山形県は東北の日本海側に位置し、人間の横顔のような形をしている県です。
日本海に面した北国なので雪がたくさん降ることで有名ですが、過去に日本最高記録の気温を記録した夏は暑い地域でもあります。
そんな山形の秋は、どうでしょう?
秋ならではの美しい紅葉と、実り多き秋のご当地グルメの数々が待っています。そこで今回は「秋の山形グルメ旅」と題して、山形県内のおすすめの観光名所と合わせて、ぜひ食べていただきたいご当地グルメをご紹介していきます。
目で見て楽しい、食べておいしい、よくばり満喫プランをチェックしていきましょう!

定番観光名所!蔵王の紅葉とほっこりお餅スイーツを堪能

蔵王

山形の定番の観光名所「蔵王」。
初夏は爽やかな緑を感じられる避暑地ですが、蔵王の魅力を思う存分味わえるのはウィンタースポーツができる冬です。
全国各地、世界各国から、良質の雪で作られたゲレンデと体の芯まで温まる硫黄成分の温泉を目当てに、たくさんの観光客が訪れます。
でも、秋の蔵王の魅力も忘れてはいけません。広大な蔵王は夏の終わりから次第に色づき始めて、秋が深まるにつれ赤・黄色・橙色・深紅色の美しいグラデーションが出来上がります。
遠目から見てもキレイですが、おすすめなのが「蔵王ロープウェイに乗って、紅葉を上から眺める楽しみ方」です。色とりどりの紅葉をロープウェイに乗って上から眺めると、それはまさに様々な色の糸で織られたじゅうたんのようです。
天気の良い日には、まるで絵画のような紅葉が目の前に広がり、インスタ映えする写真が撮れること間違いなし!

紅葉狩りの後は、ほっこり和スイーツで休憩

さて、蔵王の紅葉を目で楽しんだ後は、舌で楽しめる蔵王名物の和スイーツ「いがもち」はいかがでしょうか。
いがもちは、熊笹の上にこし餡が入った小さなお餅が3つ並んでいる和菓子です。
特徴的なのは、お餅の上に黄色く染められたお米の粒が乗っているところ。
柔らかなお餅と上品な甘さのこし餡のコラボレーションが絶妙で、そこに熊笹の爽やかな香りがふわんと鼻を抜け、なんともホッとするお菓子に仕上がっていますが、いがもちの賞味期限は1日しかなく現地でしか味わうことのできません。
いがもちが食べられるコーヒーショップ「さんべ」は、蔵王温泉を訪れた観光客を癒してくれるおすすめの喫茶店です。
いがもちだけではなく山形名物の玉こんにゃくも提供しており、おいしいコーヒーと共に玉こんにゃくも味わえます。
山形の定番観光スポットである蔵王を訪れたら、地元の人たちも大好きないがもちと玉こんにゃくを食べないのはもったいありません。
紅葉狩りで小腹が空いた時は、気軽に食べられる山形おやつを味わってみてはいかがでしょうか。

蔵王ロープウェイ

住所 〒990-2301 山形市蔵王温泉229-3
電話番号 023-694-9518
アクセス 山麓線8:30〜17:00(変更の場合あり)
山頂線 8:45〜16:45(変更の場合あり)
サイト http://zaoropeway.co.jp/

コーヒーショップ さんべ

住所 山形県山形市蔵王温泉973-1
電話番号 023-694-9538

これぞ山形グルメ!山形市日本一の芋煮会。

芋煮

秋の山形グルメと言えば、芋煮です。
山形に限らず東北地方では、秋の行楽シーズンになると家族・親戚・同僚・友達・学校・部活・サークルの人達が河原に集まり、芋煮会を楽しみます。
テレビでも度々、その様子が取材・放送されているので、一度は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
山形の夏祭りである花笠祭りが終わると「次は、芋煮会の季節だね」となり、シーズン真っただ中には、「今年は、これで3回目だ」という会話が飛び交うくらい頻繁に開催されています。

芋煮ってどんな食べもの?

