東京都には、下町情緒あふれる浅草、若者の街・渋谷など、国内外問わず多くの観光客が訪れる人気スポットがたくさんあります。しかし、東京都内には、「ここが東京都?!」と驚くような、自然豊かな観光スポットも多くあるのです。今回は、秋だからこそ行きたいスポット、及び師走を知らせてくれる伝統的なスポットを8つ紹介します。

都心のオアシス!等々力渓谷

渋谷駅から電車で約20分、東急大井町線の等々力駅から歩いて5分ほどの場所にある「等々力(とどろき)渓谷」は、東京23区内唯一の渓谷です。「都会のオアシス」とも呼ばれる渓谷には、どんな歴史や見どころが隠されているのでしょうか。

都心のオアシス・等々力渓谷はどんなところ?

等々力渓谷は、東急大井町線の等々力駅から歩いて5分ほどの場所にある公園です。等々力駅から渓谷に向かう経路には、地面にどの方向に渓谷があるのか刻まれているので、確認しながら進んでいきましょう。「等々力渓谷入口」の案内看板がある階段を下ると、そこには都内とは思えない、豊かな自然が広がっています。
等々力渓谷に訪れた人々を最初に出迎えるのが、真っ赤な色が特徴の「ゴルフ橋」です。なぜそんな名前なのでしょうか?これは公園として整備される前にあった、等々力ゴルフコースが関係しています。等々力ゴルフコースは1931年に開業し、戦時色の濃くなる1939年まで営業を続けました。このゴルフ橋は、等々力駅とゴルフコースをつなぐ、重要な通路だったのです。
等々力渓谷には、ゴルフ橋を起点にした約1㎞の遊歩道が整備されています。川のせせらぎをBGMに、散策を楽しんでみてはいかがでしょう。また、11月上旬からは木々が色づき始め、11月下旬には辺り一帯が色鮮やかな赤黄色に包まれます。休日にもあまり混雑しないので、都内で気軽に紅葉を楽しみたい方はぜひ足を運んでみてください。

等々力渓谷の見どころをピックアップ!

等々力渓谷内には、ゴルフ橋をはじめとするいくつかの見どころがあります。まず紹介したいのが、渓谷の中ほどにある「3号横穴古墳」です。周辺には、古墳時代から奈良時代にかけての古墳がいくつか見つかっており、中でも3号横穴古墳は当時の原型を留める、珍しい遺跡です。人骨のほか、副葬品が多く見つかっていることから、周辺を治めていた有力者のお墓だと推測されています。古墳時代の世田谷区の歴史を知ることができるスポットです。
3号横穴古墳から多摩川方面へ進んでいくと、平安時代末期に開創された「満願寺」があります。満願寺は別名「等々力不動尊」と呼ばれ、古くから修験道の聖地として知られていました。境内にある「不動の滝」は、かつて修験者たちが滝行を行った場所で、厳かな独特の雰囲気が漂っています。
また、満願寺はイチョウが美しいスポットとしても有名です。例年11月末にはイチョウの葉が散り、境内は黄金色のじゅうたんで敷き詰められます。日本らしいその景観は、外国人観光客にもおすすめです。
■住所:東京都世田谷区等々力1丁目~2丁目

■電話番号:03-3704-4972(玉川公園管理事務所)

■アクセス:羽田空港より車で約30分
東急大井町線等々力駅より徒歩約5分

奥多摩随一の渓谷美!鳩ノ巣渓谷

JR青梅線は立川から奥多摩を結ぶ路線で、沿線には自然豊かな景観が広がっています。特に、青梅駅から奥多摩駅までの区間は別名「東京アドベンチャーライン」と呼ばれ、アクティビティスポットやキャンプ場が多数あります。奥多摩随一の渓谷美を誇る「鳩ノ巣渓谷」は、東京アドベンチャーラインの鳩ノ巣駅近くにあります。

鳩ノ巣渓谷ってどんなところ?

