四国の東部に位置する徳島県。
徳島県には、有名な「鳴門の渦潮」や、手付かずの自然に囲まれた「祖谷のかずら橋」など、壮大な大自然を感じさせる観光スポットが数多くあります。
このほかにも、西洋名画を見事に再現した「大塚国際美術館」や、阿波踊りを1年中楽しめる「阿波おどり会館」など楽しみ方はいろいろ。
また、徳島のソウルフードである、3系統のスープが特徴の「徳島ラーメン」も見逃せません。
豊富な大自然とスタミナ満点なグルメを堪能できる、夏の旅行にぴったりな徳島県のおすすめ観光スポットを紹介します。

ひやっとスリルを味わう!日本三奇橋「祖谷のかずら橋」

祖谷のかずら橋_徳島県
県西部の三好市にある秘境「祖谷」には、「祖谷のかずら橋」という有名な吊り橋があります。
国指定の「重要有形民俗文化財」に指定されており、日本三奇橋のひとつにも数えられています。
手付かずの自然に囲まれた吊り橋は、植物を編み込んで作られており、一歩足を踏み出す度に軋み、ゆらゆらと揺れ、スリル満点なアドベンチャー気分を味わえます。
夏は新緑に囲まれ、眼下には祖谷川の渓流を見下ろすロケーションで、爽やかな涼しさを味わえます。
吊り橋の近くにマイナスイオンたっぷりな「琵琶の滝」もある、夏にぴったりな観光スポットです。

軋んでゆらゆらと揺れる吊り橋はスリル満点!

祖谷のかずら橋は、「シラクチカズラ」という植物を編み込んで作られた原始的な吊り橋です。
植物と聞くと、切れたり落ちたりしないか心配になりますが、現在は頑丈に補強され、3年ごとに架け替えられています。
全長約45m、幅2mの吊り橋は、下を流れる祖谷川の水面から約14mの高さにあります。
吊り橋は、一歩踏み出す度にギシギシと軋み、想像以上にゆらゆらと揺れます。
床面は隙間だらけで、その隙間から見える激流の祖谷川が、いっそう恐怖心をかきたてます。
足がすくんでなかなか前進できない人もいますが、吊り橋の中央で一度落ち着いて辺りを見回してみてください。鮮やかな緑が美しい祖谷の自然が広がり、爽やかな風とともにひとときの涼を感じられます。
スリル満点な吊り橋は、「怖いけどなぜか挑戦したくなる」と、日本国内だけでなく海外からの観光客も訪れます。
吊り橋は、19:00~21:30の間ライトアップされます。
橋を渡ることはできませんが、美しい星空とともに幻想的な吊り橋の景観を楽しめます。

河原へ降りて下から吊り橋を眺めてみよう

吊り橋を渡って1分ほど歩くと、落差50mの「琵琶の滝」が現れます。
かつて平家の落人たちが、都をしのんで滝のそばで琵琶を奏で慰め合ったことから、「琵琶の滝」という名が付いたそうです。
滝周辺はひんやりとしていて、マイナスイオンたっぷり。
吊り橋を渡った緊張もほぐれるので、祖谷のかずら橋とセットで訪れたいスポットです。
滝のそばには遊歩道があり、そこから河原へ降りることができます。
川の流れが激しい場所なので、川遊びには向きませんが、大きな岩に座って祖谷のかずら橋をのんびり眺めるのに最適なスポットです。

橋を渡った後に食べたい!祖谷の名物グルメ「でこまわし」

祖谷のかずら橋周辺には、祖谷の名物「でこまわし」を食べられる屋台や食堂があります。
でこまわしとは、じゃがいもと、そば団子、岩豆腐、丸こんにゃくを竹串に刺し、甘辛い味噌だれをつけて焼いた田楽のことです。
焼く際のこげないようにくるくる回しながら焼く様子が、人形浄瑠璃の「でこ(人形)」に似ていることから、「でこまわし」という名が付いたと伝えられています。
炭火で時間をかけてじっくりと焼いているので、じゃがいもはほっこりとし、香ばしい香りがたまらない一品です。

祖谷のかずら橋

■住所:〒778-0102 徳島県三好市西祖谷山村善徳162-2

■電話番号:0120-404-344(三好市観光案内所)

■営業時間:日の出から日没まで(季節によって変動有)

