ロープウェイで登る!大自然の神秘「蔵王の樹氷」

山形蔵王_樹氷
冬の山形に行くなら、絶対に見ておきたいのが「蔵王の樹氷」です。
蔵王とは、山形県と宮城県を南北にまたぐ山々の総称のこと。蔵王には、山頂付近のエメラルドグリーンの火山湖「お釜」を始め、麓の温泉街やスキー場など、一年を通して楽しめまる観光スポットが沢山ありますが、冬のハイライトと言えば「樹氷」です。蔵王連峰の樹氷は、世界でも類を見ない特殊な気象条件が作り出す、蔵王の冬の風物詩です。
樹氷は12月下旬からでき始めますが、一番の見頃は1月下旬から3月上旬までで、年末年始や週末など年間50日間限定でライトアップが行われ、昼とは違った幻想的な雰囲気の樹氷を楽しむことができます。
蔵王の樹氷は、針葉樹のアオモリトドマツが北からの季節風によって「着氷→着雪→焼結(雪がくっついて固く締まること)」を繰り返すことで成長し、形成されていきます。その巨像のような荒々しい姿形から、別名“アイスモンスター”と呼ばれる樹氷は、まさに自然が作り出す造形美。真っ白な雪原に立ち並ぶ樹氷の巨像群は、1つとして同じものはない雪と氷の芸術品です。360度迫力満点の樹氷に囲まれると圧倒され、自然の美しさと同時に山形の寒い冬の厳しさを感じることができます。
晴れた日の樹氷は、太陽の光が反射してキラキラ輝き、青空とのコントラストによって息をのむほど美しくなります。ただし、冬の蔵王の晴天率は低く、天気が荒れていると吹雪でよく見えない!ということもあるので、スケジュールに余裕がある場合は、天気予報をチェックして晴れの日に行くことをおすすめします。
樹氷の鑑賞エリアは「蔵王ロープウェイ」の「山頂駅」周辺にありますので、蔵王ロープウェイの利用をおすすめします。蔵王山麓駅から乗り、樹氷高原駅でロープウェイを乗り継いで山頂駅まで行くことができます。山頂駅にはレストランがあり、店内の大きな窓からでも樹氷が見えるので、暖かい室内で樹氷をじっくり観察するのにおすすめの場所です。
冬の山頂の寒さは厳しく、特に夜のライトアップ時には-10℃以下になることもあるので、防寒対策は万全にして行きましょう。また、年間約50日間限定で雪上車「ナイトクルーザー号」で行く「樹氷幻想回廊ツアー」も開催されています。ツアーはロープウェイの蔵王山麓駅発着で、暖房付の特殊車両に乗って美しい樹氷のライトアップや霧氷を間近で見られるので、寒さが苦手な方はツアーに参加する方がいいかもしれません。
そして下山した後は、蔵王温泉にゆっくり浸かって冷え切った体を温めましょう。ここにしかない絶景、蔵王の樹氷をぜひ見に行って下さい。

■蔵王ロープウェイ
【住所】山形市蔵王温泉229-3

【電話番号】023-694-9518
【営業時間】
山麓線:8:30〜17:00(変更の場合あり)
山頂線:8:45〜16:45(変更の場合あり)
【ロープウェイ蔵王山麓駅(蔵王温泉)までのアクセス】
〇山形空港から
・自動車で約65分
・バス(おいしい山形空港ライナー)で約60分
〇山形駅から
・バスで約45分

