「火の国」で有名な熊本県は、九州の中央部に位置しています。世界有数のカルデラを誇る阿蘇や、震災からの復興のシンボル熊本城、阿蘇山の噴火によって生まれた温泉街など、県内には人気の観光スポットがたくさん!今回は、大人から子どもまでが楽しめる、夏の熊本県おすすめの観光スポットを9つ厳選して紹介します。

マイナスイオンを全身に!鍋ヶ滝

鍋ヶ滝_熊本県

阿蘇山の噴火は、熊本県特有の景観と清らかな水を生みました。熊本県は、水道水の約8割を地下水でまかなうほどの湧水量を誇ります。「水の国」として知られる熊本県でも屈指の人気を誇る「鍋ヶ滝」は、阿蘇山の噴火によって生まれた清水が流れる、夏におすすめのスポットです。

夏の避暑地として人気の鍋ヶ滝

鍋ヶ滝の落差は10mほどと大きくはありませんが、幅が20mあり、流れ落ちる水が風にはためくカーテンのように見えるのが最大の特徴です。このカーテンのような滝の裏側にはくぼみがあり、滝を裏からも見られることから、別名「裏見の滝」と呼ばれています。滝の裏側にできたくぼみは、どうやって形成されたのでしょう。
元々、この場所には柔らかい地層が広がっていましたが、約9万年前の阿蘇山の噴火によって火砕流が流れ込み、固い岩石の層をつくりました。固い岩石の層の下にある柔らかい地層だけが川の流れによって削られ、現在のようなくぼみができたという訳です。今でも川の流れによって柔らかい層が削られているので、今後も形を変えるだろうと言われています。
夏の鍋ヶ滝は涼を求めにやってくる方や、新緑の映える風景を写真に収めたいというカメラマンに人気です。ただし、滝の周辺は滑りやすいのでスニーカーなど歩きやすい靴を履いて行きましょう。また、水しぶきで濡れることもあるので、タオルを持っておくと安心です。

鍋ヶ滝までの道のりも楽しんで!

鍋ヶ滝は、最寄り駅の阿蘇駅から車で40分ほどかかります。カーナビを使用する際は、住所で登録すると違う場所になる場合があるので、鍋ヶ滝の駐車場近くにある「坂本善三美術館」にセットしましょう。坂本善三美術館からは、案内の看板に沿って2分ほど進むと駐車場に着きます。
駐車場から鍋ヶ滝へ向かうには、約120段の階段を上る必要があります。少し大変ですが、周囲は新緑に囲まれており、階段の隅からサワガニが顔を出すことも!また、階段には一部石畳でできている部分があり、そこには5つのハートが隠されています。歩きながらぜひ探してみてください。
また、阿蘇駅から鍋ヶ滝へ向かう道中には、熊本県内屈指の絶景スポット「大観峰」があります。朝には雲海が、夜には天体観測が楽しめるスポットです。また、大観峰から見える阿蘇五岳は寝そべっているお釈迦様に見えることから、「涅槃像」と呼ばれています。ここから見える景色は、阿蘇の自然が生み出した、熊本県独特のものです。鍋ヶ滝と併せてぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。

住所
熊本県阿蘇郡小国町黒渕
電話番号 0967-46-2113
営業時間 9:00~17:00
アクセス 熊本空港より車で約1時間20分

天然のクーラーで涼を感じる!菊池渓谷

菊池渓谷_熊本県

西南戦争の激戦地となった菊池川は、熊本県北部を流れる川です。その上流に位置するのが「菊池渓谷」で、「くまもと自然休養林」に指定されています。多くのカメラマンを魅了し続ける菊池渓谷の魅力を紹介します。

菊池渓谷の魅力と見どころとは?