鳩ノ巣渓谷は、JR青梅線鳩ノ巣駅から徒歩5分ほどの場所にある渓谷です。この地域一帯には秩父古生層という地層が広がっており、この地層を多摩川の水の流れが削り、渓谷を形成しました。鳩ノ巣駅を出て右手に曲がり、看板に沿って歩くと、遊歩道の入口に到着します。遊歩道は渓谷沿いに整備されているので、間近から自然が生み出した景観を鑑賞してください。
江戸時代の1657年に発生した火災・明暦の大火をご存知ですか?これは江戸の街のほとんどを焼き、空襲や震災での火災を除けば、日本最大規模の火災だと言われています。大火後は、防火のために道を広くしたり、焼けた家を再建したりと、江戸の至る所で街の再興が進んでいきました。街の再建に必要となるのが木材です。当時は鉄道がないので、奥多摩から多摩川を利用して、木材が市街地へと届けられました。
そのため、奥多摩には作業員が寝泊りする小屋や、水の災害が起こらないようにと多くの神社が建てられたと言われています。このうちのひとつの神社に、2羽の鳩が巣をつくりました。周辺の住民の人々がこの2羽の鳩を霊鳥として崇めたことから、この土地を「鳩ノ巣」と呼ぶようになりました。その神社は「玉川水神社」と名前を変え現存しています。
玉川水神社は、遊歩道入口近くの岩山の上にあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。秋には、江戸の再興のために大きな役割を担った多摩川と、色鮮やかな木々に包まれた渓谷が一望できる、絶好のビューポイントになります。

散策の後の温泉はいかが?

鳩ノ巣渓谷の散策の後は、遊歩道入口にある「はとのす荘」での入浴はいかがでしょう。はとのす荘は、渓谷沿いにある宿泊施設で、日帰り入浴も可能です。宿の自慢は、渓谷を囲む森林を眺めながらの湯浴みが楽しめること!鳩ノ巣温泉と鶴の湯温泉の、2種類の源泉を使用しており、どちらも美肌の湯として知られています。さらっととしたお湯の肌触りは、散策でかいた汗を流すのにぴったりです。
このほか、館内のレストランではランチ営業も行っているので、「温泉や料理を楽しみたいけど、宿泊する時間がない…」という方も、気軽に立ち寄ることができます。ランチは3日前までの予約が必要なので、ここでの昼食を予定されている方は公式サイトをご確認ください。
■住所:東京都西多摩郡奥多摩町棚澤

■電話番号:0428-83-2152(奥多摩観光協会)

■アクセス:羽田空港より車で約2時間
JR青梅線奥多摩駅より徒歩約5分

駅から徒歩3分!アクセス抜群の氷川渓谷

JR青梅線の終着駅・奥多摩駅は、レトロな駅舎が特徴的で、「関東の駅百選」にも選ばれました。日原鍾乳洞や奥多摩湖の最寄り駅としても知られる、観光に欠かせない駅です。そんな奥多摩駅から徒歩3分ほどの場所にある「氷川渓谷」を紹介します。

駅から3分!氷川渓谷ってどんなところ?

氷川渓谷は、多摩川と日原川の合流地点にある渓谷です。奥多摩駅を出て右手に曲がると、遊歩道の入口までの案内板が立っているので、確認しながら進んでください。遊歩道はしっかりと整備されており、ゆっくり歩いても1時間ほどで巡ることができます。駅から近く遊歩道が整備されていることから、気軽に立ち寄れる渓谷、として有名です。
遊歩道を道なりに進んでいくと、渓谷のひとつ目の見どころ「氷川小橋」が見えてきます。多摩川にはいくつかの吊り橋が架かっていますが、氷川小橋はその中でも特に人気の吊り橋です。氷川小橋はアーチ形の白い吊り橋で、秋の紅葉の時期には紅葉した木々に包まれ、より一層美しく見えます。また、吊り橋は比較的安定感があり幅も広めなので、安心して渡ることができます。吊り橋の上からは渓谷が一望できるので、ぜひ見てみてください。
氷川小橋から5分ほど歩くと、また吊り橋が見えてきます。これは「登計橋」といって、こちらも渓谷内の見どころのひとつです。氷川小橋よりも吊り橋らしく、渡るとグラグラ揺れるので注意してください。それでも橋の中腹部から見る景色は美しく、太陽の位置が低い秋には、日光が水面を照らし、幻想的な風景が見られます。
このほかにも渓谷沿いには飲食店や見どころが多数あります。このうち奥多摩駅から徒歩3分ほどの場所にある「奥多摩ビジターセンター」は、奥多摩の自然にまつわる展示や、周辺の散策マップの配布などを行っています。周辺観光に役立つ情報が手に入りますので、散策の前に立ち寄ることをおすすめします。