山形県の名物の「芋煮」は、山形県内でも地域によって具材や味つけが異なるので、みんな地元の芋煮の味を自慢しあったり、食べ比べしたりします。

山形県内で最もスタンダードな味付けは、内陸にある村山地方と置賜地方で食べられている「醤油×牛肉」の芋煮です。
水・里芋・こんにゃく・長ネギなどの定番の具材に加えて、牛肉・醤油・酒・砂糖などが入ったコクのある醤油ベースの汁が、具材の美味しさを引きたてます。ゴボウやまいたけなどを入れると、更に風味もアップするのでおすすめです。

芋煮が奥深いのは、地域によって味が違うところです。村山と置賜地方では牛肉&醤油ベースなのに、海側の庄内地方では豚肉&味噌ベースになっています。

山形市 馬見ヶ崎川で開催される日本一の芋煮会

山形の秋のビッグイベントと言えば、直径6.5mの大鍋で3万食もの芋煮を作る日本一の芋煮会です。
鍋の大きさからビッグスケールであることが伺えますが、材料は里芋3トン、牛肉1.2トン、こんにゃく3,500枚、ねぎ3,500本、味付け醤油700リットル、隠し味の日本酒50升、砂糖200kg、水6トン、薪6トン、この数字からもその大きさが常識を越えたものだということが分かっていただけるのではないでしょうか。
この大きさですから、お玉に大型重機のバックホーが使われ、材料を混ぜたりすくったりします。
重機が使われるので汚いのではと思われるかもしれませんが、汚くないので安心してください。
使う重機が新車であることはもちろんのこと、グリースをきちんと洗い流して、その代わりマーガリン、バターを潤滑剤にしていますから、食べた時油くさいなどといったことは全くありません。

なんと!黒毛和種 山形牛を使用している

山形は米沢牛と山形牛という、知名度の高い黒毛和種で有名です。
なんと、日本一の芋煮会で使用される牛肉は、1年以上山形で飼育されたA3等級以上でなければ認めないという徹底ぶりで、芋と共に極上の山形牛を味わえます。
大鍋で作るから大雑把な味というわけではなく、こだわりの材料で作られているのです。

2019年は9月15日(日)開催

ちなみに今年の日本一の芋煮会は、2019年は9月15日(日)開催となっています。
日本一の芋煮会に合わせて旅行計画を組むのも、いいかもしれません。
でも、日本一の芋煮会に合わせて計画が立てられなくても、秋の山形グルメは存分に楽しめます。
9月~10月初頭は毎週末、いや毎日のように山形市 馬見ヶ崎川付近の川原や広場などで芋煮会がおこなわれています。
シーズン中、スーパーでは食料・鍋・薪などがセットになった「芋煮セット」が販売されているので、観光客の方も手ぶらで山形に行き、川原での芋煮会を楽しむことができます。

サイト http://www.y-yeg.jp/imoni/

絶対行くべきパワースポット!羽黒山

羽黒山

江戸時代には「西の伊勢参り、東の奥参り」ともいわれたほどに、知名度も人気も高かった出羽三山参り。
世界が認める霊山として、現在は日本各地からだけでなく世界各国からもたくさんの参拝客が訪れます。
夏暑く、冬は大雪が降る山形の気候の中で、秋はとても過ごしやすく参拝にはちょうどよい季節です!

