東北地方の太平洋に面して位置する岩手県は、海、山、川に恵まれ四季折々の情景が楽しめる自然の宝庫!緑豊かな夏の季節は、川下りや三陸海岸クルーズ、日本屈指の鍾乳洞での納涼体験などなど、楽しみが盛りだくさんです。
一人旅からカップル、家族旅行まで、岩手県の自然を満喫できる、夏におすすめの絶景、観光スポットを厳選して9つ紹介します。
世界に誇る名水が湧き出るパワースポット、龍泉洞
宇霊羅山の山麓にある龍泉洞は、日本三大鍾乳洞の一つとして知られる人気の観光スポットです。洞窟内に一歩足を踏み入れると、そこには長い年月をかけて形成された鍾乳石が連なる、幻想的な風景が広がっています。
世界有数の透明度を誇る龍泉洞から湧き出る水は、周辺地域で生活用水として使用されている他、販売もされています。
洞窟の入口から出口まで13のスポットを巡る観光ルートでは、湧水の源泉である、青く澄んだ神秘的な地底湖を見学することができます。全長は5000m程と推測されているものの、現在公開されているのは700m、未開の部分が多く全貌は謎のままです。
洞内に生息する5種類の蝙蝠は、洞窟とともに国の天然記念物に指定されています。
洞窟内の見どころの一つ「月宮殿」では、重なった岩がハートに見えると話題となっています。そんなロマンティックなスポットのある龍泉洞は、平成26年に恋人の聖地として認定されました。家族旅行だけでなく、カップルでの旅行にもぜひ訪れたい場所の一つです。
川を挟んで龍泉洞の向かいにある、世界初の自然洞穴科学館「龍泉新洞科学館」へは、龍泉洞と共通のチケットで入館できます。
龍泉洞事務所 | |
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住所 | 〒027-0501 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1番地1 |
電話番号 | TEL:0194-22-2566FAX:0194-22-5005 |
営業時間 | 大人・高校生1100円 小中学生550円 その他団体料金あり |
URL | http://www.iwate-ryusendo.jp/ |
アクセス | 盛岡駅からJRバスで約110分 花巻空港から車で約150分 |
手つかずの自然の美しさに魅了される、鵜の巣断崖
作家吉村昭の太宰治賞受賞作「星への旅」の舞台となった鵜の巣断崖は、下閉伊郡田野畑に位置した手つかずの自然が残る景勝地です。200mもの高さの断崖が5層に連なる光景は、迫力満点。鮮やかな森の緑と、眼下に広がるマリンブルーのコントラストの美さに、思わず目を奪われます。
断崖の中腹では、名前の由来となっているウミウやミサゴの営巣地を見ることができます。
駐車場からは、足にやさしいウッドチップが敷き詰められた遊歩道が続きます。潮風が心地よく緑豊かな夏は、ゆったり散策しながら森林浴を楽しむのもおすすめです。
6月から8月にはヤマセと呼ばれる冷たく湿った風の影響で断崖に濃霧がかかり、視界が遮られることがありますが、その光景もまた幻想的で、多くの旅人を魅了しています。
鵜の巣断崖 田野畑村総合観光案内所 |
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住所 |
〒028-8405 岩手県下閉伊郡田野畑村真木沢 |
電話番号 | TEL / FAX:0194-33-3248 |
営業時間 | 9:00〜17:00 |
料金 | 無料 |
URL | https://www.vill.tanohata.iwate.jp/kankou/info/information.html |
アクセス | 田野畑駅から乗り合いタクシーで約30分 いわて花巻空港から車で約3時間 |
まさに極楽浄土の景勝、浄土ヶ浜
浄土ヶ浜は、国の名勝にも指定されている、三陸を代表する景勝地です。海の青さを際立たせる白い岩と小石は、約5200万年前に形成された火山岩でできています。外海と隔てられた穏やかな入り江は、海の青さと岩の白さに、赤松などの常緑樹の鮮やかな緑が加わって、さながら日本庭園のような美しさ。
