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さくらんぼなどの美味しいフルーツで有名な「山形県」には、それだけではない魅力がたっぷり!
特に冬の山形は観光名所の宝庫で、日本はもちろん世界にも誇れる素晴らしいエリアが存在します。


この記事では冬の山形観光で訪れたい6つのスポットを厳選し、驚きの魅力やアクセス情報までをまるっとまとめました。

ロープウェイで登る!大自然の神秘「蔵王の樹氷」

山形蔵王_樹氷
冬の山形に行くなら、絶対に見ておきたいのが「蔵王の樹氷」です。
蔵王とは、山形県と宮城県を南北にまたぐ山々の総称のこと。


蔵王には、エメラルドグリーンの火山湖「御釜」を始め、一年を通して楽しめる観光スポットが沢山ありますが、冬のハイライトと言えば「樹氷」です。

世界でも珍しい「樹氷」ができる仕組み

蔵王連峰の樹氷は、針葉樹のアオモリトドマツが北からの季節風によって「着氷→着雪→焼結(雪がくっついて固く締まること)」を繰り返し、形成・成長してできる氷の塊です。


その巨像のような荒々しい姿形から、別名“スノーモンスター”と呼ばれる樹氷は、まさに自然が作り出す造形美。
真っ白な雪原に立ち並ぶ樹氷の巨像群は、1つとして同じものはない雪と氷の芸術品です。


樹氷は通常12月下旬からでき始めますが、一番の見頃は1月下旬から2月下旬までで、年末年始などの見頃の時期には夜間にライトアップも行われます。


一方昼間の樹氷は太陽の光が反射してキラキラ輝き、青空とのコントラストによって息をのむほどの美しさです。


冬の蔵王は非常に冷え込み、特にライトアップする夜間には-10℃を下回るため、寒さ対策を万全にしていきましょう。

樹氷鑑賞には蔵王ロープウェイが便利

樹氷の鑑賞エリアは「蔵王ロープウェイ」の山頂駅周辺です。
蔵王山麓駅から乗り、樹氷高原駅でロープウェイを乗り継いで山頂駅まで行くことができます。


山頂駅にはレストランがあり、店内の大きな窓からでも樹氷が見えるので、暖かい室内で樹氷をじっくり観察するのにおすすめの場所です。


また、シーズン中にはナイトクルーザー号で行く日数限定の「樹氷幻想回廊ツアー」も開催されています。
暖房付の特殊車両に乗って美しい樹氷のライトアップや霧氷を間近で見られるので、寒さが苦手な方はツアーに参加する方がいいかもしれません。


そして下山した後は、蔵王温泉にゆっくり浸かって冷え切った体を温めましょう。
ここにしかない絶景、蔵王の樹氷をぜひ見に行って下さい。

蔵王ロープウェイの営業・アクセス情報

住所 山形県山形市蔵王温泉229-3
電話番号 023-694-9518
営業時間 山麓線:8:30〜17:00(変更の場合あり)
山頂線:8:45〜16:45(変更の場合あり)
アクセス 仙台空港から:アクセス鉄道で仙台駅まで約25分→仙山線で山形駅まで約60分→山形駅からバスで約45分

ノスタルジックな山形の冬。情緒あふれる「銀山温泉」

銀山温泉_新潟
山形に行ったら一度は泊まりたい人気の温泉地といえば、尾花沢市にある「銀山温泉」。
大正ロマン香る山形の温泉地で、ノスタルジックな雰囲気が味わえます。

銀山温泉ってどんなところ?

