九州の南部に位置し、今でも豊かな自然が残る鹿児島県は、西郷隆盛や大久保利通、東郷平八郎など、数多くの偉人を生みました。今回は、歴史上の人物たちも見てきたであろう数多くの鹿児島県の絶景スポットや、定番のグルメスポットなどの中から、秋におすすめしたい7ヵ所を厳選して紹介します。

朱色の神社と紅葉が美しい!霧島神宮

鹿児島県の中央部に位置する霧島市は、日本神話の「天孫降臨」の地・高千穂峰や、霧島温泉郷などを有する、県内屈指の観光都市です。そんな霧島市にある「霧島神宮」は、南九州一のパワースポット。その歴史や見どころを紹介します。

霧島神宮ってどんなところ?

霧島神宮_鹿児島
神々がこの世を治めていた時代、ニニギノミコトと7人の神々は、天上界から現在の鹿児島県霧島市にある、高千穂峰に降り立ちました。これが俗に言う、日本神話の「天孫降臨」です。
霧島神宮は、天孫降臨の主人公・ニニギノミコトとその妻子、合わせて7柱を祀る神社です。霧島神宮の始まりは、天孫降臨の地・高千穂峰に社が建てられた6世紀頃といわれています。その後噴火による焼失や移転を経て、1715年に現在の地に社殿が建てられました。今では、転職や開業などの事始め、夫婦円満などの縁結びの神社として、毎年多くの参拝客が足を運んでいます。

霧島神宮の見どころって?

参拝客をまず出迎えるのが、大きく風格のある大鳥居。朱色の鳥居としては西日本最大で、2019年に塗り替えが行われました。そこから神橋と呼ばれる朱色の橋を通り、紅葉が美しい参道を進むと、社殿が見えてきます。
1715年に建てられた朱色の社殿には、建築当時の最新技術が散りばめられています。豪華絢爛なその姿から「西の日光」と称される社殿は、国の重要文化財に指定されました。極彩色の美しい社殿をじっくり鑑賞したい方は、人の少ない早朝に訪れるのがおすすめです。
また、霧島神宮は坂本龍馬とその妻・おりょうが新婚旅行で訪れた場所としても有名です。可愛らしい恋みくじで恋の行く末を占ったり、龍馬とおりょうが描かれた絵馬に願い事を綴ったり、想い人を思い浮かべて祈ってみてはいかがでしょう。

■住所:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5

■電話番号:0995-57-0001
■アクセス:鹿児島空港より車で約40分

伝説が残る池!大浪池

先ほど紹介した霧島神宮から車で約20分、鹿児島県と宮崎県の県境にある霧島連山方面に向かうと「大浪池(おおなみいけ)」があります。人気アニメ映画「君の名は。」に登場する湖と景観が似ていると、SNSで話題になりました。ここでは、そんな大浪池の魅力や、名前の由来になったとある伝説について紹介します。

大浪池ってどんなところ?

鹿児島県と宮崎県の県境に位置する霧島連山の標高1,241mにある大浪池は、周囲1.9㎞、水深11mの火口湖です。今から約4万年前に形成された火口に、水が溜まってできたものだと言われています。

晴れた日の大浪池はコバルトブルーに輝き、背景にそびえる韓国岳や、赤や黄色に色づいた周辺の木々が、湖面に映り込みます。晴れの日の多い秋が、コバルトブルーの大浪池を観るには最適な季節です。例年、10月下旬から11月上旬が紅葉の見頃です。

大浪池を見るには、県道1号線沿いにある登山道から30分ほど歩くことになりますが、登山道はしっかり整備されているので、登山が苦手な方でも気軽に散策が楽しめます。体力に自信のある方は、大浪池を一周する、約2時間の散策ルートにチャレンジしてみてください。登山でかいた汗を流すには、大浪池から車で10分ほどの場所にある霧島温泉郷がおすすめです。

大浪池の名前の由来?不思議な言い伝え

現在の大浪池近くの村に、村一番の金持ちの夫婦が暮らしていました。しかしふたりには子供がいなかったので、山の神に「子供を授かるように」とお願いします。するとふたりの間に女の子が生まれ、お浪と名付けられました。
18歳になったお浪にはたくさんの縁談話が持ち込まれましたが断り続け、ついには山奥にあった現在の大浪池に飛び込んでしまいます。その後、お浪は二度と姿を見せませんでした。実はお浪はこの池に棲む竜の化身だったのです。
この「お浪伝説」が、「大浪池」という名前の由来だと言われています。お浪伝説を知ってから見る大浪池は、より一層神秘的に見えるでしょう。

