしかない醍醐味を求めて、新しい発見や気づきを体験できる観光スポットを
選んでみました。
日本の原風景や伝統芸能をたどったり、旬を迎えた今しか味わえない魚を堪能したりする旅が、旅行客の少ない冬なら思いのまま巡ることができます。
空気がきりりと冷え、真っ白な雪が一面を覆う冬の富山。
そんな冬の自然が生んだ「贅沢な恵み」を探しに出かけてみませんか?

空港名:富山空港
住所:〒939-8252 富山県富山市秋ヶ島30番地
電話番号:076-495-3101
公式HP:https://www.toyama-airport.co.jp/

富山空港の詳細はこちら⇒富山空港発着
北陸自動車道 富山IC~富山空港まで車で5分
富山空港~JR富山駅まで北陸新幹線で約20分
富山駅~富山空港までバスで約25分

タクシー・レンタカーも利用可能。
無料駐車場あり

富山空港の詳細はこちら⇒富山空港発着

まるで日本昔話の世界! 冬景色にほっこり世界遺産の「五箇山合掌の里」

五箇山合掌の里_富山
山奥にひっそりと佇む「五固山合掌の里」は、冬には屋根に雪をいただいた合掌造りの家々に明りがともり、まるで日本昔話の世界のような景観を見せます。
どこか懐かしく、ほっこりした気持ちになる冬の五固山合掌の里は、泊まって食して体験する、そんなそこで暮らすような旅がおすすめです。
富山県の高岡駅から出発する世界遺産バスに乗って1時間ほどすると、「五固山合掌の里」に到着します。
小川に沿いのあぜ道を眺めながら歩いていくと現れる、素朴でこじんまりした合掌造りの光景は、訪れる人を昔話の世界にトリップさせてくれます。
1995年、岐阜県の白川郷とともに「世界遺産」に登録された五固山の二つの集落、相倉(あいのくら)集落と菅沼(すがぬま)集落は、今の日本に残された数少ない日本の原風景といわれています。
春、夏、秋それぞれに魅力がありますが、冬の雪景色はファンタジーともいえるほどの別格の美しさがあります。深々と降る雪の夜にライトアップされた合掌造りは、一度は見てほしい感動の風景です。

国指定重要文化財「村上家」で民謡鑑賞

また、五箇山では昔からの民謡が歌い継がれていて、「こきりこ」や「麦屋節」「といちんさ」などの民謡が、時代を越え今も生き続けています。
五固山合掌の里の中心にある国指定重要文化財「村上家」では、そんな昔ながらの民謡と踊りが、事前に予約すれば生演奏とともに堪能することができます。
400年の歴史のある村上家は、積雪に耐える太く頑丈な梁や柱がいたることに張り巡らせてあるほか、建築当時の書院造の特徴である一文字棚といった床棚など、合掌造りの建築様式をそのまま残している建物です。
囲炉裏を囲んで薬草茶を飲みながら五箇山の暮らしや、民俗文化の話に耳を傾けると、雪に埋もれて過ごす山里の本当の温かさに触れて、心がやわらいできます。

雪明りの集落に感激!「合掌民宿」に泊まる

ライトアップされた冬の五固山合掌の里を見るなら、「合掌民宿」に泊まってみてください。
宿では、囲炉裏を囲みながら岩魚の塩焼きや五箇山豆腐など盛りだくさんの地元料理のほか、時には山で捕ったイノシシや熊のスープなどが並ぶことも。
寒い冬に囲炉裏の前で飲む地酒と滋味あふれる里山料理、そんな贅沢を味わいながら穏やかな時を過ごしてみませんか?
築数百年の古民家宿ですが、トイレやお風呂などはリフォームされていますので安心です。

菅沼集落の食事処「吾郎平」で昼食

五固山グルメでおすすめなのが、「岩魚塩焼き御膳」や「五箇山豆腐御膳」、「吾郎平御膳」が食べられる「吾郎平」。
地元食材を使った料理はどれも絶品。五固山の歴史、文化、味覚がぎっしり詰まった料理は心にしみます。

■住所:富山県南砺市菅沼855

※世界遺産バスは、高岡駅および新高岡駅から白川郷まで、主なバス停にのみ停車する路線バスで、高岡駅から約1時間で世界遺産(相倉)に到着します。

雪の絶景を満喫する立山黒部アルペンルートと沿線に多くの秘湯がある黒部峡谷鉄道

世界的な山岳ルートが楽しめる人気観光スポットといえば「立山黒部アルペンルート」です。
富山から長野まで続く立山黒部アルペンルートは、高原バスやトロリーバス、ロープウェイなどが、標高3,000m級の山が連なる北アルプスを貫いて横断します。
このルートには黒部ダムや、鏡のような湖面の「みくりが池」、国内で初めて認定された3つの氷河など、貴重な大自然が見られます。
立山黒部アルペンルートの立山室堂平は世界でも有数の豪雪地帯で、中でも大谷には降雪と除雪した雪が合わさり20mを超える雪の壁が出現します。
「雪の大谷」と呼ばれるこの巨大な雪の壁は、とにかく圧巻の一言に尽きます。
世界中の人々を魅了する豪快な雪の絶景に、ファミリーや友人たちと行って感動を共有しましょう!
冬の間アルペンルートは閉ざされますが、1月下旬ごろブルドーザーが雪の山に入り、7~8mの積雪の中を何度も往復して除雪作業を行います。
こうして4月に大谷の500mの区間が開通すると、スケールの大きな「雪の大谷」を見ることができます。