浄土ヶ浜の名前の由来は、この光景に感嘆した宮古山常安寺七世の霊鏡竜湖が、「さながら極楽浄土のごとし」と言ったことからといわれています。夏
には、入り江で海水浴を楽しむ人たちで賑わいます。透明度が高く、波の穏やかな海水浴場は、「日本の水浴場88選」「快水浴場百選」「日本の渚百選」などにも選ばれています。
海側からは、「剣の山」、「賽の河原」、「血の池」などと呼ばれる、太平洋の荒波に浸食された岩塊の景観を見ることができます。中でも「八戸穴」は青の洞窟とも呼ばれ、入り口から差し込む太陽光に、青く輝く透き通った海水が織りなす光景は、見ることができれば願い事が叶うという噂もあるほど神秘的。青の洞窟や各ポイントへは、「浄土ヶ浜マリンハウス」のさっぱ船遊覧で巡ることができます。(3月下旬~11月下旬のみ営業)
浄土ヶ浜 産業振興部観光課 |
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住所 | 宮古市日立浜町32番地ほか |
電話番号 | 電話: 0193-62-2111ファックス: 0193-63-9120 |
URL | https://www.city.miyako.iwate.jp/kanko/jyoudogahama.html |
アクセス | JR宮古駅から車で10分 第1〜4駐車場から徒歩10〜20分 JR宮古駅からバス(奥浄土ヶ浜行)で20分 バス停奥浄土ヶ浜下車すぐ いわて花巻空港から車で約140分 |
心地よい風を感じながら舟下りを楽しむ、猊鼻渓
日本で唯一、船頭の竿一本で操舵する舟下りで有名な猊鼻渓は、日本百景の一つに数えられています。しかし、その歴史は意外に浅く、名勝指定されたのは1925年、大正時代のことでした。明治以前は全くの秘境で、近隣に住む村人でもその存在を知らない人が少なくなかったとか。
秘境の名にふさわしく、約2㎞にわたる渓谷の両岸には、50m以上の高さの断崖が続き、至る所にある奇岩の数々が、げいび追分で唄われる「世にも稀なる」景色を創り出しています。
猊鼻渓名物の舟下りでは、個性豊かな船頭さんの案内で、ゆったりと壮大な風景を堪能することができます。折り返し地点の三好が丘では、運試しに挑戦!「福」「縁」「寿」「愛」「願」「運」「恋」「絆」「禄」「財」の中から好きな運玉を選び、岩場の穴に上手く投げ入れることができれば、願いが叶う…かもしれません。
約90分の船旅のクライマックスは、船頭さんが唄う「げいび追分」。渓谷に響き渡る歌声が、旅情を盛り上げてくれます。
猊鼻渓 (有)げいび観光センター |
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住所 | 岩手県一関市東山町長坂字町467 |
電話番号 | TEL.0191-47-2341 FAX.0191-47-3288 |
営業時間 | 時期により変動 |
料金 | 大人1800円 小学生900円 幼児200円 |
URL | http://www.geibikei.co.jp/ |
アクセス | ノ関駅乗り換えJR大船渡線・猊鼻渓駅下車徒歩5分 いわて花巻空港から車で約60分 |
眼下に広がる釜石湾のパノラマ、釜石大観音
釜石湾を一望できる高台にそびえ立つ釜石大観音は、高さ48.5mの白亜の魚籃観音像です。幽界(死後の世界)、明界(現世)の平和を記念して、昭和45年に建立されました。
魚籃観音は、法華経を広めるために、観音大士の化身が魚かごを下げた美しい娘の姿で現れたという、中国唐時代の逸話に出てくる「三十三観音」の一つで、御手に魚を抱えた姿が特徴です。大観音の中は、1階から12階までのフロアで構成されていて、2階から11階には木彫りの七福神が祀られています。「七難即滅・七福即生」、すなわち七つの厄災を除き、七つの幸福を授かるといわれる胎内巡り「七福神参拝」に、ぜひチャレンジしてみてください。11階、12階の展望台へ昇ると、海抜120mからの絶景が目の前に広がります。
また、釜石大観音は、2016年6月に「恋人の聖地」として選定されました。大きなハートのモニュメントと願いの鐘は、恋愛成就の新なパワースポットとして人気を集めています。
釜石大観音 | |