■住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂

■電話番号:0995-45-5111(霧島市観光課)
■アクセス:鹿児島空港より車で約45分

紅葉も食も楽しんで!曽木の滝

曽木の滝の全景_鹿児島
鹿児島県の北部に位置する伊佐市は、険しい山々に囲まれた盆地にあり、真冬日になることが多いため、「鹿児島の北海道」と呼ばれることもあります。そんな伊佐市にある「曽木の滝」は、豊臣秀吉も訪れたことのある伊佐市屈指の観光スポットです。

曽木の滝ってどんなところ?

鹿児島県、宮崎県、熊本県の3県を流れる川内川の上流にある曽木の滝は、高さ約15m、幅約210mの、横に長い滝です。その独特の景観から、別名「東洋のナイアガラ」と呼ばれています。
曽木の滝は火砕流の堆積岩によって形成されました。辺りには千畳岩と呼ばれる平らな岩床や奇岩が横たわる独特な風景が広がっています。ゴツゴツとした奇岩の間を水が勢いよく流れ落ちる姿は、古くから見る者を魅了し続けてきました。時の天下人・豊臣秀吉も九州征伐の際に曽木の滝を訪れ、この景観を楽しんだと言われています。
曽木の滝がある「曽木の滝公園」は、桜や紅葉の名所としても有名で、11月末には「曽木の滝公園もみじ祭り」が開催されます。祭りの期間中は、ライトアップされますので、日中とは一味違う、大人な雰囲気をまとった曽木の滝に出会えます。

曽木の滝公園は女子旅におすすめ?!

曽木の滝公園内には食事処「なりざわ」と、「花むしろ」の2つのレストランがあり、鯉やマス料理が人気です。曽木の滝がある伊佐地方は水が綺麗なことで有名で、ここで育ったマスや鯉は川魚独特の臭みがありません。特に鯉は栄養豊富で、貧血やむくみ防止、疲労回復など、女性に嬉しい効果が期待できます。女子旅の途中曽木の滝に立ち寄ったら、いずれかのレストランで鯉料理のランチはいかがでしょう。
また、曽木の滝公園内にひっそり佇む「清水神社」には、縁結びと安産の神様が祀られています。ハート形の可愛らしい絵馬に恋愛成就を願って書けば、幸せな未来がやってくるかもしれません。
疲れが溜まっている、悩み事がある、そんな女性は、ぜひ曽木の滝公園に訪れてみてください。おいしいグルメに恋愛の神様、そして雄大な自然が、疲れた女性の心を癒してくれます。

■住所:鹿児島県伊佐市大口宮人628-41

■電話番号:0995-28-2600
■アクセス:鹿児島空港より車で約50分

冷える季節にぴったり!指宿温泉砂むし会館 砂楽

鹿児島県薩摩半島の南端、海岸沿いの指宿市にある「指宿(いぶすき)温泉」は、霧島温泉郷と並ぶ、県内屈指の温泉地です。指宿温泉の代名詞とも言える「砂蒸し」は、天然のものだとここでしか体験できません。その効能や、旅行におすすめの施設を紹介します。

砂むしって何?どんな効果があるの?

温泉と言うと、ほとんどの方が「お湯に浸かる」ことをイメージするでしょう。指宿温泉には、世界的にも珍しい「砂蒸し」という温泉の楽しみ方があります。
指宿温泉は砂浜にも温泉が湧いています。その温泉の熱によって温められた砂を体にかけて入浴するのが砂蒸しです。指宿の砂は、火山灰や砂鉄を多く含んでいるため通常の砂より重たく、砂蒸しの効果をより一層高めてくれます。
砂蒸しの効能は、冷え性防止や、リウマチ、神経痛緩和といわれています。また、お湯に浸かるよりも汗が出るので、ダイエットや美容目的に砂蒸しに入る女性は多いのだとか。冷える日が多くなってきた秋、ついつい食べ過ぎてしまう食欲の秋にはぴったりのスポットです。

指宿温泉砂むし会館「砂楽」で砂蒸し体験!