鬱蒼とした天然性広葉樹で覆われた菊池渓谷は、阿蘇外輪山西部の標高500mから800mに位置する森にあります。菊池水源として名水100選に選ばれているほか、森林浴の森百選、水源の森百選にも選ばれる、熊本県の自然がぎゅっと詰まったスポットです。
2016年に熊本県を襲った熊本地震では、土砂崩れが起きたり、大きな岩石や流木が川をせき止めたりと、大きな被害を受けました。2年間入山が禁止されていましたが、2018年の春に入山が可能になり、現在では震災の影響を感じさせない、美しい景観が広がっています。
年間平均水温が13度の身を切るような冷たい清水が流れる菊池渓谷は、避暑地としても最適です。また、天気の良い日に見られる「光芒」を写真に収めようと、多くのカメラマンが訪れます。光芒とは、日光が渓谷に差し込む時にできる光の筋のことです。時間帯や天気、季節によって光芒の現れ方が違うこともあり、中には朝4時から三脚を立てて準備しているカメラマンもいるのだそう。清らかな水と濃い緑に色づいた森林が、絹で濾したような優しい陽射しに照らされる姿は、菊池渓谷を代表する光景です。

森林浴で気分転換はいかが?

菊池渓谷を流れる清らかな水は、大小いくつかの滝や淵を形成しています。中でも、菊池渓谷の顔と言えるのが「黎明の滝」です。会話もままならないほど大きな音を立てて流れる水流は、見るものに自然の力強さを感じさせてくれます。
また、菊池渓谷の一番奥にある「広河原」は光芒を撮影するのに一番人気のスポットです。名前の通り広く開けており、周辺には鬱蒼とした木々が生い茂っています。その木々の隙間から射す光に魅了されたカメラマンは、この場所に何度も足を運ぶそうです。
菊池渓谷は1時間ほどで探索できるので、ほかの滝や淵の見物と併せて森林浴を楽しんでみてください。第一駐車場の近くには売店「きくち渓流館」があります。うどんや定食メニューのほか、ヤマメの塩焼きなどの軽食も販売しており、散策の休憩におすすめです。

住所
熊本県菊池市原
電話番号 0968-25-2723(菊池市商工観光課)
営業時間 8:30~17:00
アクセス 熊本空港より車で約50分

キャンプにぴったり!遊水峡


先ほど紹介した鍋ヶ滝と同様、阿蘇山の噴火によって形成された「遊水峡」。現在では夏の避暑地として人気のスポットですが、実は古里に美しい景観を取り戻そうとした、ひとりの大工さんによって整備されたのです。その経緯や魅力をご紹介します。

古里に美しい景観を…地元の人々の力を合わせてできた遊水峡

遊水峡は、小国富士とも呼ばれる桶蓋山から流れる宇土谷川にある渓谷です。昭和の初め頃は、豊かな棚田が広がる、日本の原風景とも言える景色が広がっていました。しかし、昭和の後半になると土砂やゴミが散乱した、狭い幅の川へと姿を変えてしまったのです。これにショックを受けた地元小国町出身の大工の穴見さんが発起人となり、30年余りをかけて、現在の美しい渓谷に整備しました。
人々の助け合いによって整備された現在の遊水峡は、夏の人気観光スポットです。キャンプ場も併設しており、ここにあるバンガローや炊事棟などは全て穴見さんがつくりあげました。渓谷内には見どころも多く、特に、遊水峡のパワースポットと言われる「かっぱ滝」は、落差15mの美しい瀑布です。周辺は整備されていて、滝つぼまで近づくことができます。その名の通り、まるで河童が出てくるのではないか、と感じるほどの妖しさが漂っています。
また、かっぱ滝よりこぶりの落差6mの「倉本滝」は、地元の住民も知らない穴場のパワースポットで、絹糸のような水が流れ落ちる神秘的な景観が楽しめます。繊細で女性的な印象を与える倉本滝は、時間を忘れてぼんやりと眺めたくなる、そんな滝です。
このほかにも、幹回り5mを超える大木や、阿蘇山の噴火でできた岩石など、キャンプ場内には様々な見どころがあります。宿泊はもちろん、日帰りで散策するにもおすすめのスポットです。

小国町の豊かな自然を体感するひと時を

遊水峡随一の人気を誇るのが、幅30m、長さ1㎞にも及ぶ天然のウォータースライダーです。一枚岩の上を時に激しく、時に緩やかに水が流れる姿はまるで水が遊んでいるようで、このことから「遊水峡」という名前がつけられました。夏には家族連れで賑わい、ウォータースライダー沿いではバーベキューが楽しめます。
また、シンプルなキャンプ場は鳥のさえずりや川のせせらぎ、満天の星空など、豊かな自然を満喫できると人気です。家族経営の小さなキャンプ場だからこそ、人の優しさや温かさが感じられます。バンガローもありますし、テントやコンロのレンタルも行っているので、キャンプに慣れていない方でも気軽に利用することができます。

住所
熊本県阿蘇郡小国町大字下城滝ノ上4837-3
電話番号 0967-46-6622
アクセス 熊本空港より車で約40分

まるで別世界!冒険気分が味わえる清流の森


町内面積の85%を山林が占める、豊かな自然の広がる南小国町には、夏には涼を感じられる「清流の森」があります。新緑が広がる夏の森林は、まるで別世界に入り込んでしまったかのよう。その見どころや周辺のおすすめスポットを紹介します。

清流の森の見どころとは?