ノスタルジックに浸る!情緒あふれる「銀山温泉」

銀山温泉_新潟
山形で人気の温泉地といえば尾花沢市にある「銀山温泉」。銀山温泉の近くにあり、江戸時代の初期に栄えた「延沢銀山」が名前の由来といわれる銀山温泉は、風情ある温泉街の美しい街並みが有名で、山形に行ったら一度は泊まりたい憧れの温泉地です。
大正末期の洋風木造多層建築の温泉宿が川沿いに軒を連ねる銀山温泉の街並みを浴衣姿で散策すると、まるで大正時代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚え、レトロでノスタルジックな雰囲気を味わうことができます。特に雪に覆われた冬の銀山温泉は、冬だからこそ味わえる銀山温泉の魅力があり、暖かな光で周囲をロマンチックに照らすにガス灯もその一つです。
銀山温泉には十数軒の温泉宿があり、良質な乳白色の温泉と地物料理が人気です。地元の尾花沢牛を始め、山菜や川魚など山の恵みをふんだんに使った温かい料理ともてなしは、身体だけでなく心も温めてくれます。
また、温泉街の中央には共同浴場、石畳の歩道沿いには足湯があるので、スケジュールがタイトで宿泊できない場合は、日帰りで楽しむこともできます。
銀山温泉街にある「あいらすげーな」というカフェでは、大正ロマンの衣装を貸し出していますので、レトロな衣装に着替えて、素敵な街並みの中で写真を撮るのも旅のいい思い出になること間違いありません。
そしてお腹が空いたら温泉グルメも忘れずに。銀座温泉の新名物「はいからさんのカリーパン」や素朴な味わいがどこか懐かしい「野川豆腐店」の豆腐は、食べながら散策することができるのでぜひお試しを。ただし、どちらも人気があり夕方には売り切れることもあるので早めの訪問がおすすめです。
大正ロマン香る山形の温泉地「銀山温泉」で、ノスタルジックな雰囲気を味わってみて下さい。

【住所】山形県尾花沢市大字銀山新畑

【電話番号】0237-28-3933
【銀山温泉までのアクセス】
山形空港から
・自動車で約1時間
〇山形駅から
・奥羽本線急行(40分)→ 大石田バス(15分)→ 尾花沢乗換え(40分)→ 銀山温泉

雪灯篭を見に行こう!幻想的な「上杉雪灯篭祭り」

山形県の最南端に位置する米沢市で、毎年2月に行われる「上杉雪灯篭祭り」は、戦国時代の大名上杉謙信を祀る上杉神社と、松が岬公園一帯で行われる冬のお祭りです。会場には300個の雪灯篭と約1000個の雪ぼんぼりに灯りが点され、幻想的な雰囲気が漂います。
雪灯籠は全て人の手によって作られており、雪を大きな四角い升にぎっしり詰めて踏み固め、それを丁寧に削って灯篭の形にしていきます。雪灯篭に灯が点ると、会場一帯が柔らかく暖かい光に包まれて別世界のようになります。白銀の中で美しくゆらめく橙色の炎が、日常の喧騒を忘れさせてくれます。
最初は市民7人によって始められたというこの祭りには、美しい雪を慈しむ心と、平和への祈り、そして地域発展の願いが込められています。
会場には雪灯籠の他に、地元の高校生たちがデザインした「キャンドルゾーン」があります。キャンドルゾーンは、カラフルなキャンドルやカラーメガホンで彩られており、雪灯籠とは一味違う灯りを使った演出が楽しめます。
雪灯籠を見学した後は、地元グルメが味わえるテント物産展へ向かいましょう。冷えた体を暖める温かい鍋料理や名物米沢ラーメン、玉こんにゃくなどを味わうことができます。会場にはイベントステージもあり、ご当地キャラクターや地元のパフォーマー達が盛り上げてくれます。雪の山形を楽しみたいなら、ぜひ米沢に雪灯篭を見に行ってみて下さい。