指宿温泉砂むし会館「砂楽」は、天気の良い日や干潮時は波打ち際で、天気の悪い日や満潮時は、砂浜にある屋根付きの砂蒸し場で砂蒸しが体験できる施設です。天気に左右されることなく砂蒸しが楽しめるので、年間を通して多くの旅行客が訪れます。
まずはフロントで受付を済ませ、浴衣に着替えて砂浜に向かいます。係の人に砂をかけてもらって、いざ砂蒸しスタート!砂をかけてもらうとすぐに、体がじんわりと温まるのが分かります。そして、暖かい砂と優しい波の音が、体だけでなく心までをも癒してくれます。
もっと汗をかいて体の余分なものを出したい!という方には、砂楽館内にある大浴場、サウナの利用もおすすめです。この他、館内には軽食コーナーやお土産コーナーもあるので、砂蒸しや入浴の後もゆったり過ごせます。

■住所:鹿児島県指宿市湯の浜5-25-18

■電話番号:0993-23-3900
■営業時間:8:30~20:30
■アクセス:鹿児島空港より車で約1時間30分

足湯に浸かりながら桜島を一望!道の駅たるみず

鹿児島県のシンボル桜島は、1914年の大正大噴火で、約1か月間にもわたって何度も爆発を繰り返し、その結果大隅半島と地続きになりました。大隅半島にある垂水市には、桜島を眺めながら温泉に浸かれる「道の駅たるみず」があります。

道の駅たるみずってどんなところ?

国道220号線沿いの道の駅たるみずは、桜島や錦江湾の絶景と、温泉が人気の道の駅で、オープンから11年後の2017年には来場者数が900万人を突破しました。現在では垂水市の観光拠点となっています。
道の駅たるみずに行ったら外せないのが、目の前に桜島の昭和火口を望む日本最大級の足湯!利用は無料なので、ちょっとした休憩にも最適です。足湯の他にも、桜島を眺めながらゆったりと入浴できる大浴場や露天風呂、家族連れやカップルにもおすすめの家族湯も併設されています。
道の駅たるみずの温泉の泉質は、「仕上げの湯」とも言われるナトリウム塩化物泉。保湿性に優れ、保温効果も抜群なので、寒くなってきた秋にぴったりのお湯といえます。鹿児島県らしい風景を眺めながらの入浴は、体の疲れはもちろん、心の疲れも癒してくれるでしょう。

道の駅たるみずのグルメも外せない!

温泉を楽しんだ後は、道の駅たるみずの鹿児島県産の素材を使用したグルメも堪能してみませんか?入浴の後にも、ドライブの休憩にもおすすめしたいのがソフトクリーム。垂水産のびわを使ったソフトクリームは、道の駅たるみずのイチオシです!一口頬張ると、びわの風味が口の中いっぱいに広がります。
食事なら、道の駅たるみずのレストランがおすすめです。レストランでは、養豚が盛んな鹿児島県が誇るブランド豚や、垂水で水揚げされた魚を使用した、定食や丼ぶりが味わえます。また、レストランを訪れた際は、食事だけでなく目の前に広がる錦江湾にも注目してみてください。運が良ければ、まれに現れるイルカの群れを見ることができるかもしれません。

■住所:鹿児島県垂水市牛根麓1038-1

■電話番号:0994-34-2237
■営業時間:物販 9:00~19:00
レストラン 11:00~16:00
温泉 13:00~20:00
足湯 12:00~17:00
■アクセス:鹿児島空港より車で約50分

世界遺産に登録された絶景!屋久島

1993年に日本で初めて世界遺産に登録された、鹿児島県大隅諸島の「屋久島」。島の約9割が森林に覆われており、豊かな自然の中で、様々な動植物が生息しています。屋久島というと気軽に散策できないのでは…とイメージする方が多いかもしれません。ここでは、屋久島の魅力や気軽に散策できるスポットを紹介します。

屋久島ってどんなところ?

屋久島_鹿児島
九州最南端の佐多岬から、約60㎞の海上に浮かぶ屋久島。1993年に、姫路城、法隆寺、白神山地とともに、日本初の世界遺産に登録されました。登録に至った理由は、屋久島は島の約9割が森林で、亜熱帯や亜寒帯に生息する珍しい植物や動物が、人間の生活と共存していることが高く評価されためでした。
屋久島で最も有名な植物が、屋久杉です。屋久杉とは、樹齢1000年を超える杉のことを指します。杉は古くから日本の人々に親しまれて利用されてきました。だからこそ、現存する杉の群生地は多くありません。また、屋久島は年間の平均降水量が東京の2倍から3倍もあります。その環境に耐えようと、屋久杉は本土の杉の約6倍もの樹脂を出します。その結果、腐りにくく長生きするのです。屋久杉を育む屋久島の自然は、日本国内はもちろん、世界的にも貴重なものといえます。

屋久島の2大定番スポットを紹介!

