機内での電子機器の使用は禁止されていると思っている方は多いと思いますが、今ではスマホは機内モードに設定することで使用が許可されるようになり、2018年4月1日からANA国内線機内でも、Wi-Fiサービスの利用が可能になりました。機内でインターネットに接続できると、メールをチェックしたりサイトで調べものをしたりと大変便利です。国内最大級のコンテンツも楽しめるので、機内での時間をこれまでよりも有意義に過ごせるようになりました。今回は、ANAの機内Wi-Fiサービス内容や利用方法、回線速度、セキュリティなどについてわかりやすく解説していきます。
国内線のWi-Fiサービスとは
機内Wi-Fiとは
ANA Wi-Fi
サービスとは、機内に持ち込んだ自分のスマホやタブレット、ノートPCなど無線LAN接続が可能な端末を機内の無料Wi-Fiに接続して利用できるサービスです。国内線の場合、搭乗時間は1〜2時間程度と短時間ですが、それでも仕事の重要なメールをチェックしたり、SNSで連絡したりと、かなり便利になります。
また、ANA Wi-Fi Serviceの豊富なエンターテイメントが空の旅をより楽しいものにしてくれます。
それにしても高度10000ftの上空でどうしてWi-Fiにつながるのでしょうか?調べてみたところ、地上からの電波を衛星経由で航空機に飛ばし、機体上部にあるアンテナが電波をキャッチするそうです。電波は機内に設置してあるWi-Fiのアクセスポイントを通して、利用者の端末に届くという仕組みです。
なお、Wi-Fiを使用できる時間帯は、飛行機が離陸してから5分後位から着陸の5分前位までとなっています。
機内Wi-Fiの回線速度
機内Wi-Fiの速度は速くはなく、地上で使っているような速度は期待できません。航空機の飛行ルートやフライト中の天候によっても通信が不安定になることがありますし、同時にWi-Fiを利用している人の数や通信量によっても速度は変化します。大型機で満席に近い状況で多くの人がWi-Fiを同時に使用すると回線速度はかなり遅くなり、小型機でWi-Fiを利用している人が少ないと快適に使えます。
Wi-Fiサービス対象の機材と確認方法
国内線の飛行機すべてがWi-Fi接続機器を装着しているわけではありません。予約した便の飛行機が対象機材かどうかは、空席照会結果画面、もしくはANA予約の詳細画面で確認できます。「Wi-Fi」の青いマークが表示されている場合は、全ての機材で利用できる便ですが、「Wi-Fi」のマークがグレーの場合は、一部の機材で利用可能であることを表しています。
とはいえ、機種・機材は整備状況などによって変更する場合があるため、搭乗するまでWi-Fiが使えるかどうか断定できません。Wi-Fi対応の機種を予約したはずなのに、当日になったら機種が変更されていたということはありえます。
一番確実に確認できるのは、搭乗する際に機体入り口の壁面に「ANA Wi-Fi Service」のステッカーが貼ってあるかどうかです。このステッカーが貼ってあれば、100%使えます。
対象機材について詳しく知りたい方は、以下のリンクの“Wi-Fi Service 対象機材”を参照してください。
https://www.ana.co.jp/ja/jp/domestic/departure/inflight/wifi-promotions/
ANA Wi-Fiのサービス内容
ニュースやスポーツ中継をリアルタイムで視聴できる!
ANA SKY LIVE TVは、TV番組をリアルタイムで視聴できる、国内線機内ではANAだけの画期的なサービスです。「日テレNEWS
24」や日本語同時通訳対応の「CNNj」でニュースをリアルタイムでチェックできるので、ビジネスマンなら時事ネタ収集に使えます。野球やサッカー中継なども楽しめるので、搭乗中に見たい試合を逃したくないというファンにとってはうれしいサービスです。
充実のエンターテイメント
<人気ドラマやアニメコンテンツ>
約100プログラム以上の国内外の人気ドラマや話題のエンターテイメントを楽しめます。1時間位の番組が多いので、飛行時間内で見るのには最適。見逃した人気ドラマを視聴できるのは嬉しいポイントです。子ども向けアニメもあるので、機内で退屈してしまう子どもの対策にも役立ちます。
月ごとに変わる番組のメニューは、ANA Wi-Fiサービスの以下のリンクに掲載されています。
https://www.ana.co.jp/domestic/departure/inflight/wifi/
2020年1月のコンテンツを見ると、「アメトーク」、「チコちゃんに叱られる!」「ガイアの夜明け」、「科捜研の女」、「ドラえもん」などの人気番組がラインナップされています。
<オーディオコンテンツ>
搭乗中はゆったりと音楽を聴きたいという人に最適なコンテンツ。J-POPからクラッシックまで、多彩な曲がセレクトされています。小さな子ども向けの音楽も用意されているので、子守唄がわりに聴かせてみるのもよいでしょう。
e-books
e-booksは雑誌や書籍を見られる機能です。ラインナップが充実していて、幅広い年代が読めるようになっています。以下が主な雑誌です。
- BRUTUS
- クロワッサン
- HANAKO
- HOUSING
- DISCOVER
- Casa Brutus
機内で暇つぶしにパラパラ読むのに相応しい雑誌が揃っています。
次世代地図ANA Flight Pathを追加
新たな機能を追加した地図ANA Flight
Pathが順次導入されています。この地図アプリを起動すると、自分が乗っている便のコックピットや左右の窓からの景色を端末の画面で見ることができます。一部の都市はストリートマップにも対応しています。通路側の席の場合、窓からの景色が見えないので、これは楽しみな機能といえるでしょう。