自然満喫!氷川キャンプ場

氷川渓谷の自然をもっと満喫したい!という方は、ぜひ「氷川キャンプ場」でのキャンプを楽しんでみてください。氷川キャンプ場は、奥多摩駅から歩いて6分ほどの場所にあります。キャンプ場内には、テントサイトのほか、コンセントや布団を完備したバンガローやロッジがあるので、キャンプ初心者にもおすすめです。
氷川キャンプ場内にあるカフェ「クアラ」では、テントやタープなどキャンプ機材のレンタルのほか、バーベキューやカレーの食材を予約することも可能なので、手ぶらで行ってもキャンプが楽しめます。また、クアラではランチメニューやおしゃれなスイーツの提供も行っているので、氷川渓谷散策の際のランチや休憩にもぴったりです。
■住所:東京都西多摩郡奥多摩町氷川

■電話番号:0428-83-2152(奥多摩観光協会)

■アクセス:羽田空港より車で約1時間40分
JR青梅線奥多摩駅より徒歩約3分

赤黄色の木々が色づく!秋の海沢三滝

奥多摩の御前山、三頭山、大岳山は「奥多摩三山」と呼ばれ、毎年多くの登山客が足を運びます。このうち大岳山は、かつて山岳信仰の対象として崇められ、山頂付近では江戸城守護のための祈願が行われていました。そんな大岳山を源流にする海沢渓谷には、「海沢三滝」があります。

海沢三滝ってどんなところ?海沢四滝とも呼ばれる?

海沢三滝は、「三ツ釜の滝」「ネジレの滝」「大滝」の3つの滝の総称です。この地域一帯は、硬さに違いのある地層で構成されており、その地層のうち柔らかい地層が雨や川の流れによって削られて、海沢三滝を形成しました。海沢三滝を巡るルートは、奥多摩駅から車で20分ほど、徒歩だと1時間30分ほどの場所にある「海沢園地」がスタート地点になります。
海沢園地の入口には、海沢三滝の案内板があるので確認してから進みましょう。その案内板には、「海沢四滝」と書いてありますが、これはなぜでしょう。実は、海沢三滝の上流に「不動の滝」という落差10mの直瀑があるためです。しかし、不動の滝までは歩道が整備されていないので近づくことができません。海沢三滝を巡るコース中にも、急な傾斜や滑りやすい箇所があるので、登山靴を履いて出かけることをおすすめします。
海沢園地をスタートして最初に見えてくるのが三ツ釜の滝です。滝は三段になっており、周辺が開けているので日の光が差し込み、幻想的な情景を作り出しています。そこから歩いてすぐの場所にはネジレの滝があります。名前の通り上と下がねじれているように見えます。最後に見える大滝は、落差20mと海沢三滝の中で一番の大きさを誇ります。荘厳なその姿は、時間を忘れて見とれてしまうほど。水の落ちる音や、鳥のさえずりを聞きながら、姿を楽しんでください。
また、海沢三滝は野鳥や野生のカモシカを間近で見られるほど自然豊かな景勝地です。ただし、自然が豊かなだけに熊の目撃情報が寄せられることも少なくありませんから、熊鈴の準備や熊の目撃情報を調べるなどしてから足を運ぶことをおすすめします。

ファミリー層に人気のアメリカキャンプ村

奥多摩駅から海沢園地までの道中に、「アメリカキャンプ村」というキャンプ場があります。キャンプ場内には、家具・家電つきのバンガローやロッジ、大人も子どもも楽しめるアスレチックや釣り堀などが整備されているので、ファミリー層におすすめです。
キャンプというと、機材の準備が面倒、と感じる方も多いのではないでしょうか。アメリカキャンプ村では、バーベキューセット、カレーセットと言ったような、機材をセットでレンタルできますから、手ぶらで行ってもキャンプが楽しめます。また、バーベキューハウスは屋根付きになっていますので、雨の日でも安心してバーベキューが楽しめます。海沢三滝散策や奥多摩旅行の拠点として、利用してみてはいかがでしょう。
■住所:東京都西多摩郡奥多摩町海澤

■電話番号:0428-83-2152(奥多摩観光協会)

■アクセス:羽田空港より車で約2時間
JR青梅線奥多摩駅より徒歩約1時間30分

東京一の秘境?!払沢の滝

東京都には村がひとつしかありません。その村が西多摩郡に位置する檜原村です。古くは番所が置かれ、江戸と甲州を結ぶ重要な拠点でした。現在では、釣りスポットやキャンプ場が整備され、多くの観光客が訪れます。そんな檜原村にあるのが「払沢(ほっさわ)の滝」です。

秘境の名瀑!払沢の滝ってどんなところ?