■料金:大人(中学生以上)550円、小学生350円

■アクセス:
【車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より県道40号→井川池田IC→国道32号線→県道45号→県道32号(所要約2時間)
【バス・電車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)よりリムジンバス徳島空港線「徳島駅前」行き乗車→「徳島駅前」停留所下車→JR剣山7号特急「阿波池田」行き乗車→「阿波池田」駅下車→祖谷線久保乗車→「かずら橋」駅下車→徒歩5分(所要約3時間半)

夏の風物詩!阿波おどりを1年中楽しめる「阿波おどり会館」

徳島の夏の風物詩と言えば、約400年の歴史を持つ伝統芸能「阿波おどり」です。
徳島の阿波おどりは、毎年お盆期間の4日間のみ開催され、毎年130万人ほどの人たちが訪れます。
徳島市にある「阿波おどり会館」では、期間限定の阿波おどりを1年中楽しむことができます。
本格的な阿波おどりをショーとして楽しめるステージがあるほか、踊り子たちの指導のもと阿波おどり体験ができます。
施設には、「阿波おどりミュージアム」というミニ博物館や、徳島市街を一望できる「眉山ロープウェイ」の乗り場もあり、大人から子供まで幅広く楽しむことができます。

歴史と文化を学ぶ「阿波おどりミュージアム」

阿波おどりミュージアムは、阿波おどり会館の3階にあるミニ博物館で、阿波おどりの歴史や文化を学べます。
ここで事前に知識を深めておくと、阿波おどりの鑑賞がいっそう楽しいものになります。
踊りに使われる衣装や小道具のほか、昔と現在の楽器や写真が展示されており、阿波おどりの変遷を詳しく知ることができます。
阿波おどりの様子を再現したジオラマや、夏の阿波おどり本番の臨場感を味わえる「阿波おどりVR」疑似体験コーナーも必見です。

体験もできる!阿波おどりを鑑賞しよう

阿波おどり会館では、2階にある「阿波おどりホール」で1年中阿波おどりを鑑賞できます。
本格的な阿波おどりを楽しめるステージは、昼と夜の公演に分かれています。
昼の公演は、阿波おどり会館の専属の連(グループ)が出演し、時代の変遷とともに変化してきた踊りを披露します。
踊りの説明もあるので、初めて阿波おどりを観る方は、昼の公演がおすすめです。
夜の公演は、有名な33連が毎日交代で出演し、それぞれの連が持つ特色を前面に押し出した阿波おどりを披露します。
どちらの公演も、最後に「阿波おどり体験コーナー」が設けられており、踊り子たちの指導のもと本場の阿波おどりを体験できます。
楽しそうに踊っていた方には表彰されますので、一所懸命楽しく踊りましょう。

徳島市街を一望できる「眉山ロープウェイ」

阿波おどり会館の5階は、阿波おどり会館と眉山山頂を結ぶ「眉山ロープウェイ山麓駅」になっています。
約6分間の空中散歩では、緑が美しい眉山の自然と徳島市の町並みを一望できます。
眉山山頂からは、大鳴門や橋吉野川はもちろん、天気が良ければ淡路島や紀伊半島まで見渡せます。
夜は夜景スポットとして人気で、星を散りばめたような幻想的な夜景を楽しめます。


阿波おどり会館

■住所:〒770-0904 徳島県徳島市新町橋2丁目20番地

■電話番号:088-611-1611

■営業時間:9:00~21:00

■入場料:
昼のおどり入場料:大人800円、小・中学生400円
夜のおどり入場料:大人1,000円、小・中学生500円
阿波おどりミュージアム入場料:大人300円、中学生以下無料
阿波おどりミュージアム入場料:大人300円、中学生以下無料
眉山ロープウェイ:大人(中学生以上)片道620円・往復1,030円、小学生片道300円・往復510円

■アクセス:
【車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より県道40号線→国道11号線→国道438号線(所要約25分)
【バス利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)よりリムジンバス徳島空港線「徳島駅前」行き乗車→「徳島駅前」停留所下車→徒歩10分(所要約40分)

自然がつくりだす絶景!世界三大潮流「鳴門の渦潮」

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徳島の名物「鳴門の渦潮」は、徳島県鳴門市と淡路島の間にある鳴門海峡で、瀬戸内海を出入りする激しい潮流によって大きな渦ができる自然現象です。
鳴門海峡の潮流はイタリアのメッシーナ海峡、カナダのセイモア海峡とならんで「世界三大潮流」のひとつに数えられており、最大30mに達する渦は、世界最大規模と言われています。
大鳴門橋にある「渦の道」では、ガラス張りの床から渦潮を覗き込むことが可能です。
船に乗って間近で渦潮を観察できる「観潮船」も人気で、渦潮を楽しめるスポットが充実しています。