清流の森は、熊本県と大分県の県境に近い標高800mから1,000mほどの位置にある森林公園です。80ヘクタールの公園内には3つの川が流れており、全てが九州最長の川・筑後川へと繋がっています。清らかな水のしぶきが舞い、ひんやりしているので、夏には避暑地としてもおすすめです。
清流の森がある南小国町は、農林業が盛んな地域ですが、公園内は植林や伐採がほとんど行われていません。そのため、倒木や岩に生した苔、木に生えるキノコなど、手つかずの自然が広がっています。特に、清らかな水と新緑、苔生した岩が日光に照らされる夏の日中は、散策や写真撮影に最適です。
また、清流の森を南側から奥へ進んで行くと「平野台展望所」があり、阿蘇の山並みや大分県との県境に位置する猟師山が一望できます。足を運んだ際は、平野台展望所からの景色だけでなく、展望所の天井にかけられている鐘に注目してみてください。平野台展望所は2009年に「恋人の聖地」に認定されており、恋人と一緒に天井に吊り下げられている鐘を鳴らすと、永遠に幸せになれると言われています。澄んだ鐘の音が辺り一面に響き渡り、とてもロマンティックです。
公園の一部は2017年の豪雨により、一部立ち入り禁止になっている場合があります。間違って入ってしまわないためにも、そして清流の森について詳しく知るためにも、「黒川温泉清流の森ガイドウォーキング」に参加するのもおすすめです。ネットには載ってない情報を、ベテランのガイドさんから聞けるかもしれません。

黒川温泉にもぜひ立ち寄ってみて!

江戸時代から湯治や旅行地として知られる「黒川温泉」は、清流の森から車で5分ほどの場所にあります。約30軒の旅館が立ち並ぶ、レトロな風情あふれる温泉街です。
温泉の楽しみのひとつに、湯巡りを挙げる方は多いのではないでしょうか。それに欠かせないのが、定額で様々な温泉に入れる「温泉手形」です。今では全国の温泉街で普及する温泉手形ですが、黒川温泉はどこよりも早く温泉手形を導入しました。
先ほど紹介した黒川温泉清流の森ガイドウォーキングは、この黒川温泉が発着地です。森の散策を楽しんだ後は、食事やショッピングだけでなく、ぜひ温泉手形を買って湯巡りを楽しんでみてください。

住所
熊本県阿蘇郡南小国町大字満願寺瀬の本
電話番号 0967-42-1444(南小国町観光協会)
アクセス 熊本空港より車で約1時間20分

日本三大急流のひとつ球磨川で豪快アクティビティ!

球磨川は熊本県最大の川で、最上川、富士川と並ぶ日本三大急流のひとつです。人の移動や荷物の運搬だけでなく、西郷隆盛が西南戦争の際に熊本へ入る時に利用したり、与謝野鉄幹・晶子夫婦が舟下りを楽しんだりと、多くの人々に利用されてきた球磨川では、夏にぴったりの舟下りやラフティングが楽しめます。

球磨川ってどんな川?

日本三大急流のひとつに数えられる球磨川は、流れが速すぎて荷物や人を運ぶ舟運には長い間利用されていませんでした。しかし、1662年には整備が進み、交通や運搬、参勤交代などに利用されるようになります。その後はダムの建設、道路や鉄道の発達により舟運は縮小され、今では観光としての舟下りが行われるのみとなりました。
最近ではラフティングやキャニオニング、カヌーなど、急流を活かしたアクティビティに最適な場所として注目されています。現在では約20の会社が球磨川でのアクティビティツアーを企画しており、毎年夏には、涼を求めて多くの観光客が訪れます。
また、球磨川は鮎釣りの名所で、例年6月に鮎釣りが解禁されます。毎年8月末には、「日本一の大鮎釣り選手権大会」が開催されます。この大会では、釣り上げた鮎3匹の合計体長が1mになるよう目指します。釣りに自信のある方はぜひ参加してみてください。

球磨川くだりで夏を満喫!

