四国地方にある愛媛県は、温暖な気候の瀬戸内海側と、寒さが厳しい宇和海側の2つの気候を体感できる場所です。それだけに場所によっては、大雪が降る地域もあり南国らしからぬ体験ができます。
そんな愛媛県で、冬だからこそおすすめしたい選りすぐりの観光スポットを7つ紹介します。
幻想的な風景に出会えるスピリチュアルスポット・石鎚山
愛媛県にある石鎚山は、古くから山岳信仰の場であり石鎚神社、極楽寺などの神社仏閣があるスピリチュアルスポットです。富士山や、立山などとともに日本七霊山にも選ばれている霊験あらたかな山で、合計4つの鎖場がある険しい登山道を利用して山頂を目指します。その他にもロープウェイやリフトを利用しても山頂には行くことができるため、幅広い年齢の方が訪れることができる観光スポットです。そんな石鎚山では年間を通して様々なアクティビティを楽しむことができます。
その中の1つに、通年開催している星空観察「石鎚山スターナイトツアー」があります。このツアーは、西条自然学校のスタッフによるガイドとともに標高1300mの場所にあるピクニック園地から、夜景や星空を見るイベントです。ピクニック園地までは、ツアー開催日に特別夜間運行されるロープウェイを使って行けるので、気軽に参加することができます。
石鎚山スターナイトツアーに最適な季節は、空気が乾燥し星のきらめきが見えやすい冬です。冬は他の季節よりも澄んだ幻想的な夜空を見ることができます。
そのほか、冬の石鎚山ではスキー場がオープンしたり、スノーシュー体験ツアーが開催されたりと、様々なウィンタースポーツを楽しめます。毎年開催される雪の祭典「スノーカーニバル」は、親子で参加できる宝探しやそり競争に加え、大鍋料理が用意されます。雪山で食べる愛媛の味覚は、忘れることができない旅行の思い出となることでしょう。
【住所】〒793-0215 愛媛県西条市西之川下谷甲81番地
【電話番号】0897-59-0331
【営業時間】元旦4:00~17:00/11月4日~ 12月8:40 ~ 17:00*12月下旬~3月上旬スキー場オープン中はスキー場営業時間に準じる
【空港からのアクセス】松山空港から車で約1時間40分
愛媛の冬の銘菓と文学を堪能できる「坂の上の雲ミュージアム」
南国の愛媛県とはいえ、冬は肌寒くなります。この時期の旅行におすすめなのが天候に関係なく見学できる「坂の上の雲ミュージアム」です。建物の設計は日本を代表する建築家の安藤忠雄さんによるもので、ミュージアム周辺の自然を活かした外観が目を惹きます。
館内は、地下1階から地上4階まで緩やかなスロープでつながっていて、車椅子やベビーカーでも楽にアクセスができるのも特徴です。
坂の上の雲ミュージアムは、司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」に関連するミュージアムです。館内では、小説の登場人物でもあり松山にゆかりのある3名・正岡子規・秋山好古・真之と、明治期の日本が常設展示や企画展示で紹介されています。見学にかかる時間は、およそ1時間から1時間半ほどで、小説の時代背景などを学ぶことができます。
2Fには、無料のライブラリースペースとカフェがあります。カフェには、愛媛県の特産品のみかんやゆずを使ったドリンクや銘菓が用意されています。なかでも、おすすめなのが季節ごとに提供されるお菓子が変わる「ミュージアムセット」です。冬の愛媛の銘菓として何が用意されるのか、ワクワクするひと時となるでしょう。ライブラリースペース、とミュージアムカフェからは、松山の町並みを眺めることができるようになっており、小休憩にぴったりです。
また、館内にはミュージアムショップがあり、ここでしか購入することができないミュージアムグッズ「司馬遼太郎マグネット」(5種類)や、小説の登場人物のキーホルダー、クリアファイルなどを販売していて、来館記念のお土産選びを楽しめます。
【住所】〒790-0001 愛媛県松山市一番町三丁目20番地
【電話番号】089-915-2600
【営業時間】9:00~18:30
【空港からのアクセス】松山空港からリムジンバス道後温泉行き利用し一番町下車徒歩2分(全行程所要時間約20分)
冬の自然美・氷瀑で神秘体験「白猪の滝」