【住所】山形県米沢市丸の内1-4-13

【電話番号】0238-22-9607 
【雪灯篭祭りへのアクセス】
〇米沢駅から
・20分間隔のシャトルバス(有料)で約10分
・自動車で約10分

まるで水墨画!雪景色が美しい「山寺(立石寺)」

江戸時代の俳人松尾芭蕉が「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」という句を詠んだことで有名な山寺は、正式名称を「珠宝山立石寺」といい、慈覚大師が開いた天台宗のお寺です。
雪深い地域にある山寺は、冬は参道の石段もお堂の屋根もすっぽり雪に覆われます。静寂に包まれたたたずまいは、まるで一幅の水墨画のようです。冬にしか見られない感動の景色がここにあります。
山寺を拝観するには、1015段の石段を登らなければなりません。所要時間は往復で1時間30分かかります。「登山口」とかかれた入口から入り、「芭蕉像」や芭蕉の句が刻まれた記念碑のある「せみ塚」、けやき材で造られている優美な姿の「仁王門」などを通って山寺観光のハイライト「五大堂」まで進みます。この石段は、一段登るごとに煩悩が一つずつ消滅し、悪縁払いができるといわれるパワースポットです。入口に「登山口」と書かれているように、参拝ではなく登山と思って登ったほうが良く、階段を登ると冬でも汗をかくほどの険しい山道です。しかし、登り切って五大堂からの絶景を見れば、登ってきた疲れは吹き飛ぶことでしょう。
冬の山寺参拝の際は、防寒対策をしっかり整えてから向かいましょう。足元はできれば滑りにくい雪用のブーツか長靴、服装は簡単に着脱できる防寒着があると安心です。
山寺周辺には、山形名物のそばや川魚料理が味わえる食事処や土産物屋が20軒以上軒を連ねています。山寺を拝観した後は、ぜひ山形グルメを堪能し、旅のお土産を選びましょう。冬の絶景を見に、ぜひ山寺に行ってみて下さい。

【住所】山形県山形市山寺4495-15

【電話番号】023-695-2816
【山寺へのアクセス】
〇山形空港
・自動車で30分
〇山形駅から
・自動車で30分
・JR仙山線で20分

世界一のクラゲ水族館!ギネスにも載った「加茂水族館」

山形県庄内地方にある鶴岡市には、ギネスブックに登録された「世界一のクラゲ水族館」があります。その名も「クラゲドリーム館」(正式名称は加茂水族館)。世界的にも珍しい約50種類のクラゲの他、ウミネコやアザラシ、地元庄内浜に生息する生物たちが展示されています。中でも、約10000匹の水クラゲが漂う「クラゲドリームシアター」は必見。直径約5mの高さの大水槽にクラゲがゆらゆら漂う光景は幻想的で、時がたつのを忘れて見入ってしまいます。
沢山の種類のクラゲを観察できる「クラネタリウム」では、光に照らされてキラキラとゆらめくクラゲをじっくり観察できます。また、定期的に行われる「クラゲのおはなし」は必見!飼育員の方がクラゲの生態の説明をしてくれたり、クラゲが食事をする様子を見られたりとクラゲ鑑賞がもっと楽しくなります。
そしてこの水族館は、他の水族館にはない一風変わったイベントを開催している点も人気の理由になっています。庄内浜の生き物を間近で観察し触れることもできる「キッズコーナー」や、空を飛ぶウミネコが近くで見られる「ウミネコスポット」など、子供も喜ぶ仕掛けがいっぱいあります。また、魚やクラゲの水槽の前で寝ることができる宿泊イベント「お泊り水族館」やクラゲドリームシアターの前で開かれるコンサート「音楽の夕べ」など多彩なイベントが盛りだくさん行われているので、気になる方はぜひ参加してみて下さい。
水族館をじっくり見て回ってお腹がすいたら、次は館内のレストランへ。レストラン「沖海月(おきみづき)」では、麺にも具にもクラゲが使われているクラゲラーメンやお刺身クラゲが食べられる「クラゲ定食」など、クラゲ水族館ならではのグルメが充実しています。食後には、トッピングのコリコリ食感が楽しいクラゲソフトや10種類のフレーバーから選べるクラゲアイスも忘れずに味わって下さい。
また売店には、クラゲにちなんだ水族館オリジナルのレアなお土産が沢山あります。世界でここしかないクラゲづくしの水族館は、一見の価値ありです!

【住所】山形県鶴岡市今泉字大久保657-1

【電話番号】0235-33-3036
【加茂水族館へのアクセス】
〇庄内空港から
・自動車で約20分
〇JR鶴岡駅から
・自動車で約30分
・庄内交通路線バス 湯野浜温泉行き(加茂経由)で約39分