さらにこの機能の画期的な点は、画面の地図上にレストラン検索サイト「食べログ」に掲載されている人気飲食店がアイコン表示される点です。アイコンをクリックすると、お店の情報や口コミを見られます。旅先に到着する前におすすめのレストランをチェックしておくのに便利です。
さらに、ゼンリンとANAが厳選した「絶景100選」が見られる機能もあり、日本各地の絶景ポイントが地図上に表示されるので、機内にいるうちから旅行気分が高まります。
ANA Wi-Fiサービスの利用方法
スマートフォン・タブレットでの接続方法
搭乗までに「ANA」アプリを端末にインストールしておく必要があります。
上空ではアプリのダウンロードができないので、搭乗前に行います。ダウンロードはApp StoreまたはGoogle Playストアで。
App Store:https://apps.apple.com/jp/app/id382028327
Google Playストア:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.ana.android.tabidachi
「ANA」アプリのインストールが終わったら
- デバイスを機内モードにし、Wi-Fiをオンに設定します。
- ANA Wi-Fi Serviceに接続し、「ANA」アプリを起動します。
- メニューから「国内線機内WiFi」をタップします。
- ポータルサイトが開き、コンテンツを楽しめます。
※インターネットに接続するには
ポータルサイトのメニュー左側にある「インターネットに接続はこちら」を選びます。
- 指示に従い、Eメールアドレスを入力します。
- 「新しいブラウザ画面を開く」をタップすると、接続完了です。
ノートPCでの接続方法
- Wi-Fi(無線LAN)をオンにします。
- SSID「ANA-WiFi-Service」を選択し、接続します。
- ブラウザを開くと、ANA Wi-Fiサービスポータルサイトが自動的に表示されます。
- もし表示されないときは、URL欄に“ana-inflight-wifi.com”と入力してください。
※ノートパソコンの場合、ビデオやオーディオコンテンツは利用できません。これは、ブラウザではDRM(著作権保護技術)が付与されたコンテンツの再生が制限されているためです。
※ビデオや音楽を利用する方は、イヤフォンまたはヘッドフォンを持参するか、機内で配布されているイヤホンを使って視聴してください。
機内Wi-Fiがつながらない!対処法は?
ANA Wi-Fiの強みは100種類を超える多彩なコンテンツですが、そんな充実したコンテンツを楽しみたいのに通信が不安定になっては意味がありません。しかし、ANAによると、アクセスが集中すると大容量データの送受信や動画の視聴では通信が遅くなることがあるそうです。といっても、地上でもWi-Fiがなかなかつながらないことはあるので、上空では無理もないことと思います。
実際に利用した人の話によると、テキストメールはほぼ問題なく送れるようです。アクセスが集中していても、データー量の小さなものであれば通信の隙間に入りこめるタイミングがあるためです。ただし、YouTubeなどのストリーミング動画は絶え間なく通信をするため、スムーズに視聴できないことがあるようです。
でも、ANA Wi-Fiのコンテンツを楽しみにしていても、なかなかWi-Fiに接続できないとストレスフルな状況になりかねません。そのようなときは、以下の方法を試してみましょう。うまくいけば少しは改善されるかもしれません。
- 端末を再起動する
- 機内モードを何回かONからOFF、OFFからONへと切り換えてみる
- ANAアプリのキャッシュを削除する
- 最新のANAアプリにアップデートする
無料Wi-Fiのセキュリティと対策
最近は、ホテルやカフェなど、無料Wi-Fiが使えるエリアが増えてきて大変便利になってきました。しかし、公共の場所や飲食店で利用できるフリーWi-Fiを使ってインターネット接続すると、セキュリティのリスクがあることをご存知ですか?
無料だからと安易に利用していますが、無料Wi-Fiには盗聴やのぞき見などの危険が潜んでいることを意識する必要があります。そこで、以下のセキュリティ対策をしておくことをおすすめします。
- URLが“https”で始まるサイト以外へはアクセスしない
- VPN(Virtual Private Network)の導入
httpsで始まるサイトへのアクセスでは、端末とサーバー間の通信が暗号化されています。多くのWebサイトがすでにHTTPS化されていますが、“http”で始まるサイトもまだ存在していますので注意が必要です。
VPN、すなわち仮想プライベートネットワークを導入すると、無料Wi-Fiを利用している時の通信を暗号化できます。VPNはプライベートネットワークを仮想的に作り、盗聴やのぞき見を防ぐ技術です。
AppストアやGoogle Playストアで専用アプリを探してみましょう。無料のアプリも提供されていますが、信頼性の高いVPNアプリを選ぶことをおすすめします。
まとめ
スマホが生活の一部となっている現代、空の上でも地上と同じようにストレスなく過ごせるようにと実現した機内Wi-Fiサービスですが、まだ知らなかったという方はぜひ利用してみてください。Webサイトの閲覧には時間がかかるかもしれませんが、Lineやメールのチェックは問題なく利用できます。機内Wi-Fi対応コンテンツは、さらに充実されるようなので、機内の過ごし方がますます楽しくなるでしょう。