ガラス張りの床から渦潮を覗き込む!「渦の道」

四国と淡路島を結ぶ大鳴門橋には、「渦の道」という海上遊歩道があります。
この遊歩道では、450m先の展望室まで鳴門海峡の景色を眺めながら、海上散歩を楽しむことができます。
散歩を無理なく楽しむために、遊歩道の途中には4か所の休憩所が設けられています。
約15分程度で到着する展望室には、渦潮を覗き込むことができるガラス張りの床が設けられています。
約45mの高さからガラス越しに見える渦潮は、迫力満点です。
そのほかにも太平洋や瀬戸内海を眺めることができるスペースや、無料の望遠鏡もあるので、雄大な風景を思う存分楽しめます。
遊歩道には屋根が付いているので、天候に左右されず気軽に渦潮を見てみたいという方におすすめです。

迫力満点な渦潮を間近で観察!「観潮船」

渦潮の迫力を間近で感じたい方は、観潮船に乗ってみてください。
観潮船は、渦潮を真上から観察できる「わんだーなると」と、水中から観察できる「アクアエディ」の2タイプがあります。
わんだーなるとは、大型観潮船でクルーズ気分を味わいながら渦潮の真上まで接近し、間近から渦潮を観察できます。
船は2階まであり、2階の展望デッキからの眺めは格別です。
定員399名の大型船なので揺れが少ないため、船酔いしやすい方におすすめです。
アクアエディは、小型水中観潮船で渦潮まで接近し、水面下1mの海中展望室から渦潮の様子が観察できます。
水中の竜巻のような姿をした渦潮は、上から見る渦潮とはまったく違う迫力満点の姿を見せます。
水中だけでなく、船上からも渦潮を観察できるので、両方の視点から渦潮を楽しめます。


大鳴門橋遊歩道「渦の道」

■住所:〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町

■電話番号:088-683-6262(鳴門市うずしお観光協会)

■営業時間:9:00~18:00(季節によって変動有)

■料金:大人 510円、中・高生 410円、小学生 250円

■アクセス:
【車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より県道40号線→国道28号線(所要約25分)
【バス利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より徳島バス「鳴門公園」行き乗車→「鳴門公園」停留所下車→徒歩5分(所要約30分)

西洋名画を見事に再現!「大塚国際美術館」

世界的にも珍しい展示物のある「大塚国際美術館」は、私立美術館の中で国内最大級の広さを誇ります。
館内には、世界26か国の美術館が所蔵する1000点以上の西洋名画が、「陶板画」(陶器の板に図柄を描き焼き付けたもの)で原寸大に再現されています。
陶板画は、劣化や退色がなく、約2,000年以上にわたってそのままの色と形で残ると言われています。
絵画だけではなく、教会や聖堂などの空間をまるごと再現した「環境展示」は圧巻の大スケールで、現地に赴いたような気分を味わえます。
館内の全作品は、触れたり、写真撮影をしたりすることが可能で、他の美術館とは違った珍しい体験ができます。
人気観光スポットである大鳴門橋から近いので、鳴門の渦潮と併せての観光にもおすすめです。

西洋名画1000点以上を陶板で完全再現

大塚国際美術館は、地下3階から地上2階の5フロアに及びます。
地下3階 の「古代」「中世」から始まり、階が上がるごとに「ルネサンス」「バロック」「近代」「現代」と歴史が進んでいく展示方法が採られています。
館内には、レオナルド・ダ・ヴィンチ の『最後の晩餐』やゴッホの『ヒマワリ』など、1000点以上の有名西洋画が陶板画で再現されています。
陶板名画は、実物の欠けている部分や細かいヒビまで忠実に再現されています。
鑑賞ルートは歩くだけで約4kmになるので、歩きやすい靴を履いて周るのをおすすめします。

美術館では珍しい!作品に触れて写真撮影も可能

一般的な美術館は、作品に触れることはもちろん、写真撮影も禁止されていることが多いのですが、大塚国際美術館に展示したある名画は陶板画であることから、館内の全作品に触れることも、写真撮影することもできるので、美術館としては珍しい体験ができます。
陶板名画は、厚みやヒビなど原画の全てが忠実に再現されているので、触れることで重ね塗りの質感を楽しめます。
写真撮影は、作品単体を撮るだけでなく、お気に入りの名画と自分の姿を一緒に写真に収めることができます。
美術館内には、写真撮影スポットがたくさんあり、作品になりきって写真撮影ができるコーナーもあります。
フェルメール『真珠の耳飾りの少女』変身コーナーでは、イヤリングとターバンを付けて額縁に入って記念写真ができます。