檜原村をはじめ、あきる野市や八王子市を流れる秋川は、多摩川最大の支流として知られています。その川沿いには秋川渓谷やキャンプ場など見どころも多く、払沢の滝もそのひとつです。払沢の滝は、あきる野市にあるJR五日市線武蔵五日市駅から、車で20分ほどの場所にあります。
払沢の滝の駐車場は、檜原村役場から車で3分程の場所にありますので、まず檜原村役場を目指しましょう。駐車場から払沢の滝までは、緩やかな傾斜が続く遊歩道を、10分ほど歩かなければなりません。ですが、遊歩道にはウッドチップが敷き詰められているので、スニーカーでも楽に払沢の滝まで向かうことができます。
払沢の滝は4段になっていて、遊歩道から見えるのはその最下段、落差23mの部分です。全長は60mにも及び、東京都で唯一「日本の滝百選」に選ばれています。11月中旬から112月上旬にかけては紅葉が見ごろを迎え、錦の織物を縫うように流れ落ちる滝は、とても幻想的です。
また、滝つぼには大蛇が棲んでいたという伝説が残っています。その幽玄な景観には、「本当に大蛇が棲んでいるのでは?」と感じさせる雰囲気があります。滝つぼへは近づけますが、地元住民の飲料水にもなっているので、川の中へは入らないように注意してください。

払沢の滝周辺のおすすめスポット

払沢の滝を訪れた際は、ぜひ周辺の人気スポットにも足を運んでみてください。まず紹介するのが、払沢の滝駐車場を左手にある雑貨店「森のささやき」です。外観や郵便のマークが施された看板から、「郵便局?」と思ってしまいそうですが、木でつくった食器や雑貨などを販売する土産物店です。建物は1929年に郵便局として建てられたもので、昭和中期頃まで使用されていました。現在の建物は、平成になってからこの場所へ移築したものです。店内で販売している雑貨品は、どれも木のぬくもりあふれる、かわいらしいものばかり。お土産にぴったりです。
また、土日、祝日限定ですが、駐車場から払沢の滝までの遊歩道に「じゃがバーガー」がオープンします。檜原村の特産品であるじゃがいもをバンズにしたもので、メディアにも取り上げられる、檜原村の新名物です。払沢の滝を見学する前の腹ごしらえや、見学後の軽食にいかがでしょう。
■住所:東京都西多摩郡檜原村本宿

■電話番号:042-598-1011(檜原村産業観光課観光商工係)

■アクセス:羽田空港より車で約1時間20分

湖面に映る紅葉は必見!奥多摩湖

奥多摩湖_東京
「奥多摩湖」は、奥多摩を代表する観光スポットです。その美しい景観はもちろん、春には桜、秋には紅葉の名所として、多くの観光客で賑わいます。また、仮面ライダーの第1話のロケ地ともなり、その風景を懐かしむ観光客も多いそう。そんな奥多摩湖の利用目的や、見どころを紹介します。

奥多摩湖ってどんなところ?