白猪の滝(しらいのたき)は、皿ヶ嶺連峰県立自然公園(さらがみねれんぽうけんりつしぜんこうえん)内にある滝です。松山空港から車で1時間ほどの場所にあり、滝見台や駐車場、トイレなどが完備しており、渓谷美を気軽に眺めることができる観光スポットです。古くから景勝地として知られている場所で、明治の文豪で愛媛県にゆかりのある夏目漱石や、正岡子規なども訪れたことがあると記録に残っていることから、多くの人に愛されていることがうかがい知れます。
公園内には滝つぼまで行くことができる遊歩道も整備されており、森林浴、バードウォッチング、トレッキングなどをしながら、自然と触れ合うことができます。
毎年文化の日には「白猪の滝まつり」が開催されます。この祭りの開催時期は紅葉が見ごろの時期と重なっており、多くの人が訪れにぎわいます。祭り会場となる白猪の滝農村公園では、無料のおにぎり、餅まき、地域の小学校児童による和太鼓のパフォーマンスなど様々なイベントが催され、訪れた人々をもてなしてくれます。
白猪の滝は、どの季節に訪れても趣のある風景を見ることができる場所です。なかでも冬の風景は別格で、落差96mの滝が凍って氷の彫刻のようになる自然現象「氷瀑」を見ることができます。滝が凍結するという神秘的な光景は、昼間の気温が数日間に渡り5度以下となる1月から2月の時期に見ることができます。ぜひ、このようなレアな体験をしに、冬の白猪の滝へ観光に行ってみましょう。
【住所】〒791-0321 愛媛県東温市河之内
【電話番号】089-964-4414東温市役所 産業創出課
【営業時間】年中無休
【空港からのアクセス】松山空港から車で約1時間。東温市内からは車や路線バスで約30
寒い季節にぴったり日本最古の温泉「道後温泉」でほっこり
気温が下がる冬は、温泉を楽しむのに適した季節です。そんな時期に愛媛県への旅行を計画するなら、松山市にある全国的に有名な観光名所「道後温泉」を訪れてみましょう。
兵庫の有馬温泉、和歌山の白浜温泉と並ぶ日本最古の温泉というだけでなく、英語教師として松山に赴任していた夏目漱石が、小説「坊っちゃん」に描いたことでも有名で、文豪ゆかりの地として多くの観光客が訪れる名湯です。
そんな道後温泉の魅力の1つが、18本の温度の異なる源泉を掛け合わした無加温・無加水の「源泉かけ流し」の温泉に入浴できるということです。
道後温泉には、1894年に竣工した本館を筆頭に、2017年にオープンした飛鳥時代の建築様式を模した別館・飛鳥乃温泉と、1953年に建設された椿の湯のそれぞれ趣の異なる3つの温泉施設があます。
木造3階建ての本館には、円形の湯釜のある「神の湯」や国内唯一の皇室専用の浴室がある「又神殿・霊の湯棟」といった魅力的な施設があるほか、建物そのものにも、唐破風の装飾や入母屋造りの屋根など歴史的な建造物としての価値があります。また、「残したい日本の音風景100選」に選ばれている振鷺閣の刻太鼓は、本館三層楼部分にあり、夜になると赤く光る振鷺閣のギヤマンガラスの窓は温泉街の風物となっています。
湯上がり後には、茶菓子や瓶入り牛乳などを飲んだり、迷路のような建物内部を見学したりして過ごすことができます。売店では、オリジナルフェイスタオル、みかん石けんなどを取り扱っていますので、愛媛県らしいお土産選ぶことができる観光名所としてもおすすめです。
*現在保存修理のため本館の施設は、「神の湯」の入浴以外利用できません。詳しくは公式サイトで確認してください。
【住所】〒790-0842 愛媛県松山市道後湯之町5番6号
【電話番号】089-921-5141(代表)
【営業時間】6:00?23:00
【空港からのアクセス】松山空港リムジンバス道後温泉駅前行きで約40分
冬の風物詩・飛来するオシドリを観察できる「鹿野川湖」
愛媛県大洲市にある鹿野川湖(かのがわこ)は、鹿野川ダム建設によってできた人造湖です。釣りが好きな人の間では、バスフィッシングのメッカとして有名ですが、そのほかにも、ボート競技が開催されるなどイベントも開催されるので、多くの人に利用されている湖です。
鹿野川湖畔上流の梅ノ木公園では、春は梅や桜、夏は新緑、秋になると紅葉と四季の移り変わりを楽しむことができます。
