「ANAの飛行機に安く乗りたい」
「早割より使い勝手のいい割引を知りたい」
そんな方におすすめなのが、ANAの株主優待券を使った割引です。
ANAの株主優待券を使ってANA国内線の飛行機を予約すると、運賃が安くなります。
便の変更やキャンセルができる上、空席があれば出発当日でも予約も可能なので、早割よりも使い勝手のいい割引サービスです。
ANAの株主優待券を使うといくら安くなるのかのほか、株主優待券を使ったチケットの予約方法や、優待券のお得な使い方について紹介します。
ANA株主優待券とは?
ANA株主優待券とは、3月末、9月末時点でANAの株を100株以上持っている株主に、それぞれの期間に対し1通ずつ送られるカードです。
正式には「株主優待番号ご案内書」といいます。
3月末と9月末のどちらの時点でも100株所有していれば、年に2回の受け取りが可能です。
株主優待券があれば、ANAのコードシェア便を含むすべての国内線に割引価格で搭乗することができます。
国内線搭乗の有効期限は1年間
年に2回発行されるANA株主優待券は、それぞれ有効期限が設けられています。
いずれの時期に発行された優待券も、国内線への搭乗優待の期限は1年間です。
搭乗優待以外にはグループ各社優待券もついており、こちらは半年間の有効期限となります。
搭乗優待の期限内であれば、ANAの国内線に割引価格で搭乗できます。
発行基準日 | 発送日 | 搭乗できる有効期間 |
---|---|---|
3月31日 | 5月中旬 | 6月1日から翌年5月31日まで |
9月30日 | 11月中旬 | 12月1日から翌年11月30日まで |
ANA株主優待券は、株主でなくても利用可能です。
街の金券ショップやオークションサイトなどで販売されているので、誰でも簡単に入手できます。
株主でない人が株主優待券を利用するのは違法ではなく、ANAの公式サイトにも「株主様以外の方もご利用いただけます」と記載されているので安心して使えます。
子供にも適用可能
ANA株主優待券は3~11歳までの小児にも適用できるため、帰省や家族旅行の際にはおすすめです。
年間を通じていつでも利用可能
ANA株主優待券は年間を通じていつでも使え、夏休みや年末年始などの繁忙期でも利用可能です。
出発当日まで予約可能
ANA株主優待券を使ったチケットの予約は、搭乗する日の355日前の午前9時30分から、搭乗当日まで可能です。
急な用事で当日や翌日に飛行機に乗らなければならない時でも、割引運賃で飛行機に乗れるので大変助かります。
ただし、株主優待券は飛行機に空席がある時しか使えないため、出発間際など満席で使えない場合には注意してください。
予約の変更や払戻しが可能
飛行機の割引チケットは、いったん予約すると便の変更ができないのが一般的ですが、ANAの株主優待券を使った予約の場合、優待券の有効期間内であれば予約の変更が可能です。
また、チケットを購入後にキャンセルした場合、料金の払戻しが受けられます。
予約の変更や払戻しについては、後ほど詳しく解説します。
プレミアムクラスでも利用可能
ANAの座席は、普通席とプレミアムクラスの2種類あり、ANAの株主優待券はプレミアムクラスでも利用可能です。
ワンランク上のゴージャスな空の旅をお得な料金で楽しむことができます。
関連ページ:ANAプレミアムメンバーサービスとプレミアムクラスとは?
いくら安くなる?ANA株主優待券の割引率
ANA株主優待券を利用すると、チケットの料金はいくら安くなるのでしょうか。
ANA株主優待券の割引率は約50%!
