日本の格安航空会社の代表的存在でもあるピーチは、関西国際空港を拠点に2013年から運航を開始し、現在は国内だけではなく韓国や台湾といった国際線の運航にも乗り出しています。
そんなピーチが欠航したら、どう対処したらいいかご存じでしょうか?欠航の情報を知る手段、チケットの払い戻し、振替便の手配など、欠航後の対応で知っておかなければならない情報は数多くあります。
本記事では、ピーチが欠航してしまっても焦らず落ち着いて行動できるよう、様々な疑問を詳しく解説しています。安心して快適な旅をするために、ぜひ最後までご覧ください。
ピーチの欠航情報は当日まで分からない場合もある
ピーチの欠航情報は前日など早い段階で把握できることもありますが、当日になってから決まることも珍しくありません。
そもそもどうして欠航してしまうのか、その主な原因は2つあります。その原因といつ欠航することが分かるのかという点について説明します。
天候による欠航
台風など悪天候が原因で欠航する場合、欠航が発表されるのは基本的に欠航の当日です。
夏場の台風シーズンや冬場の雪が多い時期などに関しては、気象庁から出されている天気予報をもとに早ければ前日の夕方頃には欠航かどうか判断されます。
各航空会社は、悪天候で欠航する場合の基準を定めていて、出発地や到着地の空港の状況、滑走路の風速や風向きなど様々な項目を総合的に判断しています。
ピーチも例外ではなく、欠航を決めるための基準を設けていますが、ほかの航空会社と比較すると厳しめの基準になっているため、「ほかの飛行機は飛んでいるのにピーチは欠航している」というケースも少なくありません。
機材トラブルによる欠航
2つめの原因は、機材トラブルによる欠航です。
利用するはずの機材にトラブルが発生し、欠航するケースです。
ピーチだけでなく、こうした機材トラブルなどの問題はほかの航空会社でも起こりうることですが、LCCは予備機材を持つ余裕がないことが多いので、大手航空会社より機材トラブルによる欠航は頻繁に起こります。
機材トラブルによる欠航は予測ができないため、基本的には当日ギリギリになって欠航が決まることが多いので、常に運航状況を確認しておくようにしてください。
発着情報はどう確認する?
ピーチの発着情報は、天候に限らずしっかりとチェックしておくことが大切です。
正しい情報をいつでも把握できるように、4つの確認方法を紹介します。
特に台風シーズンや雪の時期などは、搭乗予定便が定刻に出発するのか分からず、宿泊先や家を出て空港に向かうべきなのか判断できないことがあります。
こうした場合に備えて、いつでも最新の情報を把握できるようにしておきましょう。
ピーチの公式サイトで確認
情報の信頼性が高いのはやはりピーチの公式サイトです。
- ピーチの公式サイト「https://www.flypeach.com/」にアクセス
- 画面右上部の「運航状況」をクリック
- 「日付」「出発地」「目的地」を選択して検索し、当日と翌日の運航状況を確認
天候によって運航に影響が出ると予想される場合は、遅延や欠航の可能性がある便が表示されます。
また、運航状況はコンタクトセンターやチャットで問い合わせでも確認可能ですが、欠航や遅延が生じた場合は非常に混雑して繋がりにくくなります。
公式サイトをうまく活用して最新の情報を把握し、スムーズに搭乗できるようにしておきましょう。
ピーチからのメールでチェック
基本的に欠航は当日になってから決まります。
しかし、台風など前もって悪天候になることが分かる場合は、気象情報をもとに早めに欠航が決まります。
前日や当日の朝など早い段階で飛行機の欠航が決まった場合は、「欠航のお知らせ」というメールがピーチから届きます。
チケットの予約をする際に登録したメールアドレス宛に運航に関する知らせが届くので、飛行機に搭乗する前日から意識してメールをチェックしておくようにしてください。
ピーチの公式Twitterで確認
ピーチにはTwitterの公式アカウントがあり、日々の運航情報を配信しています。
欠航や遅延などに関して詳しい情報が頻繁に更新されるので、搭乗する予定の便が欠航のおそれがある場合非常に重宝します。
また、ほかの利用者のツイートで空港の状況がリアルタイムで把握できるのも、大きなメリットです。
欠航や遅延とは関係ありませんが、ピーチの公式Twitterでは数多くのキャンペーンや旅のオススメ案内などの配信も行っていますので、旅行する予定がある方は時々チェックしてみてください。
ピーチを頻繁に利用する方は公式Twitterをフォローしておきましょう。
ピーチの公式アカウントはこちらです「@Peach_Aviation」
空港の公式サイトで確認
各空港の公式サイトでも、運航状況の確認が可能です。
参考までに、ピーチの拠点空港の「関西国際空港」の公式サイトでの確認方法を紹介します。
- 関西国際空港の公式サイト「https://www.kansai-airport.or.jp/」にアクセス
- 画面上部にある「飛行機に乗る」をクリック
- 本日のフライト検索で「区分」「目的地域/出発地域」「航空会社」「便番号」を選択して検索
上記の必要情報を入力することで運航状況がすぐに検索できる空港のサイトでは、ピーチ以外の航空会社の運航状況も確認できます。
しかし、空港のサイトで確認する情報は、急な欠航などがすぐに反映されないことがあります。
空港のサイトで検索しても欠航情報はなかったのに、空港に行ったら欠航だったということも少なくありません。
空港の公式サイトだけではなく、ピーチの公式サイトやTwitterなどもあわせて確認しておくと安心です。
ピーチの欠航率や遅延率は?
