赤ちゃんを連れての旅行や帰省で気になるのが、「赤ちゃんと一緒に飛行機に乗れるの?」ということではないでしょうか?
赤ちゃん連れで飛行機に乗る際の規定は、航空会社ごとに違っていますが、今回はANAに絞って、注意すべきポイントを紹介いたします。
この記事では、赤ちゃん同伴時の、チケット予約の注意事項から、空港での過ごし方、空の旅をスムーズに乗り切る方法まで触れているので、赤ちゃん連れでの飛行機搭乗を考えている方はぜひ参考にしてください。
赤ちゃんでも飛行機に乗ることができます!
最初に言っておきますが、赤ちゃんと一緒に飛行機に乗ることは可能です。
ただ、赤ちゃんの場合、大人と同じようにチケットを取って、搭乗カウンターに行き、飛行機に乗り込む、というわけにはいきません。
その詳しい説明に入る前に、まずはANAが赤ちゃんの扱いをどのようにとらえているのかを見ておきましょう。
ANAは年齢によって料金区分を分けています。
それでは、「赤ちゃん」という料金区分があるのかというと、実はありません。
ANAが子供向けに設定している料金区分は2つ、「幼児」と「小児」。
- 「幼児」は生後8日~2歳まで
- 「小児」は3歳~11歳まで
と規定しています。
今回の主題である赤ちゃんは、ANAでの扱い上は「幼児」ということになります。なお、これらの区分はすべて「搭乗日」が基準になりますので、ご注意ください。
ちなみに、先ほど赤ちゃんも飛行機に乗ることができると書きましたが、「幼児」の料金区分を見たらわかるように、生後7日までは飛行機に乗ることはできません。
そんな生まれて早々に飛行機に乗らなければならない事態もかなり珍しいかと思いますが、頭に入れておいてくようにしましょう。
チケットを取るときに気を付けておきたいポイント!
それではいよいよ、具体的な話に入っていきます。
この章では、飛行機に乗るために最初にしなければならないチケット購入時に気を付けておきたいポイントについて紹介します。
赤ちゃんが飛行機に搭乗するには、2つの方法があります。
一つは、「大人の膝の上に座る」というもの。この場合は、赤ちゃんが席を占有することはありませんので、無償で搭乗することができます。
もう一つの方法は、赤ちゃん用に1席分用意するというもの。
いくら赤ちゃんでも、フライトが長時間だったり、大柄な子だったりすると、ずっと膝の上に乗せておくというのはなかなか大変です。
そのようなときには、運賃が発生しますが、座席を確保してしまうことをおすすめします。
次に予約方法についてですが、幼児の航空券を取る方法は少々複雑です。
まずは子供が1歳までの場合。大人の膝の上に乗せるのであれば、インターネットから申し込むことが可能です。
「幼児」カテゴリを選択しておくと、膝の上に乗せる無償のプランが自動的に選ばれます。
膝に乗せるのではなく1席分を確保したいのであれば、インターネットからチケットを予約することはできません。
面倒ですが、ANA国内線予約・案内センターに電話して問い合わせしましょう。
2歳以上の子供を膝に乗せるのであれば、インターネットでの申込みで「幼児」を選択すればOKです。
また、2歳以上の子を膝に乗せるのではなく、1席分を確保して座らせる場合については、「幼児」と違いインターネットからも「小児」カテゴリを選択することで、予約することができます。
ここまで覚えておけばチケットの予約可能でが、このほかにもいくつか覚えておかなければならない注意点があるので紹介しましょう。
注意点:1つ目
1つ目は、大人1人につき幼児は2人まで、という原則です。
例えば大人が1人だけなのに、幼児が3人という搭乗の仕方はできません。
大人が2人であれば、幼児は4人まで搭乗可能となっています。
また、体が小さい幼児だから1席に2人座らせることができるのでは、と思われるかも知れませんが、同じ席に幼児2人分の予約をすることはできません。当然、膝の上に幼児を2人乗せることもできません。
