「夏の旅行は涼しい所へ行きたい!」そんな方におすすめなのは信州=長野県です。
長野県は8月でも平均気温が25℃程しかなく、都心からだと、新幹線や特急列車が頻繁に運行されているほか、高速道路でも結ばれていて、とてもアクセスがいい上、景勝地、史跡、温泉などバラエティー豊かな観光スポットがあり、毎夏多くの観光客が訪れます。
長野県を旅行する際注意したいのは、 47都道府県中第4位の広さがありますので、あそこもここもと欲張らす、ブロックを決めた滞在型のゆっくりできる旅行の方がその魅力を満喫できます。
この記事では、長野県を北部(長野市周辺)、中部(松本市周辺)、東部(軽井沢、上田市周辺)、南部(諏訪、伊那周辺)の4ブロックに分け、おすすめ観光スポットを紹介します。
そして、もう一つ注意しなければならないのは、山間部を訪ねると夏でも気温が下がりますので、羽織るものは必携です。
また、軽いハイキングでも、歩きやすいウォーキングシューズは必ず用意してください。
ハイヒールやサンダルは危険です。

長野県観光客数1位
老若男女皆が訪れる「善光寺」

善光寺

善光寺の建立は約1400年前の飛鳥時代、ご本尊(非公開)は日本最古の仏像といわれています。まだ宗派という概念のない時代に建立されたお寺で、今でもどの宗派にも属していません。
「遠くとも 一度は参れ 善光寺」と謳われ、古くから多くの参詣客が訪れており、今日でも年間約600万人の参詣客がお参りしています。
善光寺に訪れたら体験したいのが、お戒壇(かいだん)巡りです。
これは本堂の下にある約45mの真っ暗な回廊を手探りで巡り、本尊の下にある錠前に触れることができれば、本尊とご縁を結ぶことができ、極楽浄土に行けるといわれています。
多くの参詣者が訪れますので、混みあう時間帯もありますので、余裕を持った旅行プランを立てるようにしましょう。
そして、参詣のあとの楽しみは門前町の散策です。
長野県の名産のそばや、長野県民のソールフード「おやき」を食べられる飲食店やみやげ物店が立ち並んでいます。おやきとは、小麦粉やそば粉などを水で溶いて練り、薄く延ばした皮に、やはり長野県の名産の野沢菜や野菜等を具にし、焼いた饅頭のようなもので、店ごとに独自の味つけがしてあるので食べ比べをするのもいいでしょう。

住所 長野市大字長野元善町491-イ
アクセス 【公共交通】 JR長野駅よりバス15分
【車】 上信越自動車道長野IC、須坂長野東ICから40分
TEL 026-234-3591
公式ホームページ https://www.zenkoji.jp/

パワースポット戸隠神社がある
自然豊かな「戸隠高原」

戸隠高原の一番見どころは、奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の5つの神社からなる戸隠神社です。
その中でも、「奥社」はぜひ訪ねたいスポットです。奥社へは、入り口の駐車場やバス停から40分程の登り坂を歩きますので、少々覚悟が必要です。
この奥社までの参道の見どころは、長野県の特別天然記念物に指定さている樹齢400年余りの杉並木です。パワースポットといわれており、独特な雰囲気が感じられます。
ここは、吉永小百合さんが出演した、JR東日本のCMの撮影が行われ場所としても有名になりました。
奥社入り口からから2km程進むと「中社」に着きます。この付近には門前町が形成されており、古くから参拝客への振る舞い料理として出されていた戸隠そばを食べられる店が立ち並んでいます。また、昔ながらの宿坊が数多く残っていることから、長野市の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
戸隠周辺にはそば畑が多く、夏にはそばの花が一面に咲いているのを見ることができます。
中社から車で10分程の鏡池は、戸隠連峰を水面に映す姿がインスタ映えすると評判の観光スポットです。
足に自信がある方は、奥社から鏡池を巡るハイキングコース等いくつかのコースがありますので、歩いて戸隠の自然を満喫するのもいいでしょう。