国宝「五重塔」は必見

スタートは、羽黒山の「随神門」。
ここから山頂まで続く杉並木は、なんとミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星に選ばれているのです。
山形が世界に誇る羽黒山と言うのも、納得ができます。
随神門から10分ほど歩くと、国宝である五重塔があります。こちらは、平将門の創建と言われており、東北最古の五重の塔です。
高くそびえる五重の塔を眺めていると、不思議と心が洗われていくような気持ちになってきます。
五重の塔の歴史を紐解いて、山形で「勉学の秋」としゃれ込むのもいいですね。

運動の秋。2446段の石段を昇ろう

食べ物が美味しい山形の秋を堪能するためにも、身体を動かして体重が増えすぎないようにしたいものです。
なんと羽黒山は、運動の秋にはもってこいの場所でもあります。
山頂へと続く石段は2446段もあり、これが結構しんどいんです!
ただ昇るのではなく、盃やひょうたんなどの絵を33個探しながら昇っていって、全部発見すると願い事が叶うという言い伝えもあります。
昇ることに必死になってしまうのではなく、周りをキョロキョロと眺めながら山頂を目指しましょう。

二の坂の茶屋で休憩!羽黒山スイーツ

2446段の石段を昇るのは、そんなに簡単なことではありません。
ですから、山頂に行くまでの間には何回か休憩を取り、パワーを注入したいものです。
二の坂を過ぎたところにある「二の坂茶屋」では、杵つきのおいしいお餅が食べられます。
あんこ餅・きなこ餅・納豆餅の3種類の餅が人気で、疲れた体につるんと入ります。優しい甘さが2446段を昇り切るパワーになってくれます。
キリリと苦い抹茶や醤油が程よく染み込んだ山形名物の玉こんにゃくなど、お腹いっぱい食べたくなるご当地グルメが盛りだくさん用意されています。
山頂からは、一面に広がる庄内平野を望むことができます。身体を動かした後の空腹感とここに吹く爽やかな風が誘い水になって、スポーツの秋から食欲の秋になってしまうかもしれません。

出羽三山の1つ羽黒山は、山形県を代表する修行の山です。
神々のパワーだけではなく、素晴らしい景色も国宝も、おいしいグルメも堪能できます。
過ごしやすい秋に訪れて、歴史を感じる勉学の秋・スポーツの秋・食欲の秋を思いっきり楽しんではいかがでしょうか?

住所 〒997-0211 山形県鶴岡市羽黒町手向字手向7
サイト http://www.dewasanzan.jp/publics/index/71/

松尾芭蕉の句にも出てきた!最上峡で舟下りと絶品おそば

最上川

かの有名な俳人、松尾芭蕉が「五月雨を 集めて早し 最上川」と詠んだことでも有名な最上川。
流路延長229km、一つの都府県のみを流域とする河川としては、国内最長となっています。日本三大急流の一つとしても知られていますが、現在舟下りは「最上峡芭蕉ライン舟下り」を中心に多くの観光客が訪れています。
365日営業している観光スポット最上峡芭蕉ライン舟下りは、船頭さんの舟唄と共に、ゆっくりと雄大な自然の中を舟で下っていきます。
新緑の美しい春、夏の太陽に照らされてキラキラとした水面が美しい夏、絵に描いたような紅葉が楽しめる秋、そして雪景色に心を洗われる冬。
船上から春夏秋冬楽しむことができるのが、最上峡芭蕉ライン舟下りの最大の魅力です。

舟下りの前後には絶品のおそばをどうぞ

「山形グルメと言えば、おそば!」という根強いファンもいるほど、山形のそばは風味豊かで喉ごしがよく、そして盛りがいいと評判です。
ぜひ、舟下りの前後に絶品のおそばを味わってはいかがですか?
舟番所敷地内には、そば処「芭蕉庵」があります。ここでは地元戸沢産のそば粉「最上早生」を使った本格二八そばを味わうことができます。
もともとこの地域はそばの栽培が盛んで、おいしさはお墨付き!
絶品のおそばでお腹を満たしてから舟下りをするのもよし、舟下りをして紅葉を味わった後に、おいしいおそばを味わうのもよし、です。

最上峡芭蕉ライン観光株式会社本社&古口港(戸沢藩船番所)

住所 〒999-6401山形県最上郡戸沢村大字古口86-1
電話番号 0233-72-2001

草薙港(川の駅・最上峡くさなぎ)

住所 〒999-6401山形県最上郡戸沢村大字古口字草薙
電話番号 0234-57-2111
サイト http://www.blf.co.jp/

日本一のクラゲ水族館でクラゲ料理を堪能?