屋外で鑑賞するモネの『大睡蓮』は夏がおすすめ

大塚国際美術館では、日本でも人気が高いフランスを代表する画家「モネ」の絵画を複数見ることができます。
中でも、モネの『大睡蓮』は、「自然光の下で見てもらいたい」というモネの願いを叶えるため、屋外に展示されています。
絵画の周りには池があり、色とりどりの睡蓮が植えられています。
池の睡蓮が咲き始めるのは6月頃で、夏に見頃を迎えます。
モネが咲かせるのを夢見たという青い睡蓮もあります。
光によって表情を変える絵画『大睡蓮』と、本物の睡蓮の花を同時に楽しめる屋外展示は、夢のような空間です。


大塚国際美術館

■住所:〒772-0053 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦福池65-1

■電話番号:088-687-3737

■営業時間:9:30~17:00

■料金:大人3,240円、大学生2,160円、小中高生540円

■アクセス:
【車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より県道40号線→国道28号線(所要約25分)
【バス利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より徳島バス「鳴門公園」行き乗車→「大塚国際美術館前」停留所下車すぐ(所要約30分)

暑い夏にぴったり!スタミナ満点「徳島ラーメン」

徳島の人気グルメと言えば、夏に食べたいスタミナ満点な「徳島ラーメン」です。
地元では「中華そば」や「志那そば」とも呼ばれています。
白・茶・黄の三系統に分けられるスープが特徴で、それぞれ独特の味わいがあります。
同系統のラーメンでも、お店によってダシのベースが異なるため、様々なタイプのラーメンを楽しめます。

徳島ラーメンのスープは3系統

徳島ラーメンの特徴は、スープの味が濃く、甘みが強いのが特徴です。
まろやか豚骨の「白系」、こってり豚骨醤油の「茶系」、鶏ガラあっさりの「黄系」の3系統に分かれています。
白系は、豚骨スープに白醤油や薄口醤油などで味付けした、豚骨ラーメンの味に近いスープです。
茶系は、甘辛味のバラ肉を豚骨醤油やたまり醤油で味付けした、こってり好きにはたまらないスープで、生卵をトッピングして食べる人が多いようです。
黄系は、鶏ガラや野菜などを使用し、薄口醤油などを加えた、あっさりで上品な味わいで女性に人気です。
ラーメンにトッピングしてあるチャーシューは、甘めで濃口な味付けがしてあります。
徳島には、徳島ラーメンを提供するお店が数多くあるので、それぞれの系統を食べ比べして、お気に入りを見つけるのも良いかもしれません。

徳島ラーメンブームの火付け役「いのたに」

徳島ラーメンの人気店「いのたに」は、創業50年を超える老舗店です。
1999年に新横浜ラーメン博物館に出店し、徳島ラーメンの知名度を一気に全国に広げた、いわば徳島ラーメン界のパイオニアです。
いのたにのメニューは、中華そば肉入り(大盛・中盛)、中華そば(大盛・中盛)、ライス、生卵、メンマとシンプルです。
自家製麺は細めのストレートで、スープは豚骨醤油の「茶系」で、豚骨スープに野菜や煮干しといった他店とは少し異なる素材を使用しています。
見た目はかなりこってりしているように見えますが、しっかりとした味でありながら、見た目とは違いさっぱりとしています。


中華そば「いのたに」

■住所:〒770-0903 徳島県徳島市西大工町4丁目25

■電話番号:088-653-1482

■営業時間:10:30~17:00(売切れ次第終了)

■定休日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)

■アクセス:
【車利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)より県道40号線→国道11号線/国道28号線→国道192号線/国道318号線(所要約25分)
【バス利用】徳島阿波おどり空港(徳島空港)よりリムジンバス徳島空港線「徳島駅前」行き乗車→「徳島駅前」停留所下車→徒歩10分(所要約40分)

まとめ

徳島県の夏のおすすめ観光スポットを紹介させていただきました。
徳島県と言えば「阿波おどり」や「鳴門の渦潮」が全国的に有名ですが、大自然の絶景を楽しみながら渡るスリル満点な吊り橋や、海外を訪れたような気分になる美術館など、他にも魅力あふれる観光スポットがたくさんあります。
夏に最適な徳島県の観光スポットを満喫して、夏を思う存分楽しみましょう。