江戸時代の初期に栄えた「延沢銀山」が名前の由来といわれる銀山温泉は、風情ある美しい街並みが有名な温泉地です。


大正末期の洋風木造多層建築の温泉宿が川沿いに軒を連ね、まるで大正時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。
浴衣姿で散策すれば、レトロな空気感にたっぷりと浸れるでしょう。


特に雪に覆われた冬の銀山温泉では、暖かなガス灯の光がロマンチックに周囲を照らします。
温泉街には気軽に入れる共同浴場や足湯があり、日帰りからでものんびりと温まることができるでしょう。

温泉街にあるおすすめのお店

銀山温泉街にある「あいらすげーな」というカフェでは、大正ロマン体験ができる袴の衣装を貸し出しています。
好みの袴に着替えて、素敵な街並みの中で写真を撮れば、旅のいい思い出になること間違いありません。


そしてお腹が空いたら温泉グルメも忘れずに。
銀座温泉の新名物「はいからさんのカリーパン」や、素朴な味わいがどこか懐かしい「野川豆腐店」は、食べ歩きにぴったりです。
どちらも人気があり夕方には売り切れることもあるので、早めの訪問をおすすめします。


ほかにも地元の尾花沢牛を始め、山菜や川魚など自然の恵みをふんだんに使ったごちそうは、身体だけでなく心も温めてくれるでしょう。

銀山温泉の営業・アクセス情報

住所 山形県尾花沢市大字銀山新畑429
電話番号 銀山温泉案内所:0237-28-3933
営業時間 店舗による
アクセス 山形空港から:
・車で約1時間
・おいしい山形空港観光バスで約1時間15分

銀世界にともる光のイベント「上杉雪灯篭まつり」

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山形県の最南端に位置する米沢市で、毎年2月に行われる「上杉雪灯篭まつり」。
冬の山形を楽しむのに最適なイベントの一つです。

祭りの歴史と魅力

「上杉雪灯篭まつり」は、戦国時代の大名上杉謙信を祀る上杉神社と、松が岬公園一帯で行われる冬のお祭りです。
7人の市民が始めた月見酒の会が起源といわれています。


美しい雪を慈しむ心と平和への祈り、そして地域発展の願いが込められ、大きな祭りへと発展していきました。


会場には200個の雪灯篭と約1,000個の雪ぼんぼりに灯りがともされ、幻想的な雰囲気が漂います。
会場一帯が柔らかく暖かい光に包まれると、そこはまるで別世界。
白銀の中で美しくゆらめく橙色の炎が、日常の喧騒を忘れさせてくれるでしょう。

雪灯篭だけじゃない!イチオシの見どころ

会場には雪灯籠のほかに「キャンドルゾーン」があります。
キャンドルゾーンは、カラフルなキャンドルやカラーメガホンで彩られており、雪灯籠とは一味違う華やかでポップなエリアです。


灯りを楽しんだあとは、地元グルメが味わえるテント村物産展へ向かいましょう。
冷えた体に温かい鍋料理や米沢ラーメンが染みわたります。
山形の名産品である玉こんにゃくのほか、米沢と交流の深い各地のグルメも味わうことが可能です。


会場にはイベントステージもあり、ご当地キャラクターや地元のパフォーマー達が盛り上げてくれます。

上杉雪灯篭まつりの営業・アクセス情報

住所 山形県米沢市丸の内1-4-13
電話番号 事務局:0238-22-9607
営業時間 2025年2月7日~9日開催
鎮魂祭:17:00~
雪灯篭・雪ぼんぼり点灯:17:30~
アクセス 山形空港から:米沢市まで車で約1時間→米沢市役所からシャトルバルで約26分

まるで水墨画!雪景色が美しい「山寺(立石寺)」

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江戸時代の俳人・松尾芭蕉が「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」という句を詠んだことで有名な山形の「山寺」も、冬に行きたい観光スポットです。

