九州・福岡県から海峡を挟んですぐ隣にあるのが、本州の最西端山口県です。
山口県は、フグ料理発祥の地でもあり、源平合戦最後の戦いの舞台でもあります。
二方を海に囲まれた県ならでの豊かな自然が見られます。
今回は、秋の山口県へ旅行に行くなら絶対に外すことのできない「王道の観光スポット10選」をお届けします。
「山口の旅行ってどこに行ったらいいの?」と迷っている方へ向けて、山口観光ならココに行っておけば間違いなしと言えるスポットばかりを集めました。
秋ならではの紅葉名所も取り上げていますので、ぜひ旅行計画の参考にしてみてください。

海の上を車で駆け抜けられる美しい橋「角島大橋」

角島大橋
山口県のインスタ映えスポットとして話題沸騰中なのが、下関市にある「角島大橋(つのしまおおはし)」です。
角島大橋は、本州と離島・角島を結ぶ橋です。透き通ったコバルトブルーの海の上に、長く真っ直ぐな橋が架かっている景色がとても美しいと評判です。
美しい景観は、ドラマや車のCMの撮影に使用されたことがあります。
車が橋の上を駆け抜けていく爽快感溢れるCMは、角島大橋の魅力を全国に広めました。
角島大橋は全長が1780mもある長い橋ですが、通行料は無料です。
長い角島大橋の全景写真は、本州側にある海士ヶ瀬公園(あまがせこうえん)から撮ることができます。
海士ヶ瀬公園の丘の上には、写真撮影にぴったりのウッドデッキが設けられています。
ウッドデッキからは橋と角島、そして奥に広がる水平線を1枚の写真に収めることができます。
また、ウッドデッキ後方にある高台は、角島大橋全体を捉えることができる、知る人ぞ知る撮影ポイントです。
角島大橋には歩道が設けられていますので、車以外に徒歩や自転車でも通行が可能です。
橋を渡った先にある角島には、新鮮な海鮮料理が食べられるカフェのほか、角島グルメや地酒を購入できるお土産屋さん、島めぐりに利用できるレンタサイクル店などの観光施設が整っています。


角島大橋

■住所:山口県下関市豊北町神田~角島

■電話番号:083-786-0234(豊北町観光協会)

■アクセス:JR山陰本線特牛駅からバスで15分

山口と福岡の境目!ロマン溢れる「関門海峡」

本州の最西端の山口県と、九州の玄関口福岡県を隔てている海峡が「関門海峡(かんもんかいきょう)」です。
関門海峡には歩行者用海底トンネルが通っており、福岡県へは徒歩で行くことができます。
歩いて渡れる海峡は世界的にも珍しく、外国人観光客にも注目されているスポットです。
トンネルは片道15分程度で渡りきることができるので、山口観光と合わせて福岡県を訪れてみるのもいいかもしれません。
トンネルを出ると福岡県北九州市の和布刈(めかり)エリアです。
和布刈公園の遊歩道からは、海峡を行き交う大型フェリーや山口と福岡を繋ぐ吊り橋「関門橋」の景観を楽しめます。
また、関門海峡には宮本武蔵と佐々木小次郎の決戦の地として有名な「巌流島」があります。
島内には決戦の様子を表した武蔵・小次郎像が建てられています。
像の建設には粋な計らいがされており、「武蔵が決戦に遅刻した」との逸話を反映させ、武蔵像は小次郎像より数ヶ月遅れて建てられました。
巌流島は無人島の小さな島ですが、歴史好きにはオススメの観光スポットです。


関門海峡

■住所:山口県下関市みもすそ川町

■電話番号:083-231-1350

■営業時間:6:00~22:00(関門トンネル人道通行可能時間)