そんな球磨川の自然を満喫できるのが「球磨川くだり」です。球磨川くだりは、大きくふたつのコースに分けられます。ひとつが、小さなお子さんも一緒に乗れる舟下りで、約50分間、のんびりと球磨川を下ります。15人ほど乗れる舟を操るのは、船頭と後ろに立つともはりの2人のみ。ともはりを10年以上経験した人だけが、船頭になれるそうです。船頭は、ユーモアあふれる解説をしながら、水の流れや天気によって漕ぎ方を変えます。その熟練された技は必見です。
もうひとつが、若い人に人気のラフティングコースです。小学5年生から50歳まで参加できます。急流を勢いよく下ったり、川の中に飛び込んだりと、とってもスリリングなコースです。球磨川の清らかな水を全身に浴びれば、夏の暑さも忘れてしまいます。
かつて舟下りを楽しんだ与謝野晶子は、球磨川に関する句を17も詠みました。現在の球磨川にも、彼女が歌に残したような風情ある景観が残っています。悠久の時に思いを馳せる、そんなひと時を過ごしてみませんか?

住所
熊本県人吉市・八代市
電話番号 0966-22-5555(球磨川くだり)
アクセス 熊本空港より車で約1時間

神秘的な空間に引き込まれる…雲巌禅寺


夏目漱石の「草枕」にも登場する金峰山は、熊本市のシンボルとして、多くの市民に親しまれています。その西麓にある「雲巌禅寺」は、不思議な言い伝えが残る神秘的な寺院です。あの偉人と深い関りのある寺院でもあり、熊本の歴史を知る、ひとつの手がかりになるでしょう。夏にはひんやりとした空気が漂い、避暑にもおすすめです。

不思議な言い伝えが残る雲巌禅寺

雲巌禅寺は、南北朝時代の1351年に、中国から帰化した僧侶によってつくられました。ご本尊は馬頭観音像で、境内奥の院の洞窟「霊巌洞」に安置されています。このことから別名「岩戸観音」とも呼ばれ、地域の人々に親しまれてきました。
お寺ができる前から馬頭観音像は現在の霊巌洞に安置されており、平安時代の女性歌人・檜垣は毎日水を供えに足を運んだと言われています。その様子を元にした、室町時代につくられた世阿弥の謡曲「檜垣」は、世阿弥を代表する作品のひとつとして、これまで何度も演じられています。
ご本尊の馬頭観音像には、不思議な言い伝えが残っています。異国から馬頭観音像を舟で運ぶ際、その舟が転覆してしまいました。しかし、馬頭観音像は板に乗って流れつき、現在の霊巌洞に安置されたそうです。
また、馬頭観音像が祀られる霊巌洞は、宮本武蔵が兵法書「五輪書」を書き上げた場所だと言われています。宮本武蔵は晩年の5年間を熊本で過ごしました。雲巌禅寺の境内にある宝物館には、巌流島の戦いで宮本武蔵が使用した木刀や自画像などが展示されています。ぜひ立ち寄ってみてください。

神秘的な雰囲気漂う五百羅漢

宮本武蔵や檜垣ゆかりの地、そして馬頭観音像の不思議な言い伝えが残る地である雲巌禅寺には、もうひとつ忘れてはならない見どころがあります。それが、本堂から霊巌洞に続く道に散在する五百羅漢です。
五百羅漢は、お釈迦様が亡くなった時に集まった500人の弟子をモチーフにしたものと言われています。雲巌禅寺の五百羅漢は、1779年から約24年の歳月をかけてつくられたものです。火災や台風、明治時代の廃仏毀釈によって、現在は半数ほどしか残っていませんが、苔生した五百羅漢は強い存在感を放っています。
五百羅漢の中には、必ず自分や家族に似ている顔をしたものがある、と言われているので、ぜひじっくりと観察してみてはいかがでしょう。