そんな鹿野川湖畔には、11月から2月頃までの冬の時期になると、国内に飛来するオシドリの60%以上が飛来してきます。越冬をするオシドリの数は、実に3000羽以上にもなるといわれ、冬の風物詩になっています。
ガイド付きでバードウォッチングを希望する人は、湖畔そばにある大洲市交流促進センター鹿野川荘へ向かいましょう。12月上旬~2月下旬に「いやしの南予体験プログラム」が開催され、バードウォッチングポイントである鹿野川大橋周辺や大谷橋下までボートで案内をしてくれますので、オシドリを間近に観察することができます。
冬の湖畔ではオシドリのほかにも、カワウ、マガモ、ルリビタキなどの野鳥も観察することができます。嬉しいことに鹿野川荘では双眼鏡のレンタルがありますので、手ぶらで訪れても、オシドリの観察をすることができます。
【住所】〒797-1507 愛媛県大洲市肱川町大谷
【電話番号】0893-34-2350
【営業時間】
【空港からのアクセス】松山空港から鹿野川湖までは車で約1時間
冬は天体観測に最適!「久万高原天体観測館」夜のアクティビティを満喫
夜の愛媛県を満喫したい時は、星空観察ができる愛媛県久万高原町にある久万高原天体観測館へ行きましょう。久万高原天体観測館は、久万高原ふるさと旅行村内にあります。お城のような形をした木造三階建ての建久万高原天体観測館は、「星天城」と名付けられています。この施設では、天体観測やプラネタリウムを楽しむことができます。
久万高原天体観測館にある反射望遠鏡は、国内最大級の口径60㎝で、16等星まで見ることができます。標高1000mを超える場所にあり、市街地と違い人工の明かりの影響をうけないため、今までに体験したことがないような星空に出会えるでしょう。特に冬の時期は空気が澄み、乾燥するので天体観測に最適です。
久万高原天体観測館周辺には、ウィンタースポーツができる久万スキーランド、四国八十八ヶ所霊場になっている大寶寺(だいほうじ)や岩屋寺(岩屋寺)などがあり、昼間もたっぷりと愛媛県の旅を満喫することができます。
また、久万高原天体観測館がある久万高原ふるさと旅行村内には、宿泊施設ケビンがあります。数日間滞在しながら、冬空観察や周辺の観光を楽しむのに利用してみるとよいでしょう。
【住所】〒791-1201 愛媛県上浮穴郡久万高原町久万212
【電話番号】0892-21-1111
【営業時間】休館日は毎週月曜日、祝祭日の翌日、年末年始
【空港からのアクセス】松山空港から車で約1時間
神秘的な風景に絶句「雲海展望公園」は秋から冬がおすすめ
愛媛県大洲市藤縄にある「雲海展望公園」は、公園の名前から想像がつくように秋から冬に多く発生する雲海を楽しむことができるスポットです。雲海は、例年11月から3月の早朝に発生します。最適なのは12月から2月にかけてといわれており、早朝から午前10時ごろまでの時間帯に発生することが多いようです。
雲海が発生した時の雲海展望台からは、松山城が空にうかんでいるかのような幻想的な風景を眼下に見ることができます。
例年11月には「雲海まつり」が開催され、無料で甘酒やフレッシュ牛乳が振る舞われるほか、200円のしし鍋や特産品販売などがあります。また、日の出とともに始まる藤縄神楽もまつりの見ものの1つです。愛媛県のジビエ料理や地元グルメを満喫できるチャンスなので、お祭りの開催日をチェックして観光してみてはいかがでしょうか。
気象条件が揃わない限り雲海は発生しないために、見ることができるかどうかは時の運ということになってしまいますが、愛媛県の冬の観光では、はずすことができないおすすめスポットです。
【住所】〒795-0076 愛媛県大洲市藤縄94
【電話番号】0893-25-2400(柳沢公民館)
【営業時間】24時間
【空港からのアクセス】松山空港から車で約1時間10分
まとめ
南国で暖かいイメージがある愛媛県ですが、エリアによってはスキーができたり、滝が氷るほどの寒い場所があったりする事実に驚かれた人も多いのではないでしょうか。
冬は他の季節と比べるとどうしても家の中にこもりがちですが、今回紹介したように気温が下がる時期だからこそ楽しめる観光スポットもあります。ぜひ、今回の記事を参考に、冬の愛媛県へ観光旅行に行ってみてください。