中国地方の日本海側に位置する鳥取県。

鳥取県には、有名な「鳥取砂丘」をはじめ、ジオパーク認定の「浦富海岸」や中国地方最高峰の山「大山」、星空観光スポットなど、壮大な大自然を感じさせる観光スポットが数多くあります。

世界初の「砂の美術館」や、温泉と海水浴を同時に堪能できる「皆生温泉」など楽しみ方はいろいろ。
鳥取県の名物の岩ガキは夏に旬を迎えます。

大自然と新鮮な海の幸を堪能できる、夏の旅行にぴったりな鳥取県のおすすめ観光スポットを紹介します。

砂と海のコントラストが絶景!「鳥取砂丘」

鳥取砂丘

日本海沿いに広がる「鳥取砂丘」は、人の出入りが可能な砂丘としては国内最大級の面積を誇ります。
国の「天然記念物」と全国地質調査業協会指定の「日本の地質百選」に認定されており、鳥取県のシンボルとなっています。

長い年月をかけて形成された個性的な地形や、砂丘に生息する希少な動植物は、見る人に大地のパワーを感じさせます。

昼間は海と砂が織りなすコントラスト、夕方は日本海に沈む夕日、夜は満点の星空、砂丘は時間帯によって異なる表情を見せます。

近隣には、砂で作られた像を展示する「砂の美術館」もあり、大人から子供まで楽しめる観光スポットです。

砂丘ならではの心躍るアクティビティが充実

鳥取砂丘の楽しみ方は、美しい景観を眺めることだけではありません。

「パラグライダー」や「砂丘ヨガ」「らくだライド体験」など、砂丘ならではの心躍るアクティビティが充実しています。

中でも鳥取砂丘の名物となっている「らくだライド体験」は、本物のラクダに乗って記念撮影できたり、砂丘を散歩できたりと異国にいるような体験ができます。

ラクダは、実際に近づいてみると大きく迫力がありますが、温和な性格でとてもかわいい動物です。
ラクダの背中から眺める広大な砂丘や海は、格別です。

1人で乗れないお子さんは、保護者の方との2人乗りも可能なので、年齢問わず楽しめます。

夏は夕暮れから夜が快適!満天の星空を鑑賞しよう

鳥取砂丘といえば昼間に訪れるイメージがありますが、夏の時期は夕暮れからの観光が快適です。
日中は砂の温度が50度以上ありますが、夕暮れには素足で砂丘を散策できるほど温度が下がります。

夕暮れからの観光では、日本海に沈む夕日や満点の星空を鑑賞できます。

6月から8月にかけて見える夕日は特に美しく、夕日が沈み静まり返った夜には、空いっぱいの星が広がります。
鳥取県は星空観測の聖地として有名で、環境省指定の「全国星空継続観察」で何度も日本一に輝いています。

特に鳥取砂丘は、遮る建物や明かりが少ないので絶好の星空観測スポットです。
運が良ければ、流れ星や天の川を見られるかもしれません。
静まり返った夜の砂丘で、夜空を眺めていると、プラネタリウムにいるような感覚になります。

気分はまるで世界旅行!「砂の美術館」

鳥取砂丘の入り口にある「砂の美術館」は、砂で作られた像「砂像」を展示する世界初の美術館です

「砂で世界旅行」をコンセプトとし、毎年違った国や地域を選定し、テーマに沿った作品を展示しています。

世界トップクラスの砂像彫刻家が手掛ける作品は、接着剤を一切使用せず全て水と砂のみで仕上げられています。
会期が終わると元の砂に戻されてしまうので、限られた期間しか存在しません。
その儚さから想像できないほどインパクトのある砂像は、今にも動きだしそうな出来栄えです。


鳥取砂丘

住所 〒689-0105
鳥取県鳥取市福部町湯山2164-661
電話番号 0857-20-2231(鳥取砂丘情報館)
営業時間 制限なし
アクセス 【車利用】鳥取空港より県道264号線→国道9号線→県道265号線(所要約10分)
【バス利用】鳥取空港より空港連絡バス乗車→JR鳥取駅下車→鳥取駅バス岩美・岩井線乗車→「砂丘東口」停留所下車→徒歩3分(所要約40分)

砂の美術館

住所 〒689-0105
鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17
電話番号 0857-20-2231
営業時間 平日・日曜日9:00~18:00、土曜日9:00~20:00
入場料 大人600円、小・中・高校生300円

国立公園「大山(だいせん)」で夏を感じよう!