東京都と山梨県の県境、奥多摩駅から車で20分ほどの場所に奥多摩湖はあります。奥多摩湖は自然にできた湖ではなく、多摩川に小河内ダムが建設されたことでできた堰止湖です。竣工当時は、水道専用貯水池として世界最大規模の大きさを誇りました。現在、東京都の水源は利根川水系が主ですが、奥多摩湖は渇水時の水瓶として、大きな役割を担っています。
2006年には、その景観や学習の場として地域に親しまれるダム湖であることが認められ、「ダム湖100選」にも選ばれました。その選定理由の通り、奥多摩湖周辺には観光スポットがたくさんあります。
見どころのひとつが、「ドラム缶橋」と呼ばれる浮橋です。奥多摩湖には「麦山浮橋」と「留浦浮橋」の2つドラム缶橋があります。昔はこの浮橋を通って対岸へ渡っていたそうで、名前の通り当時はドラム缶でできていました。現在のドラム缶橋は合成樹脂でできていますが、当時の面影を残すスポットとして人気があります。今でも実際に渡ることができるので、ぜひチャレンジしてみてください。グラグラ揺れる、スリリングな体験が楽しめます。
奥多摩湖の紅葉の見頃は、10月中旬から11月中旬にかけてです。周辺の山々が色づき、その様子が湖面に映る風景は、奥多摩湖を代表する景観と言えます。奥多摩湖沿いには、奥多摩町から檜原村を結ぶ「奥多摩湖周遊道路」が整備されているので、ドライブにもおすすめです。

周辺のおすすめスポットを紹介!

奥多摩湖周辺でおすすめしたいスポットのひとつが、「水と緑のふれあい館」です。ダムの仕組みや周辺の自然を紹介する展示が充実しており、ファミリー層で賑わいます。このスポットでのイチオシは、小河内ダムを模した人気のグルメ「ダムカレー」。メディアやSNSで話題となったダムカレーのひとつで、小河内ダムカレーは先ほど紹介したドラム缶橋などが忠実に再現しています。1日20食限定なので、早めの来店がおすすめです。
もうひとつ紹介したいのが「山のふるさと村」です。山のふるさと村園内には遊歩道やキャンプ場、レストランなどが整備されています。このほか、クラフト教室や親子一緒に参加できるウォーキング、天体観測イベントなどを開催しているので、家族一緒に訪れてみてはいかがでしょう。
■住所:東京都西多摩郡奥多摩町原

■電話番号:0428-83-2152(奥多摩観光協会)

■アクセス:羽田空港より車で約2時間

散策を楽しんで!神宮外苑のいちょう並木

神宮外苑のいちょう並木_東京
神宮外苑のシンボルとも言える、いちょう並木と聖徳記念絵画館。映画やドラマのロケ地としてもよく利用されているので、その姿を目にしたことのある方は多いのではないでしょうか。そんないちょう並木に隠されたエピソードや見どころ、周辺のおすすめスポットを紹介します。

東京都の木に選ばれたイチョウとその秘密

神宮外苑のいちょう並木をはじめ、全国にはイチョウを街路樹として植えている場所が多くあります。また、1966年には東京都の木としてイチョウが選ばれました。これはイチョウ、ケヤキ、ソメイヨシノの中から都民による投票で選ばれたものです。イチョウは、都民の投票で約半数の票を獲得しました。
イチョウは火災に強いと言われています。このことを象徴するのが、浅草寺にあるご神木のイチョウです。戦時中には浅草寺のイチョウの木に焼夷弾が落ちましたが、その猛火からイチョウが境内のお堂を守りました。また、千代田区の大手濠緑地にあるイチョウは関東大震災で一部が焼けましたが焼失はせず、帝都復興のシンボルとして親しまれています。
神宮外苑のイチョウ並木ができたのは、大正時代の1923年のことです。明治神宮内で育てられたイチョウの木から選ばれ、現在では300mの区間に146本のイチョウの木が植えられています。
イチョウの見頃は、例年11月中旬から12月初旬にかけてです。青山通りからイチョウ並木を見ると、丁度真正面に聖徳記念絵画館が見えます。この景色は、青山を代表する景観になっています。また、聖徳記念絵画館側は青山通り側より1mほど下がっているので、立体感を味わいたい方は、聖徳記念絵画館からの眺めも楽しんでみてください。
イチョウ並木が見頃を迎える期間には、「神宮外苑いちょう祭り」が開催されます。11月下旬から12月初旬には、イチョウ並木のライトアップが行われるので、デートにもおすすめです。神宮外苑周辺には出店が並び、大道芸などのイベントも行われます。仕事帰りや休日の散歩に立ち寄ってみてはいかがでしょう。

都心のオアシス!新宿御苑も紅葉が見頃!