注意点:2つ目
2つ目は、安全上の理由から、幼児を連れている場合は非常口付近の席は予約できません。
万が一トラブルがあった場合、非常口付近の乗客は避難誘導などで客室乗務員を手伝うことになっています。
幼児や幼児を連れている大人にはそのような余裕はないでしょうから、非常口付近の席には座れない、という決まりが設けられています。
注意点:3つ目
3つ目は、他の幼児連れと同じ座席列に座ることはできないということ。
こちらも安全上の理由が大きく影響していて、1列に2組以上の幼児連れがいると、非常時に上から降りてくる酸素マスクの個数が不足してしまう恐れがあるからです。
空いているのになぜか予約できない席があったら、同じ列にすでに赤ちゃんを連れている人が予約しているのだと思いましょう。
注意点:4つ目
4つ目は、幼児連れが複数いる場合は、前後、または通路を挟んで同じ並びの席を予約しなければならないということです。
例えば家族の中で幼児が2人いる場合など、それぞれ離れた席を取ることはできません。友人同士の団体旅行の場合でも同様ですので気を付けておきましょう。
これに関連して、幼児は席に座る場合でも、膝の上に座る場合でも、必ず予約した席に座らなければなりません。
例えば母親の膝の上に座るという予約をしたのであれば、近くに知り合いがいたとしてもその人の膝の上に乗せることはできません。
よくやってしまいがちなことですが、安全上の問題もあるのでやめましょう。
子供同士で遊ばせたい場合は、あらかじめ近い席で予約しておくのがベストです。
空港では赤ちゃん連れ向けサービスをうまく活用しよう
チケットが取れたら、いよいよ空港へ向かいます。
最近の空港には赤ちゃん連れにはうれしい設備がたくさんあります。ぜひ使いこなしてみてください。
なお、今回紹介する設備は空港によってはないものもありますので、ご利用の前に確認してください。
ベビーカーの貸し出し
大きな荷物になってしまうベビーカー。
家に置いておいたり、持って行ったとしても早めに預けてしまったりした場合、役立つのがベビーカーの貸し出しサービスです。
搭乗まで使うことができるのでとても便利サービスです。
都市圏にある空港はアミューズメント施設もたくさんあり、早めに行って子供と遊びたいと考える方は多いのではないでしょうか?
でも、子供がいつまでも機嫌がいいとは限りません。
途中でぐずってしまったり、眠ってしまったりしたら、搭乗までの時間を抱っこして過ごさなければならないことになってしまいます。
このような場合、ベビーカーがあれば、じっと待っているにせよ移動するにせよ、負担を減らしてスムーズに搭乗することができます。
キッズコーナー
子供を遊ばせるスペースがある空港も存在します。
1人で遊んでいられる子なら、子供の近くで本などを読みつつ過ごすことができます。
まだ1人で遊ばせられないようなお子さんでも、キッズスペースで寝かせておくこともできます。
赤ちゃんが突然泣き出したとしても、周りにいるのは同じような立場の方たちばかりなので、あまり気を使うこともありません。
たくさん遊んで、飛行機ではぐっすり眠ってくれた、なんてことも期待できます。
ベビールーム
赤ちゃんの年齢によっては、数時間おきに授乳をしないといけないケースもあるかと思います。
そんなときに役立つのが、空港に設置されている授乳スペースです。
個室が用意されており、お母さんはその中で人目に触れることなく安心して授乳することができます。
また、空港によってはミルクを作るためのお湯が用意されていることもあり、ミルクで育てている方や、外では気兼ねして授乳できないという方でも安心です。
男性も入れる授乳スペースもありますので、お父さんがおむつ交換などを手伝うことも可能です。
託児施設
一部の空港に限りますが、託児施設がある空港もあります。
本来は空港で働く職員のための施設なのですが、中には一時保育を受け付けているところもあります。