冬の山寺ならではの観光ポイント

正式名称を「珠宝山 立石寺」といい、慈覚大師が開いた天台宗のお寺である「山寺」。
冬は参道の石段もお堂の屋根も、すっぽりと雪に覆われます。


静寂に包まれたたたずまいは、まるで一幅の水墨画のようです。
冬にしか見られない感動の景色がここにあります。


冬の山寺に行く際は、防寒対策をしっかり整えてから向かいましょう。
足元はできれば滑りにくい雪用のブーツか長靴、服装は簡単に着脱できる防寒着があると安心です。

心と体を清める試練の石段

山寺を拝観するには、1,015段の石段を登らなければなりません。
所要時間は往復で1時間30分かかります。


途中にある「芭蕉像」や芭蕉の句が刻まれた記念碑が立つ「せみ塚」、けやき造りの優美な「仁王門」などを通れば、山寺観光のハイライト「五大堂」にたどり着くことが可能です。


この石段は、一段登るごとに煩悩が一つずつ消滅し、悪縁払いができるといわれるパワースポット。
入口に「登山口」と書かれているように、参拝ではなく登山と思ったほうがよく、冬でも汗をかくほどの険しい山道が待っています。


しかし、登り切って五大堂からの絶景を見れば、登ってきた疲れは吹き飛ぶことでしょう。


山寺周辺には、山形名物のそばや川魚料理が味わえる食事処、土産物屋が20軒以上並んでいます。
登山後のエネルギー補給やお土産探しにもってこいですよ。

山寺の営業・アクセス情報

住所 山形県山形市山寺4456-1
電話番号 023-695-2843
営業時間 要問合せ
アクセス 山形空港から:
・車で約30分
・さくらんぼ東根駅まで車で約10分→奥羽本線山形行きで羽前千歳駅まで約30分→仙山線仙台行きに乗り換え、山寺駅まで約11分→徒歩で約10分

世界一のクラゲスポット!ギネスにも載った「加茂水族館」

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山形県庄内地方にある鶴岡市には、ギネスブックに登録された世界一のクラゲ水族館があります。
ここしかないクラゲづくしの水族館は、一見の価値ありです!

夢のクラゲワールドを堪能

「クラゲドリーム館」の呼び名で親しまれるこの観光スポット、正式名称は「加茂水族館」です。
常時約80種類のクラゲを展示するフロアは「クラネタリウム」と呼ばれます。


クラネタリウムの見どころは、およそ1万匹のミズクラゲが漂う「クラゲドリームシアター」。
直径約5mの大水槽でクラゲがゆらゆら漂う幻想的な光景に、時がたつのを忘れて見入ってしまいます。


クラゲドリームシアターの前で開催されるコンサートも人気で、クラゲと音楽のアートな世界に癒されることでしょう。

冬の水族館を満喫するには?

寒さの厳しい山形の冬も、水族館の中なら比較的寒さを感じにくく、ゆっくりと生き物を鑑賞できます。


カリフォルニアアシカの愛らしい姿に癒される「ひれあしプール」、空を飛ぶウミネコが近くで見られる「屋上緑地広場」など、子供も大人も喜ぶ仕掛けが満載です。


館内では麺や具にクラゲを使った「クラゲラーメン」のほか、トッピングのコリコリ食感が楽しい「クラゲソフト」、豊富なフレーバーから選べる「クラゲアイス」など、珍しいクラゲグルメが用意されています。
中でも冬場に温かい館内で食べるデザートは格別ですよ。

加茂水族館のアクセス・営業情報

住所 山形県鶴岡市今泉字大久保657-1
電話番号 0235-33-3036
営業時間 9:00~17:00 ※最終入館16:00・年中無休
アクセス 庄内空港から:
・車で約20分
・鶴岡駅前まで空港連絡バスで約30分→大山郵便局前までバスで約29分→加茂水族館までバスで約11分

食べればポカポカ!山形・庄内地方の「寒鱈まつり」

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山形県の冬の風物詩といえば「寒鱈まつり」です。
美味しい寒鱈がたっぷりいただけるグルメイベントで、冬の寒さを吹き飛ばしましょう。

「どんがら汁」が体の芯まで染みわたる!