「新宿御苑」には、都心のオアシスとして多くの人が訪れます。秋の新宿御苑は、外国風のおしゃれな雰囲気が人気のプラタナス並木、ゆったりと散策が楽しめる日本庭園など、秋になると至る所で紅葉が見頃を迎えます。散策や写真撮影のほか、ピクニックにもぴったりです。
新宿御苑は、先ほど紹介した神宮外苑のイチョウ並木から歩いて15分ほどの場所にあります。道中にはおしゃれなカフェやレストランが多いので、散策の休憩や、料理をテイクアウトして、新宿御苑で食べるのもおすすめです。ただし、新宿御苑はアルコールの持ち込みが禁止されているので注意してください。
■住所:東京都港区1

■電話番号:03-3401-0312(明治神宮外苑)

■アクセス:羽田空港より車で約20分
各線青山一丁目駅より徒歩約5分

師走を迎える街の賑わい!花園神社

徐々に寒くなり、冬の訪れを感じる11月。街路樹の紅葉に包まれた東京都内のいくつかの神社では、夜中まで多くの人々で賑わう酉の市が開催されます。ここで紹介するのは、新宿にある「花園神社」の酉の市。都心部にありアクセスも抜群なので、活気ある江戸の風情を味わいに、訪れてみてはいかがでしょう。

花園神社ってどんなところ?

花園神社は、東京メトロ丸ノ内線、副都心線、都営新宿線の新宿三丁目駅のE2出口からすぐの場所にある神社です。創建ははっきりしていませんが、徳川家康が江戸幕府を開いた1603年以前から、新宿の総鎮守として重要な役割を果たしてきました。元々は現在の伊勢丹新宿店がある場所にありましたが、後に尾張藩の庭の一部に移転します。そこにはたくさんの花が咲いていたことから、「花園稲荷神社」と呼ばれるようになりました。「花園神社」と正式名称が決まったのは、昭和になってからのことです。
また、花園神社は江戸時代の大火で焼失した後、境内に劇場が建てられ、演劇や踊りを興行して人気を博しました。そのため、芸能にまつわる神社としても有名です。境内には末社の「芸能浅間神社」があり、周りには芸能人の名前が書かれた札が掲げられています。人気芸能人の名前が書いてある札も多いので、じっくり見てみるのもおすすめです。

花園神社の酉の市って?

花園神社で人気の行事が、毎年11月の酉の日に行われる「酉の市」です。この「酉」とは十二支の酉のことで、年だけでなく月や日ごとにも決められています。12日に1度酉の日があるため、酉の市は年によって、11月に2度または3度開催されることもあります。1度目の酉の日は「一の酉」、2度目の酉の日は「二の酉」、3度目の酉の日は「三の酉」と呼ばれています。
花園神社の酉の市は、浅草の鷲神社、府中の大國魂神社と並び、「関東三大酉の市」のひとつです。例年60万人以上の参拝客が、「福をかき集める」と言われる熊手を買いに訪れます。酉の市は、1年の無事を報告すると共に翌年の幸せを願う行事で、師走を迎える東京で欠かせない、冬の風物詩です。
花園神社の酉の市の見どころのひとつが、約900の提灯が作り上げる大きな光壁。夜中まで境内を照らし、その荘厳な雰囲気は花園神社を代表する光景です。また、熊手を販売する露店もあたたかみのある白熱灯で照らされており、威勢の良い掛け声と相まって、まるで江戸の街にタイムスリップしたかのような雰囲気が楽しめます。
また、屋台を巡るのも酉の市の醍醐味です。花園神社の酉の市では、定番のお好み焼きやクレープのほか、今ではなかなか見られなくなった見世物小屋など、約200の屋台が出店します。現在、日本で見世物小屋が見られるのはこの花園神社の酉の市と、そのほか1、2箇所のみ。興味のある方は、昭和レトロな独特な体験を楽しんでみてはいかがでしょう。
■住所:東京都新宿区新宿5-17-3

■電話番号:03-3209-5265

■アクセス:羽田空港より車で約30分
各線新宿三丁目駅E2出口より徒歩すぐ

見たことのない風景が東京にもあるかも

東京都で秋におすすめしたい観光スポット8箇所を紹介しました。東京都の外に出かけよう!と考えている方も多いと思いますが、実は都内にも自然豊かなスポットが多く存在しています。
また、秋の風物詩とも言えるスポットも、その歴史や見どころを知ってから訪れれば、また違った楽しみがあるかもしれません。
今年の秋は、東京都の魅力的を再確認する旅に出かけてみませんか?