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住所 | 岩手県釜石市大平町3-9-1 |
電話番号 | TEL 0193-24-2125FAX 0193-22-0724 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
料金 | 大人500円 中・高生300円 小学生100円 |
URL | http://kamaishi-daikannon.com/ |
アクセス | 電車:新花巻駅から釜石経由で約130分 いわて花巻空港から車で約1時間30分 |
日本有数の洞内滝が見どころ、滝観洞
岩手県東南部の住田町にある滝観洞は、大理石でできた鍾乳洞です。
これまでの調査では、総延長3,635m、高低差115mという所まで確認されていて、その内の880mが一般公開されています。公開部分の一番奥まで進むと、日本有数の洞内滝が流れる、高さ60m、周囲50mの洞窟ドームに行き当たります。天井の大理石の裂け目からダイナミックに流れ落ちる「天の岩戸の滝」の落差は29mあり、洞内の滝としては、国内第3位の落差を誇ります。足下や壁には海洋生物の化石が見られ、かつてここが海底であったことを表しています。自然のままの姿が残り、神秘的なムードのある洞内は、昭和52年に公開された映画「八つ墓村」のロケ地にもなりました。観光地としての華やかさはあまりありませんが、ちょっとした冒険気分を味わえる、穴場スポットとなっています。
滝観洞観光センター食堂では、4月から10月まで、竹筒から流れる名物「滝流しそば」を楽しむことができます。また、通年提供できる新名物として「洞窟カレー」も登場!雑穀米の中に柔らかく煮込んだ豚肉のブロックが隠されていて、天の岩戸の滝までの洞内巡りのワクワク感が表現されています。
滝観洞 | |
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住所 | 岩手県気仙郡住田町上有住字土倉298-81 |
電話番号 | 0192-48-2756 |
営業時間 | 8:30~16:30 11月から2月は土日祝日のみ |
料金 | 入洞料/大人1,100円、小・中学生700円、幼児無料 |
URL | https://www.town.sumita.iwate.jp/kanko/rokando.html |
アクセス | JR釜石線上有住駅から徒歩3分 いわて花巻空港から釜石自動車道経由で約60分 |
伊達政宗も愛した絶景、厳美渓と名物「空飛ぶだんご」
岩手県の南の玄関口、一関にある厳美渓は、古くから多くの人を魅了している景勝地です。
戦国時代の大名、伊達政宗も賛美したとされるその絶景は、昭和2年に国の名勝、天然記念物に指定されました。渓谷は2㎞にわたっており、奇岩や瀑布などのダイナミックな景観と、荒々しく流れる上流域、ゆったりとした下流域など変化に富んだ表情を見せてくれます。
特にポットホールとも呼ばれる甌穴は、水流の勢いで回転した砂や小石が岩石を削って円形の穴を開ける大変珍しい現象で、地質学上でも貴重とされています。
四季折々に違った自然美を楽しめる厳美渓。とりわけ夏は、木々の緑と涼しげな渓流のせせらぎの音に心が癒されます。
のんびりと散策をした後は、「空飛ぶだんご」として有名な、名物「郭公(かっこう)だんご」をいただきながら一休み。籠に代金を入れて木槌で板を鳴らして合図をすると、代金が入った籠と引き換えに、渓谷の対岸からワイヤーロープ伝いにだんごとお茶が入った籠が”運ばれてきます。このユニークなシステムと、たっぷり入ったお茶をこぼさずに届ける神業は必見です。
郭公だんごを提供する「郭公屋」は、明治11年創業の老舗のだんご屋さん。お店の名前は、創業者の千葉酉吉が鳥のかっこうの物まねが得意だったことに由来しているそう。また、この辺りは昔「五串村」と呼ばれていたことから、だんごが5つ串に刺さっています。
あん・ごま・みたらしの3本セットで400円です。
厳美渓 | |
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住所 | 〒021-0101 岩手県一関市厳美町滝ノ上地内 |