住所
熊本県熊本市西区松尾町平山589
電話番号 0963-29-8854
営業時間 8:00~17:00
アクセス 熊本空港より車で約1時間

地球のおなかを探検しよう!球泉洞


先ほど紹介した球磨川沿いには、標高694mの権現山があり、周辺には小さいながらいくつかの鍾乳洞が点在しています。その中でも特に大きく、熊本県の定番観光スポットとして知られているのが「球泉洞」です。

長い年月をかけてできあがった自然の美

球泉洞は1973年に愛媛大学探検隊によって発見され、2年後の1975年に観光スポットとしてオープンしました。全長4.8㎞のうち800mが一般公開されています。
球泉洞は約3億年前、海底の石灰岩層が地殻変動によって隆起してできたものです。洞内最大の見どころは、迫力満点の鍾乳石のカーテン。これは、隆起した石灰岩層に、二酸化炭素を含んだ雨水が浸透してできたものです。石灰岩層に浸透した雨水は、石灰分を含んで地面に落ち、「石筍(せきじゅん)」をつくります。石筍とは、石灰分が地面に固まり、天井に向かってたけのこ状に伸びていくものです。
石灰分を含んだ雨水は、地面だけでなく天井にも付着し、天井から地面に伸びる鍾乳石「つらら石」をつくります。このつらら石が、自然のカーテンの正体です。つらら石は、1㎝伸びるのに100年かかると言われています。つまり、今見える自然のカーテンは、果てしない年月をかけてできたものなのです。そして、今後も成長し続け姿を変えていきますので、今見ている鍾乳石は、まだ成長途中ということです。

2つの見学コースで冒険気分を味わって!

見学コースは2種類あり、気軽に探索を楽しみたい方は、30分ほどで見学できる一般コースがおすすめです。気軽に冒険気分が味わえるコースですが、自然が生み出す美しい鍾乳石が見られます。
もっと球泉洞のことを知りたい!という方には、一般コースよりも地下を巡る探検コースがおすすめです。一般コースでは入れない地下を巡るコースで、豪快に流れる滝や、大きなつらら石などを見学できます。長靴やヘルメットを装着して挑む、本格的な探索コースです。
また、探索コースのどこかには見つけると幸せになれるハート形の岩が隠れています。人がつくったものではなく、自然にできたハートです。この岩は恋人の聖地にも認定されており、多くのカップルが永遠の幸せを願いにやってきます。道中は進むのが困難な部分もありますが、大切な人と協力しながら進んで、ぜひハートを見つけてみてください。

住所
熊本県球磨郡球磨村大字大瀬1121
電話番号 0966-32-0080
営業時間 4月~7月、9月~10月 9:00~17:30
8月 9:00~18:00
11月~3月 9:00~17:00
アクセス 熊本空港より車で約1時間20分

夏休みの自由研究に!高森湧水トンネル


熊本県を代表するローカル線「南阿蘇鉄道」。休日や夏休み期間中はトロッコ列車が運行しています。のどかな日本の原風景を楽しめる列車として人気です。その終着駅である高森駅には、こんな歴史から生まれた観光スポットがあります。

悲願の路線開通計画!しかし…

大正時代の九州では、宮崎県の延岡と熊本を結ぶ鉄道計画が立案されました。その頃の日本は、産業や人の流れが徐々に盛んになっていた頃です。九州中部を横断するこの鉄道が、大きな役割を担うことは明確でした。その後、計画は順調に進んでいきます。
戦前には熊本駅と宮崎県との県境にある高森駅が「高森線」として、戦後には延岡駅と高千穂駅が「高千穂線」として開通していました。あとは、高森線と高千穂線を結ぶだけ、そこで思いもよらぬ事件が起きてしまいます。高森駅から高千穂駅に向けて、トンネルを2㎞ほど掘り進めた時、トンネル内で大量の水が湧き出す事故が起きたのです。1度のみならず何度も出水事故が起きたことから、トンネル工事は頓挫。高森駅と高千穂駅が繋がることはありませんでした。
しかし、その湧水は清らかで、結果として周辺住民の生活に欠かせない水源となったのです。その後途中まで掘り進められていたトンネルは「高森湧水トンネル」に整備され、今では子どもの集まる観光スポットへと姿を変えました。
高森湧水トンネルから歩いて6分ほどの場所にある「高森町湧水館」では、鉄道開通までの歴史や事故の影響など、高森湧水トンネルに関する資料を展示しています。夏休みの自由研究にもぴったりです。

夏にはイベント満載!