■アクセス:JR下関駅からバス12分「御裳川(みもすそがわ)」下車す

江戸時代の木造橋!情緒ある景色が魅力の「錦帯橋」

錦帯橋_山口
広島との県境にある岩国市には、400年以上の歴史を持つ木造橋「錦帯橋(きんたいきょう)」があります。
錦帯橋は5連のアーチから成る美しい橋で、長い年月を超えて堂々たる出で立ちをしています。
錦帯橋が初めて建設されたのは江戸時代です。洪水によって現在までに2度流失しています。
ですが、地元の人達の強い要望に後押しされ、優れた架橋技術によって橋は元の姿に再建されました。
もろくなった木造部位の定期的な修復作業は、江戸時代から続く伝統的な行事となっています。
錦帯橋は四季折々の自然を堪能できる、人気の景観スポットです。
秋は錦帯橋の奥に見える城山の紅葉が色づき、錦帯橋がより一層映えます。
周りの山々を眺めながら、川のせせらぎとともに橋を渡るのも風情がありオススメです。
橋を渡るための入橋料は、大人310円で山側・町側のどちらからでも橋を渡ることができます。


錦帯橋

■住所:山口県岩国市横山2丁目2

■電話番号:0827-41-2037

■営業時間:8:00~17:00(夏季19:00まで)

■アクセス:岩国空港(岩国錦帯橋空港)からシャトルバスで10分岩国駅下車、錦帯橋行きバスへ乗り換え後約20分

日本屈指の鍾乳洞が見られる「秋芳洞」

秋芳洞_山口県
二方向を海に囲まれている山口県にあって唯一海に面していない自治体があります。それは美祢市です。その美祢市にあるのが、国の特別記念物に指定されている鍾乳洞「秋芳洞(あきよしどう)」です。
秋芳洞は、年間を通して洞内の気温が17度前後と一定しており、どの季節でも快適に観光することができます。
洞内を歩いて一番初めに現れるのは、石灰が波紋状に広がり固まった「百枚皿」です。
たくさんの皿が重なっているように見えることから、百枚皿と付けられました。
続いて「傘づくし」と呼ばれるポイントでは、たくさんの鍾乳石が天井からぶら下がっており、写真撮影に人気のスポットとなっています。
さらに奥へ進むと、秋芳洞で最も有名な「黄金柱」があります。
複数の鍾乳石が集まったことで大きくて太い一つの柱のようになり、地面から天井まで繋がっている姿は圧巻です。
黄金柱はライトアップされており、神秘的な雰囲気に拍車をかけています。
以上の見どころは一般的な観光コースで楽しめますが、より探検気分を味わえる冒険コースも用意されています。
冒険コースは、観光コースよりもでこぼこの起伏にとんだ道となっており、ハシゴを登ったり狭い岩穴をくぐったりと、よりワイルドな造りになっています。
秋芳洞には見どころが多いため、観光にかける所要時間は余裕を持って確保しておくと安心です。


秋芳洞

■住所:山口県美祢市秋芳町秋吉

■電話番号:0837-62-0018

■営業時間:3月~11月 8:30~17:30 閉洞18:30
12月~2月 8:30~16:30 閉洞17:30

■アクセス:JR新山口駅からバスで約40分「秋芳洞」下車

鳥居が立ち並ぶ圧巻の景色!山口が世界に誇る「元乃隅神社」

山口県の日本海側の長門市には、123基もの鳥居が山の傾斜の沿って建てられている神社があります。その神社の名は、「元乃隅神社(もとのすみじんじゃ)」といます。
元乃隅神社は日本海を臨む崖の上にあり、海の青色と鳥居の朱色が美しいコントラストを生みだしています。
景観の美しさは日本に留まらず世界を魅了し、アメリカの放送メディアCNNの「日本の最も美しい場所31選」にも選出されました。
元乃隅神社にこれほどたくさんの鳥居が建てられた理由は、昭和の時代にまでさかのぼります。
当時、地域の綱元であった男性のもとに白狐が現れ、元乃隅神社建設のお告げを残したそうです。
その後、約10年の歳月をかけて鳥居が奉納され、現在の姿になりました。
元乃隅神社は、大漁・海上安全・良縁・子宝・商売繁盛などのご利益があるといわれています。
元乃隅神社には「お金を入れるのが難しい」ことで有名なお賽銭箱があります。
そのお賽銭箱は、駐車場の近くにある大きな鳥居の上部に設置されています。
地面からお賽銭箱までは高さが約5mあり、お金を入れることに成功したら願いが叶うといわれています。


