「ANAの航空券の仕組みが複雑でよくわからない……」
そんな悩みの大きな要因が「予約クラス」です。
予約クラスは、マイルの積算率や払い戻し条件などに影響を与えるため、ANAを予約する前に知っておかなくてはなりません。
今回の記事ではANA国内線の予約クラスについて詳しく解説。
効率よくマイルを貯めたり、スムーズにフライトしたりするためのヒントにしてください!
ANA国内線における予約クラスとは?
予約「クラス」というと、航空会社のシステムに慣れていない人は「ファーストクラスとかビジネスクラスみたいなこと?」と思われるかもしれません。
これは座席を区分するクラスであり、予約クラスとは基本的に別物です。
予約クラスとは、運賃種別ごとに設定されている区分を指します。
予約クラスはマイルの積算率や払い戻し条件に影響を与えるため、予約前にクラスごとの違いを確認しておかなくてはなりません。
ANAの予約クラスについて、さらに詳しくみていきましょう。
基本の予約クラス
現在のANA国内線には、以下のような予約クラスがあります。
- ANA FLEX
- ANA VALUE
- ANA SUPER VALUE
最安値運賃はSUPER VALUEシリーズですが、運賃が安い予約クラスほど、購入日やマイルの積算率などに制約が多くなります。
例えばANA FLEXであれば搭乗日の当日まで航空券の購入ができるのに対し、ANA SUPER VALUEは21日前〜75日前に予約し、予約から2日以内に購入しなくてはなりません。
予約クラスを選ぶ際は、チケットの価格だけでなく、購入期限やマイルの積算率まで考えた上で決めるのが理想です。
なお、ANAマイレージクラブ会員限定として提供されていた「ANA SUPER VALUE EARLY」は廃止されています。
予約クラスの区分
ANA国内線の予約クラスには、さらに細かい区分が設定されています。
以下はその一例です。
予約クラス | 区分 |
---|---|
ANA FLEX | FLEX A~FLEX D |
ANA VALUE | VALUE7 A~N・VALUE3 A~N・VALUE1 A~N |
ANA SUPER VALUE | SUPER VALUE75・SUPER VALUE55・SUPER VALUE45・SUPER VALUE28・SUPER VALUE21 |
ANAの運賃は状況に応じて料金が変わります。
ANA FLEXの場合は空席の予測数によって、ANA SUPER VALUEは予約日によって変わるため、その変化に応じて予約クラスが分けられているのです。
ANA VALUEは空席予測と予約日のどちらの要素も含まれます。
例えば同じANA SUPER VALUEでも、75日前に予約すればSUPAER VALUE75が適用され、21日前のSUPAER VALUE21で購入するよりも安い料金で飛行機を利用可能です。
同じ予約クラス内でも、区分ごとにマイルの積算率に違いがあったり、中には全くマイルが積算されない航空券があったりと、かなり複雑な仕様になっています。
せっかく高いお金を払って飛行機に乗ったのにマイルがつかない、という事態を避けるためにも、予約クラスへの理解をさらに深めておきましょう。
ANA予約クラスごとの違い
ここからはANA国内線に設定されている予約クラスには具体的にどのような違いがあるのかを解説していきます。
マイル積算率の違い
まずはマイラーの皆さんが一番気になるマイルの積算率からみてみましょう。
予約クラスによって、以下のように積算率が違います。
予約クラス | マイル積算率 |
---|---|
ANA FLEX | 100% |
ANA VALUE | 75% |
ANA SUPER VALUE | 75% |
※ANA SUPER VALUE SALEは50%
国内線のフライトマイルは「搭乗の区間基本マイレージ × 運賃種別ごとの積算率」で算出できます。
ANAの基本的な予約クラスでは、75%または100%のマイル積算率で搭乗でき、積算率の差は25%です。
ANA SUPER VALUEとそれ以外の運賃の価格差と、積算率の差を比較したとき、どちらのメリットが大きいかどうかは、状況や優先順位によります。
予約タイミングや空席予測、繁忙期か否かなどの複数の理由で価格変動が起こるほか、マイルを貯めていない人にとっては価格のみが比較対象となるためです。
どの予約クラスがお得かどうかは状況とユーザーの目的に左右されるので、クラスごとの積算率の違いは参考材料の一つとしてとらえておきましょう。
座席アップグレードの違い
予約クラスは座席クラスの変更にも影響を与えます。