ANA株主優待券を使うと、片道1区間の運賃が通常の半額で利用できます。
例えば、東京-沖縄間のANA FLEX Dを、株主優待券を使った時の運賃と比べると次の表のようになり、割引率はおおよそ50%になります。
運賃種 | 通常期 | ピーク期 |
---|---|---|
株主優待割引運賃 | 26,250円 | 27,500円 |
ANA FLEX D | 52,500円 | 55,000円 |
小児株主優待割引運賃 | 13,100円 | 13,800円 |
小児運賃 | 26,400円 | 27,700円 |
出典:ANA「2024年10月27日~2025年3月29日ご搭乗分の運賃表」
ANA株主優待券は早割より使い勝手も割引率も良い
ANA株主優待券は、ANAが提供するほかの早割運賃よりも使い勝手が良く、割引率も優秀です。
ANAの運賃には「ANAバリュー」「ANAスーパーバリュー」といったお得な早割チケットがありますが、早期に予約・購入の手続きをしなければならない上、予約をすると便の変更ができません。
そのため、スケジュールや搭乗人数が不確定の場合、利用しづらいというデメリットがあります。
しかしANA株主優待券なら、空席さえあれば出発当日まで予約ができ、いったん予約した便の変更もできます。
スケジュールが確定する前に予約して後から変更もできるので、早割に比べて使い勝手がいいといえます。
しかも、ANA株主優待券の割引率は「ANAバリュー」より高く、シーズンによっては「ANAスーパーバリュー」よりも高くなることがあるため、大変お得です。
ANA株主優待券を使うなら繁忙期がおすすめ
東京-沖縄間の運賃をANA公式サイトの検索画面を使って、ANA株主優待券を利用した時の運賃と早割の運賃をシーズンごとに比べてみました(検索日2024年11月26日)。
搭乗日 | フレックス | バリュー | スーパーバリュー | 株主優待 |
---|---|---|---|---|
2024年12月30日(月) | 58,410円 | 42,810円 | 42,100円 | 満席 |
2025年5月3日(土) | 58,410円 | 48,890円 | 30,410円 | 満席 |
2025年6月16日(月) | 55,710円 | 40,800円 | 13,810円 | 28,160円 |
2025年8月12日(火) | 58,410円 | 48,890円 | 20,740円 | 29,510円 |
各出発時刻のうち一部料金を抽出し比較
「バリュー」は搭乗日の1日前、3日前、7日前まで、「スーパーバリュー」は搭乗日の21日前、28日前、45日前、55日前、75日前までが予約期限です。
2025年8月12日(火)のお盆休み期間はいずれの券種も高額な傾向ですが、ANA株主優待券はオフシーズンである6月16日(月)の料金とそこまで差がありません。
一方、バリューやスーパーバリューはお盆休み期間とオフシーズンとで大きな差があるのがわかります。
75日前から予約した場合はスーパーバリューの最大割引が適用されますが、常に2カ月以上先の予定を把握しておくのは困難です。
予約日と出発日が近いとバリューの料金となり、株主優待券のほうが圧倒的にお得になります。
株主優待券は年間を通じていつでも利用できる上、予約の変更やキャンセルができるため、ゴールデンウィークやお盆など繁忙期に利用するのがおすすめです。
ANA株主優待券の予約日と支払い期限
ANA株主優待券を利用して予約したチケットの支払いについては、次のように期限が設けられています。
予約日 | 支払い期限 |
---|---|
搭乗日の3日前まで | 予約日を含めて3日以内 |
搭乗日の2日前~当日 | 出発時刻の20分前まで |
予約した日によって支払い期限が異なるので、間違えないようにしましょう。
ANA株主優待券を利用する時の注意点
ANA株主優待券を利用するにあたって、注意すべき点を紹介します。
優待券1枚で1人分の片道1区間が割引される
ANA株主優待券は、1枚につき1つの株主優待番号が記されています。
株主優待番号1つにつき、1人分の片道1区間の運賃が割引になるので、1人で往復利用したい時は、株主優待券2枚が必要です。
2人で往復利用したい時は株主優待番号が4つ、つまり株主優待券4枚が必要です。
国際線には使えない
ANA株主優待券は、国際線には使えません。
国内線のみ利用できます。
獲得マイルは通常の75%~125%になる
ANA株主優待券で搭乗してもANAのマイルを獲得することはできますが、積算率は通常の75%になります。
例えば、東京(成田)から福岡まで搭乗した場合、獲得マイル数は通常567マイルですが、株主優待券を使った搭乗だと獲得マイル数は425マイルです(利用カードがANAマイレージクラブカードの場合)。
ただし「プレミアム株主優待割引運賃」を利用する場合は、区間基本マイルの125%が獲得できます。
販売座席数に制限がある
ANA株主優待券は、チケット予約時に空席がないと利用できません。