元乃隅神社

■住所:山口県長門市油谷津黄498

■電話番号:0837-26-0708< ■営業時間:5:30~17:30< ■アクセス:JR山陰本線「長門古市駅」もしく「人丸駅」から車で約20分

有名な詩人も魅せられた自然の宝庫「長門峡」

山口市にある「長門峡(ちょうもんきょう)」は、四季折々の景色が楽しめる渓谷です。
長門峡は風にそよぐ緑や濁りのない川など豊かな自然が魅力です。この景色に触れると、心がリフレッシュします。
長門峡には自然を満喫するためのハイキングコースが設けられています。このハイキングコースは、長門峡駅を起点に12ヶ所の探索ポイントを含んでいます。
コースは往復で10㎞以上ありますが、途中で疲れたら引き返すことが可能です。
ハイキングで体を動かした後は、長門峡駅のすぐ側にある道の駅でグルメを堪能するのもオススメです。
道の駅「長門峡くんくのだいち」では阿東名物の「あとう和牛」を使ったすき焼きを提供している他、特産品の販売もしています。
季節ごとに違う表情が見られる長門峡ですが、1年の中で最も人が賑わう時期は秋です。
紅葉スポットとして地元の人々からも人気があり、長門峡への道が渋滞することも珍しくありません。
長門峡の入り口近くには、明治から昭和にかけて活躍した詩人、中原中也の詩碑が建てられています。
詩碑は冬の長門峡について詠んだ詩が刻まれており、自然の美しさ、冬の切なさを詩から感じ取ることができます。
日本の文学界でも著名な中原中也も、長門峡の大自然に魅せられた一人なのかもしれません。


長門峡

■住所:山口県山口市阿東生雲東分

■電話番号:083-956-2526

■アクセス:JR山口線新山口駅より普通列車で1時間半、もしくはSL山口号にて1時間「長門峡駅」下車

紅葉シーズンに大人気の観光スポット「紅葉谷公園」

岩国市にある「紅葉谷公園(もみじだにこうえん)」は、紅葉が美しいことからこの名前がつきました。
紅葉谷公園は、先ほど紹介した木造橋「錦帯橋」から歩いて5~6分の距離にあります。
紅葉谷公園は、江戸時代に寺院が集まっていた跡地を公園にしたもので、公園の敷地内には現在でも2つのお寺が残っています。
そのうちの一つ「永興寺」には美しい枯山水庭園があます。もう一方の「洞泉寺」には樹齢300年の臥龍梅があり、毎年11月に紅葉の見頃を迎えます。
紅葉の見頃時期は11月中旬から11月下旬です。
公園内はモミジの他イチョウの樹も植えられており、黄色いイチョウの葉が地面いっぱいに敷き詰められている「イチョウのじゅうたん」を見ることができます。


紅葉谷公園

■住所:山口県岩国市横山1丁目10-27

■電話番号:0827-29-5116

■アクセス:JR岩国駅からバスに乗り約20分、錦帯橋下車徒歩約10分

まるで竜宮城!パワースポットとして名高い「赤間神宮」

赤と白の造りが竜宮城を思わせる「赤間神宮(あかまじんぐう)」は、下関の有名な観光スポットです。
赤間神宮は、源平最後の合戦となった「壇ノ浦の戦い」で敗北し、8歳の若さで入水自殺した安徳天皇を弔うために、決戦の地、下関門海峡を臨む場所に建てられています。
神宮内には安徳天皇のお墓が建てられ、平家の強い怨念が未だに残っているという噂も囁かれています。
また、赤間神宮は怪談「耳なし芳一」の舞台としても有名です。
耳にお経を書き忘れたことから化け物に耳をもぎ取られてしまった、という話にちなんで耳のない法師の像が神宮内にあります。
平家の怨念や怪談の舞台となっている赤間神宮ですが、浄化に特化したパワースポットとして有名です。
他にも水難除け・安産祈願・家内安全などのご利益があります。
平家終焉の地として強い気が漂っている赤間神宮は、他の神社とはまた違う雰囲気を味わえる魅力がります。