住所 長野県長野市戸隠
アクセス 【公共交通】 JR長野駅バス60分
【車】 上信越自動車道長野ICから60分
TEL 026-254-2888(戸隠観光協会)
公式ホームページ https://togakushi-21.jp/(戸隠観光協会)

本家アルプスにもひけをとらない風景が迎える「上高地」

上高地

上高地は、長野県のみならず日本屈指の景勝地として人気のスポットです。
始めて上高地を訪れる方におすすめのコースは、まず「大正池」でバスを降りてください。
この池は、大正時代の噴火で梓川がせき止められてできたもので、池の中の立ち枯れた木々と山々の幻想的な風景は、息を飲むほどの美しさです。
ここから上高地のシンボルとして名高い一番のビューポイント「河童橋」までのルートでは、穂高連峰を正面に見ながら梓川沿いを約3km、90分程の爽快なハイキングを楽しめます。
余裕があれば、河童橋からさらに上流、片道60分程のところにある明神池まで足を伸ばしてみるのはいかがでしょう?
散策で疲れたら、長野県産のりんごを食材とした上高地アップルパイも食べながら一息ついてください。
おすすめは、「上高地ホテル白樺荘」のオープンテラス席。ここからは正面に穂高連峰を見ることができ、上高地にいることを実感しながらティータイムを楽しめます。
その他、高級ホテル「上高地帝国ホテル」での優雅なランチや、素朴なロッジや山小屋での岩魚の塩焼きなどもおすすめです。
このような素晴らしい環境を守るため、上高地では通年マイカー規制を実施しています。車で出かける方は、公式ホームページを確認ください。

住所 長野県松本市安曇上高地
アクセス 【公共交通】 JR松本駅から松本電鉄上高地線-新島々駅-路線バス乗り換え合計1時間30分
都内からも直通バスあり約5時間
【車】 マイカー規制のため松本方面からは、沢渡駐車場でシャトルバス乗り換え
沢渡駐車場まで 長野自動車道 松本ICから60分 信州まつもと空港から50分
沢渡駐車場から上高地河童橋までシャトルバス30分
TEL 0263-95-2405 (上高地観光旅館組合)
公式ホームページ https://www.kamikochi.or.jp/(上高地観光旅館組合)

夏の青空と山々を背景にした姿が美しい
「国宝松本城」

国宝松本城

松本城は黒と白のコントラストが印象的なお城です。晴れた日にはアルプスの山々を背景にした美しい姿を望むことができます。松本城の天守は、1590年代に竣工した当時とほぼ同じ姿で残っており、国宝5城の一つになっています。
松本城の特徴は、戦国時代に戦いを意識して作られた天守等の部分と、世情が安定した江戸時代に増築された月見櫓等の部分が棟続きになっています。このような構造は松本城でしか見られない特徴ですので、見を落としのないよう注意して見学してください。
天守6階部分が最上階になりますが、ここからは北アルプスの山々の大パノラマを望むことができます。眺望の良さは日本の天守の中ではトップではないかともいわれています。歴史的価値に思いを馳せながら登ってみることをおすすめします。ただし、天守の4階部分には斜度61度の急階段がありますので注意して登ってください。
松本のおすすめグルメは、松本のソールフード山賊焼きです。山賊焼きとは、鶏のむね肉やもも肉をにんにくを効かせたタレで味付けして揚げた大きな唐揚。
このタレが店ごとの秘伝になっており、それぞれ工夫を凝らした味が楽しめます。山賊焼きは、飲食店がけでなく、スーパーの総菜売り場でも購入することもできます。

住所 長野県松本市丸の内4番1号
アクセス 【公共交通】 JR松本駅よりバス10分または徒歩20分
【車】 長野自動車道 松本ICから20分 信州まつもと空港から30分
TEL 0263-32-2902
公式ホームページ https://www.matsumoto-castle.jp/