鳥取県のシンボル「大山」は、中国地方最高峰です。
標高が1,709mあり、夏でも冷涼な気候であることから、避暑や登山に多くの人々が訪れています。

国立公園に指定されている大山では、標高800m付近の西日本最大規模のブナ林、山頂付近の国の天然記念物「ダイセンキャラボク」の純林、夏には雲上のお花畑などを見ることができます。

大山の麓には、牧場のレジャー施設である「大山まきばみるくの里」があり、そこで販売されているソフトクリームは絶品です。

体力に応じた2つの登山コース

大山の登山コースには、初心者向きの「夏山登山コース」と、中・上級者向きの「ユートピアコース」があります。

夏山登山コースは、ダイセンキャラボクやブナ林を見ることができる往復約6時間のコースです。
登山道は歩きやすいように整備されているので、お子さんや初心者の方でも、一般的な体力があれば登山可能です。

ユートピアコースは、標高1,516m付近にあるユートピア小屋に至るルートで、往復約7時間のコースです。
こちらのコースでは、7月の下旬から8月の上旬にかけて、ユートピア小屋周辺に広がる雲上のお花畑を見ることができます。
ユートピアコースは難所が多く滑落しそうな危険箇所があるので、しっかりとした登山装備と経験が必要です。

山頂からは、天候に恵まれると「弓ヶ浜半島」や「島根半島」、その2つの半島に囲まれた湖「中海」、日本海が望めます。
日本海を望む雄大な風景は、登山の疲れを忘れさせてくれます。

「大山まきばみるくの里」のソフトクリームが絶品

大山の麓にある牧場には、「大山まきばみるくの里」というレジャー施設があります。
こちらの施設では、バーベキューや地元産の牛乳を使ったチーズ・バターをいただけるほか、ヨーグルト作り体験ができます。

ここで特におすすめしたいのが、みるくの里特製ソフトクリームです。
過去には1日で4200個売り上げたことがあるみるくの里の名物で、このソフトクリームを食べることだけを目的に訪れる人も少なくありません。

搾りたての生乳をたっぷり使用したソフトクリームは、濃厚な牛乳の味わいがあります。
牛が放牧されたのどかな風景と共に、大山や日本海を眺めながら食べるソフトクリームは格別です。


大山(だいせん)

住所 〒689-0105 鳥取県鳥取市福部町湯山2164-661
電話番号 0859-52-2211
アクセス 【車利用】米子鬼太郎空港より県道271号線→国道431号→県道158号/県道24号→県道30号線(所要約45分)
【電車・バス利用】米子鬼太郎空港より米子空港駅境線「米子」行き乗車→米子駅下車→日本交通バス観光道路経由本宮大山線大山寺行き乗車→大山寺下車(所要約1時間40分)

大山まきばみるくの里

住所 〒689-4101
鳥取県西伯郡伯耆町小林水無原2-11
営業時間 10:00~17:00

温泉と海水浴を同時に満喫!「皆生温泉」

日本海に面した「皆生温泉」は、温泉と海水浴を同時に楽しめる温泉地です。

旅館街を一歩出ると、目の前にはマリンブルーの海が広がり、夏は海水浴場として賑わいます。
ビーチから山側に視線を転じると、そこには大山の偉容が鎮座しています。

美しい自然を堪能できる皆生温泉は、共同浴場をはじめ、約40軒の老舗旅館や大型ホテルが軒を連ねています。
海を見渡せる露天風呂をしつらえた温泉も多く、宿泊するのももちろん、日帰り入浴も可能です。

