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「空の旅」などといいますが、飛行機のなかは案外暇なものです。それでも機内にWi-Fiがあればインターネットを使った娯楽を楽しむことができますが、スカイマークにはWi-Fiが設置されていません。
スカイマークに搭乗すると、10~60代の「インターネットどっぷり」世代は、ネット環境がない場所に長時間いることに苦痛を感じるかもしれません。
そこでスカイマークに乗る人に、暇つぶし対策を紹介します。
なお、将来的にスカイマークもWi-Fiを導入すると表明しているので、その点も解説します。

スマホ、パソコンの機内利用の基礎知識

Wi-Fiについて解説する前に、そもそもスカイマークの機内にスマホやパソコンなどを持ち込めるのか、という疑問に回答します。
スカイマークの機内に手荷物として(つまり預け入れではなく)パソコン、スマホ、タブレットなどの端末を持ち込むことはできます。ただし電波を発する端末は機内モードにして、電波が発しないようにしておく必要があります。端末が発する電波が、パイロットと管制塔との通信に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
つまり、機内モードにしておけば、つまりインターネットにつながなければ、空を飛んでいる機内でパソコンやスマホを使って仕事をしたり、保存してある動画や音楽を視聴したりすることは可能です。

スカイマークにはWi-Fiがない

大手航空会社のなかには、機内にWi-Fiを設置しているところがあります。機内Wi-Fiであれば、端末を機内モードにしていてもWi-Fi接続をオンにすればインターネットが使えますし、パイロットの通信に悪影響を与える心配もありません。
しかしスカイマークには機内Wi-Fiがないため、端末をインターネット接続することができず、また、なんらかの方法で端末をインターネットに接続することも禁止されています。

スカイマークは機内モードを求めている

スカイマークは搭乗客に、スマホなどを機内モードにすることを求めています。次のようにアナウンスしています。

■「機内でインターネットを使うことはできますか」に対するスカイマークの回答
●飛行機のドアが閉まったあとは、スマホやパソコンなどは機内モードにして電波を発しない状態にする。または電源を切る。
●インターネットは利用できない。
●スマホやパソコンなどの使用制限については客室乗務員が機内アナウンスで案内する。

自前のポケットWi-Fiも使ってはいけない

「スカイマークが機内Wi-Fiを用意していなくても、ポケットWi-Fiがあるから大丈夫」というわけにはいかないので注意してください。
これはスカイマークに限らず、すべての航空会社のルールになっていますが、機内でポケットWi-Fiを使うことは禁じられています。ポケットWi-Fiが飛行中の機内でつながるかどうかに関わらず、です。
乗客が飛行機内で電波を発する機器を使って電波を発する行為は、航空法などで禁止されています。

航空法第73条の4
機長は、航空機内にある者が、離陸のため当該航空機のすべての乗降口が閉ざされた時から着陸の後降機のためこれらの乗降口のうちいずれかが開かれる時までに、安全阻害行為等をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由があるときは、(中略)その者を降機させることができる。


機内でのポケットWi-Fiの利用は、航空法第73条の4の「安全阻害行為」にあたる「航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器」に該当する恐れがあります。

なぜ機内Wi-FiはよくてポケットWi-Fiは使用禁止なのか

ここまでの解説で次のような疑問が湧くと思います。

●なぜ機内Wi-Fiは使っていいのに、自前のポケットWi-Fiは使ってはいけないのか

スカイマークにはそもそも機内Wi-Fiはないわけですが、この答えは多くの人が知りたいと思うので回答します。
機内Wi-Fiはパイロットや管制塔が使う通信の周波数とは異なる周波数を使っていますが、ポケットWi-Fiはパイロットや管制塔の周波数と同じになる可能性があるからです。そのため、機内Wi-Fiはパイロットの通信を妨害しないが、ポケットWi-Fiは妨害する可能性がある、といえるわけです。