日本最大のリゾート地「軽井沢」

軽井沢は、古くから多くの人が憧れる日本最大のリゾート地で、年間800万人の観光客が訪れます。
見所豊富な軽井沢ですので、この記事では、夏の旅行におすすめする涼を感じられる水辺のスポットを紹介します。
まず一つ目は雲場池です。
ここは、軽井沢駅や旧軽井沢地区の徒歩圏内にあるので、ショッピングの合間に訪れることも可能で、軽井沢を訪れるのが初めての方でも気楽に行けるおすすめのビューポイントです。
木々が水鏡のような水面に映し出される風のない日に訪れると、日常の喧噪を忘れ穏やかな気持ちになれます。
上皇様も、軽井沢を訪れた際は必ず訪れるそうです。
白糸の滝

そしてもう一つは、軽井沢駅から車で25分程の北軽井沢地区にある白糸の滝です。
高さ3m幅70mのこの滝、実は人工の滝。しかし、程よく湾曲していて、知らなければ人工滝とは思えないほどよくできており、マイナスイオンを浴びて清涼感あふれるひとときを過ごせます。
また夏の夜には「白糸の滝ライトアップアンドイリュージョン」が行われます。滝をライトアップするとともに、滝をスクリーンに見たてたプロジェクションマッピングが上映されます。
ここから草津温泉方面に出られる道もありますので、草津温泉に行くついでによってみるのもいいでしょう。

住所 長野県北佐久郡軽井沢町
アクセス 【公共交通】 東京から軽井沢駅まで新幹線で70分
【車】 上信越自動車道碓氷軽井沢ICまで2時間20分
TEL 0267-42-5538(軽井沢観光協会)
公式ホームページ https://karuizawa-kankokyokai.jp/(軽井沢観光協会)

女子旅にもピッタリ!信州の鎌倉と呼ばれる歴史ある「別所温泉」

信州最古の温泉といわれる別所温泉は、奈良時代にはすでに開湯していたといわれています。
また鎌倉幕府の執権を務めた、北条氏の親族の塩田北条氏がこの地を治めたことから、鎌倉の文化が持ち込まれました。そのため信州の鎌倉とも呼ばれています。
温泉街から徒歩圏に、塩田北条氏ゆかりの古刹安楽寺、常楽寺、北向観音がありますので訪ねてみたいものです。
特に、安楽寺の「八角三重塔」は必見です。この塔は全国に一つしかない八角形をした木造建築で、国宝に指定されています。
別所温泉には、寺巡りのあとに気軽に立ち寄れる日帰り入浴が可能な旅館もありますが、別所温泉ならではの旅情を感じたいのであれば、3つある外湯(共同浴場)がおすすめです。
そして食事場所として人気なのが「食事処 大島館」です。
ここで出される真田の六文銭にちなんだメニュー「真田六紋そば」は、一口サイズのくるみ味噌、りんごおろし等、長野県らしい6種類の具が入いったそばです。
また馬肉うどんもこの地域ならではの一品です。
別所温泉は、歴史好きの年配者向けのスポットのように思われがちですが、北向観音を始め他の2寺にも縁結びのパワースポットがありますし、別所温泉は弱アルカリ性単純泉で美肌効果があるといわれていますので、女子旅にもピッタリなスポットです。

住所 長野県上田市別所温泉
アクセス 【公共交通】 JR上田駅より上田電鉄別所線で30分(上田⇔城下は2020年4月現在代行バス)
【車】 都内から上信越自動車道上田菅平ICから20分
TEL 0268-38-3510(別所温泉観光協会)
公式ホームページ http://www.bessho-spa.jp/(別所温泉観光協会)

夏には日本最大級の花火大会が開催される長野県最大に湖「諏訪湖」

諏訪湖

諏訪湖は面積約12.81㎢、周囲約16kmの長野県最大の湖です。
湖畔には温泉街が形成されています。ここで訪れたいのが、国の重要文化財に指定されている、レトロチックな共同浴場片倉館です。
共同浴場といっても、今の大江戸温泉物語の元祖のような温泉レジャー施設で、1928年に当時この地域の基幹産業であった製糸業で栄えた片倉財閥が、社員の福利厚生と町の人達の憩いの場として建てたものです。
洋風のレトロな外観と、千人風呂といわれる幅4メートル、長さ7.5メートルのローマ風呂風の大きな浴槽、2階のバルコニーからの諏訪湖の眺望などで多くの人から愛されています。