通常席からプレミアム席に移行するには「プレミアム運賃」への変更か、座席の「アップグレード」が必要です。
一般(非会員)か、ANAマイレージクラブ会員かで条件に差があるため、以下の表で確認してください。
予約クラス | 一般 | 会員 |
---|---|---|
ANA FLEX | 運賃の変更または当日アップグレードで可能 | 運賃の変更または2日前アップグレードで可能 |
ANA VALUE | 当日アップグレードで可能 | 2日前アップグレードで可能 |
ANA SUPER VALUE | 当日アップグレードで可能 | 2日前アップグレードで可能 |
ANAマイレージクラブ会員であれば、搭乗日2日前の0時~搭乗20分前までに、オンラインでプレミアムクラスにアップグレード可能です。
非会員でANA FLEX以外の運賃なら、当日アップグレードに賭けるしかありません。
アップグレードできるのは、プレミアムクラスに空きがあることが前提になります。
搭乗日が近づけば近づくほど空席はなくなっていくため、もしアップグレードの予定があるのであれば、あらかじめANA FLEXの航空券を購入しておいた方がよさそうです。
ちなみに、プレミアムクラスに座席をアップグレードすると、マイルの積算率が一律50%アップします。
ANA FLEXでアップグレードすれば150%、それ以外の予約クラスは125%です。
プレミアム運賃への変更は運賃差額、アップグレードには路線ごとに決まった追加料金が必要なので、追加の支払いも含めて検討しましょう。
払い戻し方法の違い
病気や急な予定変更で航空券をキャンセルする必要が出てきたとき、払戻手数料や取消手数料がいくらかかるかは気になるところです。
これも予約クラスによって変わり、さらに「出発前」「出発後」でも大きく異なるため、それぞれの手数料を見ていきましょう。
搭乗予定便の出発前 | |
---|---|
ANA FLEX | 払戻手数料440円のみ |
ANA VALUE | 払戻手数料440円+運賃額の約5%相当額 |
ANA SUPER VALUE | 払戻手数料440円+運賃額の約30~60%相当額 (搭乗日55日前までは払戻手数料のみ) |
搭乗予定便の出発後 | |
---|---|
ANA FLEX | 払戻手数料440円+運賃額の約20%相当額 |
ANA VALUE | 払戻手数料440円+運賃の100% |
ANA SUPER VALUE | 払戻手数料440円+運賃の100% |
※旅客施設利用料は除く
便の変更ではなくキャンセルによる払い戻しの場合、払戻手数料と、チケットの取消手数料の両方がかかります。
出発前ならどの予約クラスでも一定額の払い戻しがありますが、出発後のキャンセルになると、ANA FLEX以外は100%の取消手数料が必要です。
つまり、チケット代金は全額返金されません。
予約クラスを確認する方法について
ANAの航空券を予約するときに予約クラスを確認する方法はいたって簡単です。
公式サイトで出発地と到着地を入力し、日付を選択して検索すると、便ごとに「フレックス」「スーパーバリュー」などと書いてある表が表示されます。
予約後であればeチケット控えの「運賃種別」での確認も可能です。
eチケットには運賃種別コードが掲載されており、コード1桁目に予約クラスを示す文字が記載されています。
ANAのサイトから運賃種別コード一覧表が表示されますので、確認してみてください。
参考:運賃種別コード一覧|ANA
おすすめは?ANAの予約クラスの選び方
ANAの予約クラスから最適な航空券を選ぶには、以下のポイントから考えるといいでしょう。
- マイルと予約の柔軟性ならANA FLEX
- 予定変更がないならANA VALUE、ANA SUPER VALUE
マイルの積算率や払い戻し条件のハードルの低さから考えると、利用しやすいのはANA FLEXといえます。
「旅行の候補日が2つあって、一応どちらも押さえておきたい」「出張先のアポがまだ確定していない」という場合には、多少運賃は高くなってしまってもANA FLEXを予約した方がいいでしょう。
反対に、絶対に予定の変更がないのであれば、割引運賃のANA VALUE、ANA SUPER VALUEを買った方がお得です。
まとめ:ANA予約クラスの基本を押さえておこう
今回はマイルを効率よく貯めるためには欠かせない、国内線の予約クラスについて解説してきました。
購入する航空券は何のために予約するのか、予定が変更になる可能性があるのか、予定は早い段階で判明するのかなど、航空券を購入するに当たりそれぞれの都合があると思います。
マイルの積算率はもちろん、購入日や払い戻しの条件までも比較して、もっとも都合の良い航空券をANAで予約しましょう。