「黒部峡谷鉄道」沿線には多くの秘湯があり、狙い目は11月下旬

宇奈月温泉と欅平駅の間を約1時間20分かけて運行する黒部渓谷鉄道のトロッコ電車は、
日本一険しいといわれるV字峡の黒部渓谷を駆け抜けます。
春の新緑、夏の清流、秋の紅葉と四季折々の自然が美しい黒部峡谷は、富山自慢の人気観光スポットですが、積雪雪崩も多いため黒部渓谷鉄道は11月末から4月20日頃まで運休します。
それでも黒部渓谷の冬の風情を味わってみたいという方は、初雪を期待して11月の中旬から下旬に訪れるのがおすすめです。
もし雪が降らなくても、行ってみる価値は充分あります。
というのも、この黒部渓谷に沿って点在する秘湯は、トロッコ電車でなければ行けないからです。
黒薙温泉、欅平温泉、猿飛山荘のほか、名湯として名高い釣温泉旅館や名剣温泉などの秘湯が沿線上にあります。
黒部渓谷を一望する岩風呂や野天風呂で、川のせせらぎに耳を澄ませながらお湯に浸かれば、心身共に癒されていくのを実感できます。
途中の鐘釣駅と欅平駅にはレストランやお土産屋さんがあり、食事や買い物を楽しむことができます。丸一日かけてゆっくり過ごすのもおすすめです。

■立山黒部アルペンルート「雪の大谷」

(一社)立山町観光協会
住所:富山県中新川郡立山町前沢2440番地

冬こそ泊まろう! 雪景色が幻想的な宇奈月温泉と圧巻の大牧温泉

紅葉に囲まれた宇奈月温泉と大牧温泉も素晴らしいですが、冬は人も少なくなり、雪が降れば周囲の音を吸収するため、一段と温泉の風情が際立ちます。
美人の湯として有名な宇奈月温泉は、黒部峡谷を眺めながら入る露天風呂が人気です。また、秘境の湯大牧温泉は静寂の極みです。

冬の黒部渓谷の自然が楽しめる「宇奈月温泉」

富山県で、もっとも有名な温泉処のひとつ「宇奈月温泉」は、黒部渓谷を走るトロッコ電車の始発駅でもあります。
冬の間は、黒部峡谷トロッコ電車は運休しますが、宇奈月温泉にはJR黒部宇奈月温泉駅から富山地方鉄道に乗り30分ほどで行くことができます。
温泉の湯量は豊富で、水面に黒部渓谷の冬の雪景色が映し出される露天風呂や岩風呂は幻想的で、最高の気分を味わえます。
混雑することが少ない冬季に長期滞在する方が多くなるのは、そんな景色にほれ込んだファンがいるからなのでしょう。
宇奈月温泉のお湯は、無色透明の弱アルカリ性の単純泉です。
弱アルカリ性だから、皮脂や古い角質を優しく落としてくれてつるつるになる上、神経痛や筋肉痛、冷え性にも効くとされています。
そして冬は日本海の魚が美味しくなる時期なので、温泉だけでなく富山の海の幸もゆっくりと楽しんでください。

静けさを極める冬の「大牧温泉」

庄川峡を遊覧船に乗り進んで行くと、奥まった場所に雪をかぶった深山幽谷の水墨画の趣を見せる大牧温泉旅館が建っています。
小牧港〜大牧港まで、約30分かけて遊覧船でしか行くことのできない秘境の一軒宿は、宿に行くまでの景色も最高で、テレビロケなどにも度々使われています。
館内には男女合わせて6つの浴場があり、雪の積もった山と庄川峡が一望できる露天風呂は、ぜひとも味わいたいところです。
静けさを極める雪景色の中、緩やかな空気の流れを感じてお湯に浸かるという、贅沢で得がたい時間をこの露天風呂は提供してくれます。

■宇奈月温泉旅館協同組合
住所:富山県黒部市宇奈月温泉38-45

■大牧温泉観光旅館
住所:富山県南砺市利賀村大牧44

富山湾きっときと市場と新湊、氷見で富山の冬の味覚を味わい尽くす!