販売される座席数は混雑状況によって変わり、ゴールデンウィークやお盆などは混雑が予想されるため、販売座席数が制限される可能性があります。
再発行されない
発行されたANA株主優待券を紛失しても、再発行されません。
株主優待券を利用してチケットを予約したら、搭乗時まで失くさないよう大切に保管しましょう。
ANA株主優待券の使い方
ANA株主優待券を使って、お得にチケットを購入する具体的な手順を紹介します。
ステップ1.ANA公式サイトで飛行機を予約する
ANA公式サイトでチケットの予約をします。
出発空港、到着空港、利用日、搭乗人数、座席クラスなど必要事項を入力し、「検索する」ボタンを押すと、検索結果が出発時刻順に表示されます。
1つの便につき種類の異なる複数の運賃から選択が可能です。
下記は検索結果表示の一例となります。
プレミアム クラス |
フレックス | バリュー | ビジネス きっぷ |
株主優待 割引 |
|
---|---|---|---|---|---|
羽田8:30発 福岡10:20着 ANA243便 |
50,980円 から |
43,580円 | 41,070円 | 37,980円 | 22,030円 |
この表示画面から株主優待割引の欄を選択し、「確認画面へ」に進みます。
次にANAマイレージクラブ会員の方は「会員の方」、そうでなければ「一般の方」を選択しましょう。
「一般の方」は、搭乗者の氏名、電話番号、メールアドレスなど必要事項を入力して「予約する」ボタンから手続きを完了します。
ANAマイレージクラブ会員の方は、お客様番号とWEBパスワードを入力して「ログイン」ボタンをクリックまたはタップすれば完了です。
ステップ2.チケットを購入する
チケットの予約をしたら、購入手続きを行います。
予約から購入まで続けて操作する方は、「購入手続きへ」ボタンから支払い方法を選択し「購入する」に進みます。
チケットを予約後、日を置いてから購入手続きをする方は、トップページの「予約確認/チェックイン」のタブから「予約確認・購入・変更・座席指定」の項目を選びましょう。
ここから必要事項を入力して検索し、購入手続きを進めてください。
ステップ3.最重要!株主優待番号と登録用パスワードを登録する
ANA株主優待券は、搭乗手続きまでに「株主優待番号」と「登録用パスワード」を登録しなければ使えません。
登録用パスワードは優待券のスクラッチ部分に隠れています。
以下の手順でパスワードを確認し、登録しましょう。
- スクラッチ部分をこすり、登録用パスワードを確認する
- 株主優待番号の登録画面に「株主優待番号」と「登録用パスワード」を入力する
ステップ4.搭乗まで株主優待券を保管する
「株主優待番号ご案内書」(株主優待券)は、株主優待番号と登録用パスワードを登録後、破棄せずに、搭乗が終了するまで大切に保管してください。
紛失すると再発行されません。
搭乗当日は念のため「株主優待番号ご案内書」を空港へ持っていくといいでしょう。
出発当日は、通常と同じように搭乗手続き(チェックイン)をしてから荷物を預けて、保安検査を受けてから搭乗ゲートに向かいます。
ANA株主優待券を使った予約のポイントは?
優待券のスクラッチ部分を確認したり、パスワードを入力したりするなど、ANA株主優待券の利用には通常の予約とは異なる点があります。
いつもと違う予約でも戸惑わないように、次のポイントも押さえておきましょう。
電話や旅行会社での予約でも登録できる
インターネットの利用が苦手な方は、ANA国内線予約・案内センターでの電話予約もしくは旅行代理店を通じての予約で、ANA株主優待券を利用できます。
電話での予約の場合、オペレーターに株主優待券を利用したチケットの予約、購入であることを伝え、株主優待番号と登録用パスワードを伝えてください。
旅行代理店を通じての予約の場合も、チケット購入時に株主優待番号と登録用パスワードをスタッフに伝えましょう。
オンラインチェックインがおすすめ
ANA株主優待券を使った予約では、オンラインチェックインも活用するのがおすすめです。
オンラインチェックインとは、搭乗便の出発時刻の24時間前からオンライン上で搭乗手続きができるサービスを指します。
オンラインチェックインをすれば、空港でチェックインをする必要がありません。
空港到着後すぐに荷物を預ける手続きができたり、預ける荷物がなければ直接保安検査を受けたりできるので、空港滞在時間を大幅に短縮できるのです。
寝坊をしたり道路が渋滞したりした場合に、空港でのチェックインの締切時間を気にしなくて済むので、気持ちに余裕が生まれます。
ANA株主優待券を利用してチケットを購入した方は、株主優待番号と登録用パスワードが登録されていればオンラインチェックインができるので、ぜひ利用してみてください。
ANA株主優待券は予約の変更ができる
ANA株主優待券を利用して予約したチケットは、券面に記載されている有効期限内であれば、手数料なしで予約の変更ができます。