諏訪湖祭湖上花火大会

そして諏訪湖の夏の最大のイベントは、毎年8月15日に開催される「諏訪湖祭湖上花火大会」で、全国から50万人の見物客が訪れます。
打ち上げ総数は約4万発もあります。隅田川花火大会が約2万発であることと比較すると、その規模の大きさがわかるのではないでしょうか。
さらに山に囲まれた諏訪湖で打ち上げられる花火は、音が反響しますので一層迫力があります。毎年大会の最後を飾るのが大ナイアガラ瀑布です、大ナイアガラ瀑布は、信州の短い夏の終わりを告げるように湖上約2kmにわたって花火が滝のように流れます。
9月上旬には同じく諏訪湖を舞台に「全国新作花火競技大会」も開催されます。
またアニメ映画「君に名は」のモデルになった立石公園は、諏訪湖が一望できるスポットにあります。

住所 長野県諏訪市諏訪
アクセス 【公共交通】 JR中央本線上諏訪駅下車徒歩10分
【車】 中央自動車道諏訪ICから湖畔まで15分
TEL 0266-52-2111(諏訪観光協会)
公式ホームページ https://www.suwakanko.jp/(諏訪観光協会)

標高2616mの千畳敷カールへ
「駒ケ岳ロープウェイ」で空中散歩

駒ケ岳ロープウェイは、標高1662mのしらび平から2616mの千畳敷カールまで、標高差約950mを7分30秒で結んでおり、登山経験が豊富な方しか見られなかった世界を、誰でも見られるようにしました。
日本最大級の連瀑である3つの滝を見ながら登る千畳敷カール駅は、日本のロープウェイとしては標高の一番高い場所にある駅で、外に出ると険しい岩肌の山々の迫力ある風景に圧倒されます。
千畳敷カール駅周辺には初心者でも40分程で回れる、ハイキングコースが整備されており、迫力ある風景とともに、7月下旬から8月中旬にかけて咲く様々な美しい高山植物が迎えてくれます。
千畳敷カール駅内には、日本で一番標高の高い所にあるホテル「ホテル千畳敷」があります。夜は満天の星空、朝は雲海に出会える、ぜひ泊まってみたいホテルです。
駒ケ岳の麓にある駒ヶ根市内には早太郎温泉郷があります。マイカー規制が実施されている駒ケ岳ロープウェイに行くには、駒ヶ根市にある菅の台バスセンターから出ているシャトルバスに乗らなければなりませんが、その菅の台バスセンター付近には、早太郎温泉郷の日帰り温泉「こまくさの湯」があります。
また、駒ヶ根市を中心とする伊那地方のソールフードはカツをソースにくぐらすタイプのソースカツ丼で、ロープウェイ駅のレストランでも食べることができます。

住所 長野県駒ヶ根市赤穂759-489
アクセス 【公共交通】 JR飯田線駒ヶ根駅からしらび平まで45分
【車】 通年マイカー規制中 中央自動車道駒ヶ根ICから3分の菅の台バスセンターでシャトルバスバス乗り換え、しらび平まで30分
TEL 0265-83-3107
公式ホームページ https://www.chuo-alps.com/

涼しい長野県で夏の旅行を満喫しよう

以上長野県の夏の旅行におすすめの観光スポット8か所を紹介しました。
いずれも長野県を始めて訪れる方でも楽しめるスポットです。
人気のスポットだけではなく、旅の途中の車窓からも素晴らしい風景に出会えるのが信州長野の旅のよさです。夏のハイシーズンは、混雑するスポットもありますので、余裕を持ったスケジュールを立て、夏の長野県の旅を満喫してください。