毎年7月上旬には、高森町の夏の風物詩「納涼七夕まつり」が行われます。トンネル内には、地元住民がつくった七夕かざりが展示されているので、ぜひ見てみてください。地元住民が趣向を凝らしてつくった、様々な七夕かざりは、夏の暑さを吹き飛ばしてくれます。
また、子ども連れに人気なのが、5日間行われるこのイベント一の盛り上がりを見せる、ヤマメのつかみ取り大会です。捕まえたヤマメはその場で塩焼きにして食べられます。このほか、短冊を吊るしたり、くまモンが登場するステージがあったりと、見どころ満載です。夏の思い出をつくりに、家族みんなで立ち寄ってみてはいかがでしょう。

住所
熊本県阿蘇郡高森町高森1034-2
電話番号 0967-62-3331
営業時間 4月~10月 9:00~18:00
11月~3月 9:00~17:00
アクセス 熊本空港より車で約40分

歴史あふれる街に咲く大輪の花…崎津集落

長崎県と熊本県の天草地方を語る上で、キリスト教の存在を忘れてはいけません。2018年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のひとつとして、天草市にある「崎津集落」が世界遺産に登録されました。その歴史や見どころを紹介します。

生活と密着した信仰を貫いた崎津集落

崎津教会_熊本県

長崎県と熊本県の天草地方は、かつてから外国との交流が盛んな地域として、大きな役割を担ってきました。そのため天草地方に、西欧の文化や食べ物、そしてキリスト教が根付くことになりました。しかし、キリスト教の教えは日本の理念や思想を揺るがす可能性があると判断した豊臣秀吉は、バテレン追放令を出しました。その後江戸幕府が禁教令を出すに至り、長崎や天草地方にあった教会は壊され、キリスト教徒は迫害を受けるようになります。
禁教が深まる中起きたのが「島原・天草一揆」です。これに衝撃を受けた幕府は鎖国体制を確立し、キリスト教徒への迫害を強化しました。当時の崎津集落は海路でしか行くことはできず、隔絶されていたため、迫害を避けて多くのキリシタンが崎津集落に移り住んだと言われています。
その後崎津集落にも統制のための番所ができましたが、キリシタンたちは身近にある物を信心具として代用し、表向きは仏教徒を装って生活していました。例えば、大黒天や恵比寿をデウスに見立てたり、貝殻の裏の模様を聖母マリアに見立てたりしました。。
禁教令が解かれたのちの1934年には、集落に崎津教会が建設され、長い迫害の歴史に幕が下りました。崎津教会は、内部が畳敷きになっているのが特徴で、現在は見学も可能です。また、集落にある「崎津集落みなと屋」では、当時使用していた信心具や資料を展示しています。隠れキリシタンの歴史を学ぶのに欠かせないスポットです。

教会と花火のコラボレーションは必見!

津崎では、例年8月上旬に花火大会が行われ、約2,000発の大輪の花が夏の夜空を彩ります。イルミネーションされた崎津教会と、幻想的な花火のコラボレーションは必見です。
今の日本は、宗教の自由が認められています。そんな今から考えると、当時あったことは簡単に想像できることではないかもしれません。しかし、宗教による迫害は、確かにこの崎津集落をはじめとする各地で行われていました。その悲劇を繰り返さないためにも、過去を学ぶことは大切です。次の夏休みは、崎津集落で学びのある観光を楽しんでみてはいかがでしょう。

住所
熊本県天草市河浦町崎津
電話番号 0969-32-6784(天草市観光文化部文化課世界遺産・文化財係)
アクセス 熊本空港より車で約2時間30分
天草空港より車で約50分

定番から穴場まで!今年の夏は家族一緒に熊本へ!

熊本県の夏におすすめしたい観光スポットを9ヶ所紹介しました。大人も子どもも遊べるスポット、年齢に関係なく歴史を学べるスポットなど、熊本県には様々な魅力が詰まった観光スポットが豊富です!景色や会話を楽しんだり、家族や恋人との絆を深めたり、親子一緒に成長したり、熊本県へそんな旅に出てみませんか?

就航している航空会社
JAL(日本航空)ANA(全日空)ソラシドエア(Solaseed Air)天草エアライン(AMX)フジドリームエアラインズ(Fuji Dream Airlines)ジェットスター・ジャパン(Jetstar)

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