海のミネラルをたっぷり含んだ「塩の湯」でお肌すべすべ

皆生温泉は、海から湧く珍しい温泉です。

1900年に、地元の漁師が海中に吹き出ている泡を偶然見つけたのが始まりです。
海中から湧き出す湯は、海洋性ミネラルをたっぷり含んでいることから、別名「塩の湯」と呼ばれています。

泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉で、効能は、リウマチ、神経痛、美肌効果、皮膚病、婦人病、など多岐にわたっています。
保湿性に優れ美肌効果が高く、女性にとっては嬉しい温泉です。

「潮風の足湯」では海を眺めながら足湯を楽しめる

皆生海浜公園の敷地内にある「潮風の足湯」は、日本海を眺めながら足湯を楽しめます。

皆生温泉と同じ湯を使用し、温まりやすく冷めにくいという特徴があり、足を浸けるだけで全身が温まり、疲労回復の効果があります。

足湯には屋根が付いているので、雨風や紫外線を気にすることなく、青い海を眺めながらのんびりするのに最適です。
夏のイカ釣り漁の時期には、夜になると水平線に漁火が点々と瞬き、幻想的な風景を真っ暗な海に浮かび上がります。


皆生温泉(かいけおんせん)

住所 鳥取県米子市皆生温泉3-1-1
電話番号 0859-34-2888(皆生温泉旅館組合)
アクセス 【車利用】米子鬼太郎空港より県道271号線→国道431号線→県道300号線(所要約20分)
【電車・バス利用】米子鬼太郎空港より米子空港駅境線「米子」行き乗車→富士見町駅下車→日皆生線皆生温泉観光センター行きバス乗車→「皆生温泉観光センター」停留所下車(所要約1時間)

壮観な日本海を感じる!「浦富海岸」

浦富海岸

鳥取県岩美町にある「浦富海岸」は、東西15kmにわたるリアス式海岸です。
ダイナミックな海食地形と、水深25mまで見える透明度の高い海が、多くの人々を魅了します。

そんな浦富海岸の絶景をゆっくり楽しむのであれば、「島めぐり遊覧船」での回遊や、海岸線に沿った遊歩道を歩くのがおすすめです。

浦富海岸の砂浜エリアは、夏になると白砂が美しい海水浴場として賑わいます。
シュノーケリングやシーカヤック、海上アスレチックパークが人気で、夏の海を楽しむには最適なスポットです。

地学的自然遺産公園「ジオパーク」認定箇所の1つ

浦富海岸の美しい景観は、ユネスコ指定の「日本ジオパーク」と「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されています。
ジオパークとは、国際的な価値の有する「大地の遺産」のことで、貴重な地質や地形が数多く見られます。

浦富海岸では、日本海の荒波や季節風によって形成された「断崖・洞門・奇岩」などのダイナミックな海食地形を見ることができます。

その造形美は、日本海の成り立ちや歴史、文化も現代に伝えています。

絶景クルージングで島めぐりを楽しもう!

浦富海岸の景観を気楽に楽しみたい方は、「島めぐり遊覧船」に乗ってみてください。

船には2つのタイプがあり、ゆったりとしたクルージングを楽しみたい方は「遊覧船」、迫力満点な冒険気分を味わいたい方は「小型船」がおすすめです。
乗船中は、船長さんが楽しく案内してくれます。

遊覧船は、約40分かけて「白浜青松」という美しい砂浜や複雑に入り組んだリアス式海岸などの絶景スポットを回ります。

一方の小型船は、約50分かけて遊覧船では通れない狭い航路を通り、洞門や洞窟、水深の浅い入り江を回ります。
箱めがねで海中を覗いたり、少し手を伸ばして水面に触れたりすることもできます。

夏限定で日本最大級の海上アスレチックパーク出現

浦富海岸の海水浴場には、夏限定の海上アスレチックパーク「フロリックシーアドベンチャーパーク浦富」がオープンします。

海上に設置されるアスレチック器具は、滑り台やトランポリン、ブランコ、ジャンプ台など20種類以上。
SUPやカヤックなどのアクティビティのほか、水上バレーコート、ちびっこ砂遊びエリアもあるので大人も子供も全力で楽しめます。