スカイマークでの暇つぶし対策

スカイマークの飛行機には機内Wi-Fiがなく、ポケットWi-Fiはそもそも使用禁止。ではスカイマークの乗客はどのように暇をつぶしたらよいのでしょうか。

Bluetoothで動画や音楽を楽しむ

スカイマークの機内ではBluetoothは利用できます。Bluetoothとは短距離無線通信技術の1つで、主に2.4GHz帯の電波を使用します。
例えば、スマホとワイヤレス・イヤホンを接続すれば、スマホで再生した動画や音楽の音声をBluetooth経由で聞くことができます。
視聴する動画や音楽をインターネット経由で入手することはできませんが、すでにパソコンやスマホのなかに保存されている動画や音楽のデータを再生するのであれば、スカイマークの機内で楽しむことができます。
スマホを機内モードにしてBluetoothをオンにすれば、スカイマークの機内で利用できます。

スカイマークはイヤホンを貸していない

スカイマークでは、乗客がスマホ内の動画や音楽の音声をBluetoothを使って聴くためのワイヤレス・イヤホンは貸していません。したがって自分で用意する必要があります。

ゲームをする

スカイマークに任天堂Switchを持ち込むことも、使用することもできます。オフラインで遊べるゲームアプリも楽しめます。
ゲームをしていれば、あっという間に目的地の空港に到着するでしょう。

仕事をする、作業をする

ビジネスパーソンや大学生なら、パソコンをスカイマークの機内に持ち込んで、ワードやパワポで資料やレポートを作成してはいかがでしょうか。
あるいは、この暇な時間に、スマホ内の写真データを整理してみてもよいでしょう。
パソコンやスマホは、インターネットにつながなくても案外「使える」ものです。

アナログなことをする

スカイマーク機内にインターネット環境がなくデジタルなことができなければ、アナログなことをしてみましょう。
本や雑誌、新聞などの紙媒体を持ち込んで熟読してみてはいかがでしょうか。例えば日本経済新聞なら1日分の新聞紙でも、すべての記事をくまなく読めば3時間くらいかかります。
「どうしても紙媒体で読むのは嫌だ」という方は、電子書籍を持ち込んでみてください。

機内サービスを楽しむ

スカイマークの機内サービスを楽しむのも絶好の暇つぶしになるでしょう。
スカイマークはネスレ日本と提携していて、主要路線の機内でネスカフェのコーヒーやジュース、キットカットなどを乗客に提供しています。これらのおやつを片手に文庫の小説でも読んでみてください。
さらにスカイマークはポケモンとコラボしていて、ピカチュウをラッピングした飛行機、ピカチュウ・ジェットを飛ばしています。これに乗ると限定のオリジナルグッズがもらえます。ピカチュウ・グッズは、子供だけでなく、実は大人にも人気です。
ピカチュウ・ジェットの運航スケジュールを公式サイトで確認しましょう。

モバイルバッテリーを忘れずに

スカイマーク機内でパソコン作業をする場合、モバイルバッテリーを持参することを忘れないでください。パソコンの消費電力量はかなり大きいので注意してください。
機内に持ち込めるのは160Wh以下のモバイルバッテリーです。100Wh以下のモバイルバッテリーなら何個でも持ち込み可能ですが、100Wh超(160Wh以下)のモバイルバッテリーは2個までです。

2026年からスカイマークにも機内Wi-Fiが導入される

ここまで機内Wi-Fiがないスカイマークでの暇つぶし方法を紹介してきましたが、2026年にはスカイマークも機内Wi-Fiを導入する予定です。
スカイマークは2026年1~3月に、ボーイング737を新たに12機導入します。これにアメリカのインテルサット社が手がける衛星通信機能を搭載します。この衛星通信機能が機内Wi-Fiになるわけです。これでスカイマーク機内でも、自分のパソコンやスマホをインターネットにつなげることができます。

まとめ

スカイマークは他の大手航空会社と違い、機内Wi-Fiサービスが提供されていません。そのため、パソコンやスマホを使ってインターネットを利用することはできず、ポケットWi-Fiなどの外部通信機器の使用も法律で禁止されています。
しかし、あらかじめスマホなどに動画や音楽をダウンロードしておけば、Bluetooth対応のワイヤレス・イヤホンを使って再生を楽しむことができます。また、電子書籍やオフラインで遊べるゲームアプリも、機内での時間を快適にするアイテムとしておすすめです。
今後スカイマークがWi-Fiを導入する予定はあるものの、今は事前に暇つぶしの準備をしておきましょう。