電話番号 | 0191-21-2111(一関市役所商業観光課) |
料金 | 無料 |
URL | http://genbi.ftw.jp/u10131.html |
アクセス | 一ノ関からバスで約20分 厳美峡バス停下車 いわて花巻空港から車で約60分(東北自動車道一関IC経由) |
郭公屋 | |
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住所 | 岩手県一関市厳美町字滝ノ上211 |
電話番号 | 0191-29-2031 |
営業時間 | 9:00~16:00 ※冬季休業 |
料金 | かっこうだんご 3本400円 |
高山植物や野鳥が楽しめる人気スポット、八幡平
八幡平は岩手と秋田の県境に位置し、雄大な自然を満喫できる人気の観光地です。標高は1624m、約100万年前に噴出したいくつかの火山で成り立っています。
八幡平を横断するアスピーテラインは、壮大な自然の景観を鑑賞しながら気持ちのいいドライブができる、八幡平から秋田県の八幡平トロコ温泉まで伸びる約27㎞のドライブウェイです。県境にある駐車場から八幡平頂上までは、整備された遊歩道を歩いて約20分。
可憐に咲く高山植物の花畑や、樹林の美しい緑、約6千年前の火口にできた湖沼を眺めながらのんびり散策すれば、可愛い野鳥にも出会えるかも。
八幡平のシンボルとなっている湖沼の中で一番大きい八幡沼の周囲では、夏から初秋にかけてニッコウキスゲ、コバイケイソウ、チングルマ、ワタスゲといった高山植物が、移り行く季節とともに順に咲いていきます。八幡平三大展望地の一つ源太森展望台から、八幡沼と周辺の美しい眺望を見渡すことができます。
八幡平観光協会 | |
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住所 | 〒028-7303 岩手県八幡平市柏台一丁目28番地 |
電話番号 | TEL.0195-78-3500 FAX.0195-78-3838 |
URL | https://www.hachimantai.or.jp/index.html |
アクセス | 盛岡駅より岩手県北バス八幡平山頂行約110分 いわて花巻空港から車で約52分 |
宮沢賢治の世界に浸る蒸気機関車の旅、SL銀河
鉄道ファンでなくても、一度は体験してみたい蒸気機関車の旅。
SL銀河は、昭和15年から昭和47年まで岩手県内で活躍していたC58形蒸気機関車239号機を、観光列車として復元したものです。「銀河鉄道の夜」をテーマに、車体から内装に至るまで、あらゆるところに宮沢賢治の世界観が表現されています。
連結される4つの客車には、夜から朝へと空が明けていく様子を、トーンの異なる8色の青のグラデーションが施されており、そこに「銀河鉄道の夜」に登場する星座や動物たちが描かれています。車内は4つのテーマに分けられた宮沢賢治のギャラリーになっていて、1号車には列車では世界初の光学式プラネタリウムが設置されており、オリジナルプログラムが鑑賞できます。
ほかにも、コンシェルジュによる宮沢賢治の作品の朗読や、短編「鹿踊りのはじまり」のモチーフとなった鹿踊りの披露など、宮沢賢治の世界観にどっぷり浸れる仕掛けが盛りだくさんです。車窓には、宮沢賢治が愛した岩手県の大自然の風景が広がります。
宮沢賢治が生きた時代に思いを馳せながら、ここでしかできない列車の旅を体験してみてはいかがでしょうか。
SL銀河(JR東日本) | |
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営業時間 | 花巻発 10:37 釜石駅発 10:58 運行日は土日中心 冬季運休 |
料金 | 全席指定 乗車料金の他に指定席券が必要 指定席券は乗車日の1か月前から発売 |
URL | https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/galaxysl.html |
アクセス | 東北本線花巻空港駅から花巻駅まで約5分 いわて花巻空港から花巻駅までタクシーで約10分 |