「ピーチは欠航や遅延が多い」「格安航空会社は大手よりもルーズ」
LCCに対してこのようなイメージを持っている方は少なくないと思います。
では、ピーチの欠航や遅延は本当に多いのか、ほかの航空会社と比べて具体的にどのくらいの違うのか、国土交通省が公表した情報をもとに詳しく解説します。
ピーチの欠航率
国土交通省は、2021年1月から3月までの期間における航空会社ごとの遅延率や欠航率を公表しました。
それによると下表のようになっています。
ピーチ | JAL | ANA | AIRDO | スターフライヤー | |
---|---|---|---|---|---|
天候による欠航 | 0.51% | 3.44% | 0.73% | 2.93% | 1.61% |
機材の故障による欠航 | 0% | 0.13% | 0.02% | 0.03% | 0.11% |
機材繰りによる欠航 | 0.18% | 0.87% | 0.07% | 0.37% | 0.19% |
その他の理由による欠航 | 0.04% | 0.05% | 0.09% | 0.07% | 0% |
この表は、様々な理由による欠航の割合を航空会社ごとにまとめたものです。天候による欠航、機材の故障による欠航に関しては、大手のJALやANAなどと比較しても多くなく、機材の故障による欠航は2021年1月から3月まで1度も発生していません。
また、機材操りによる欠航についてもほとんど起きていません。
機材繰りとは、使用予定の機材が何かしらの理由で遅延や欠航となり、その影響によってその機材を使う予定の便も欠航となる場合を指しますが、ピーチはほかの便でトラブルが起きたとしても、その影響を受けにくいという特長があることが分かります。
こうして見ると、ピーチは様々な欠航要因において欠航率が低いことが分かります。
「ピーチは欠航が多い」といったイメージを持っている方も、こうした情報を知っていれば、安心して利用することができるでしょう。
ピーチの遅延率
国土交通省は、遅延率に関する2021年1月から3月のデータも公表しています。
それによると下表のようになっています
ピーチ | JAL | ANA | AIRDO | スターフライヤー | |
---|---|---|---|---|---|
天候による遅延 | 3.12% | 0.92% | 1.22% | 1.93% | 0.33% |
機材の故障による遅延 | 2.34% | 2.01% | 1.09% | 1.86% | 0.16% |
機材繰りによる遅延 | 1.13% | 0.38% | 0.44% | 0.59% | 0.29% |
その他の理由による遅延 | 1.38% | 0.40% | 0.44% | 0.69% | 0.30% |
上記表を見て分かる通り、欠航率と違いピーチの遅延率はかなり高くなっています。
遅延とは予定時刻よりも15分以上遅れての出発する便のことをいいますが、大手のJALやANAだけでなく、格安航空会社のAIRDOやスターフライヤーと比較しても遅延率が高いのが分かります。
プライベートでの利用であれば、多少の遅延であれば大きな影響はないかもしれませんが、ビジネスでの利用であれば、多少の遅延でも大きなトラブルになってしまうこともあります。
そのため、欠航だけではなく遅延に関する情報も把握しておかなければなりません。遅延情報も欠航と同様の方法で確認できますので、本記事でお伝えしたそれぞれの方法を用いてチェックしておきましょう。
ピーチが欠航した場合のチケットはどうなる?