食べればポカポカ!庄内地方の「寒鱈祭り」

山形県の日本海側に位置する庄内地方の冬の風物詩といえば「寒鱈祭り」です。寒鱈とは、極寒の日本海の荒波に揉まれて脂の乗った真鱈のことです。寒鱈祭りは毎年1月中旬~下旬に庄内地方各地で開催され、郷土料理「寒鱈汁(通称どんがら汁)」や寒鱈を使った様々な料理、そして地元の地酒などが味わえます。
寒鱈汁とは、寒鱈の身、頭、内臓まで丸ごとぶつ切りにしたものを大鍋に入れ、豆腐やネギ、大根などと一緒に煮る味噌仕立ての鍋料理のこと。脂の乗った「アブラワタ(肝臓)」や「どんがら(アラ)」も丸ごと煮込むことで、コクと深みが染み出たスープは絶品です!
寒鱈汁はもともと漁師が浜辺や船上で作って食べていたという豪快な料理で、今では庄内地方の郷土料理として家庭でもよく食べられています。雪風が吹きすさぶ冬の庄内地方では、体の芯までぽかぽか暖まる寒鱈汁が一番のおもてなしです。冬の庄内に行ったらぜひご賞味下さい。
寒鱈祭りは毎年、鶴岡市の「日本海寒鱈祭り」や酒田市の「酒田日本海寒鱈祭り」などの他、庄内地方各地の物産館など5か所で行われます。どの祭りでも寒鱈汁が楽しめますが、それぞれの祭りごとに食べられる料理や行われるイベントが異なるので、気になる寒鱈祭りに旅行の日程を合わせて参加してみましょう。以下に代表的な寒鱈祭りを紹介します。
〇日本海寒鱈祭り
鶴岡市の銀座通り商店街で行われる「日本海寒鱈祭り」は、市内の寿司店や鮮魚店が提供する約10種類の寒ダラ汁を食べ比べることができます。また、鶴岡特産品の販売の他、近県の新潟や秋田などの観光物産展も同時開催されます。イベントブースでは荒波太鼓の演奏や、ご当地クイズなどが行われる他、おにぎりや綿あめの無料配布もあるので、ぜひ気軽に足を運んでみて下さい。
〇酒田日本海寒鱈祭り
寒鱈祭りの中で最も歴史が古いのが酒田日本海寒鱈祭りです。寒鱈汁やお寿司、ラーメンなどが味わえる他、日本酒を1杯100円で飲み比べできるイベントも同時開催しています。酒田や遊佐の9蔵の日本酒が一堂に会すので、日本酒好きならぜひ訪れたいお祭りですい。また、「食の都庄内」親善大使のシェフ4人が作る特別な寒鱈料理(700円)が食べられるスペシャルコーナーもあります。
〇遊佐鱈ふく祭り
鳥海山の麓の遊佐町で行われる「遊佐鱈ふく祭り」。ここで味わえるのは、他とはちょっと違う、寒鱈とふぐを味噌味で煮込んだ「鱈ふく汁」やたこの風味豊かな「たこめし」です。地元商店街の出店や抽選会、鱈の解体ショーなども開催されます。

旅の醍醐味の一つは地元の旬の郷土料理。ぜひ、日本海に面した山形ならではの冬の味覚を味わいに行きましょう!

■日本海寒鱈祭り

【住所】鶴岡市本町一丁目(銀座通り)
【電話番号】鶴岡銀座商店街振興組合0235-22-2202
【日本海寒鱈祭りへのアクセス】
・JR羽越本線鶴岡駅から自動車で約6分
・山形自動車道 鶴岡ICから自動車で約11分

■酒田日本海寒鱈祭り
【住所】酒田市中町ほか
【電話番号】地域創生部 交流観光課0234-26-5759
【酒田日本海寒鱈祭りへのアクセス】
・酒田駅から自動車で約3分または徒歩で約15分

■遊佐鱈ふく祭り
【住所】山形県飽海郡遊佐町吹浦字西浜2-72(マルチドーム触れんどりぃ)
【電話番号】遊佐鳥海観光協会:0234-72-5666
【遊佐鱈ふく祭りへのアクセス】
・JR羽越本線吹浦駅から自動車で約5分
・日本海東北自動車道 酒田みなとICから自動車で約30分

まとめ

冬の山形のおすすめ観光スポットを6か所紹介しましたが、いかがでしたか。山形の冬は積雪が多く寒さの厳しい季節ですが、この時期だからこそ楽しめるスポットを集めました。
雪や氷が織りなす絶景や身体の芯まで暖まる温泉、そして旬のグルメなど、冬の山形の魅力を余すことなく楽しんで下さい。山形の人々の温かいもてなしに触れれば、旅が終わるころには、身体も心もぽかぽかになっているでしょう!