冬の富山といえば、鮮度抜群のカニやぶりははずせません。
新湊や氷見といった富山有数の港を探訪して、“きっときと”を味わってみましょう。

新湊漁港のかに小屋で、高志の紅ガニ三昧

万葉線東新湊駅から徒歩10分で「新湊きっときと市場」に到着します。
この市場では、冬にはベニズワイガニ、ブリ、ズワイガニなど新湊漁港で獲れる海の幸が味わえます。
きっときと市場をまわってからでも、13時からのセリ場には十分間に合うので、
慌てないでゆっくり楽しみましょう!
漁場が近い新湊漁場は、早朝だけでなく13時からもセリが行われ、さっき獲れたばかりの魚を次々セリにかける、漁業関係者の活気を目にすることができます。
セリ市場の2階からセリ場を見下ろすと、床いっぱいのカニ、カニ、カニ。
一面、鮮やかな紅色したカニのカーペットが広げられています。カニはすべて生の状態です。
昼セリを見学したら場内食堂で、白エビとベニズワイガニの紅白丼をいただいき、さらにはカニ小屋で、ゆでたてのカニも贅沢に食べましょう! 
ふわふわのカニの身が口の中で甘くほどける、冬の新湊だから叶えられる幸せな瞬間は忘れられないでしょう。
(見学は予約が必要です。連絡先:新湊きっときと市場)

ブリだけじゃない! 熱気あふれる氷見漁港

JR氷見線氷見駅から徒歩15分の氷見漁港で朝セリが行われるのは、平日と土曜の朝6時ごろからです。
予約の必要はなく無料で見学できますが、悪天候で漁港が閉鎖されることもありますので、念のため確認をしておくことをおすすめします。
氷見を中心に冬の日本海で獲れるブリだけが「寒ブリ」と呼ばれ、特に初冬の産卵前は脂がたっぷりと乗っていて、格別なおいしさです。
冬の富山湾では、ブリだけでなくズワイガニや大量のスルメイカも水揚げされますが、寒ブリのセリが始まると観光客がぐっと増え、漁港内が一番活気づく時間を迎えます。
漁業者たちの熱気あふれる瞬間を、お見逃しなく!
セリが終了する8時から、場外市場の「ひみ番屋街」で寒ブリが食べられます。
8時ごろまでセリ見学をして、8時以降には獲れたての魚でグルメ三昧。新鮮な魚介類に囲まれた喜びをじっくり味わってください。
新鮮な魚介類の加工品も抜群に美味しいので、ここでまとめて買って宅急便配送すれば、手荷物なしで観光できます。

■新湊きっときと市場
住所:富山県射水市海王町1番地

開館時間:9:00〜17:00(時期により異なります)

歴史ロマンを感じる凛とした冬の美景。富山城と国宝 瑞龍寺

富山城
冬に凛とした佇まいを見せる富山城の天守閣など城の大部分は再建されたものですが、堀と石垣は当時の姿を残しています。
富山城は、室町時代前期~中期に越中の守護代であった神保氏が築城したもので、その後戦国の武将、織田信長らに翻弄されながら、江戸時代になると前田利家の分家として富山藩10万石の城となりました。
「続日本100名城」に選定された富山城の見どころは、総ケヤキ造りの千歳御門です。この門は東大の赤門と同様の大変貴重な構造をしています。
また、富山城は水堀を二重に巡らせ川面に浮かぶように建っていることから、「浮城」と呼ばれていました。築城当時の名残をとどめる優雅で清々しい富山城の姿は、冬の空にひときわ映えます
富山城の2階には郷土博物館があり、400年の歴史のある富山県の文化をわかりやすく紹介してしてあります。
加賀藩二代藩主前田利長の菩提寺として建立された国宝、瑞龍寺は、歴史ロマンを感じられるスポットです。
まず驚くのがその建築美です。
山門から仏殿、法堂を一直線に結び、その周りに回廊を巡らして左右対称に配置する伽藍配置は、圧倒されるほどの空間美を生んでいます。
壮大かつ典雅な美しさを持つこの寺は、加賀藩百二十万石の財力を如実に示す建造物です。
また、この伽藍は春・夏・冬の年3回ライトアップされます。特に2月のライトアップは雪とのコントラストが美しく、非常に幻想的な光景が浮かび上がります。

■富山市郷土博物館「富山城」

住所:富山県富山市本丸1-62(富山城址公園内)

■国宝 高岡山瑞龍寺

住所:富山県高岡市関本町35

まとめ

冬の旅行は、寒いし荷物も多くなるので少し敬遠されがちですが、その季節でしか体験できない景色や味覚があります。
さらに、冬は感性が研ぎすされ、その地に根づいた伝統文化をより深く知ることができます。
冬の富山は、日常生活では得られない体験ができる旅先です。新幹線や在来線を乗り継いで巡る冬の旅に出かけてみませんか?