変更手続きはWebサイトや電話から可能
ANA株主優待券の予約変更手続きは、ANAの公式WebサイトやANA国内線予約・案内センターで受け付けています。
ANA国内線予約・案内センターの電話番号は、下記のようにANAマイレージクラブ会員と会員以外の方では異なります。
- 【会員の方】ANAマイレージクラブ・サービスセンター 0570-029-767
- 【会員以外の方】ANA国内線予約・案内センター 0570-029-222
電話の受付時間は、どちらも8:00~20:00(年中無休)です。
ANA公式サイトの国内線問い合わせ窓口にアクセスすれば、メールやチャットでの問い合わせもできます。
予約を変更する際の注意点
ANA株主優待券の予約変更に手数料はかかりませんが、変更前と変更後に運賃の差額が生じた場合は、不足分の支払いや余剰分の返金があります。
また、株主優待券の有効期限を過ぎた日の便に変更したい場合は、別途で変更便の出発日が有効期限内の株主優待券が必要です。
座席のクラスを普通席からプレミアムクラスへ変更したい場合は、搭乗当日プレミアムクラスに空席がある場合に限り、出発空港で「プレミアム株主優待割引運賃」、「プレミアム小児株主優待割引運賃」に変更できるので、差額分を支払ってください。
ANA株主優待券は払戻しができる
ANA株主優待券を利用して購入したチケットはキャンセルができ、支払った料金の払戻しが受けられます。
払戻しには手数料がかかる
ANA株主優待券を利用して購入したチケットのキャンセルと払戻しの手続きは、ANA公式サイトやANA国内線予約・案内センター、ANA国内線空港カウンター、チケットを購入した旅行代理店でできます。
払戻しには、1人1区間440円の払戻手数料が必要です。
予約していた便の出発時刻を過ぎてからキャンセルすると、払戻手数料のほかに、運賃の約20%相当額の取消手数料もかかってしまいます。
そのため、ANA株主優待券のキャンセル手続きは出発時刻前までに済ませましょう。
ただし、病気でやむを得ずキャンセルする場合は、医師の診断書提出の上で手続きをすれば、手数料が一切かからずに、全額払戻しされます。
その場合はANA国内線予約・案内センター、またはANA空港カウンターで申請してください。
払戻しても再度利用できる
ANA株主優待番号の登録後に払戻しをしても、株主優待番号の有効期限内であれば、同じ番号と登録用パスワードをそのまま別の便で利用できます。
登録した株主優待番号と登録用パスワードは、ANA公式サイトの「国内線予約確認・購入・変更」のページから確認可能です。
その際、払戻しを受けたチケットの認証コード(ANAマイレージクラブお客様番号または確認番号、購入時に使用したクレジットカードの番号)が必要になるので準備しておきましょう。
チケット割引以外にも!ANA株主優待券のお得な使い方
ANAの株を100株以上所有すると、ANAの国内線を割引運賃で乗ることができる「株主優待番号ご案内書」と一緒に、ANAグループ優待券の入った「株主優待冊子」が送られてきます。
「株主優待冊子」も金券ショップやオークションサイトで販売されているので、株主でなくてもANA関連施設を割引料金で利用できます。
この項では、株主優待冊子のお得な使い方を紹介します。
ホテル宿泊優待
IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)・ANAホテルの1室分の室料が20%割引で宿泊できます。
また、ホテル内のレストランやバーで優待券を使うと、飲食料金が10%割引になります。
宿泊は優待券1枚で何泊でも利用でき、飲食料金は1枚につき1回の割引が可能です。
ホテルの予約は、ANA予約センター(0120-056-658)やANA公式サイトの株主優待ご案内ページ、各ホテルで受け付けていますが、旅行会社では対応できないので注意してください。
国内・海外ツアー優待
ANAトラベラーズ国内・海外パッケージツアーの料金が割引になります。
例えば「ANAトラベラーズ 国内ダイナミックパッケージ」であれば、旅行代金総額によって1,000〜7,500円までのクーポンが利用可能です。
ショッピング優待
国内24の空港にあるANA FESTA(ANAの売店)と、成田・羽田・関空・那覇の各国際空港のANA DUTY FREE SHOP(免税店)で、1店舗につき1,000円以上の買い物をすると、料金が10%割引価格になります。
帰路につく空港でお土産をまとめて買う方におすすめの利用方法です。
ゴルフプレー料金優待
「武蔵の杜カントリークラブ」「早来カントリー倶楽部」のゴルフプレー料金が優待価格で利用できます。
まとめ:ANA株主優待券でお得な旅を!
ANA株主優待券のお得な使い方を紹介しました。
株主優待券は繁忙期でも利用でき、運賃がおよそ半額になります。
予約の変更やキャンセルもできるとあって大変人気です。
株主でなくても利用できるので、ANA株主優待券を活用して空の旅をお得に楽しんでみてはいかがでしょうか。