パーク内にはライフガードが常駐していますし、遊ぶ際はライフジャケットを着用するので、子供や泳ぎが苦手な方でも安心です。

滑り台の上から海を見下ろすと、運が良ければ魚の群れやイカの泳ぐ姿が見えることもあります。


浦富海岸(うらどめかいがん)

住所 鳥取県岩美郡岩美町浦富
電話番号 0857-72-3481(岩美町観光協会)
アクセス 【車利用】鳥取空港より県道264号線→国道9号線→県道155号線(所要約25分)
【バス利用】鳥取空港より賀露線尾崎病院前行きバス乗車→「城北団地」停留所下車→岩井線長谷橋行きバス乗車→「浦富海岸口」停留所下車→徒歩すぐ(所要約60分)

夏が旬!鳥取名物天然岩ガキ

鳥取県では、夏になると岩ガキのシーズンが始まります。

6月に禁漁が解け、7月から8月にかけて旬を迎えます。
冬が旬の真ガキと比べて岩ガキは時間をかけて成長するため、大きさも厚みもありジューシーで食べ応え抜群。

濃厚なミルクをたっぷりと蓄える岩ガキは、ビタミン類やミネラルが豊富で、熱中症が気になる夏場の疲労回復に最適です。

天然岩ガキの最高級ブランド「夏輝」

鳥取県では、岩ガキのブランド化に力を入れていて、県内で採取された高品質な天然岩ガキに「夏輝」という名を付けて販売しています。

夏輝という名前は、4年ものの殻長13cm以上の大きな岩ガキにしか付けられません。
県内で水揚げされる岩ガキの内、夏輝はわずか1割程度と大変希少価値の高い天然岩ガキです。

夏輝の最も美味しいとされる食べ方は、カキにレモンかスダチを搾ってかけ豪快に食べる「生食」です。
夏輝はノロウィルスと貝毒の安全検査を徹底しているので、安心して生で食べることができます。

生ガキが苦手な方は、軽くあぶってレモンかポン酢をかけて食べると美味しいくただけます。

天然岩ガキ食べるならここ!鳥取港海鮮市場「かろいち」

リーズナブルで美味しい天然岩ガキを食べるなら、鳥取港海鮮市場「かろいち」がおすすめです。

かろいちは、鳥取・賀露港から水揚げされたばかりの海産物を販売している海鮮市場です。
市場ならではのお手頃価格で海産物を購入することができるほか、新鮮な海の幸を堪能できるお食事処もあるので、観光客だけでなく地元の人にも人気です。

かろいちでは、夏の時期になるとほとんどのお店で高品質の天然岩ガキ「夏輝」を取り扱います。
市場でカキを購入すると、お店の人がその場で開いてくれるので、新鮮な状態で食べることができます。
お食事処では、生の夏輝だけでなく、焼きガキやカキフライも楽しめます。

かろいちは鳥取空港に近いので、観光の行き帰りに気軽に立ち寄ることができます。


鳥取港海鮮市場「かろいち」

住所 〒680-0908
鳥取県鳥取市賀露町西3丁目27-1
電話番号 0857-38-8866
営業時間 9:00~17:00(店舗によって変動有)
アクセス 【車利用】鳥取砂丘コナン空港より県道264号線左折(所要約4分)
【徒歩】鳥取砂丘コナン空港より徒歩→かにっこ空港ロード経由(所要約30分)

まとめ

鳥取県の夏のおすすめ観光スポットを紹介させていただきました。

鳥取県といえば「鳥取砂丘」や「日本一人口が少ない都道府県」くらいしかイメージできないかもしれませんが、そんな鳥取県には、大自然の絶景、新鮮な海の幸、癒しの温泉地など魅力あふれる観光スポットがたくさんあります。

夏に最適な鳥取県の観光スポットを満喫して、夏を思う存分楽しみましょう。