屋久杉の中でも最も大きな「縄文杉」は、樹齢3000年とも、7000年を超えるとも言われています。縄文杉は表面の凹凸が激しいためこれまで利用できず、伐採されることがありませんでした。その偶然と屋久島の自然が生んだ賜物が縄文杉といえます。
縄文杉と並び人気の「白谷雲水峡」は、「もののけ姫」の舞台といわれており、作中に登場するような、神秘的な光景を目にすることができます。比較的秋は訪れる観光客が少ないので、ゆったりと散策したい方は秋が狙い目です。
縄文杉を見るには往復9時間ほどの本格的なトレッキングになります。それに比べ、白谷雲水峡は、往復1時間から約4時間までの様々なコースが用意されているので、体力に自信のない方にもおすすめです。

■住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町

■電話番号:0997-46-2333(屋久島観光協会)
■アクセス:鹿児島空港より飛行機で約30分
鹿児島空港よりフェリーで約2時間30分~約3時間30分

鹿児島グルメを味わって!かごっまふるさと屋台村

桜島を望む風景が、まるでイタリアのナポリからヴェスヴィオ火山を望む風景に似ていることから、別名「東洋のナポリ」とも呼ばれる鹿児島市。そんな鹿児島市の交通の要所・JR鹿児島中央駅から徒歩5分の場所にあるのが「かごっまふるさと屋台村」です。

かごっまふるさと屋台村ってどんなところ?

2012年に誕生したかごっまふるさと屋台村は、2015年のリニューアルオープンを経て、現在25の飲食店が入店する観光施設です。「地産地消でおもてなし」、「笑顔と会話でおもてなし」、「お手頃価格でおもてなし」をモットーに営業しています。
旅行客に人気のかごっまふるさと屋台村。どのお店も鹿児島県産の食材を使った郷土料理を中心に提供しています。店員さんはとてもフレンドリーなので、大人数ではもちろん、ひとりでも気軽に食事やお酒が楽しめるのも、旅行客に人気の秘密かもしれません。いつも大勢の客でにぎわっており、地元の活気が感じられるスポットです。

かごっまふるさと屋台村のおすすめのお店を紹介!

25の店舗がひしめくように軒を連ねているかごっまふるさと屋台村。その中でまずおすすめしたいのが、人気の海鮮料理店「ぶえんもゆかり」です。お店イチオシは、鹿児島県の食卓に欠かせないキビナゴが入ったお刺身の盛り合わせ。キビナゴは青魚の一種で、新鮮でなければお刺身として食べられません。ぶえんもゆかりでは、毎朝市場に行って食材を仕入れているので、生臭くなく、脂の乗ったおいしいキビナゴが味わえます。
次におすすめしたいのが、うなぎ料理が人気の「籠の島」。鹿児島県は、うなぎの生産量日本一!大隅産と書かれたうなぎを見たことのある方は多いのではないでしょうか。そんな大隅産のうなぎに、創業当初から継ぎ足してきた秘伝のタレをつけて焼いた蒲焼は、身がふっくらしていて絶品です。焼酎の品揃えも充実しているので、うなぎと一緒に味わってみてください。
かごっまふるさと屋台村は、どのお店もリーズナブル。はしごして、食欲の秋を思う存分楽しむのもおすすめです。

■住所:鹿児島県鹿児島市中央町6-4

■電話番号:099-255-1588(NPO法人鹿児島グルメ都市企画)
■営業時間:店舗によって異なる
■アクセス:鹿児島空港より車で約40分

秋の魅力を思う存分満喫できる鹿児島県

屋久島や指宿温泉など全国的に知名度の高いスポットから、穴場なスポットまで、秋の鹿児島県で訪れて欲しい7か所を紹介しました。パワースポットや紅葉、温泉においしいグルメなど、秋だからこそ足を運びたいスポットが鹿児島県には満載です。かつて西郷隆盛や大久保利通など、鹿児島で生まれた歴史上の偉人たちが、日本の未来に思いを馳せたであろう鹿児島県へ、あなたも訪れてみませんか?