ピーチで欠航が発生した場合、欠航が決定したタイミングですぐに振替便の手配ができるようになります。しかし、どうしても指定の時間までに行かなければならないのに予約したピーチの飛行機が飛ばない、欠航したのならすぐにチケットをキャンセルしたいというケースもあります。
ピーチが欠航した場合、チケットはどうなるのか、振替はどのように行えばいいのかなど、様々な状況に合わせた対処方法について紹介します。
旅行を取りやめる場合(往路フライト)
出発前の旅行の取りやめは、欠航が決まった時点で可能となり、その際のツアー代金は全額返金されます。取りやめる場合は必ず当日中に連絡をして、旅行を取りやめる旨を伝えてください。
基本的に乗る便が欠航となった場合、後発便で出発するものとされるため、ホテルなどの利用施設はそのまま手配された状態となっており、連絡がなければキャンセル手続きは行われません。
キャンセルの連絡が遅れたり忘れたりした場合、ツアー料金の返金を受けられなくなってしまうこともありますので、必ず当日中に連絡してください。
後続便での出発(往路フライト・復路フライト)
欠航が決まったら、下記2つのどちらかで振替の手配を行います。
- チェックインカウンター
- ニーズツアーWebセンター
チェックインカウンターへは電話などで連絡することができないので、直接赴き手続きする必要があります。
ニーズツアーWebセンターの電話番号は「0120-117-875」です。しかし、欠航の際などは電話が繋がりにくくなっているため、早く手続きしたい場合はチェックインカウンターに行った方がスムーズです。
後続便は、同一区間で空席がある場合にのみ振替可能で、席の状況によっては家族やグループであっても別々の便になる可能性もあり、必ずしも全員同じ便になるとは限りません。
往路フライトの場合、同日の後続便だけではなく、翌日以降の便に空席があれば振替可能です。
復路フライトであれば、状況によっては乗れる便が数日後になることがあるため、スケジュールなどを確認し手配してください。
他社便での出発(往路フライト・復路フライト)
ピーチの振替便では都合が悪く他社便に変更したい場合は、自身で他社の便を手配する必要があります。他社便を利用する場合は、必ずその日のうちにピーチに連絡をして、ほかの手段で出発する旨を伝えましょう。
連絡は、電話か問い合わせフォームで行えます。
旅行を取りやめる場合と同様に、基本的には後続便で出発すると思われているので、連絡をしなければキャンセル手続きが行われません。返金されなくなるケースもあるため、必ず当日中に連絡することを忘れないようにしてください。
ピーチのチケット・払い戻し方法
ピーチが欠航してしまった場合、購入チケットは払い戻ししてもらうことができます。しかし、払い戻し方法は、チケットを購入した際の条件や方法などによって異なりますので、ここで紹介する内容をしっかりと把握しておきましょう。
払い戻し方法
ピーチ側のトラブルや天候によって欠航した場合、手数料などの負担なく全額返金してもらえます。払い戻しはピーチの公式サイトへアクセスして申請し返金してもらいますが、空港のピーチカウンターで手続きすると、その場で現金による返金は行われないので注意してください。
払い戻し先については、チケットを購入した方法により異なります。
クレジットカードやAli Pay、d払いなどで支払った場合は、支払ったカードの口座に返金されますが、コンビニ支払いやネットバンクから支払った場合は、下記のなかから払い戻し先を選ぶ必要があります。
- 銀行口座
- セブン銀行のATM
- ローソン
- Amazonギフト券
- ピーチポイント
また、ピーチポイントで支払ったチケットに関しては、そのままピーチポイントが戻ってきます。
払い戻し申請の受付期間
払い戻しの申請は、必ず期間内に済ませておいてください。忘れないように早めに手続きをしておくことをおすすめします。
払い戻しの申請期間は、欠航の要因によって多少異なる部分がありますので、よく理解しておきましょう。
- 天候による欠航の場合→搭乗予定日から10日間
- 機材トラブルなどピーチ側の原因による欠航の場合→搭乗予定日から30日間
トラブルによる欠航であれば約1ヶ月の申請期限がありますが、台風や大雪など天候による欠航は、10日間しかないので注意してください。
払い戻し完了したら連絡はくる?
チケットの払い戻し申請をしても、受け付けた旨の連絡がくることはないので、払い戻しされているか自分で調べる必要があります。
公式サイトをチェックするなどして、払い戻しが行われたかどうか逐一調べましょう。状況によっては数か月ほど待たなければならないこともあります。
ピーチの欠航情報は常にチェックし万全の準備を!
ピーチの欠航は、早ければ前日ですが基本的には当日確定します。
欠航が起きても焦らないよう、公式サイトやTwitterなどをチェックし最新の運航状況を把握しておきましょう。
また、ピーチは欠航率よりも遅延率が高い傾向があります。場合によっては出発時間のずれが生じることがあるため、常に情報を確認し準備を万全に整えておきましょう。
天候による欠航、ピーチ側のトラブルによる欠航など、欠航する理由によって払い戻しの申請期限は異なるため、行うべき手続きは早めに済ませておくと安心です。