クラゲ水族館

山形県鶴岡市にある、鶴岡市加茂水族館。
人気が低迷し、廃業寸前まで追い込まれた時期もありましたが、最近は日本一のクラゲ水族館として連日たくさんの観光客が訪れる人気のスポットに復活しました。
50種類以上のクラゲと世界最大級のクラゲの展示を誇っていることから、別名「クラゲ水族館」なんて言われています。
おすすめは、直径5 メートルの水槽に約1万匹のミズクラゲが浮遊する「クラゲドリームシアター」です。
きっと、神秘的なその姿に魅了されることでしょう。

水族館でコンサート

悠々と泳ぐクラゲたちとプロの演奏家とのコラボレーションは、他の水族館では味わうことはできません。
ちなみに、2019年のこれからのスケジュールは以下の通りです。(公式HPより抜粋)

9月28日(土) 四管獣 feat. Mao Jazz
10月19日(土) 斎藤輝彦 コントラバス・クラシック
11月16日(土) 若林 美佐 Jazz
12月8日(日) 礒見 博 Jazz

せっかくだから、クラゲ料理を堪能

雄大な日本海やあざらしのプールを眺めながらおいしい?面白い?クラゲ料理を堪能できる、魚匠ダイニング沖海月(おきみづき)。
せっかく日本一のクラゲ水族館に来たのですから、クラゲ料理を食べて帰りましょう。
食欲の秋にふさわしい、人気クラゲメニューを紹介します。

【クラゲラーメン】

魚匠ダイニング沖海月(おきみづき)で、不動の人気NO.1メニューがクラゲラーメン。
クラゲを練り込んだ特製の麺は、モチモチとした食感の平麺。そこに具材として、メンマ・刻んだクラゲ・まるごとクラゲ(キャノンボールクラゲ)・ネギ・水菜などが盛り付けられていています。スープは醤油味でコクがあってとても美味しいと口コミでの評価は上々です。

【クラゲアイス】

クラゲラーメンを食べた後には、さっぱりとしたアイスで口直ししませんか?もちろん、デアイスクリームにもクラゲが入っています。
アイスの中に刻んだクラゲが入っているので、口の中でひんやりと溶けていくアイスの中からコリコリ!プチプチ!といった、面白い食感のクラゲが出てきます。
ナタデココでもない、寒天でもない、不思議な食感をお楽しみください。

食欲の秋にもってこいの、クラゲ料理。一度食べたらクセになってしまうかもしれません。
ぜひ、ご賞味ください。

鶴岡市立加茂水族館

住所 〒997-1206 山形県鶴岡市今泉字大久保657-1
電話番号 0235-33-3036(営業時間内)
アクセス 全日空 羽田空港~庄内空港・・・約1時間で到着
庄内空港から水族館までは、レンタカーかタクシーをご利用ください。
サイト https://kamo-kurage.jp/

秋の山形を味わう旅。いかがですか?

今回は「秋の山形グルメ旅」と題して、山形のおすすめの観光スポットとグルメを紹介しました。
紅葉のじゅうたんが見られる秋の蔵王、山形県民が大きな愛情を注ぐ熱烈グルメの芋煮、世界中から参拝客が訪れるパワースポットの出羽三山や雄大な最上川。
そして、廃業寸前だった水族館が日本一のクラゲスポットになった、鶴岡市加茂水族館。
それぞれの観光名所におすすめの山形グルメがありますし、その他にも山形の秋は果物・新米などおいしい食材で溢れています。
空港名が「おいしい山形空港」となっているくらいですから、食欲の秋を思いっ切り堪能したい人は、ぜひ山形に足を運んでください。