出発前はのんびりしたい方や、どうしても見て回りたい空港施設がある方はぜひ利用してみてください。ただし事前予約が必要なので、忘れずに予約しておいてください。
赤ちゃんと一緒に飛行機旅行を楽しむために
飛行機の中での過ごし方
最後は飛行機の中での過ごし方です。基本的なスタンスとしては、とにかく赤ちゃんがぐずつくことなく、無事に目的地までたどり着くためにはどうすればいいか?を考えることです。
飛行機で赤ちゃんが泣きだしてしまう一番大きな理由は、「耳抜き」ができないからです。飛行機が上昇すると、地上との気圧差で耳の奥に何かが詰まったような違和感を覚えます。大人であれば耳抜きをして解消することができるのですが、赤ちゃんはそれができないため、不快感や痛みで泣いてしまうのです。
耳抜きができない赤ちゃんには、「何かを飲み込ませる」という行為が耳抜き代わりになります。
例えば普段からよくなめている飴。
高度が上がってきたタイミングで口の中に入れてあげると、赤ちゃんでも上手に耳抜きができるようになります。
愛用のおしゃぶりや、大好きなお菓子なども同様の効果が期待できます。
また、授乳も有効な手段です。
飛行機の中ではなかなか難しいでしょうから、目隠しの毛布を持って行ったり、授乳ケープを活用したりして、スムーズに授乳できるようにしておきましょう。
ミルク派の方は、CAさんにお願いするとミルクを作ってくれることもあります。
自分に合った方法を選んで上手に耳抜きができるように準備しておいてください。
ただし、「耳抜き」ばかりに目がいってしまうと、「ちょうどぐっすり眠っているけど、起こしてでもした方がいいのかな?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、基本的に眠っているのならそのまま寝かしてあげてください。ただし、目が覚めたときに痛みで泣いてしまわないよう、すぐに耳抜きができる準備だけはしておきましょう。
それから、赤ちゃんがどうしても寝てくれない場合に備えて、気がまぎれるアイテムを持っていくことをおすすめします。
普段から大好きなおもちゃや絵本などがあると便利です。
少々重くなりますがタブレットの使用もおすすめ。機内は狭いですから、1台で複数の役をこなせる電子機器は重宝します。
それから、大きめの毛布やブランケットを鞄に入れておくと便利です。
体温調節が苦手な赤ちゃんを冷えや乾燥から守ることができますし、首が座っていないのであれば枕代わりにすることもできます。
赤ちゃんに使うだけでなく、自分の背中やわきの下に入れて、体勢を安定させるのにも使えます。
大切なのは、赤ちゃんをなるべく普段と同じ状態にしてあげるということ。
ここまでで紹介した毛布やタオルケット、おしゃぶりなどはもちろん、普段握っているハンカチや、お母さんお父さんに抱っこされているときの姿勢など、できるだけ普段を再現してあげましょう。
それでもどうしても泣き出してしまうときには、座席後方に避難してください。
座席で泣き出すと、あやそうとする親の方も「早く泣き止ませないと迷惑がかかってしまう」と力んでしまい、結果赤ちゃんを余計怖がらせてしまうことにもなりかねません。
座席後方であれば周囲の目があまり気になりませんし、CAさんもいますから、タイミングによっては一緒にあやしてくれるかもしれません。
そのためにも、できるだけスムーズに移動できるよう、予約の際は通路側の席を取るようにしましょう。
今回紹介してきたことは、あくまでも一般的な注意点です。
どんなに準備していても、赤ちゃんを連れていれば想定外の事態は起こってしまいます。
そんなときは、1人で何とかしようと思わず、ましてやパートナーと喧嘩なんかしないで、スタッフに協力を仰ぎましょう。
空港や飛行機を利用された方ならおわかりかと思いますが、皆さんとてもやさしい方たちばかり。
業務外のことを期待しすぎるのはよくありませんが、それでもきっと、何らかの力になってくれるはずです。