赤間神宮

■住所:山口県下関市阿弥陀寺町4-1

■電話番号:083-231-4138< ■営業時間:6:00~18:00 ■アクセス:JR下関駅からバス10分「赤間神宮前」下車す

旅行にグルメは外せない!山口随一の海鮮市場「唐戸市場」

フグ発祥の地として知られる山口県で、特に有名な市場が下関市にある「唐戸市場(からといちば)」です。
唐戸市場では新鮮な海鮮類を購入できる他、市場内にある定食屋・回転ずし店・喫茶店などで市場グルメを堪能できます。
唐戸市場は早朝から営業を開始するため、獲れたての新鮮なシーフードを朝食で食べるという贅沢が叶います。
市街地では高級なフグ刺しも、市場であればお手頃価格で味わうことができます。
また、唐戸市場では毎週末と祝日に「活きいき馬関街(ばかんがい)」というイベントを開催しています。
下関の海鮮を存分に楽しんで欲しいという思いから始まったイベントで、「寿司バトル」と称して多くの寿司屋台が立ち並び活気に溢れています。
屋台ではその日に獲れた魚を中心に、1カン100円からという破格の値段で寿司のバラ売りをおこなっています。
他にも、フグの出汁とフグの身が入った味噌汁は、山口に行ったならぜひ食べておきたい逸品です。


唐戸市場

■住所:山口県下関市唐戸町5-50

■電話番号:083-231-0001

■営業時間:月曜~土曜 5:00~15:00
日曜・祝日 8:00~15:00
■アクセス:山口宇部空港からJR下関駅まで連絡高速バスで約1時間15分、JR下関駅から唐戸までバスで約10分

360度のパノラマを見渡せる「海峡ゆめタワー」

関門海峡のパノラマを楽しめるのが下関のシンボル「海峡ゆめタワー」です
関門海峡にそびえる灯台のような形をした海峡ゆめタワーの28階から30階の展望室からは、反対岸にある北九州市の門司港や、日本海の響灘まで見渡せます。
展望室はすべて球体型のガラス貼りになっており、360度の景色を楽しめるようになっています。
球形総ガラス貼りの展望室を設けたのは、海峡ゆめタワーが世界で初めてです。
展望室の造りもさることながら、エレベーターがシースルー設計となっており、エレベーターの中から高さが上がるごとに変わっていく関門海峡の景色を楽しめるようになっています。
海峡ゆめタワーは、山口県で初の「恋人の聖地」として認定されました。
恋人の聖地とは、地域活性化支援センターが主催する「恋人の聖地プロジェクト」により、プロポーズにふさわしいロマンチックなスポットとして選定された観光スポットです。
海峡ゆめタワーでは、恋人の聖地オリジナルグッズを販売したり、記念撮影ポイントを設けたりして、恋人たちの特別な思い出を作ることができるよう工夫をしています。
また、海峡ゆめタワーは中からだけでなく、外観も魅力的で、夜になるとタワーの下部がライトアップされ、下関の美しい夜景の一部となります。
ライトアップの色は季節にあわせて寒色と暖色を使い分け、展望室を照らす色も曜日ごとに変わる工夫が凝らされています。


海峡ゆめタワー

■住所:山口県下関市豊前田町3丁目3-1

■電話番号:083-231-5600

■営業時間:9:30~21:30

■アクセス:山口宇部空港から連絡バスで1時間15分JR下関駅下車後、徒歩約7分

まとめ

今回は秋の山口に行くなら外せない王道の観光スポットを10ヶ所紹介しました。
歴史や伝統にまつわるエリアや、秋の紅葉を楽しめる景勝地まで山口県には魅力が溢れています。
山口に訪れる際は、ぜひ王道の観光地をめぐって楽しんでください。