寒鱈とは、極寒の日本海の荒波に揉まれて脂の乗った真鱈のことです。
寒鱈まつりは毎年1月中旬~下旬に庄内地方の各地で開催され、名物の「寒鱈汁(通称どんがら汁)」が味わえます。


寒鱈汁とは、寒鱈の身、頭、内臓まで丸ごとぶつ切りにしたものを大鍋に入れ、豆腐やネギ、大根などと一緒に煮る味噌仕立ての鍋料理のこと。
脂の乗った「アブラワタ(肝臓)」や「どんがら(アラ)」も丸ごと煮込むことで、コクと深みが染み出たスープになります。


寒鱈汁はもともと漁師が浜辺や船上で作って食べていたとされ、今では庄内地方の家庭の味ともいえる郷土料理です。
雪風が吹きすさぶ冬の山形では、体の芯までぽかぽか温まる寒鱈汁が一番のおもてなしとなるでしょう。

代表的な冬鱈まつりの会場一覧

寒鱈まつりは毎年、庄内の複数のエリアで行われます。
それぞれの祭りごとに料理や催しが異なるので、旅行の日程に合う祭りに参加してみましょう。


以下に代表的な寒鱈まつりを紹介します。


〇日本海寒鱈まつり
鶴岡市の銀座通りで行われる「日本海寒鱈まつり」は、市内のお店が提供するさまざまな寒鱈汁を食べ比べできます。
同じ寒鱈汁でもお店ごとに味やこだわりが違うので、その差を楽しんでみてください。


〇酒田日本海寒鱈まつり
2025年で38回目の開催を迎えた「酒田日本海寒鱈まつり」。
歴史あるこの祭りは複数の会場で広く行われ、バラエティー豊かなイベント内容でも注目されます。
酒田市や遊佐町の日本酒飲み比べ、本格料理人による寒鱈料理の企画など、ここでしか味わえない体験ばかりです。


〇遊佐町 鱈ふくまつり
日本百名山がある遊佐町では「遊佐町 鱈ふくまつり」が行われます。
遊佐町の名物は、寒鱈とふぐを一緒に煮込んだ「鱈ふく汁」です。
ほかとは違うふぐの美味しさが加わったスープと、香り高い岩海苔のトッピングで、冬の山形が温かな思い出として刻まれます。

寒鱈まつりのアクセス・営業情報

日本海寒鱈まつり
住所 山形県鶴岡市本町一丁目(銀座通り)
電話番号 鶴岡銀座商店街振興組合:0235-22-2202
営業時間 10:30~15:00 ※2025年開催のスケジュール
アクセス 庄内空港から:
・車で約20分
・鶴岡駅前まで空港連絡バスで約30分→銀座通りまでバスで約4分
酒田日本海寒鱈まつり
住所 山形県酒田市中町ほか
電話番号 酒田日本海寒鱈まつり実行委員会:0234-22-9311
営業時間 10:00~15:00 ※2025年開催のスケジュール
アクセス 庄内空港から:
・酒田中町まで空港連絡バスで約40分
遊佐町 鱈ふくまつり
住所 山形県飽海郡遊佐町吹浦字西浜2-72 マルチドームふれんどりぃ
電話番号 NPO法人遊佐鳥海観光協会:0234-72-5666
営業時間 10:30~13:00 ※2025年開催のスケジュール
アクセス 庄内空港から:
・車で約30分
・空港連絡バスで酒田駅前まで約32分→JRに乗り換え・酒田駅から吹浦駅まで電車で約19分→徒歩で約14分

まとめ:冬の山形観光はグルメも体験も魅力がいっぱい

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山形の冬は積雪が多く寒さも厳しくなりますが、だからこそ楽しめるスポットが満載です。


雪や氷が織りなす絶景や身体の芯まで暖まる温泉、そして旬のグルメなど、冬の山形の魅力を余すことなく楽しんで下さい。


山形の人々の温かいもてなしに触れれば、旅が終わるころには、身体も心もぽかぽかになっているでしょう!